SLGとは?PLGとの違い、SaaS企業がSLGを活用する際のポイントを解説

SaaS事業者向け

多くの業種で商品やサービスのコモディティ化が進み、競合との差別化が難しくなっています。
SaaSビジネスも同様で、競合との差別化を図りユーザーを獲得するためには、ほかでは得られないメリットを顧客に伝えることが重要です。

そこで今回は、SaaSビジネスで競合との差別化対策のひとつとなるSLGについて、PLGとの違いや、成果を上げるための考え方、ポイントについてお伝えします。
SaaS企業のプロダクト担当者、営業担当者はぜひ、参考にしてください。

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SLGとPLGの違い、それぞれの概要

SLGとPLGは、どちらもSaaSビジネスにおけるビジネスモデルの種類を指します。両者の概要や特徴を紹介します。

SLGとは?

SLGは、「Sales-Led Growth/セールスレッドグロース」の略称です。
営業(セールス)担当主導で商品・サービス(プロダクト)を販売するビジネスモデルで、従来の販売方式といえます。

SLGの特徴は、顧客のなかでも決済権を持つ相手に直接アプローチできる点で、高額の商品・サービス販売に向いたビジネスモデルだといえるでしょう。
また、活用に際して個別のカスタマイズが必要な場合も詳細なサポートが可能です。
ただし、実際に商品・サービスを使用したうえで購入を決めるわけではないため、導入に至るまでに時間がかかる傾向があります。

PLGとは?

SLGと対にして語られることの多いPLGとは、「Product-Led Growth/プロダクトレッドグロース」の略称で、プロダクト主導で商品・サービス(プロダクト)を販売するビジネスモデルです。
ネットワーク環境が整備され、ビジネスの進め方にもシステム導入が進んだ現代の新たなビジネスモデルとして注目されています。

もともとはアメリカのSaaS企業でよく用いられていた手法で、顧客に無料で商品・サービスを使ってもらい、実際に価値を体験してもらうことで良さを伝え、購入につなげていきます。
顧客自らがプロダクトの機能やメリットを体験するため、SLGよりスムーズに商品・サービスへの理解が進む傾向があります。

ただし、はじめにプロダクトの良さを理解するのは、決裁権を持たない現場社員である場合が多いです。
社内の決済プロセスとしてはボトムアップとなり、高額のプロダクトの場合、購入につながらないケースも少なくありません。
PLGについてより詳しくは、「SaaSビジネスで注目を浴びるPLGとは?メリットや必要な準備、押さえるべきポイントを紹介」をご覧ください。

SLGやPLGの実践で押さえておくべきポイント

SLG、PLGのどちらにもそれぞれ特徴があり、メリット・デメリットがあります。
そのため、自社がどのようなビジネスをしているのか、どのようなプロダクトを扱っているのかにより、適切なモデルを選択することが重要です。

ここでは、SaaSビジネスでSLGとPLGを取り入れる際に、押さえておくべきポイントについて解説します。

SLGの実践で押さえておくべきポイント

SaaS企業がSLGの実践で押さえておくべき主なポイントは、営業活動の標準化を実現する環境の構築です。
顧客に対するアプローチを最初の段階から受注に至るまで、それぞれの過程で誰が何をするのかを明確にして共有します。以下の点に留意して環境構築を進めます。

新たな人材の雇用・既存人材の育成
実際の行動を主導する人材がいなくては、営業活動はうまく進みません。
必要な人材やスキルを標準化し、自社が求める人材の雇用もしくは既存人材の育成を行います。

情報共有ができる環境の整備
業務の標準化をするためには、情報の蓄積が必要です。
グループウェアや社内SNSの導入のほか、ハドルルームやファミレス席と呼ばれるミーティングエリアなど、少人数で気軽にミーティングができるスペースを設置し、スムーズに情報が集まるようにします。

商品・サービス(プロダクト)の機能、UIへの精通
営業活動や業務をとりまとめて標準化しても、土台となる自社商品・サービスを理解し、機能やUIに精通していなければ効果を発揮できません。
例えば開発者やエンジニアなどと触れ合う機会を作るなど、自社商品・サービスを深く理解することで顧客に対する適切なアプローチができるようにします。

PLGの実践で押さえておくべきポイント

SaaS企業がPLGの実践で押さえておくべき主なポイントは、プロダクトの価値向上です。具体的には次の3点に留意してプロダクトの価値を上げます。

初見でも直感で操作可能なわかりやすいUI
操作方法がわかりにくく、マニュアルや研修が必要なUIでは、PLGの実践は困難です。
現場の社員が上司や経営層に導入を勧める際にも、直感的に操作できるUIは重要なポイントといえるでしょう。

