SaaSやサブスクリプションといったビジネスモデルは、BtoCはもちろん、BtoBにおいても増加し続けています。
販売して終わりではなく、継続的な利用によって利益を得るこのビジネスモデルは、いかに解約率を下げるかが重要であり、そのために欠かせないのがチュートリアルの存在です。
そこで今回は、一般的なチュートリアルの概要を見たうえで、特にSaaSにおけるチュートリアルについて、役割や効果、活用のポイントをお伝えします。
SaaSビジネスを提供している企業担当者の方はぜひ、参考にしてください。
チュートリアルとは?
従来チュートリアルとは、個別指導や指南書、指導書といった意味を持ちます。
大学で教授が学生に個別に指導する形式もしくは少人数での授業もチュートリアルと呼びますが、一般的には、初心者が使いこなせるようになるための説明書やそれに付随するガイドといった意味で用いられます。
近年では特に、ソフトウェアやツール、アプリケーションなどの使用方法を指南するガイドを指すことが多いです。
紙媒体であるとは限らず、ソフトウェア形態で提供されることもよくあります。
SaaSにおけるチュートリアルとは?
SaaSにおけるチュートリアルとは、SaaS企業が提供する製品を使いこなしてもらうために、基本的な操作方法から活用方法までを説明するものです。
提供形態はテキストや動画のこともあれば、製品自体に表示させるケースも多いです。
SaaSにおけるチュートリアルの重要性
SaaSサービルの利用を定着させるためには、チュートリアルの活用が欠かせません。
主な理由は次のとおりです。
解約率の減少が期待できる
製品の使い方がわからないままで使用を開始すると、ユーザーが利用価値を十分に理解できず、使用をやめてしまう可能性が高まります。
チュートリアルを参照して、製品の操作方法を正しく理解すれば、利用価値を実感して使用を継続するユーザーが増えることが見込めます。
その結果、解約率の減少につながり、LTV向上が期待できるようになるでしょう。
LTVの向上について詳しくは、「LTVとは?計算方法やLTV向上を実現させる方法を解説」をご覧ください。
カスタマーサクセス部門の負担が軽減する
チュートリアルの提供により、ユーザー自身で問題解決ができるようになれば、カスタマーサポートへの問い合わせが減り、カスタマーサポートの負担軽減が実現します。
その結果、業務効率化や生産性向上などの、顧客の成功を積極的に支援するカスタマーサクセスに注力することが可能になります。
カスタマーサクセスの例として、システムやサービスの活用推進・定着化に寄与するオンボーディングが挙げられます。
カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは、顧客がサービスを使いこなすことができるよう、使用方法や機能についての支援を行うことです。
SaaSビジネスにおけるオンボーディングについて詳しくは、「SaaSビジネスに欠かせないオンボーディングとは?実施方法とポイントについて解説」をご覧ください。
フィードバックが収集できるタイプなら製品の改善点にも有効
ユーザーがチュートリアルを使用したことを示す動画再生回数や、製品に表示されたガイドの利用状況などのフィードバック収集が可能です。
フィードバックをもとに、製品の改善や機能の追加を効果的に行えるようになります。
SaaSにおけるチュートリアルがユーザーにもたらす効果
SaaSにおけるチュートリアルの提供は、ユーザーにさまざまな効果をもたらします。
ここでは、社内システムにチュートリアルを提供するケースを念頭に、ユーザーである社員が得られる効果を見ていきます。
利用時の満足度が上がる
チュートリアルの提供により、ユーザーが製品の操作方法を理解すれば、ストレスを感じることなく利用できるようになります。
その結果、ユーザーエクスペリエンスが向上し、製品の使用率も高まるでしょう。
ユーザー側の業務効率化が進む
ユーザーは操作方法がわからなくても、チュートリアルを見て自力で問題解決ができるため、社内で人に聞いたりカスタマーセンターに問い合わせたりする手間と時間を削減できます。
そのため、社内の一人ひとりの業務時間が削られることもなく、広く業務効率化が進みます。
ユーザー側の属人化防止につながる
チュートリアルを参照すれば、誰もが操作できるようになるため、社内システムの属人化防止につながります。
操作に詳しい担当者が欠勤しても、ほかの社員がフォロー可能になり、社員の異動や退職のリスクにも備えられます。
製品の機能を最大限に活用できるようになる
チュートリアルの提供により、製品が持つさまざまな機能を周知できるようになります。
その結果、製品の機能を最大限に活用できるようになり、ユーザー側の業務に役立つ大きな成果を上げられる可能性も高まるでしょう。
効果的なチュートリアルを提供するポイント
SaaSにおいてチュートリアルの提供は、サービス提供者側とユーザー側の双方に高い効果をもたらします。
