「テックタッチ」のデジタルガイドで、細かな操作もしやすく
「テックタッチ」(https://techtouch.jp/)を開発・提供するテックタッチ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 CEO:井無田仲、以下 当社)は、兵庫県洲本市公式ホームページ内の行政手続きのオンラインサービス「くらしの手続きガイド」に、デジタルガイド(※)として「テックタッチ」が採用されたことをお知らせします。
※デジタルガイド:サイトやシステムそのものに手を入れることなく、Webサイトやシステムの良さを最大限に引き出すことができるソリューション。
操作画面上に使い方を表示することや、操作方法をステップバイステップで案内することができる。
利用者がストレスなく操作できるためのアシスト・分析機能などを総称した、官公庁・自治体ホームページ向けのサービス。
■導入の背景
洲本市は、淡路島の中央部に位置する、人口約42,000人弱(令和4年8月時点)を抱える自治体です。
同市のDX推進の指針である「洲本市DX推進計画」の重要施策として「行政手続きのオンライン化」を挙げています。その取組みの一つとして「ホームページ上で行政手続の機能を強化し、利便性とオンライン利用率を向上させることを重要視しています。
一方、市民から「ホームページ上で、行政手続きや行政サービスの情報を見つけづらい」との声が挙がっていました。
この解決策として、2023年5月に株式会社グラファー(以下、グラファー社)が提供する、行政手続きのオンライン化サービス「くらしのてつづき by Graffer」を導入して「くらしの手続きガイド」の構築を開始しました。構築が進むに連れ、「くらしのてつづき by Graffer」単体でも効果が得られるものの、「細かなシステム操作に苦戦してしまう市民もいるのではないか」「『操作が正しいか』といった市民の操作途中の不安を解消することで、便利なだけでなく、親切で温かみを感じられるサービスにしたい」との意見が職員から挙がり、「くらしの手続きガイド」の価値を最大化するための手段を検討していました。
URL:https://www.city.sumoto.lg.jp/
■導入の決め手
以下2点が評価され、「テックタッチ」が採用されました。
①IT知識にバラつきのある市民に対して、細やかな案内・操作支援を提供するデジタルガイド機能(※)を有する点
②コーディング知識のない職員でもデジタルガイドを設定・改善可能な、わかりやすいUIを有する点
「くらしの手続きガイド」を初めて利用する市民向けに使い方案内のガイドを表示
市民によく利用されるタグを常時表示し、他は「?」マークを触った時にのみ表示することで、市民が知りたい情報を探しやすく
市民の入力ワードに応じて、適切な手続きをピンポイントで案内
質問回答の前に、「回答内容は後から変更できる」旨を案内することで、安心して手続きできるよう利用者をフォロー
■洲本市 企画情報部 広報情報課 DX専門員 宮下 直哉 氏 コメント
洲本市のケースでは、「テックタッチ」のサービス申込から約10日でプロトタイプが完成しました。
構築に際して頂戴した的確かつスピーディなアドバイスは今まで経験したことのない高レベルなものでした。
「くらしの手続きガイド」はグラファー社が提供してくださっているサービスをベースにしているため、グラファー社との調整も不可欠でしたが、その点もうまく進めてくださり、大変感謝しています。
「くらしの手続きガイド」「テックタッチ」は、国のデジタル田園都市国家構想交付金を活用しています。
当該交付金の事業計画書の中で、有効性を高める工夫として、住民アンケート等のフィードバックをPDCAサイクルに反映(四半期ごとに高速回転)することとしており、今年の11月と来年の2月に分析・評価を実施します。
洲本市は、アジャイル型の進捗管理手法を採用しており、今後は機動的かつ柔軟にページの内容を改善・修正していきます。
分析にあたっては「テックタッチ」のシステム利用動向を可視化する機能も役立つものと確信しています。
※アジャイル型:スピーディーにサイクルを回し、モニタリング・効果検証をしながら、柔軟に見直し・改善を行っていく運用体制のこと。同市では、プロジェクトマネジメント協会(PMI)アジャイル認定実務者のもと、プロジェクトマネジメントツールを用い、関係者内での情報共有を効率的に実現している。
近年、自治体でのDXの取り組みが加速しています。
コロナ禍以降、各自治体が運営する公式ホームページは、住民にとっての重要な接点になるため、ホームページでの情報発信力や対応力の強化は重要となっています。
しかし、ホームページは階層が深かったり情報量が多いため、市民が知りたい情報にたどり着けず、ホームページ内で工夫されているQ&A(よくある質問と回答集)や便利機能に辿り着けずにページから離脱したり、疑問解消のために電話問い合わせが増え、窓口業務の効率化が課題になっている自治体が増えています。
