ユーザーのセルフオンボーディングを実現でき、オンボーディング工数を大幅に短縮できた
- カスタマーサクセスによる、顧客先でのオンボーディングが不可避な状態で、トライアル前にユーザーの温度感が下がってしまう事態が発生
- 事業が伸びるにつれて、オンボーディング対応や問い合わせ対応が増え、メンバーの工数逼迫が見込まれていた
- 「デジちゃいむ」の導入後のオンボーディングの一部を「テックタッチ®」のガイドを用いて効率化
- 「デジちゃいむ」の操作で迷いやすい部分にあらかじめ「テックタッチ®」のツールチップを設置
- オンボーディングの一部をテックタッチ化することに成功し、オンボーディング工数が半減
- ユーザーの店舗に赴かずともオンボーディングを行えるケースが増加
- 月の問い合わせ数80%削減
導入前の課題
事業の成長が見込まれるなか、カスタマーサクセスの工数逼迫を懸念
ワスド株式会社は、リアルサイトのBtoCのコミュニケーションにおいて、呼び出しから接客までをDXする「デジちゃいむ」というVertical SaaSを開発しているスタートアップです。
「デジちゃいむ」の利用者は、店舗に来店するお客様と店舗スタッフです。店舗において問い合わせが発生しやすい箇所に貼るQRコードを通じて「お客様がいる場所から店舗スタッフを簡単に呼び出すことができる」「店舗スタッフは、お客様がどこにいて何をしてほしいかわかった状態でお客様への応対をする」ことができます。その仕組みを通じて、店舗におけるお客様からの問い合わせへの対応を効率化し、店舗の売上げアップやコストダウンを支援しています。
現在メインとなっているユーザーは、アミューズメント施設です。アミューズメント施設には「ゲーム機の背が高いために、お客様が店舗スタッフを見つけづらい」「場内がガヤガヤしているために、お客様が大声を出さないといけない」など、コミュニケーションが難しい要因がたくさんあります。その課題解決を目的に、多くの施設にて「デジちゃいむ」を導入いただいています。
従来より「デジちゃいむ」は、一定期間のトライアル期間を経て使用感を確かめていただいたあとに本導入していただく申し込み形態を取っています。何かしらのきっかけで「デジちゃいむ」に興味を持っていただいた方からお問い合わせをいただき、そのタイミングで、操作説明のためのアポイントメントを設定し、使い方を全て説明したあとにトライアルを開始するという流れです。
トライアルを希望する方と営業担当のスケジュールがすぐに合えば、ユーザーの温度感が高いままトライアルに移ってもらえますが、営業担当とスケジュールが合わなければ、ユーザーの温度感が下がってしまう、というようなことも起こっていました。
「デジちゃいむ」の事業が順調に伸び、導入社数・導入施設が増えるなかで、上記のような新規ユーザーへのオンボーディング対応や、既存ユーザーからのお問い合わせの対応をどのように行えばいいのかや、将来的に予想される営業/カスタマーサクセスの工数逼迫を懸念していました。「デジちゃいむ」がメインのターゲットとしている業界は、比較的システムに明るくないため、工数が逼迫していることを理由にサポートを簡略化することは避けたいと考えていたのです。
その懸念解消のためには、PLG(プロダクト・レッド・グロース)の考え方に基づき、プロダクト自体にオンボーディング機能を持たせることで、カスタマーサクセス部門の負担を軽減することが必要だと感じていました。今後事業を大きくスケールさせるためにも、その仕組みづくりが急務だと考えていたのです。
人を介さずとも疑問が解決する仕組みづくりのために、プロダクトに改修を加えることなども検討しましたが、少ない人数で、新規の開発を早いサイクルで回していく中、プロダクトに大きな改修を行っていくのは難しいと気づきました。今後どうしていくか考えていたタイミングで、登壇イベントをきっかけにテックタッチを知り、テックタッチを用いることで、「ユーザーが、ナビゲーションに従って自ら「デジちゃいむ」を操作できる環境を整えることで、オンボーディングの期間を短縮できそう」「開発メンバーが介さずともビジネスサイドが独自にナビゲーションを更新していけることが、未然の問い合わせを防止することに繋がりそう」だと思い、導入を決めました。
