こんにちは!
DXのラストワンマイルを埋め、システム価値を最大化する「テックタッチ」ライターチームです。
デジタル技術を活用した体験を意味する、デジタルエクスペリエンス。
テクノロジーの進化が激しい現在では、ビジネスにおいてデジタル技術を活用することはあたりまえとなりつつあります。
しかし、必ずしもデジタル技術をうまく活用できているとは限りません。
今回は、デジタルエクスペリエンスの概要について見たうえで、SaaS事業者がデジタルエクスペリエンスを向上させることのメリットや、成果を上げるポイントをお伝えします。
デジタルエクスペリエンスとは?
ここ数年、ビジネスの世界において「デジタルエクスペリエンス」という言葉が重要なキーワードのひとつとなっています。
デジタルエクスペリエンスは直訳すると「デジタル体験」という意味ですが、正確には単なるデジタル体験ではなく、企業(ブランド)とユーザーの相互作用によって生じるデジタル体験を指す言葉です。
具体例としては、顧客・自社の従業員に対して、製品やWebサイトなどを通じてデジタル体験を提供することが挙げられます。
顧客に対するデジタルエクスペリエンスの例としては、自社サイトへの「チャットボットの設置」「MAツールを使って行う自動配信メール」などが挙げられます。
チャットボットで疑問をスムーズに解消できる、メール配信によって自身にとって必要のある情報を得られる、といった体験がデジタルエクスペリエンス(デジタル体験)です。
自社の従業員に対して行われる例としては、「社内の情報共有やコミュニケーション等が容易となる、プラットフォーム化された社内ポータルサイトの提供」「在宅ワーク時にWeb会議システムで行う上司との1対1のミーティング」などです。
また、業務改善を体感できる「データ連携や分析機能の高い社内システム」もそのひとつです。
例えば営業支援や在庫管理システムなど異なるシステムを連携させれば、それらの複合データを分析する際にそれぞれのシステムからデータを抽出して統合・突合せする手間がなくなり、分析業務の手間を大幅に減らすことができるでしょう。
これらのデジタル技術によって、社内コミュニケーションが活性化することや、従業員が業務効率化を体感できることがデジタルエクスペリエンスとなります。
つまり、内容はさまざまであるものの、デジタル技術を用いてユーザー(顧客・従業員等)が「楽になる」「便利」といったポジティブな体験をすることと考えるとよいでしょう。
デジタルエクスペリエンスを向上させるメリット
デジタルエクスペリエンスが向上すると、どのようなメリットを得られるのでしょう。
ここでは、システムを利用するケースを例にメリットを確認します。
さまざまなシステムを提供するSaaS事業者・サービスや商品購入等においてシステムを利用する顧客・業務においてシステムを活用する企業(従業員)、それぞれのメリットを紹介します。
SaaS事業者が得られるメリット
システムの提供において「直感的な操作を可能とする」「複雑な処理を簡単に自動化できる」などのデジタル体験を提供します。
その結果、システムを利用する顧客の操作性の向上や、手作業で行っていた業務の軽減による効率化が実現します。
手作業では見落としやすいミスが減少するため、生産性向上にもつながるでしょう。
最終的に、顧客満足度の向上や、解約率の低減も期待できます。
顧客が得られるメリット
顧客のシステム利用状況や問い合わせ履歴を企業側が閲覧することで、顧客に対して適切なタイミングで新着情報・メンテナンス・新サービスの案内などの情報配信が可能です。
つまり顧客は、欲しい情報を最適なタイミングで受け取ることができるのです。
また、「直感的な操作が可能になる」「複雑な処理を簡単に自動化できる」などのデジタル体験が提供されることで操作性の向上・効率化も見込めます。
企業(従業員)が得られるメリット
営業システムや会計システム、デジタルツールなどを連携させることで、社内のDX化を促進できます。
また社内ポータルの情報共有やコミュニケーション機能を付加する(プラットフォーム化)こともデジタルエクスペリエンスのひとつです。
社内のコミュニケーションが活性化すれば、風通しの良い職場づくりに貢献するでしょう。
さらに、他部署との連携が進むことで生産性の向上や異なる知見を組み合わせることで良い効果が生まれる可能性も高いです。
DXの推進についての詳細は、「DXの定義とは?DX推進の手順とポイントを紹介」をご覧ください。
デジタルエクスペリエンスを向上させる方法
企業、顧客双方にさまざまなメリットをもたらすデジタルエクスペリエンス。より向上させるにはどうすればよいのでしょう。
デジタル技術への理解を深める
従業員や顧客に対してどのようなデジタル体験を提供すればよいのかを検討するためには、デジタル技術で何ができるのかを理解しなければなりません。
まずはデジタル体験を提供する企業側が、どのように「楽になるのか」「便利になるのか」など、デジタル技術への理解を深めることが必要です。
従業員や顧客の声を聞く
従業員が業務にどのような課題を抱えているのか、また、顧客が自社サービスの利用において何に困っていて、何が解決されるとうれしいと思っているのかなどの情報を収集します。
それらの課題の解決策として、デジタル技術を活用するのです。
日々の課題解決につなげることで、デジタルエクスペリエンスの効果が高まります。
デジタルアダプションプラットフォームを活用する
システムの活用においても、デジタルエクスペリエンスの向上は欠かせません。
デジタルエクスペリエンスを向上させるツールとしておすすめなのが、システムの使い方をリアルタイムで自動表示したり、定型操作を簡単に自動化できたりする、デジタルアダプションプラットフォームです。
