IT(情報システム)コスト削減はどうやってする?実現する方法や事例を紹介

SaaS事業者向け

ITコスト削減は、企業の収益向上に直結する重要な課題です。「企業IT動向調査報告書 2024」によれば、IT予算は売上高の平均2.1%を占めます。売上額が1億円相当の企業では、年間200万程度のIT(情報システム)コストが掛かっている計算です。とはいえ、ITコストを掛けているのに思ったような効果を実感できず、「ITコストをできるだけ削減したい」と頭を悩ませている方も少なくありません。

この記事では、ITコストとは何か、具体的なITコストの削減方法から注意点まで解説します。コストカットに成功した事例や、コストを抑えてシステム改修のできるツールについても紹介しますので、あわせてご参照ください。

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IT(情報システム)コストとは

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IT(情報システム)とは、企業が情報システムを導入・運用するためにかかる費用の総称です。主に、直接コストと間接コストの2種類に分けられます。ここでは、IT(情報システム)コストとは何か、それぞれ解説します。

・直接コスト:IT設備の導入や運用、外部委託などに掛かるコスト
・間接コスト:スタッフの人件費や教育費、コミュニケーション対応に掛かるコスト

直接コスト

ITの直接コストとは、IT設備の導入や運用、外部委託にかかる費用を指します。具体的には、「サーバーやパソコンなどのハードウェア」「ソフトウェアの購入費」「保守費用」「クラウドサービス利用料」などが含まれます。たとえば、オンプレミス環境でサーバーを運用する場合、サーバー本体の費用(数百万円〜)に加えて、電気代や冷却費用、保守費用などがかかります。

また、ソフトウェア利用に関しても、Microsoft Officeなどの業務用ソフトウェアのライセンス費用や、会計ソフトや顧客管理システムなどの「業務システムの導入費用」などが直接コストに含まれます。

間接コスト

ITの間接コストとは、自社スタッフの人件費や教育費、システム運用のための場所代、さらにはコミュニケーションコストなどを指します。また、システムトラブル対応のために残業が発生した場合、その残業代も間接コストに含まれます。システム運用のためのオフィススペースの賃料や人件費だけでなく、「システムに関する問い合わせ対応」「情報共有にかかる時間」などの顧客対応も間接コストとして計上されます。

直接コストと比べて見落としがちですが、ITシステムにおける間接コストもまた、削減の余地が十分残されている領域です。

ITコスト削減の3つの実現方法

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ITコスト削減の実現方法として、代表的な手法は下記のとおりです。ここでは、代表的なITコスト削減の方法を、具体的な事例を交えて紹介します。

1.契約ベンダーの整理
2.新しい技術や設備の導入
3.システム改修をノーコードで行える「テックタッチ」

1.契約ベンダーの整理

複数のベンダーと契約している場合、サービス内容が重複していたり、不要なサービスが含まれている可能性があります。契約内容を見直して整理すれば、ITシステムに掛かる「直接コスト」を削減できます。たとえば、複数のクラウドサービスを利用している場合、似通ったシステムの同一提供者サービスに統一するだけで、利用料を削減できるケースも少なくありません。

契約ベンダーや月々のコストなど、「利用しているサービスから重複しているものがないか」「あまり利用されていないサービスがないか」「他社サービスで代替・低コストに乗り換えできそうなものがないか」と振り返れば、ITの直接コスト削減を実現しやすくなります。

2.新しい技術や設備の導入

ITコストの削減を実現するのに役立つ手法のひとつが「設備の導入」や「新しい技術の採用」です。最新技術や設備の導入で初期費用こそかかってしまうものの、設備の適正化を図れば業務効率化を実現しやすくなり、相対的な人件費削減など「間接コスト」を大きく減らせます。初期費用が課題の場合は、リースなどの利用も視野に入れて設備の適正化を図ることが大切です。また、仮想化技術などの導入によって自社サーバー台数を削減し、ハードウェアコストや電気代を削減する手法も存在します。

