ロイヤルティプログラムとは?企業が取り組むべき施策と事例を紹介

SaaS事業者向け

競合との差別化や自社商品・サービスの継続利用を目的として、ロイヤルティプログラムを導入する企業が増加しています。しかし、具体的な施策についてはよくわからない、という企業も少なくないでしょう。そこで、ロイヤルティプログラムについて、概要、実施により得られる効果、主な種類や手法、実際の成功事例などを紹介します。カスタマーサクセス担当者で新たな施策を検討している際にはぜひ、参考にしてください。

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ロイヤルティプログラムとは?

ロイヤルティプログラムとは?

ロイヤルティプログラムとは、顧客獲得効果をねらい、購入頻度や金額の多い顧客を優良顧客と定義して、一般顧客とは異なる手厚いサービスや特典を提供する施策です。優良顧客に対し、割引サービスやクーポンの配布をするシンプルな施策もありますが、一般的には、特別な顧客だけに提供する良質な顧客体験が主となります。具体的には、展示会への招待、新商品の無料試用版提供などがあります。

割引やクーポンも顧客獲得には一定の効果があるでしょう。しかし、競合から同品質低価格の商品が出ればそちらに乗り換えられてしまうリスクが少なくありません。そのため価格だけではなく、自社や自社商品の魅力を理解し、愛着や信頼感を持って利用してくれる優良顧客を増やすための施策がロイヤルティプログラムです。

ロイヤルティプログラムの実践も含め、顧客ロイヤルティを高めるための施策については、「顧客ロイヤルティとは?向上させるための取り組みやポイント」をご覧ください。

ロイヤルティプログラムの効果や重要性

ロイヤルティプログラムの効果や重要性

愛着や信頼感を持って自社の商品やサービスを利用する顧客が増えることで、どのような効果が得られるのでしょう。ロイヤルティプログラムの効果と重要性を紹介します。

ロイヤルティプログラムの実施により得られる効果

  • 顧客満足度の向上
    自社もしくは自社商品に対する顧客満足度が向上します。その結果、例えばSaaSビジネスであれば解約率が下がり、LTVの向上も期待できるようになるでしょう。

LTVついては、「LTVとは?計算方法やLTV向上を実現させる方法を解説」をご覧ください。

  • 新規顧客獲得の成功率向上
    自社商品・サービスの解約率が下がれば、それをアピールポイントとして新規顧客獲得につなげることが可能です。一般的に、新規顧客獲得は既存顧客の維持に比べ相当な手間とコストを要するため、新規顧客獲得の成功率向上は、企業にとって大きなメリットといえるでしょう。
  • アップセル・クロスセルの成功率向上
    自社に愛着や信頼感を持つ顧客が増加すれば、自社の別の商品またはサービスへの関心も高まります。アップセルやクロスセルの成功率も向上し、利益増大も期待できるようになります。

ロイヤルティプログラム実施の重要性

ロイヤルティプログラムを実施する重要性として大きいのは、価格競争に陥るリスクの低減です。前述したように割引を行うケースもありますが、ロイヤルティプログラムの本質は、特定の顧客しか得られない良質な体験の提供です。

価格重視の顧客ばかりでは、価格競争が過熱してしまい、企業の体力が削られてしまいます。自社に愛着と信頼感を持つ顧客を増やすことで、長期的な関係性を構築できる顧客の獲得が可能になるでしょう。

また、ロイヤルティプログラムの実施は、新規顧客だけではなく、既存顧客を重視して丁重に接するという企業ブランディングにもつながります。これにより、企業イメージの向上が見込めます。

さらに顧客だけでなく、採用活動にも良い影響を与える可能性もあります。働きがいが求められる時代においては、顧客を大切にする企業文化に共感する優秀な人材を獲得できる可能性が高まることも考えられます。

ロイヤルティプログラムの主な種類や特典

ロイヤルティプログラムの主な種類や特典

ロイヤルティプログラムにはさまざまな種類があります。ここでは、主な種類や特典を紹介します。

ロイヤルティプログラムの種類

  • ポイント型
    購入回数や金額などによりポイントを付与し、ポイント数に応じて特典を提供する方式で、「JALマイレージバンク」、「ANAマイレージクラブ」などが代表的な例です。商材にもよりますが、BtoBビジネスでは1回の購入金額が大きいケースが多いため、購入回数よりも購入金額でポイントを付与するケースが多いでしょう。
    また、ポイントは購入回数や金額以外にセミナー参加、ホワイトペーパーダウンロード、メールマガジン登録、SNSのフォローなどで付与する形式もあります。
  • 階級型
    ポイント型と同様に、購入回数や金額、そのほかの条件でポイントを付与し、いくつかの階級に分類して特典を提供する方式で、「楽天ポイントクラブ」のランク特典が代表的な例です。
    一定期間での利用回数や時間などで階級分けする方法にすれば、ポイント型よりも継続利用のメリットが大きいため、SaaSビジネス向きといえます。
  • 有料型
    顧客が商品代金以外に料金を支払って特典を受ける方式で、「Amazonプライム」、「AppleCare+」などが代表的な例です。支払い形態としては、年間で一定の金額を支払う、最初に1回だけ支払う、商品代金に上乗せして支払うなどの方法があります。

