ノーコードは、現在のシステム開発・改修において需要が高まっている開発手法として注目されています。ノーコードを使いこなせば、迅速な開発・改修ができるため、スピード感が大切な企業・部門で特に重宝される傾向があります。
このノーコードとよく似た開発手法がローコードです。ローコードも利便性が高く、現在のシステム開発・改修では多用されていますが、ノーコードとはいくつかの違いがあります。
本記事では、ノーコードの概要やメリット、注意点を紹介し、ローコードとの比較も解説します。また、ノーコードで迅速な開発・改修ができるテックタッチの特長についても取り上げますので、ぜひ最後までお読みください。
ノーコードとは?
ノーコードは、「Product Hunt」の創業者であるライアン・フーバーが作成した記事の「ノーコードの勃興」で言及されたのが起源とされています。ノーコードの勃興では、「画面操作のみ(コードなし)で、機能が充実したWebアプリを作成できるサービスの総称」と定義づけていました。ノーコードで作成された最も古いソフトウェアは、1979年にリリースされた表計算ソフトウェア「VisiCalc」といわれています。
VisiCalcのリリース後、プログラミングの工程を削減するためのライブラリやフレームワークが開発されつつ、WordやExcelが画面操作だけで作業できるツールを発明する流れとなりました。このような努力と積み重ねが、近年のノーコードの興隆につながっているといえます。ノーコードの特徴は以下の通りです。
特徴 | 概要 |
コードなしで開発・改修可能 | ・HTML/CSS/JavaScriptなどのフロントエンド言語を用いずに直感的に開発可能 |
非エンジニア人材でも作業に取り組める | ・視覚的なインターフェースで、UIのレイアウト作成やデータベース管理・ワークフローの自動化が可能 ・マーケティング担当者や営業担当者などの非エンジニア人材でも、自前で必要なツールを作成し、業務効率化に役立てられる |
IT人材が不足するなかでさらに需要が高まる | ・IT人材の雇用が難しいなかでは、工数がかかる開発・改修に着手し難い ・ノーコードツールを活用すれば、専門的な技術者がいなくても、迅速にアプリケーションを開発・改修可能 ・限られたリソースのなかで業務効率化を進められる |
ノーコードで開発・改修を実施すれば、人材不足の企業でも迅速に取り組める点が支持されている要因の一つです。
ノーコードの需要がこれほどまでに高まった理由は以下の通りです。
理由 | 概要 |
課題の多様化と複雑化が進んでいる | ・企業が直面する経営課題が多様化し、複雑化している昨今では、迅速な開発・改修が求められるが、フルスクラッチ型の開発では時間やコストがかかる ・ノーコードツールは、その利便性から多様化・複雑化に対処できる強力な開発手法として支持されるようになってきている |
クラウドサービスが一般化した | ・Web上で利用するクラウドサービスが一般化し、ノーコードツールとの親和性が高いため、利用されやすくなった |
IT人材が不足している | ・特に中小企業・スタートアップでは、IT人材の確保が難しい情勢であり、限られたリソースでも開発・改修が可能なノーコードツールへの注目度が高まった |
今後も基本的に大きな出来事が起きない限り、ノーコードでの開発環境が求められていく状況は変わらないでしょう。
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ローコードとの違い
ノーコードとよく似た開発手法が「ローコード」と呼ばれるものです。ノーコードとローコードの違いは以下の通りです。
開発手法 | 特徴 | 対象ユーザー |
ノーコード | ・コードなしで開発・改修可能 ・大規模/高度なシステム開発・改修には不向き |
・専門人材から非エンジニアまで幅広い |
ローコード | ・必要に応じてコードを書く必要がある ・技術的な制約が少なく、拡張性・自由度が高い |
・エンジニアやプログラマーなど |
ローコードは、自身でコードを記載できる分拡張性が高いですが、ある程度の知識・経験がある人材でないと活用できません。一方で、ノーコードはコードなしで利用できるので人を選びませんが、拡張性は低い開発手法です。
≫≫ ローコードとノーコードの違いとは?3つのメリットからデメリットまで徹底解説