ほかにも、RPA(Robotic Process Automation)などの導入によって一部定型業務を自動化し、残業代や人件費を削減するのも選択肢のひとつです。

3.システム改修をノーコードで行えるテックタッチ

システム改修などをその都度エンジニアに依頼していると、工数や手間、人件費などが多く掛かってしまいます。そこでおすすめなのが、システム改修をノーコードで行える「テックタッチ」です。テックタッチは、システム上にツールチップなどを表示して、ユーザー行動を改善できるツールです。ノーコードで行えるため非IT人材でも操作しやすく、現場担当者レベルで顧客の声を即時反応させられます。

そのため、システム開発など外部委託をする手間もなくなり、改修に掛かるITコストを大幅に削減できるのが特徴です。社内ポータルサイトの更新や自社システムの改修など、外部に依頼していた作業を内製化しやすく、コスト削減だけでなく迅速な対応も行えます。さらに、システム利用状況を分析する機能も搭載しているため、ピンポイントで改修が行えるのもメリットです。システム開発などの直接的なITコストを削減できるほか、ユーザー行動を改善して問い合わせ件数の削減も実現できるため、顧客対応といった間接的なITコスト削減も実現できます。

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ITコスト削減に取り組む際の注意点

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ITコスト削減を実現する手法があるとはいえ、段取りもなく実施してしまうのはおすすめできません。ここでは、ITコスト削減に取り組む際の注意点について解説します。

・事前のシミュレーションを行う
・費用対効果を考慮する

事前のシミュレーションを行う

ITコスト削減の施策を実施する前に、必ずシミュレーションを行うことが大切です。削減できるITコストだけでなく、「業務への影響」「導入・運用の効率」「コミュニケーションコストの増大」など、多角的な視点で検討するのをおすすめしますたとえば、クラウドサービスへの移行を検討する場合、事前に移行にかかる費用や期間、移行後の運用コストなどを試算して総合的に判断する必要があります。

加えて、新しいシステムに移行することで社内の業務フローが変わるため、マニュアル整備やシステムの定着支援などにも取り組まなければなりません。ほかの業務に負担が転嫁したり、期待していたような効果を得られなかったりするため、ITコスト削減のつもりが逆効果になってしまう事例も見られます。確かな取り組みでITコストの削減を実現するためにも、事前にシミュレーションを行ってどのようなコスト変化が起こるか、比較検討するのをおすすめします。

費用対効果を考慮する

間接的なITコストの削減には、IT機器の導入や体制の再構築など、初期費用がかかる施策もあります。そのため、費用対効果を十分に考慮したうえで、長期的な視点でプロジェクトを進める取り組みが重要です。高価なシステムを導入しても、その効果が限定的であれば、投資に見合う成果は得られません。導入前に期待される効果と費用を比較検討し、本当に必要な投資かどうかを見極める必要があります。

また、コスト削減施策を実施した後も、定期的に効果測定を行い、必要に応じて改善策を講じることで、継続的なコスト削減を実現できるのもポイントです。サブスクリプションで提供されるツールなどは定期的な費用対効果の検証をおすすめします。追加コストは掛かってしまうものの、必要に応じてITシステムの乗り換えなどを検討するのも選択肢のひとつです。

ITコスト削減に成功した事例

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株式会社オープンハウス・アーキテクト

株式会社オープンハウス・アーキテクト様では、社内基幹システムの運用において、いくつかの課題を抱えていました。システム変更をメールで周知しても読み飛ばされてしまったり、社内ルールの変更が起こるたびにシステム上の改修が必要で開発コストが掛かったりする点を問題視していたといいます。そこで、ノーコードでシステム画面上にツールチップを表示できる「テックタッチ」を導入しました。

ノーコードのためシステム改修も必要なく、画面上に直接ナビゲーションを表示できるため、課題が出れば迅速に解決できるように。システム面を開発・改修する必要がなくなり、ユーザーへの説明・周知も簡単に実現できるなど、「直接的なITコスト」「間接的なITコスト」の双方を削減することに成功したといいます。一部の入力欄では10%程度だった入力率も、テックタッチ導入後はほぼ100%まで向上。さらに、一部の不具合もツールチップの設置によって、トラブル対応にかかる時間を80%も削減に成功したと述べられています。外注による直接的なITコスト削減と共に、コミュニケーション等の間接コストまで削減に成功するなど、テックタッチによってITコストの大幅な削減に成功しました。