ただし、効果的なチュートリアルを提供するためには、いくつかのポイントを押さえておかなくてはいけません。
ここでは、チュートリアルを提供する際に留意する項目について解説します。
目的の明確化
チュートリアルを作成する目的を明確にする必要があります。
例えば、「商品・サービスの使い方を理解してもらうこと」「機能を探しやすくすること」「効率的に使ってもらうこと」など、ユーザーが何を求めているのかを把握したうえで、目的を決定します。
操作手順の明確化
チュートリアルは、ユーザーの視点に立って作成する必要があります。
チュートリアルではまず、製品の操作手順を明確に示すことが重要です。
正しい操作手順を示すことによって、ユーザーが迷わずに操作できるようになります。場合によっては画像や動画を使用することも検討しましょう。
フィードバックの受付
ユーザーからのフィードバックを受け付けられるようにすることも重要なポイントです。
ユーザーからのフィードバックをもとに改善すべき点を把握し、チュートリアルに反映させていきます。また、ユーザーが疑問を持った場合に、すぐに質問できる仕組みを設けることも欠かせないポイントです。
ユーザーのレベル別チュートリアルの作成
製品によっては初心者向けのほか、中級者や上級者向けのチュートリアル作成も検討しましょう。
レベル別に分けることで、ユーザーは自分のレベルに合ったチュートリアルを選択でき、より利便性が高まります。
マニュアル作成もチュートリアルと目的が類似しています。
マニュアル作成について詳しくは、「操作マニュアルとは?システム活用で成果を上げる作成・運用ポイントを解説」をご覧ください。
チュートリアルの具体的な活用方法
SaaS企業におけるチュートリアルには、製品の操作方法を説明する以外にも、さまざまな活用方法があります。ここでは、そのなかでも主な活用方法を見てみましょう。
新規ユーザーの獲得時
SaaS企業の多くは無料トライアルを用意し、自社の製品を使ってもらう機会を提供しています。
無料トライアル中のユーザーに対し、チュートリアルを提供して使い方を知ってもらうことで、製品そのものへの関心を高めることが可能です。
また、この段階では、使い方だけではなく、特徴や機能の紹介を含めてチュートリアルを作成します。
トライアル中のユーザーに製品の価値を効果的に伝えられ、有料契約へと誘導しやすくなるでしょう。
オンボーディング時
製品導入時にアカウントの作成方法、ユーザーインターフェイスの操作方法、重要な機能へのアクセス方法など、製品の基本的な内容を説明します。
チュートリアルを参考に、すぐに商品・サービスに慣れ、効果的に使い始められるようにすることが重要です。
トラブルシューティング時
チュートリアルは、ユーザーが抱えている問題のトラブルシューティングを支援する効果も期待できます。
よくある問題の解決方法を詳しく説明することで、ユーザーの満足度向上が期待できるでしょう。
新機能のリリース時
製品の新機能をリリースする際、その効果的な使用方法の説明としてチュートリアルを使用します。
これにより新機能の採用を促進し、ユーザーが製品から最大の価値を得られるようになるでしょう。
ユーザー満足度を高めるチュートリアルの作成は「テックタッチ」がおすすめ
チュートリアルとは、主にソフトウェアやツール、アプリケーションの説明書を指します。
SaaSにおけるチュートリアルとは、SaaS企業が提供する製品の操作方法や活用方法のガイドで、ユーザーがストレスを感じることなく商品・サービスを使えるように提供するものです。
SaaSは、継続的に活用してもらうことで利益を得るビジネスモデルのため、製品の操作方法を把握し、機能を最大限に活用してもらうためにはチュートリアルの提供が欠かせません。
チュートリアルはユーザーにとっても重要な存在で、操作方法に悩む時間が短縮され、効率的に業務を進められます。
サービス提供者とユーザー双方にとって、チュートリアルは重要な役割を果たすといえます。
テキスト形式、動画形式、画面に直接表示させる形式など、チュートリアルの種類は多様です。
そのなかでもっとも使い勝手がよいのは、ユーザーの操作に対応してリアルタイムで画面に使い方を表示する形式でしょう。
画面とテキストの両方を見ながら操作する必要がないうえ、動画のように再生と停止を繰り返しながら操作する手間もかかりません。
そこでおすすめなのが「テックタッチ」です。
「テックタッチ」はあらゆるWEBシステムの画面上に操作ガイドや入力ルールを表示するができ、ユーザーが操作方法の習得にかかる時間の大幅な短縮が実現可能です。
また、チュートリアルの作成はノーコードで可能で、ユーザーのシステムの利用頻度といったシステムの利用分析機能もあります。
これにより、活用されていない機能や非効率な操作を把握できるため、製品の改善にも高い効果が期待できます。
チュートリアルの活用を検討している際は、ぜひお気軽にご相談ください。