【SaaS向け】カスタマーサクセスのオンボーディングとは?

SaaS事業者向け

カスタマーサクセスでのオンボーディングとは、新規顧客に対して操作や活用方法の説明など、活用・定着に向けたサポートをすることです。
オンボーディングを実施すれば、顧客満足度の向上やチャーンレートを低減から、LTV向上、CS業務の効率化など、カスタマーサクセスのさまざまな課題を解決でき、以下のメリットが得られます。

本記事では、SaaS向けのカスタマーサクセスにおけるオンボーディングについてです。
オンボーディングの概要や重要視されている3つの理由、実施方法などについて解説します。オンボーディングについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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オンボーディングとは?

オンボーディングとは?

オンボーディングは、もともと目的地まで飛行機や船に乗るという意味がある言葉です。
現在では、おもに人材育成カスタマーサクセスの2種類で使われます。
人材育成では早期離職の防止や社員満足度の向上が期待でき、カスタマーサクセスでは早期解約防止やLTV(顧客生涯価値)最大化などが可能です。
ここからは、以下について詳しく解説します。

・カスタマーサクセスでのオンボーディングとは
・オンボーディングとアダプションの違いとは

カスタマーサクセスでのオンボーディングとは

カスタマーサクセスでのオンボーディングとは、新規顧客に対して操作や活用方法などを説明し、自走できるようになるサポートをするフェーズのことです。

操作方法がわからなかったり複雑だったりすると、顧客は使いづらさを感じ、早期解約につながるケースがあります。
機能を使いこなせず顧客が期待する効果を得られなかったり、サポートが悪いなどとベンダーに対して不満を抱く可能性があるため、オンボーディングの実施は重要とされています。

オンボーディングのメリット
1. 短期間で操作に慣れる
2. 早期に成果が上がる
3. 顧客満足度が向上
4. 早期解約の防止
5. LTVの最大化

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オンボーディングとアダプションの違いとは

オンボーディングと混同されがちな言葉に「アダプション」がありますが、オンボーディングとアダプションでは実施するフェーズが異なります。

前述の通り、オンボーディングは新規の顧客に対しプロダクトにおける操作方法の理解を促し、自走できるようにするフェーズです。
一方、アダプションはプロダクトなどの導入後、本格的に業務で運用・活用し定着化させるフェーズを指し、オンボーディングの次の段階で実施されます。

アダプションでは、顧客からヒアリングした活用状況や収集したデータをもとに、顧客がより成果を得られる提案などを実施。
活用が促進され顧客満足度が向上すれば、長期契約やアップセル・クロスセルなどによる売上向上につながります。

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オンボーディングが重要視されている3つの理由

オンボーディングが重要視されている3つの理由

近年、顧客が自社のプロダクトなどの利用を開始し、取引終了までに得られる利益であるLTVの最大化に向け、カスタマーサクセスが重要視されています。
カスタマーサクセスは、以下の4フェーズにわけて管理するのが一般的で、オンボーディングは導入期から運用期へのステップアップをサポートします。

カスタマーサクセスのフェーズ
導入期 → 運用期 → 活用期 → 定着期

当然ですが、導入期から運用期へのステップアップに失敗した場合、その後の活用期・定着期には移行できず、解約につながります。
オンボーディングは、早期解約を防止できるか否かやLTVに影響をあたえます。また、オンボーディング時は顧客と密に連携する機会も多く、信頼関係を築ければプロダクトの長期利用だけでなくアップセル、クロスセルも可能です。

ここからは、オンボーディングが重要視されている以下3つの理由について詳しく解説します。

・プロダクトの理解とサービス利用の促進
・ユーザーエンゲージメントの向上
・チャーン防止と顧客満足度の向上

プロダクトの理解とサービス利用の促進

オンボーディングの実施は、顧客のプロダクト理解とサービス利用の促進につながります。プロダクトに関する「特徴」、「強み」、「弱み」、「機能」、「操作方法」などを含め、何ができて何ができないかが明確になり、問い合わせの削減につながるケースもあります。