デジタルアダプションプラットフォームの活用は、顧客と従業員の双方に次のような効果をもたらします。
- 顧客に対する効果
SaaS事業者として顧客にサービスを理解し、継続利用してもらうための方法として、デジタルアダプションプラットフォームを活用します。
自社サービスの基本操作を習得しやすくなり、効果的な活用につながるうえ、デジタルアダプションプラットフォームの活用自体が、デジタルエクスペリエンスの向上を実現します。
- 従業員に対する効果
デジタルアダプションプラットフォームを活用したデジタルエクスペリエンスの向上により、「社内システムが使いやすくなる」「マニュアル作成などの工程削減に貢献する」などの効果が生まれます。
企業向けにシステムを提供するSaaS事業においては、このようなエンドユーザーである従業員のデジタルエクスペリエンスが向上することで、セルフオンボーディングも促進します。
SaaS事業者自身のカスタマーサクセスの工数も削減できるメリットもあります。
デジタルアダプションプラットフォームについての詳細は、「デジタルアダプションプラットフォームとは?そのメリットと導入時の注意点」をご覧ください。
デジタルエクスペリエンスを向上させるポイント
デジタルエクスペリエンスを向上させるには、どのような点に注意すればよいのでしょう。ポイントを説明します。
目的を見誤らないようにする
顧客や従業員は、疑問点や困っていることの解決を求めています。
企業側は、デジタル技術を活用することのみを目的とせず、ユーザーの課題解決を第一に考えましょう。
課題解決の最適な方法がデジタルエクスペリエンスでなければ、別の方法で解決策を検討することも必要です。
特別な施策にこだわらないようにする
デジタルエクスペリエンスの対象となり得るものは、さまざまな業務やサービスで利用される「システム」、顧客向けの「ECサイト」や「アプリケーション」、企業の従業員が使用している「社内システム」などがあります。
これらにおいて、優位性を高めて競合との差別化を図るため、もしくは快適に使ってもらえるようにするために、特別な体験を提供したいと考える企業もあるかもしれません。
しかし、システムの操作方法やサイトやアプリケーションの利用プロセスなど、基本的な部分を最適化することが、デジタルエクスペリエンスの向上においても重要です。
具体例としては次のようなものがあります。
SaaS事業者向けの場合
提供するシステム上に、操作ガイドや入力ルールを示すツールチップを表示させることで、システムにおける操作方法の使いやすさを向上させることなどがあります。
※ツールチップについては「ツールチップで必要な情報をスマートに表示!搭載時に押さえるべきポイントとは」をご覧ください。
顧客向けの場合
顧客がECサイトで商品を購入する際の、購入画面に到達するまでの動線をスムーズにすること。
ほかには、提供しているアプリケーションにおいて、会員画面を見やすくする、ECサイトの登録方法や必要な情報をナビゲーションすることで登録しやすくすることなども該当します。
企業(従業員)向けの場合
社内システムのマニュアルを見やすくして業務の円滑な遂行に役立てる、パソコンのみならず、スマートフォンからも社内情報を確認できるようにすることにより、いつでもどこでも必要な情報にアクセスできるようにすること、などが該当します。
特別な体験もときには必要かもしれませんが、日常的なプロセスの最適化こそが、デジタルエクスペリエンスの向上につながるのです。
体験までのハードルを下げる
体験に至るまでの工程はシンプルかつ迅速であることが重要です。
というのも、体験に至るまでのハードルが高いと、デジタルエクスペリエンス以前に利用を敬遠されたり、離脱されたりしてしまう懸念があるからです。
具体的には次のようなケースがあります。
SaaS事業者向けの場合
導入工程の手間が大きいケースです。
高性能、かつ使いやすいシステムであるなど導入後によい効果をもたらすものであっても、導入工程が複雑であれば、契約に至る確率が低くなります。
顧客向けの場合
サービスが素晴らしくても、利用までの手間が大きいケースです。
例えば欲しいものが見つかりやすく購入までの導線もスムーズな利便性の高いECサイトがあったとしても、最初の会員登録に時間がかかるようではサービスの利用に至らないと考えられます。
企業(従業員)向けの場合
使い方が難しいシステムになっているケースです。
社内のあらゆる情報が集約された社内ポータルサイトを導入した場合、使いこなせれば業務効率化につながるとしても事前設定の手間が大きい、もしくは運用体制の構築が難しいような場合、結局使われないままとなる懸念があります。
これらの具体例を参考に、まずは使ってもらうことを第一に考える必要があります。
ユーザーの利便性を重視したデジタルエクスペリエンスの実現を
デジタルエクスペリエンスは、デジタル技術を通じて従業員や顧客にとって「使いやすい」「不満が解消された」などの体験を提供するものです。
デジタルエクスペリエンス向上のためには、従業員や顧客が何に悩んでいるのかを見極め、それを解決できる体験を提供していかなければなりません。
ユーザーに寄り添い、同じ視点に立つことで、質の高いデジタルエクスペリエンスを実現しましょう。
テックタッチでは、システム上に操作方法を表示できるリアルタイムナビゲーションを表示するサービスを提供しています。
画面上で操作方法を確認できるため、複雑なシステムでもマニュアルなしで、だれでも活用できるようになります。
また、プログラミング不要でナビゲーションを作成・修正できるため、ユーザーの声を即時反映したわかりやすいナビゲーションを作成することが可能です。
これらのサービスを活用して、自社システムの使いやすさを大きく向上させることは、ユーザーにとってすばらしいデジタル体験となるでしょう。