さまざまな情報をWeb上で閲覧することが当たり前となった今、マニュアルのWeb化も一般化しつつあります。ビジネスにおいても、テレワークの定着によりオフィス以外の場所で働くケースが増えたため、業務システムやツールのマニュアルはWeb化が必須といえるでしょう。
本記事では、Webマニュアルの概要やWeb化のメリット、デメリットを把握したうえで、Web化を成功させるポイントをお伝えします。社内システムの活用を推進する情報システム部門担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
Webマニュアルとは
インターネットブラウザで閲覧することを想定して作成されたマニュアルです。市販されている一般的なシステムやツールのWebマニュアルは製造している企業のWebサイトから閲覧します。
自社独自システムを使用する場合や独自のフローでシステムを使用する場合には、独自のマニュアルを作成することもあるでしょう。その場合、一定のアクセス制限を設定するといった方法で機密性を維持することも可能です。
マニュアルの形式にはほかにも次のようなものがあります。
- 紙のマニュアル
従来からあるマニュアルの形式です。通常、システムやツールを購入した際、製品と同梱されています。扱い方によるものの、長期保存がしやすく、気になった箇所に書き込みや付箋を付けるといったことも容易に行えるのが大きな特徴です。
- 電子ファイルのマニュアル
PDFやWordなどの電子ファイルで作成されたマニュアルです。ローカルフォルダやクラウドストレージに保存して、パソコンやスマートフォン経由で閲覧します。ローカルに保存していれば、インターネット環境がない場所でも閲覧が可能です。
マニュアルをWeb化する5つのメリット
紙や電子ファイルのマニュアルをWeb化する主なメリットは次のとおりです。
共有しやすい
紙のマニュアルは、印刷して配布する必要があり、印刷コストや手間がかかります。電子マニュアルは、データ配布やダウンロード用リンクの共有したうえで、利用者に再ダウンロードを促す作業が発生します。
一方、Webマニュアルは、URLさえ共有すれば、誰もがいつでもアクセスができます。わざわざファイルを配布したり再ダウンロードを促したりする必要がないため、管理担当者の共有作業を大幅に簡略化できます。
検索がスムーズ
紙のマニュアルでは確認したい該当箇所を目次や索引から探す手間が必要です。しかし、Webマニュアルなら、通常のWebページと同じように欲しい情報を容易に検索できます。マニュアルの量や種類に関わらず欲しい情報をすぐに確認できるのはWebマニュアルの大きなメリットです。
電子マニュアルでも検索は行えるもののデータ量が多い場合や利用しているPCの性能、もしくは保存している先の環境によっては読み込みに時間がかる場合があります。検索が難しい紙のマニュアルも含め、検索性ではWebマニュアルがもっとも容易に欲しい情報を見つけ出せるでしょう。
動画を使った解説も可能
Webマニュアルであれば、動画を使った解説も可能です。システムやツールの操作方法を動画で撮影し、Webマニュアル内に掲載、もしくはWeb 上に掲載してリンクを設置すれば、テキストやイラストだけではわかりにくい操作方法も容易に理解できるようになります。
更新が容易
紙のマニュアルはシステムやツールがバージョンアップした際、改めて作り直さなければなりません。更新が軽微な場合でも、修正箇所のページだけ印刷して貼りなおすといった対応が必要です。これに対し、Webマニュアルは修正箇所を更新すれば問題ありません。バージョンアップやUIの変更があってもすぐに対応可能です。
電子ファイルでも更新は容易に行えるものの、更新したことを周知しないと、古いマニュアルを使い続けてしまうリスクがあります。Webマニュアルであれば、何もしなくても新しいものに変わっているため、利用者側はバージョン管理の手間がありません。
マニュアルの紛失リスクが低減
紙のマニュアルは紛失してしまうリスクがあります。ローカルに保存した電子ファイルのマニュアルも、誤って削除してしまえば新たにダウンロードをし直さなければなりません。
マニュアル管理担当者はもちろん、社員一人ひとりもしっかりとした管理が求められます。しかし、Webマニュアルであれば基本的に紛失してしまうリスクはありません。その結果、管理担当者にかかる負担軽減にもつながります。
マニュアルをWeb化する2つのデメリット