問い合わせ数が減少すれば、営業・カスタマーサクセス担当者の工数削減も可能です。
また、顧客がプロダクトの適切な利用方法を理解し、早期利用・定着にもつながります。

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ユーザーエンゲージメントの向上

オンボーディングの実施は、ユーザーエンゲージメントの向上にもつながります。
SaaSプロダクトは、導入フェーズでは以下のようなストレスがかかる場合があります。

ユーザーがストレスを抱えるケース
・操作方法がわからない
・使いにくい
・思うように機能が使えない
・期待する成果が出ない など

上記ストレスを解消できなければ、早期の解約につながり顧客獲得コストが無駄になってしまいます。しかしながら、プロダクトへの期待値が大きいのも導入段階です。
オンボーディングにより導入期から運用期へスムーズに移行できれば、顧客満足度が向上し長期利用につながるとともにLTVの最大化が可能です。

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チャーン防止と顧客満足度の向上

オンボーディングにはチャーン防止と顧客満足度の向上につながる効果もあります。
ちなみに、チェーンとはサブスクリプションなど顧客の利用継続を前提としたサービスを解約することです。導入期に正しくプロダクトについて理解してもらえれば、早期のチェーン回避が可能です。

また、丁寧なサポートは顧客満足度の向上につながり、信頼も獲得できます。
一方、導入段階でオンボーディングが実施されず、顧客がプロダクトを使いこなせない場合、サポートがないもしくは悪いなどの理由からチェーンにつながるケースも。
顧客満足度が向上すれば、アップセルやクロスセルの機会を創出できる可能性もあります。

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カスタマーサクセスにおけるオンボーディング実施方法

カスタマーサクセスにおけるオンボーディング実施方法

オンボーディングを実施する際は、事前に計画を立て順序良く進めなければなりません。
ここからは、カスタマーサクセスでのオンボーディングにおける以下の実施方法について詳しく解説します。

・目的を明確にする
・届ける情報とタッチモデルを検討する
・オペレーション実施しPDCAを回す

目的を明確にする

まず、オンボーディングを行う上での目的を明確にするのが大切です。目的が明確にならなければ、何をどのような方法で提供すれば良いのかが明確になりません。
ユーザーが自走している状態を、定量・訂正目標などに落とし込み具体的に設定するのが重要です。
また、目標が明確になれば、そのプロセスを測る指標となる以下などのKPIを設定するのがおすすめです。

KPI項目 内容
完了状況 初期設定の完了状況(割合やフェーズ)
完了時間 初期設定が完了するまでの時間
利用回数 各機能を利用できている回数
利用時間・利用頻度 プロダクトの利用時間と利用頻度
アクティブユーザー数 利用頻度が高いユーザーの数

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届ける情報とタッチモデルを検討する

続いて、ユーザーに届ける情報と以下のタッチモデルを検討します。

ハイタッチ
顧客ごとに担当者がつき、マンツーマンで個別サポートする方法です。訪問や定期的な面談などを通じ、手厚いサポートができます。

ロータッチ
セミナーや勉強会などを開催し、1対複数でサポートする方法です。ハイタッチほど工数をかけずにオンボーディングの実施ができます。

テックタッチ
ヘルプページの作成やポップの表示、チャットボットなどを活用する方法です。テクノロジーやツールを活用するため、少ない工数で多くの顧客に対し、オンボーディングを実施できます。

ハイタッチであれば、個社別に充実したサポートが可能で顧客満足などの向上が見込まれる一方、多くの手間やコストがかかります。
テックタッチはもっとも手間がかかりませんが、顧客の満足度が下がるケースも。

通常、多くのLTVが想定される顧客はハイタッチにするなど、想定されるLTVなどで顧客をセグメントし、どのタッチモデルで対応するかを決定します。
また、まずはハイタッチで対応し、徐々にロータッチやテックタッチに切り替えるケースもあります。