ノーコードの3つのメリット
ノーコードで開発・改修するメリットは以下の3つです。ここでは、上記のメリットについて解説します。
1. プログラミング知識がなくても開発が可能
ノーコードツールの最大のメリットは、プログラミングの知識がなくてもアプリやWebサービスの開発ができる点です。開発にコードが必要ない特長のおかげで、スキルを持たない非エンジニアでも、業務に必要なツールやアプリを作成できます。
実際の開発はビジュアルエディタやドラッグ&ドロップで操作できるインターフェースを使用して、UIのデザインやビジネスロジックの設定が簡単に行えます。従来の開発手法に比べて人材にかける学習コストが低く、開発サイドでない幅広いユーザーが利用できる点が大きな魅力です。
2. 開発リソースの削減が可能
ノーコードツールを活用すれば、開発に必要なリソースを大幅に削減できます。フルスクラッチ型の開発では、エンジニアだけでなくデザイナー・プロジェクトマネージャーなどの専門的な人材が必要となるのが一般的です。ノーコードツールを使用すれば、多くの専門的な人材を揃えるリソースを最小限に抑えられます。
特に中小企業やスタートアップにとっては、限られた人材・予算で最大の成果を出さなければならないため、ノーコードは効果的な解決策です。
また、社内で開発リソースを抱えずに、必要な時に内製でツールを作成・変更できるため、外注に依存する必要もなくなります。
3. 開発のスピードが速い
ノーコードツールは、アプリケーション開発のスピードを飛躍的に向上させられます。プログラミングを必要としないため、開発の初期段階での設計やコーディングの時間が大幅に短縮できます。さらに、ビジュアルエディタやテンプレートを活用することで、簡単に試作版を作成し、すぐにテストやフィードバックの実施も可能になります。
迅速な開発サイクルにより、アイデアを即座に反映させられるため、競争の激しい市場でのスピードが求められる場面でも有利に働きます。また、開発スピードが速い分、変更や修正も容易に行える点が、ビジネスの敏捷性を高められる要因にもなります。
ノーコードの3つの注意点
ノーコードで開発・改修を行う際には、以下の3点に注意しましょう。ここでは、上記の注意点について解説します。
1. 複雑な開発は不向きである
ノーコードツールは、プログラミングの知識がなくても簡単にアプリケーションを作成できる反面、非常に複雑な機能やカスタム要件を必要とする開発には不向きです。ノーコードプラットフォームは、おもに汎用的な業務プロセスやシンプルなアプリの構築に最適化されています。特定のビジネスニーズに特化した高度なカスタマイズや独自のロジックが必要な場合、コードが書けないため開発が進められないケースがあります。
ノーコードでの開発では、複雑なシステムや大規模なエンタープライズ向けのソリューションの構築には限界があるのが実情です。
場合によってはローコードやフルスクラッチ型での開発が必要になるでしょう。
2. プラットフォームへの依存リスク
ノーコードツールは、特定のプラットフォーム上で動作するため、ベンダーに依存するリスクがあります。利用しているプラットフォームがサービスを終了したり、仕様変更や料金体系の改定が行われたりすると、開発を行ったアプリやビジネスプロセスが影響を受ける可能性があります。
さらに、プラットフォーム固有の機能・連携サービスなどに依存することで、他のプラットフォームや開発環境への移行が難しくなる事態にも留意しなければなりません。あらゆる面でベンダーに依存するリスクを考慮し、導入時には将来的な展望も十分に検討する必要があります。
3. 国外企業のサービスがほとんど
ノーコードツールの多くは国外企業によって提供されており、日本国内のユーザーにとっては、言語やサポート面での課題が発生する可能性があります。例えば、サポート窓口が英語のみで対応されるケースや、ドキュメントが日本語に対応していない場合があります。
また、国内の法規制やセキュリティ要件に完全には適合しない場合もあるため、データの管理やプライバシーの保護に関して慎重に対応しなければなりません。国外企業のサービスを利用する際には、言語・法制度の違いを考慮し、国内サポートの有無や、プラットフォームの運用方針について事前の確認が大切です。
ノーコードツールの選び方