多くのメリットを持つWebマニュアルですが、デメリットもあります。具体的には次の2点です。
場合によっては閲覧しにくい
Webマニュアルはブラウザ経由で閲覧するため、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのブラウザを閲覧できるデバイスが必須です。また、Web上に掲載されているため、原則としてインターネットが使える環境にいる必要があります。
電子ファイルはデバイスにダウンロードしているため、インターネット環境は必要なく、紙のマニュアルはマニュアル以外に必要なものはありません。閲覧するための準備や環境が必要なのは、Webマニュアルのデメリットです。
社員が慣れるまで時間や手間がかかる
紙のマニュアルに慣れた社員にとっては、Webマニュアルは使いにくい、読みにくいなどの不満が出てしまうかもしれません。社員に受け入れられるまで、Webマニュアルのメリットをしっかりと伝え、社員の理解を得ることが求められます。導入初期のみのことではあるものの、これらの手間はWebマニュアル作成担当にとってデメリットといえるでしょう。
マニュアルのWeb化を成功させるポイント
紙や電子ファイルのマニュアルをスムーズにWeb化するには何が必要なのでしょう。ここでは、マニュアルのWeb化を成功させるポイントを解説します。
段階的に実施する
いきなり全部署でマニュアルをWeb化するのではなく、閲覧できる環境が整備されている部署から段階的にWeb化するとスムーズに進めやすくなります。
例えば、営業部門は基本的に外出が多く、会社からノートパソコンやスマートフォンなどを配布しているケースが多いため、デバイスがなく閲覧できない可能性は低いでしょう。また、テレワークを導入している部署も基本的に会社からノートパソコンを配布しているため、Webマニュアルの利用に適しているといえます。
操作性を重視する
Webマニュアルは検索機能によって欲しい情報をいち早く見つけたり、閲覧側の操作によって容易にテキストを拡大したりすることが可能です。これらの強みを生かすためには、誰もが容易に操作できるUIやデザインの工夫をすることが重要です。また、システム・ツールの講習会において、Webマニュアルを紹介するのもおすすめです。
マニュアル作成ツールを活用する
ゼロからマニュアルをWeb化させるのは手間と時間がかかるうえ、制作者によってはデザインや構成により操作方法の理解が進まない場合もありえます。そのため、多くの作成支援機能がついたマニュアル作成ツールの活用がおすすめです。制作の手間が軽減されるうえ、UIやデザインに配慮されたわかりやすいマニュアル作成ができるでしょう。
マニュアル作成ツールについて詳しくは「マニュアル作成ツールとは?種類や機能、選び方のポイントを解説」をご覧ください。
マニュアルのWeb化はポイントをおさえて円滑に進めよう
マニュアルをWeb化することで、更新・管理といった運用面の手間も削減でき、社員はいつでもどこからでも最新版のマニュアルを閲覧できるようになります。マニュアル利用の利便性が大幅に向上し、システムやツールの早期定着に高い効果が期待できるでしょう。
ただ、これまでの形式に慣れてきた社員にとっては、マニュアルのWeb化に抵抗があるかもしれません。マニュアル作成ツールの利用も視野に入れながら、UIやデザインの工夫で初見でもすぐに欲しい情報にいきつけるように設計することが重要です。また、Webマニュアルへの移行に適した部署や業務領域を見極め、優先的に実施するとスムーズでしょう。
システムやツールの定着という観点から、さらにおすすめなのがデジタルガイドです。システムやツールの画面上に直接、操作ガイドや入力ルールを示すツールチップを表示させられるため、Webマニュアルの閲覧回数を減らすことができます。普段はデジタルガイドを使い、デジタルガイドでは伝えきれない部分をWebマニュアルで補足することで、よりスムーズにシステムやツールの操作方法を習得可能です。
「テックタッチ」によるデジタルガイドは、プログラミング不要でデジタルガイドを作成できるため、新たな人材の雇用や育成の必要もありません。これまでにもさまざまな業種の方にご利用いただいておりますので、システムやツールの早期定着を検討されている際には、Webマニュアルとデジタルガイドの導入をおすすめします。
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