≫≫ ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチとは?実施の方法とポイントを解説

オペレーション実施しPDCAを回す

ゴールや手法を決定したら最後に実行します。
実行後は必ず成果を確認し、結果を分析した上で、改善策を検討するPDCAを回すのが大切です。はじめから想定通りの結果や効果を得られるケースは多くありません。ユーザーの課題や問題点を洗い出し、改善し続けるのがおすすめです。

オンボーディング実施で重要なポイント

オンボーディング実施で重要なポイント

オンボーディングは適切に行わなければ、期待する効果を得られません。
ここからは、オンボーディングの実施で重要な以下のポイントについて詳しく解説します。

・顧客の現状分析と課題の把握
・オンボーディング成功定義の明確化
・顧客との定期的なコミュニケーション

顧客の現状分析と課題の把握

オンボーディングを実施する際は、顧客の現状分析と課題の把握が欠かせません。
各顧客により以下が異なるため、すべての顧客に対し同一の方法・内容で情報提供をしても成果が出るとは限りません。
ヒアリングやデータ分析により顧客の現状分析と抱える課題の把握が必要です。
課題を正確に把握できれば、各顧客に合わせた適切なサポートができます。

顧客の課題把握項目
・導入目的
・利用方法
・利用する機能
・抱える課題
・ITリテラシー など

オンボーディング成功定義の明確化

先ほど解説した通り、オンボーディングにおける成功定義の明確化も重要です。
成功定義が明確でなければ、何の情報をどのように伝えれば良いかなどの支援方法が定まりません。
また、オンボーディングを実施しても、ゴールがなければいつまでサポートすれば良いかも不明確になります。
どのような基準をもとに成功か否かを判断するか、どのような状態を目指すかを明確に決める必要があります。

顧客との定期的なコミュニケーション

ハイタッチモデルでオンボーディングを実施する場合は、顧客との定期的なコミュニケーションも重要なポイントです。
定期的に顧客とコミュニケーションを取り、使い心地やサポートが必要か否かを確認すると効果的です。

また、顧客によってはサポートしている期間に、使い方や重視するポイントが変わる可能性もあるため、併せて確認するのがおすすめです。
認識がずれると顧客の不満につながるケースもあるためご注意ください。
製品・サービスを提案する場合は、ヒアリングだけでなく「使い方だけでなく活用方法」や「使うことによって得られるメリット・デメリット」も伝えるのがおすすめです。

オンボーディングツールならTechTouch

オンボーディングツールならTechTouch

オンボーディングツールは、多種多様なベンダーがさまざまなツールを開発・提供していますが、TechTouchの導入・利用がおすすめです。
TechTouchは、ユーザー数が300万人を突破しDAP市場国内シェア連続No.1のオンボーディングツールです。
以下の機能により「オンボーディングの効率化」、「問い合わせ数の削減」、「チャーンレートの低減とアップセルを増大」、「ユーザー行動の分析にもとづくユーザー起点のUI/UX改善」を実現しています。

TechTouchのオンボーディングツールには主に以下の機能があります。

デジタルガイド
ステップ・バイ・ステップの操作ガイドや、入力ルールを示すツールチップを展開する機能です。
吹き出しやポップアップ、選択分岐などの多様なガイドで顧客の操作をサポートします。
ガイドは日時や期間、ブラウザ・デバイスなどの顧客環境に応じた出しわけもでき、最適なガイドを最適なタイミングで提供可能。
さらに、用語説明や入力ルールなどのヒントや説明を画面上の任意の箇所に設置できます。

NPS計測
顧客へのNPSアンケートにより、顧客ロイヤルティや満足度を計測できる機能です。
11段階の詳細な顧客評価と自由回答の収集により、顧客ロイヤリティ度合いの把握などが可能です。
収集されたアンケートは、リアルタイムに集計されるため、迅速な顧客アプローチができます。
また、特定の顧客やグループ、指定した人数へのアンケート収集が可能で、任意の場所への設置や表示タイミングの指定も可能。