ノーコードツールを選ぶ際にポイントとなるのは以下の3点です。ここでは、上記のポイントについて解説します。
目的に合ったツールを選ぶ
ノーコードツールを選ぶ際には、まず自分のプロジェクトや業務の目的に合ったツールを選びましょう。
ノーコードツールには、以下のようなに得意とする領域があり、それを基に判断するのがおすすめです。
ノーコードツールの得意とする領域 |
・Webサイト作成 ・データベースやワークフローの自動化 ・Eコマース環境構築 ・アプリ開発 など |
各ツールが提供する機能やテンプレートが、自分が実現したいアプリやサービスに適しているかを確認する作業が最初に必要となります。
適切な導入形態を選ぶ
ノーコードツールを導入する際には、どのような導入形態が適しているかの検討も重要です。ノーコードツールでは、クラウドベースが一般的ですが、オンプレミスでの導入が可能なツールも存在します。クラウドベースのノーコードツールは、インターネット接続さえあればどこからでもアクセスでき、迅速に導入できる点が魅力です。
一方で、クラウドでどこからでもアクセスできるため、データの管理やセキュリティについて特に配慮が必要です。オンプレミスのツールは、自社のセキュリティポリシーに従って運用できるため、機密性の高いデータを扱う場合には適しています。
ただし、概してクラウドベースよりも初期費用がかかるため、費用面では高額になりやすいのが欠点です。自社のITインフラやセキュリティ要件、運用体制を踏まえた最適な導入形態の選定が大切です。
サポートが充実しているツールを選ぶ
ノーコードツールを選ぶ際には、導入後のサポート体制が充実しているかも重要なポイントです。特に、初めてノーコードツールを利用する場合や、複雑な業務システムを構築する予定がある場合には、トラブルが発生した際に迅速に対応できるサポート体制が不可欠です。
サポートが充実しているツールで実装されている機能・サービスの例は以下の通りです。
サポートが充実しているツールで実装されている機能・サービス |
・オンラインヘルプ ・フォーラム ・ベンダーと連絡できる電話・チャット ・トレーニングプログラム など |
また、特に国外企業のツールの場合は、日本語対応のサポートがあるかどうかも、国内ユーザーにとっては重要な選定基準となります。適切なサポートが得られることで、安心してツールを利用し、効果的に業務を進められるでしょう。
≫≫ ノーコードツール比較20選!特徴や料金、選び方まで解説
システム改修のコストを削減するならテックタッチ
社内で利用している業務システムやローンチしたアプリなどは、随時改修による改善が必要になります。
ただ、システム改修には以下の問題があります。
システム改修の課題 |
・IT人材が不足しているため、採用・委託にコストがかかり、コストの割に実装までのスピードが遅い ・開発プロセスが複雑であらゆるステークホルダーが不満を持ちやすい ・システム改修の費用対効果を示しにくいため、投資されない |
上記の問題をローコストで迅速に解決できるのが、ノーコードでUI/UX、ユーザー要望へのすばやい対応が可能な「テックタッチ」です。
テックタッチを導入・利用した企業様では、以下のメリットが得られています。
システム改修の課題 |
・開発リリースのリードタイムを80%削減 ・オンボーディング工数が₋60% ・オンボーディング完了率が3倍 など |
今回、上記のメリットを得られる1分でシステム改修が可能なテックタッチの実装方法について解説した動画付きの資料をご用意いたしました。
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ノーコードのまとめ
ノーコードは、複雑なプログラミングは一切必要なく、非エンジニア人材でも簡単にシステム開発・改修が可能な開発手法です。国内外で多数の企業がノーコードツールを提供していますが、たとえ機能が優れていてもサポート面が脆弱だと利用に不安が残ります。機能面・サポート面で優れたノーコードツールなら「テックタッチ」がおすすめです。
テックタッチは国産ノーコードツールなので、全て日本語で利用・お問い合わせが可能で、使いやすいインターフェースが特長です。また、すでにほかのツールを導入済みでオンボーディングに困っている場合は、テックタッチのデジタルガイドの利用もおすすめです。