ナビゲーションにより各従業員の調達手続きを迷わず実行可能にし、調達システムの定着・活用を促進
- リモート時代に対応すべく業務の電子化
- ペーパーレス化に向け、間接材購買パッケージソフトウェア導入を目指していたものの、現場での使いこなしにハードル
- システム上にテックタッチでナビゲーションを設置し、操作手順や入力の注意点をマニュアルレス・リアルタイムで理解できる環境を整備
- システム本来の良さが理解され、導入に保守的だった現場から前向きな声が聞かれるように
- 入力が特に複雑な手続きについて、所要時間が1/2~1/3に短縮
導入前の課題
リモート時代に対応すべく業務の電子化・ペーパーレス化に向け、間接材購買パッケージソフトウェア導入を目指す中で、現場での使いこなしにハードル
トヨタ自動車は、国内外にトップシェアを持つ言わずと知れた世界一の自動車メーカーです。今回のシステム導入部門である調達部様は、自動車に直接使われる部品だけでなく、その製造に必要な資材、また開発や生産技術向上に使われる計測器まで、あらゆる品目の発注先選定から購買までを担っています。
これらに必要となる、見積もり、発注先の決定等の社内外の手続き・連絡は、従来紙ベースで行っており、電子化・ペーパレス化の課題がありましたが、特にコロナ禍で従業員が出社できない状況が生まれたことで検討が加速、システム導入の方針が決定されました。
その後、運用までのリードタイムが短く、法制対応などの機動力に優れたパッケージソフトの採用を決定したものの、PoC(概念実証)の中でパッケージならではの難しさにも直面しました。たとえば、システム内の用語の意味が従来の社内用語と異なっていたり、「業務をシステムに合わせる」発想が必要になる中、不慣れな操作に現場が苦戦する、といったものです。「使いづらい」「マニュアルを見ても分からない」といった声も上がっていたものの、ソフトウェア自体の本来のポテンシャルは高く、対応策を探していました。システム導入の恩恵を受ける調達部ではなく、特に今回のオペレーション変更を乗り越えなければならない依頼部門の悩みを解消する必要があると考えていました。
そのようなタイミングで、既にテックタッチを利用していた別部門から紹介を受け、導入の検討を始めました。最初にテックタッチの資料を見たときから、「これは使えそうだ」と直感したことを覚えています。
活用方法と効果
ひとめで操作手順がわかるようになり、入力の手間を大幅に削減
テックタッチはただ単純にマニュアルをガイドに落とし込めば良いというものではありませんが、それまでのプロセスを通して、ソフトウェアの導入コンサル会社やトヨタシステムズの導入チームメンバーと「ここでユーザーがつまづくかも知れない」「ここはどう運用設計しよう」と膝詰めで議論できていたおかげで、その上に「これはシステム側で解決」「これはテックタッチのガイドやツールチップに任せよう」といった議論を加えることで、スムーズに運用設計ができたと考えています。
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作成にあたっては、テックタッチの担当者が全面的にサポートしてくれました。事前に当社から共有したマニュアルをしっかり理解してくれ、たとえガイド・ツールチップ作成のなかで課題が生じても、解決を目指して質の高い提案してもらえたことはありがたかったです。こちらもシステム活用に向けて前向きに「これだったらできそうだよね」といった姿勢で取り組むことができました。
その後、システムの利用開始前に再度、テックタッチが実装された状態でユーザーテストをしたところ、以前は調達ソフトウェアの操作に困惑したコメントを返していたパイロットユーザーからも「これだったら使える」といった嬉しい反応がもらうことができ、予定通りのスケジュールで号口(ソフトウェアの稼働開始)を迎えることができました。
実は、スムーズな移行のため当初数ヶ月は、この調達ソフトウェアの利用を義務化せず、従来の紙ベースの手続きと並行させたのですが、稼働直後から、当初の想定を超えるペースでソフトウェアを使った申請件数が積み上がりました。当初の認識通り、出社が控えられるようになっていた現場で、電子化へのニーズが相当強かったためと考えています。実際ペーパレス化により過去およそ10日ほどかかっていた申請書類の郵送のリードタイム、コストをゼロにできています。
これを支えているのがテックタッチのガイドで、複雑な導線を案内してくれるので、正確に測ったわけではないですが入力時間がおよそ1/2から1/3まで減らせているのではと考えています。例えば、トップページでどのボタンを押していいかわからないときに、押すべき箇所以外をグレーアウトして案内してくれるガイドや、入力したい内容に応じて分岐して案内してくれるガイドが、コンセプトはシンプルですがとても効果的だと思っています。
利用頻度が高い調達部内でも、自己流で入力をすると依頼が浮いてしまうリスク等があるため、「テックタッチを使うことを前提としたシステム活用」の文化の醸成に取り組んでいるところです。
今後の展望
分析機能を活かして、調達業務のさらなる効率化を目指す
今後もテックタッチを活用することで、効率的な調達作業に繋げていきたいと考えています。また、今後追加予定の分析機能※2を使って「異常値が出ているのはなぜ?」「従業員がこの操作で詰まっている」などを発見し、よりスムーズに操作できるようにナビゲーションを改善することにも繋げていきたいですね。
私達からもテックタッチに対し、使い勝手などフィードバックさせて頂ければと考えていますし、またテックタッチのカスタマーサクセスからもらうアドバイスにも引き続き期待しています。分析によって出てきたデータをもとに「ここを変更すればよりうまくいく」などの意見をもらい、それをもとに一緒に調達業務の効率化に取り組んでいきたいです。
※2:2022年春リリース予定