利用分析
顧客のシステム利用動向を可視化し、活用されていない機能や非効率な操作を分析・発見する機能です。
顧客のシステム利用頻度や利用時間・利用機能、導入したガイドにおけるツールチップの利用回数や利用ユーザ数・利用トレンドを確認できます。
また、顧客の離脱ポイントを探れるため、適切なガイド設置などに役立ちます。

ちなみに、TechTouchはプログラミングせずともナビゲーションの作成や修正が可能です。
専門的な知識・スキルが必要なく、非エンジニアでもプロダクト改善に取り組めるため、開発工数を削減できます。
ここからは、実際にTechTouchを導入し成功した以下の事例について詳しく解説します。

・問い合わせ数を80%削減できた成功事例
・より精度が高いサポートを実現した事例
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問い合わせ数を80%削減できた成功事例

TechTouchを活用し問い合わせ数を80%削減できた一社がワスド株式会社です。
ワスド株式会社では、店舗における顧客からの問い合わせ対応を効率化し、売上げアップやコストダウンを支援する「デジちゃいむ」を開発・提供しています。
従来、デジちゃいむは営業担当者が操作説明を行いトライアル後、本導入の流れを取っていました。

ただ、中には営業担当者とスケジュールが合わない顧客がおり、その場合顧客の温度感が下がってしまう課題を抱えていました。また、デジちゃいむ事業が順調に伸び、導入社数・導入施設が増えたため、「新規顧客のオンボーディング対応や既存顧客からの問い合わせ対応をどのように行えばいいのか」「将来的に想定される営業・カスタマーサクセス担当者の工数ひっ迫」などの課題がありました。

そこで、TechTouchの導入を決定。導入後のオンボーディングの一部をTechTouchに代替し、オンボーディングの対応時間が半減しました。
また、顧客従業員への説明にも時間がかかっていましたが、顧客自身が従業員へ説明をしてくれるようになり、顧客店舗に行かなくともオンボーディングを行えるケースが増加。
さらに、問い合わせ傾向を分析し、発生しやすい部分に優先的にツールチップを設置したため問い合わせが減り、月あたりの問い合わせ数が80%削減できました。

≫≫ 問い合わせ数を80%削減。PLGを成功させ、さらなる事業拡大へ。

より精度が高いサポートを実現した事例

トランスコスモス株式会社は、TechTouchの導入により精度が高いサポートを実現した成功事例の中の一社です。
トランスコスモス株式会社では、多くの優れた機能AI音声認識ソリューション「transpeech」を活用していましたが、フル活用するのは簡単ではありませんでした。
数100ページのマニュアルや簡潔な事例紹介資料を用意しても、現場管理者がすぐに内容を理解するのが困難。出張での対面トレーニングも行っていましたが、コスト・時間がかかりすぎる課題がありました。

TechTouchの導入により、トレーニングの受講人数が半分で時間は2/3に削減
問い合わせなく活用が定着したコンタクトセンターもあり、管理者側の負担軽減にも成功しました。
また、transpeechで新たにリリースした機能の活用立ち上げに要する期間を2ヵ月短縮できました。

≫≫ 最先端のAI音声認識システムをテックタッチのガイドでフル活用し、これまで以上にお客様に価値を届けるコンタクトセンターに

カスタマーサクセスにおけるオンボーディングまとめ

カスタマーサクセスにおけるオンボーディングまとめ

本記事では、オンボーディングの概要や重要視されている3つの理由、実施方法などについて解説しました。
カスタマーサクセスでのオンボーディングとは、新規顧客に対して操作や活用方法の説明など、活用・定着に向けたサポートをすることです。
オンボーディングは、カスタマーサクセスのフェーズにおける導入期から定着期へのスムーズな移行をサポートし、以下を実現するため重要視されています。

  1. プロダクトの理解とサービス利用の促進
  2. ユーザーエンゲージメントの向上
  3. チャーン防止と顧客満足度の向上

ただ、むやみやたらに実施すれば良いわけではなく、目的の明確化からはじめるのが重要です。
まずは、ユーザー数300万突破・DAP市場国内シェア連続No.1の「TechTouch」にご相談ください。

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DAP市場国内シェア3年連続No.1テックタッチ

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