オートフロー機能で定型作業を自動化、操作時間短縮と入力ミス削減を実現
・システムで操作が必要な項目が多く、従業員の操作工数が増えていた
・ヘルプデスクの問い合わせ対応やシステム教育に大きな負荷が生じていた
・定型業務にオートフロー機能を設定し自動化
・システムへの入力表現規制の説明やテンプレートを必要なタイミングで表示
・定型操作の時間を80%削減
・入力ミスの削減
導入前の課題
新たに導入したシステムに、現場から問い合わせが殺到
積水化学工業はプラスチック製品のパイオニアとして1947年に創業し、現在では売上約1兆2,000億、従業員2万人を誇る、日本を代表する企業です。現在、継続的な競争力の維持・強化を実現するためのデジタル変革(以下、DX)にグループ全体で取り組んでおり、グローバルでのERP導入に着手しています。
その中で「テックタッチ」を活用しているのが、「Coupa」※と「SAP Concur」※です。購買管理システムである「Coupa」は、ガバナンス強化・コスト削減・購買力向上などデジタル化による恩恵が大きく、DX推進の中でも先行的に導入しました。グループ内でも多くの従業員が利用するシステムで、その導入効果が発揮されることがDX推進への求心力を獲得する上で非常に重要になっています。
「Coupa」の活用にあたって、課題だったのが電子契約の操作です。特に契約書の作成においては作業量が多く、30箇所以上もコピー&ペーストをする必要があり、大変多くの工数がかかっていました。現場からは、システム移行に伴うUIの変更に戸惑う声や、効率化するために導入したシステムにもかかわらず、むしろ手間が増えることに疑問の声が寄せられました。
また、約3,500人の現場社員から寄せられる問い合わせには、運用サポートチームの4名で対応しており、問い合わせ対応の他にシステム教育も並行して担っていました。現状の体制のまま、ヘルプデスクの負荷軽減とトレーニング工数軽減に着手しなければ、いずれ対応しきれなくなると考えていました。
そこで、導入したのが「テックタッチ」です。他社ツールと比較検討をしたなかで、決め手となったのは現場の社員が使いやすいUIである点と、テックタッチ社から細かなサポートを得られる点です。会議にはテックタッチ社のエンジニアも参加してもらい、迅速な課題解決にあたってくれたことは非常にありがたかったです。導入初期には、カスタマーサクセス担当者が私たちのチームと伴走し、一緒にナビゲーションを作成してもらったので、大変スムーズに「テックタッチ」を実装できました。その後は、私たち自身でナビゲーションの作成・メンテナンスができるような教育プログラムの仕組みも整っていたので、とてもスムーズに活用できるようになりました。
活用方法と効果
オートフロー機能によって作業時間が5分の1に短縮
「テックタッチ」で特に有効活用している機能はオートフロー(自動入力)機能です。「Coupa」で契約書を作成する際には、まず、発注の画面で入力した内容を「テックタッチ」がコピーし、契約書に自動で次々と転記していくよう設計しています。一部、人が判断する必要がある項目は、自動で停止し、入力が終わるとまた再開します。手入力が必要な箇所も表現規制の説明やテンプレートを必要なタイミングで表示させ、人的ミスを抑えることができています。
このように「テックタッチ」を活用した結果、従来であれば15分かかっていた契約書の転記入力が3分に短縮され、人が担う操作の割合が減ったことで入力ミスも削減することができました。
この「Coupa」での結果から、「テックタッチ」が効果的なツールであることが分かり、経費精算システム「SAP Concur」にも導入することを決めました。使用頻度が低いために慣れない作業だったとしても、デジタルガイドを設置することで迷わず操作でき、勘定科目のミスを約30%も削減しています。
今後の展望
アンケートや分析機能を活用し、現場の声を集めていく
「グローバルで全社最適な購買」の実現を目指して、システム利用者のデータを元に改善を進めていきたいと考えています。「テックタッチ」には分析機能も備わっており、操作にかかる時間を測定し、どこでつまづいているのかを把握できるような仕組みを作る予定です。また、アンケート機能も用いて、利用者の定性的な声も拾うことで、システム改善に活かしていきます。