神戸市役所では、ホームページによる情報発信に力を入れており、年間アクセス数は1.2億回にのぼります。
市民向けの情報はあまねく公式ホームページに掲載されているにもかかわらず、情報量が多いため、それぞれの利用者が欲しい情報を探しきれずに電話で問い合わせる場合も多く、問い合わせの効率化が課題となっていました。
特にコロナ禍以降、ワクチン接種等に関する問合せなど、問合せ電話量は増加しており、2021年度(平成31年度)には年間約27万件/年にまで増加し、電話応答率は約86%で、約14%の電話は対応しきれずに放棄されていました。
そのため、ホームページを訪れた市民1人1人のつまずきポイントを分析し、ホームページ上で各人に合わせた適切な案内をすることで市民の自己解決を促進し、電話問い合わせを減らせる解決策を探していました。
問合せ電話の削減のための対応策として、FAQページの実装や、AIチャットボットの導入などで、一定数の問合せ件数を減らすことには成功しました。
ただし、課題は依然として残っており、市民がホームページにおいて知りたい情報を取得する際に、目的の情報にたどりつくことをサポートするプロジェクトを、2022年、同市が運営する、地域・行政課題の解決を目的としたプロジェクト(Urban Innovation KOBE)内で立ち上げ、そのプロジェクトの実施主体の企業としてテックタッチを採用し、「テックタッチ」による試行導入、実証実験を、2022年12月~2023年2月の3ヶ月間実施しました(※)。
「テックタッチ」を利用し実証実験を行ったところ、問合せ件数の減少やFAQの認知度向上、利用を推奨している機能の活用率向上という点における効果を得ることができたため、「テックタッチ」を本格導入するにいたりました。
定量効果:
・問い合わせ件数40%削減(※)
・FAQ閲覧率2.3倍
・機能活用率1.8倍
ホームページの利用者がつまずきやすく、問い合わせが多いページへ「テックタッチ」の実装を進め、電話問合せの削減に繋げていきます。将来はホームぺージと連携している電子申請等にも拡大していき、住民サービス全体の品質向上に繋がるコミュニケーションのプラットフォームへ昇華させていくことを見込んでいます。
神戸市ホームページは年間で1億を超えるアクセスがあり、多くの方にご利用いただいています。一方で行政特有の表現のわかりにくさ、情報の探しにくさなどの面でご不便をおかけしている面もあります。デジタルの力でこれらの課題を解決し、将来的には来庁不要・電話不要で必要な手続きを行うことができる「デジタル市役所」の実現へ向けて、今後もテックタッチを有効に活用していきたいです。
「テックタッチ」が、宇都宮市と01Boosterが共同運営するアクセラレータープログラム「宇都宮アクセラレーター2021」のICT分野において採択されました。
「宇都宮アクセラレーター2021」は、宇都宮市と01Boosterが共同運営するアクセラレータープログラムです。
シード期からアーリー期のベンチャー企業や、新事業を立ち上げる第二創業などを対象に、地域の産学官金が一体となって事業成長の加速を支援します。
この取り組みにおいて、当社がICT分野において提案した『少子・超高齢化社会に必要な「ヒトにやさしい自治体DX」の実現』が採択されました。
本事業では、当社が提供する「テックタッチ®」を宇都宮市運営の市民向けサイト・システムに実装し、ITの操作に不安を感じている方でも簡単にシステムを操作できるようにすることで、市民の皆様がDXの恩恵を最大限に享受できる社会を目指します。
宇都宮市公式Webサイトに「テックタッチ®」のガイドを適用した画面
住民が利用する「宇都宮市電子申請共通システム」にて、実証実験を実施。
その結果、以下のような定量的成果につながりました。
1.ひとりあたりの操作時間を約63%削減
2.電子申請を活用する負担について、約88%のユーザーが心理的ハードルの軽減を実感(アンケート結果より)
3.入力画面におけるわかりやすさについて、約85%のユーザーがUI改善を実感(アンケート結果より)
「テックタッチ」で、デジタルデバイド対策への取組を強めたいと考えています。
行政から発信する情報は非常に多く存在しますが、その分利用者である住民や事業者は情報の取捨選択が必要となります。
テックタッチを用いることで、大量な情報の中でも最適な情報のところへ迷わず導いてもらう事ができます。
情報量は今後さらに増え続けていく一方、ITリテラシーの課題が解決しないと情報格差が広がってしまうばかりです。
行政としては情報格差をなくしたいと強くおもっているので、システムをリプレイスせずに簡単に課題を解決できる「テックタッチ」は、非常に有効活用できると考えています。
また、庁内システムにも活用することで、業務の効率化ができると考えています。
「行政DX」という言葉も広がり、デジタル化が進んでいるとはいえ、自治体の中には眠っている情報も相当数あります。
「テックタッチ」を活用することで、そのような情報にも簡単にアクセスできる仕組みを作れるのではないかと考えており、試してみたい取組のひとつです。