無料版から有料版への移行しやすさ、メリットの提供
無料版から有料版へ移行したら急に操作が複雑になってしまったとなれば、顧客の満足度は下がってしまいます。
基本的な操作は無料版も有料版も同じにし、便利な機能が使える、連携できるツールが増えるなど使い勝手を向上させる部分を提供すると移行もしやすくなります。
また、有料版に移行することでのメリットをしっかりと伝えることも重要です。

セルフオンボーディング環境の整備
FAQや使い方動画を用意する、画面上に操作方法を表示するツールを使うなどのセルフオンボーディング環境の整備も欠かせません。

これらは無料・有料版で共通のポイントです。無料版を導入したものの、使い方がわからないと放置されてしまい、有料版への移行も難しくなります。
わかりやすいUIの設計に加え、セルフオンボーディング環境を整備すれば、商品・サービスの導入確率も高まるでしょう。

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SLGで成果を出すための取り組み

SLGの実践で押さえておくべきポイントを踏まえ、SLGで成果を出すための主な取り組みについて解説します。

営業部門とマーケティング部門、カスタマーサクセス部門の分業化

営業、マーケティング、カスタマーサクセスを分業化し、それぞれがやるべきことを明確にしたうえで、連携を図りながらセールス活動を進めます。
PLGでは難しい、人によるきめ細やかなサービスの提供を実現させることでSLGの成功確率が高まるでしょう。

ターゲットに合わせた営業プロセスやアプローチ方法の確立

顧客を属性別に分類し、ターゲットに合わせた営業のプロセス、アプローチ方法を確立させます。
また、顧客の要望をくみ取って、効果的な活用方法やカスタマイズの提案などもできるようにします。

細やかなサポートが可能なSLGですが、やみくもにサポートするのではリソースがいくらあっても足りません。
プロセスやアプローチ方法を確立させたうえで、個別のサポートをすることで、効果的な営業活動を行えます。

人材育成の強化

「人」が営業活動を行うため、人材の重要度が増します。
プロダクト主導でプロダクトを販売するビジネスモデルであるPLGに比べ、SLGでは説明力、洞察力、提案力、交渉力など対人関係におけるスキルが多く求められます。

座学だけでは身につかないスキルであり、言語化して対面でコツを伝えることや経験を積ませることが求められます。

SLGとPLGの違いを理解

SLGとPLG、それぞれの違いや強みを理解します。
それによって、どちらか一方を選択するのではなく、適した部分にそれぞれを取り入れることが可能です。

例えば、SLGを主としつつも、SaaS企業であれば無料版の提供やセルフオンボーディング環境の整備など、PLGの手法も取り入れ柔軟に対応することでそれぞれの効果を最大化できます。

PLGも取り入れつつSLGによる競合との差別化が成果を上げるポイント

SLGとは、営業(セールス)担当者主導で商品・サービス(プロダクト)を販売するビジネスモデルです。
一般的にSaaS企業の場合、PLGのビジネスモデルが向いていると思われがちです。

しかし、競合が多い分野の場合はPLGでは差別化が難しく、思うような成果が出ないケースも珍しくありません。
特に顧客ごとに細かいカスタマイズが必要な商品・サービスを扱っている場合は、個別に異なるアプローチが可能なSLGのほうが効果的かもしれません。

ただし、SLGは個別のアプローチが可能な一方で、手間やコストも増大します。
そのため、PLGも取り入れ、両者をうまく使い分けて販売を進めていくことが成果を上げるポイントといえるでしょう。

「テックタッチ」は、SLGの手間を削減し、PLGの実践に役立つツールです。
システムの画面上に操作ガイドを表示してヒント・説明を表示することが可能です。
誤った入力を未然に防止することや、迷いがちな個所にヒントや説明を設置することで、顧客のシステム利活用を支援します。
定型操作をかんたんな操作で自動化することもでき、作業の生産性向上にも寄与します。

SLGでのセールス活動で、これらのセルフオンボーディング機能を大きくアピールして販売につなげることが可能です。
プロダクト導入時のオンボーディング実施の際も大きな効果を発揮します。
また、「テックタッチ」では、顧客のシステム利用状況の可視化、リアルタイムナビゲーションの利用回数や利用トレンドの分析が可能です。
分析結果を活用すればより顧客に合った提案ができるようになり、成果を上げられる可能性も高まるでしょう。
SLGの推進にぜひ、「テックタッチ」の活用をご検討ください。

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