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日本電気株式会社(NEC)

日本電気株式会社(NEC)グループのNECソリューションイノベータでは、異動などの時期になると問い合わせや引っ越し手続き件数が増大し、スタッフがシステム対応に追われて本来の業務に注力できない課題がありました。1日に80件を超える問い合わせの電話があり、電話対応を激減させる方法を模索していたといいます。

そこで、AIを用いたチャットボット&自動応答システムを新規に導入。架電による問い合わせ件数が激減し、年間で約4.7億円ものオペレーションコスト削減に成功しました。チャットボットによる業務効率の改善効果によって、多くの社員がDX化による恩恵を体験できたため、DXに向けた意識改革・組織変革としても良いテーマだったと述べています。

株式会社パルコ

株式会社パルコは、老朽化したテナント管理システムを抱え、法改正への対応や業務効率化に課題を抱えていたといいます。そこで、アビーム不動産ソリューション「ACRES」を導入し、システムと業務プロセスの抜本的な改革に乗り出しました。POSシステムとの連携など、最新の機能を搭載したクラウド型の新システムを構築。不動産業界のノウハウを活かし、業務プロセスも刷新しました。

その結果、システム更新の手間やメインフレームが不要となり、大幅なコスト削減の実現に成功。稟議情報や契約情報、賃料計算の一元管理が可能となり、法改正で求められる厳密な契約管理にも対応できるようになりました。さらに、自動化の推進により入力ミスが減少し、現場スタッフの労働環境も大幅に改善。システム刷新は、ITコストの削減だけでなく、業務効率化と従業員満足度向上にも貢献しました。

オリンパス株式会社

オリンパス株式会社はグローバルな事業拡大に伴ってITの投資先評価に課題を抱えており、ITコストの可視化・評価と、最適な予算配分を実現するプロセス構築の課題に直面していたそうです。この課題を解決するため、オリンパスは国内から着手して海外へ展開する形で、既存のITコスト分析と新たな投資評価フレームワークの構築を行いました。投資タイプ別に評価基準を定義し、各投資案件を点数化する「IT投資ポートフォリオ評価フレームワーク」によって、数値に基づいた意思決定を可能にする画期的なシステムを構築しました。

この取り組みの結果、国内外でシステムに基づいた意思決定が定着し、ITコストのコントロールを実現しました。さらに、明確な論点に基づくスムーズな意思決定が可能となり、ITコスト削減と積極的な投資の両立という理想的な環境を実現できたといいます。オリンパスの事例は、IT投資の最適化が事業拡大の基盤となり得ることを示す好例と言えるでしょう。

ITコスト削減のまとめ

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ITコストには「直接コスト」と「間接コスト」があり、企業として収益性を向上するうえで、どちらもコスト削減に関する取り組みが欠かせません。ITコストを削減するには、契約しているサービスが重複していないか振り返ったり、ノーコードでシステムを改修できるツールを導入するのがベストです。もし、「ITコストを削減しつつ自社プロダクトを改善したい」とお考えの場合は、ノーコードでシステム上にツールチップを表示できる「テックタッチ」をご検討ください。ITスキルに自信のない方でも扱えるツールで、簡単にナビゲーションなどを実装できます。

そのため、「小さなシステム改修でも外注費がかかる」「エンジニアとのコミュニケーションや完了までの工数がかかる」といった問題も容易に解決できます。ナビゲーションの導入によってトラブル対応の件数を80%近く削減した実績もあり、「ITシステム改修の直接コスト」「顧客対応やフォローアップの間接コスト」といった課題も解決できるのが魅力です。現状のITに掛かっている費用を低コストになるよう削減したいとお考えの方は、ぜひお気軽にテックタッチまでお問い合わせください。

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