ロイヤルティプログラムの主な特典

  • 自社商品に関連した特典
    ブランドグッズや有料で提供しているオプションの無償提供、新商品の優先購入権、新商品発表会への招待、購入品の無償修理・交換などが挙げられます。特別な体験、商品・サービスの良さを再確認することにつながり、愛着や信頼感を深めるのに効果的です。
  • 自社に関連しない特典
    マイレージポイント、Amazonギフトカードなど、自社商品・サービス以外の付加価値を提供します。認知度が高く、汎用性が高い特典ほど喜ばれるでしょう。
  • 社会貢献につながる特典
    購入金額の一部を福祉やチャリティに寄付する、森林保護や海洋汚染対策に使うなど、自身の支払った代金の一部が社会貢献につながる特典です。企業理念に沿った社会貢献を行うことで、それに共感する顧客を集めることが可能です。
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ロイヤルティプログラムの成功事例

ロイヤルティプログラムの成功事例

実際にロイヤルティプログラムを実施し、成功している事例を紹介します。BtoC企業の事例ですが、顧客理解や顧客接点の増加などがポイントです。顧客とかかわっていくことの重要性はBtoCもBtoBも同様で、BtoBビジネスにも通じるところがあるでしょう。BtoB企業の方も参考にしてください。

スターバックスの事例

大手コーヒーチェーン「スターバックス」が提供する「スターバックスリワード」は、1040万人(2022年10月31日現在)の会員を持つプログラムです。購入金額によりポイントがたまり、好きなドリンク、フード、コーヒー豆などとの引換ができます。

「スターバックスリワード」の特徴は、単純に引換ができるだけではありません。コーヒー豆を購入した顧客に対し、味の感想やいれ方のポイントなどを自身で書き込めるスタンプを表示する機能「マイコーヒーパスポート」を提供しています。また、事前注文(モバイルオーダー&ペイ機能)によって並ぶ時間や支払う時間をなくして、店員とのコミュニケーションを図る時間を創出しています。これらによる、良質な体験の提供も重視しています。

YEBISU BAR アプリの事例

ビアホール「銀座ライオン」や「YEBISU BAR」などを運営する株式会社サッポロライオン(以下同社)の事例です。同社はもともと、店舗で会計時に会員カードを提示することにより、値引きクーポンを発行するプログラム「club LION」を提供していました。

しかし、「club LION」では会計にかかわった(支払いをした)会員からしか情報を収集できないという課題があったため、2018年5月から新たに「YEBISU BAR アプリ」を導入しました。その結果、アプリから注文するごとに付与される電子スタンプ数に応じて特典を提供することで、多くの顧客との接点を持てるようになりました。このアプリは、アンケートや新商品の告知、スタンプのランキング表示といった機能も実装し、顧客維持やマーケティングなどに活用されています。

MUJI passportの事例

株式会社良品計画が運営する店舗「無印良品」が提供するロイヤルティプログラム「MUJI passport」は、購入金額に応じてマイル(ポイント)がたまり、有効期限付きのポイントを付与するものです。顧客側はポイントのほか、商品や店舗の検索が簡単にできるようになるメリットを得られます。

店舗側のメリットは、愛着度の高い顧客のデータ収集が可能になる点です。具体的には、顧客の実店舗の来店、オンラインで商品の選択・購入・使用をしている時間の把握などが可能です。

ANAマイレージクラブの事例

ANA X株式会社が提供するロイヤルティプログラム「ANAマイレージプログラム」には、「フライトや旅行でためる・使う」方法と「日常生活でためる・使う」方法があります。

貯蓄・利用できるのは自社の航空券だけではなく、外食・日用品・保険、レンタカー、不動産など多岐にわたり、「マイルで生活できる世界」の実現に向けて取り組んでいます。

これらの事例では、顧客とのやりとりをスムーズに行うことや、顧客との接点を増やすこと、もしくは顧客情報を収集して生かしていくなどの取り組みが見られます。例えば顧客向けセミナーの開催や、商品・サービスの活用事例を紹介するなど、顧客との信頼関係強化につながる施策は、BtoBビジネスにおいても応用可能です。ただし、BtoBビジネスにおいては顧客の企業規模や理念、企業風土などによって最適な対応が変わります。顧客に応じた柔軟な施策を展開することで、関係性を築いていきましょう。

カスタマーサクセスの施策としてロイヤルティプログラムの活用を

カスタマーサクセスの施策としてロイヤルティプログラムの活用を

ロイヤルティプログラムとは、購入回数や金額などで自社に深くかかわる顧客に対し、ほかの顧客とは異なる手厚いサービスを提供する施策です。自社に愛着や信頼感を持ってもらえ、長期的な関係性の構築に大きく貢献する施策といえるでしょう。

ロイヤルティプログラムで提供するサービスは、割引やクーポンといった金銭的な特典だけではなく、新商品の優先購入権や展示会招待といった、良質な顧客体験の提供が主です。競合との価格競争を避けられるうえ、差別化にもつながります。

顧客ロイヤルティの向上を図るには、重要な顧客接点であるカスタマーサクセス対応の品質を安定させることも重要でしょう。しかし、新規人材は熟練の社員と比較すると、どうしても対応の質が落ちてしまいがちです。そんなときは、カスタマーサクセスで扱うシステム・ツールの習得支援もおすすめです。カスタマーサクセスで扱うシステム・ツールを誰でも使いこなすことができれば、顧客対応の品質が安定します。

WEBシステムやツール上にデジタルガイドを表示させられる「テックタッチ」を活用すれば、カスタマーサクセスの実務で使いながら操作を学べ、教育担当者に負担をかけずにシステム・ツールの習得支援が可能です。デジタルガイドの作成もプログラミング知識不要のため、プログラマーにも負担はかかりません。ロイヤルティプログラムを検討しているのであれば、ぜひ、「テックタッチ」を活用してみてはいかがでしょう。

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