
株式会社山善
当社は、工作機械、産業機器、機械工具、自動化ロボットなどの世界のものづくりを支える「生産財」と、住宅・オフィス・施設・工場など様々な建物の快適環境と、人々のくらしを豊かに彩る生活用品などを提供する「消費財」を幅広く取り扱う専門商社として、世界中のお客様の課題解決やくらしの質の向上に貢献しています。
https://www.yamazen.co.jp/人事制度改革を支える操作ガイドの内製化で定着と効率化を実現
・評価制度とシステムリプレイスの同時進行で、社内混乱の懸念
・他社DAPでは操作ガイド作成に時間がかかり、内製が困難
・操作ガイド作成の外部委託で毎月数十万のコスト増と対応遅れが発生
・システム画面上に操作ガイドやメニュー解説を表示し、従業員が迷わず処理を完結
・実際の操作を通じて従業員が手順を習得できるように操作ガイドを設計
・申請内容に不備がある場合はエラーを表示し、後続操作に進まないように制限を設定
・操作ガイドの実装やメンテナンスが容易になり、社内での対応が可能に
・全社で、積極的に操作ガイドの利用されるように
・月あたり平均約330時間の業務時間、金額にして約130万円のコスト削減を実現
導入前の課題
他社DAPの高難易度な“操作ガイド実装”。メンテナンスやバージョンアップも負担に
株式会社山善は、「生産財」と「消費財」の両分野を扱う、1947年創業の専門商社です。工作機械、産業機器、機械工具などの世界のものづくりを支える「生産財」と、住宅やオフィス、施設など様々な建物の快適環境と人々のくらしを豊かに彩る生活用品などを提供する「消費財」を幅広く取り扱っています。

株式会社山善 ICT本部 情報システム部 山本様(左)、経営管理本部 人事部 土様(中)、経営管理本部 人事部 宮本様(右)
社会環境の変化に柔軟に対応できる企業となるため人事制度の改革を決断。評価制度の見直しに加え、新たな人事制度を支えるためのシステムリプレイスとして「SAP SuccessFactors※」を導入しました。従来の労務管理中心のシステムから、目標管理と評価を行える仕組みへ転換し、新たにデータの集約も始めています。
評価制度改革とシステムリプレイスを同時に進める中で、目標設定の手順やシステム利用方法が分からず、社内混乱につながる懸念がありました。そこで、外資企業が提供するDAP(デジタルアダプションプラットフォーム)を導入し、利用手順の操作案内を作成しました。問い合わせ件数の削減や入力効率化などの一定の効果を得ることができました。
一方で、操作ガイドの設計は外部に委託しており、内製化は難易度の高さから進みませんでした。また、設計エラーやバージョンアップのたびに外部調整が必要で、想定以上の時間とコストが発生していました。
そのような中、社内のDX推進部門から、「SAP S/4HANA※」や「楽楽精算※」で実績のある「テックタッチ」が紹介されました。
「テックタッチ」はノーコードで導入・運用ができ、操作ガイド作成も容易であることから、運用負荷や委託コストを大幅に抑えられると判断し、リプレイスを決定しました。さらに、業務設計を含めたテックタッチ社の担当者によるサポート体制も導入を後押ししました。
活用方法と効果
必要な時だけ、必要な案内だけ。操作を通じて習得できる「テックタッチ」ガイド
山善の人事システムにおける「テックタッチ」活用は、以下の方針のもと、設計・運用しています。
1.必要なタイミングで操作ガイドが立ち上がり、従業員が迷わず操作できる
2.操作ガイドに従って操作することで、自然と手順を覚えることができる
3.内容はできるだけシンプルに設計する
具体的には、「SAP SuccessFactors」のホーム画面に「迷ったらこちら」というアイコンを設置しました。カーソルを合わせると主要な申請項目が表示され、クリックすると操作ガイドが始まります。

目標設定のステップ一覧を提示。各項目をクリックすると各ステップを順を追ってナビゲート
また、頻繁に利用するメニューの隣には情報アイコンを設けました。カーソルを合わせるだけで、メニューの目的や処理方法が画面に表示されます。加えて、情報入力画面には参照必須の社内資料を直接開けるボタンを追加し、従業員が必要な情報に迷わずアクセスできるよう工夫しています。
目標数字の入力画面では、入力内容が社内ルールに沿わない場合、修正方法を示すエラーメッセージを表示し続けます。さらに、エラーが解消されるまで次のステップに進めないように制御することで、申請情報の正確性を担保しています。

目標数値の入力ルールの表示や誤操作防止の仕組みで、正確性を保持
入力完了後、従業員が「確定」ボタンをクリックすると、入力漏れの有無が自動でチェックされます。操作ガイドを利用しなくても、この最終チェックは必ず実行されるため、申請の不備を未然に防ぎます。
これらの仕組みを導入した結果、2025年1月からの半年間で、操作ガイドは約7万回再生され、アイコン表示などの補足情報は約45万回確認されました。「テックタッチ」の活用により、従業員がマニュアルを探す時間、人事部への問い合わせや差し戻し対応にかかる時間が大幅に削減されています。当社の試算では、月平均330時間、金額にして約130万円の工数削減に相当します。
今後の展望
開発スピードの向上、さらなる新施策・新制度の社内浸透の促進を目指して
今後、山善では「テックタッチ」の活用を前提とした業務・アプリケーション設計を進め、開発スピードの向上を目指します。また人事部では、今回の導入経験を活かし、新たな施策や制度の社内浸透をさらに加速させていく方針です。
※:記載された会社名および製品名などは該当する各社の登録商標または商標です。