DAPでシステム活用を支援するテックタッチが主催し、2025年3月17日に「間接材調達業務領域分科会」が開催されました。本イベントは、調達・購買DXを推進する企業が、課題や解決策を共有し、相互に学び合うことを目的として企画し、当社からの呼びかけに応じて8社17名の調達部門担当者が集まりました。
本記事では、イベント開催に至った背景や、本田技研工業株式会社様、サントリービジネスシステム株式会社様による講演、グループディスカッションの様子など、当日の模様をレポートします。
記念すべき第1回では、本田技研工業株式会社福永様とサントリービジネスシステム株式会社上野様に登壇いただき、取り組み内容の共有が行われました。その後、参加者間で活発なグループディスカッションが展開されました。
冒頭、テックタッチ執行役員 VP of CS / Ops の垣畑より、オンボーディング支援に加え、顧客業務への深い理解に基づく支援を推進することが発表されました。
「DAP『テックタッチ』の活用を支援するためのカスタマーサクセスにとどまらず、顧客の業務フローや課題を詳細に把握し、お客様に価値をお届けできるように今回の分科会を企画しました。今回得られた知見・成功事例は、テックタッチ全体のナレッジとして蓄積し、組織全体のCS力向上に繋げ、今後のサービス開発や支援に役立てていきます」
続いて、早速、事例講演が始まりました。
本田技研工業株式会社様の取り組み:データ活用で調達を最適化
福永様は、調達業務の課題として、全国11拠点で分散していた購買業務の統一化を挙げ、2021年にOracleによる統一調達システムを導入。これにより購買データの一元管理とMRO購買の自動化が進みましたが、データの精度向上・プロセスの可視化・カテゴリ分類の最適化という新たな課題が浮上しました。
この課題に対応するため、「クリックセンス」を活用した支出データの可視化を推進。これにより、従来3ヶ月かかっていた集計作業を瞬時に完了できるようになり、購買分析の精度向上と戦略的な調達が可能になったことが語られました。
「企業競争力の向上が通過点であり、目標は間接材購買でベンチマーク組織になること」と述べ、最適な調達の実現、専門性の強化、組織力の向上、戦略的購買へのシフトを目指していることが強調され、皆深く頷いていました。

本田技研工業株式会社 福永 大輔様
サントリービジネスシステム株式会社様の取り組み:ガバナンス強化とコスト削減
サントリービジネスシステム上野様は、2021年に「e-SourcingMall(e-SM)」を導入後の
利用環境の整備と利用拡大に向け実施した推進活動について紹介しました。
間接材購買の共通システム導入により、購買データの一元管理と外部サービスとの連携が進みましたが、システムへの不慣れによる利用部門からの問い合わせが大幅に増加するという事態になりました。
この課題に対応するため、利用者のつまずきやすいポイントの多面的整理をDAP「テックタッチ」で推進。
継続したテックタッチの活用により、問い合わせ対応を9割削減できるようになり、システム利用の品質改善と業務効率化を実現することができました。
システム導入の初期対応が完了したことにより、その後コンサルティング企業と連携してコストカットも実施したことが語られました。
購買データの一元管理・相見積もりの最適化・問合せ対応工数の削減が実現し、適正な購買業務の推進にさらに取り組んでいることが紹介されました。

サントリービジネスシステム株式会社 上野 誠様
後半のグループディスカッションでは、参加者が3つのテーブルに分かれ、以下のテーマについて議論しました。
① 蓄積した購買データの有効活用
② バイヤーのKPI設定
③ バイヤー人材育成
④ サプライヤ管理
通常、調達に関する他社の取り組みを聞く機会は少ないですが、今回のワークショップを通じて他社の情報を知ることで「やはり、専門人材の育成や本質的なデータ活用についての取り組みの現在地は他社さんも近しいところがあるのだと思った」「部門のプレゼンス向上のための取り組みを聞いて、勇気をもらった」など、さまざまな発見があったようです。
そして、最後は懇親会。参加した企業様からは、「調達部門のプレゼンスをどう上げて成果を出すかについて他社の取り組みが勉強になった」「横の繋がりが少ないので嬉しい」などの声が聞かれました。
テックタッチは、今後も購買・調達の最前線で活躍する企業同士が知見を共有し、実践的な学びを深める場を提供していきます。また、営業、人事、経理など様々な業務部門ごとに分科会を実施する予定です。