活用方法と効果
オンボーディング工数半減、問い合わせ数8割減を実現
導入後、当時のカスタマーサクセス責任者を中心に、テックタッチの導入プロジェクトを開始しました。テックタッチの導入においては、大きく「オンボーディングの工数削減」と「お問い合わせ数の削減」に取り組みました。
「オンボーディング工数の削減」に向けては従来、ユーザー向けに行っていたオンボーディングの内容を網羅的に洗い出したのち、「テックタッチ導入により、人を介さずともできそうな部分」「人が必要な部分」を仕分けたうえで、ガイドの設定を進めました。
「デジちゃいむ」導入後のオンボーディングは従来、
(1) 「デジちゃいむ」のサービス説明
(2)アカウントの登録から「デジちゃいむ」のQRコードを発行するまでの手順のご案内
(3)「デジちゃいむ」で呼び出しがあった際の対応方法のご案内
の3部構成で60分ほどをかけて行っていました。そのうちの(2)のサービス活用手順の案内についてを「テックタッチ導入により、人が介さずともできそうな部分」と判断し、テックタッチのガイドで行うようにしたことで、オンボーディングの対応時間が半減されました。
また、ユーザーへのオンボーディング時において課題だったのが、ユーザー(アミューズメント施設)の従業員への説明でした。
従業員全員が活用していただけるように、我々が店舗に赴き、直接従業員への説明を担当するケースも存在しましたが、カスタマーサクセスの工数がかかっていたのは事実です。
しかし、テックタッチ導入によって、ユーザーの「デジちゃいむ」利用へのハードルが下がり、ユーザー自身がテックタッチのナビゲーションをもとに従業員向けに「デジちゃいむ」について説明してくださるようになり、ユーザーの店舗に伺わずともオンボーディングを行えるケースが増えました。
「お問い合わせ数の削減」に向けては、過去にユーザーからいただいたお問い合わせの傾向を全て洗い出したうえで、よりお問い合わせが発生しやすい部分に優先的にツールチップの設置を進めました。そのおかげで、従来発生していた「これを行いたい場合、どこを操作したらいいのか」などの問い合わせが減り、月あたりの問い合わせ数が80%削減できました。
ガイドやツールチップの設定に苦戦した部分もありましたが、テックタッチの営業/カスタマーサクセス担当者の対応が非常に親身かつ丁寧だったので、無事に設定を終えることができました。また、「ガイド/ツールチップの設定方法」の説明にとどまらず、「ユーザーにとって効果的なガイド/ツールチップの設定方法」などのアドバイスをもらえたことも、成果に繋がっている理由だと考えています。
「テックタッチ」導入によって狙っていた2つの課題解決以外にも、ツールチップの活用で、画像付きで「ユーザーに使っていただきたい新しい機能」の周知ができるようになりました。その結果「この新しい機能いいですね」というポジティブな声を受け取れるようになったり、ユーザーからすると一見よく分からない名称のボタンに補足説明を足せるようになったことで、ユーザーの不安点を解消できるようになったことでユーザーの「デジちゃいむ」に対する評価も高くなっていたりと、テックタッチ導入の手応えを感じています。これらの事象から、当初から理想としてきたPLGをベースとした事業運営に近づいてきていると感じています。
今後の展望
新機能を活用しながら、PLGを前提としたさらなる事業展開に挑む
今後追加されるアンケート機能や分析機能などの新機能を活用して、「ユーザーがどの操作で苦戦しているか」などを見ていくことで、よりユーザーに長く使っていただけるようなサービス開発、ガイドやツールチップの設定に繋げていきたいと考えています。
また、ワスド株式会社としても、現在の「デジちゃいむ」の事業を基盤に、今後さらに事業領域を広げていく計画があります。その計画実行においても、適切にテックタッチを活用することにより、様々な領域における「呼び出しのDX」を実現していきたいです。