近年では、問い合わせ対応や社内マニュアルとして「チャットボット」が注目を集めています。社内向けとしてFAQにチャットボットを活用すれば、会話形式でスムーズに課題解決を行えるため、業務の効率化を期待できるのがメリットです。
この記事では、社内向けチャットボットとは何か、特徴や選び方を解説します。そのうえで、おすすめの社内向けチャットボットツール9選も紹介しますので、あわせてご参照ください。
社内向けチャットボットとは?
そもそもチャットボットとは、「テキストチャット」による対話形式でボットと会話ができるシステムを指します。チャットボットを活用すれば、会話形式で抱えている課題を解決できるのがメリットです。
中でも社内向けチャットボットは、自社内のトラブル解決に特化しています。社内向けFAQ等と連携して、テキスト形式で対話できるため、問題解決の糸口をスムーズに掴みやすいのがメリットです。
また、企業の情報システムなどバックオフィスの業務を担う管理部門の負担軽減も見込めます。ヘルプデスク業務では、「さっき答えた質問と同じ問い合わせが別の人から届く」といった事例も珍しくありません。
そこで社内向けチャットボットを導入すれば、頻出する問い合わせの自己解決を促せるため、問い合わせ件数を削減して管理部門がコア業務に着手しやすくなるのがメリットです。
社内向けチャットボットと社外向けチャットボットの違いとは
社内向けチャットボットと社外向けチャットボットの主な違いは、利用者の範囲と提供する情報の種類です。社内向けは従業員専用で、業務に関連する内部情報へのアクセスを提供します。一方、社外向けは顧客対応に使用され、製品やサービスに関する質問に回答するのが主流です。
一般的に、社内向けチャットボットは自社内のFAQシステムと連携させ、社員全体に有益な情報を発信・共有する目的が主となります。
そのうえで、仕組みに大きな違いがあるのもポイントです。例えば、社内向けチャットボットは「豊富なテンプレートで初期設定などの工数を大幅に削減できる」「AI学習に向けたチューニングが施されている」「社内向けシステムとの連携力に優れている」などが挙げられます。
社内向けチャットボットなら、Slackをはじめとした普段活用している業務システムと連携して、スムーズな利用を促せるのがメリットです。FAQシステムやナレッジ共有ツール、ビジネスチャットなど幅広い社内向けシステムに対応しています。
一方で、社外向けチャットボットは情報発信系ツールとの連携力に優れています。例えばメール配信システムやCRMと連携して、顧客情報や対応履歴を紐づけ、より高品質な顧客対応を実現できるのが特徴です。
チャットボットとFAQの違いとは?
社内向けチャットボットとFAQはどちらも課題解決の目的は一致しているものの、具体的な機能性 や適した利用シーン には違いがあります。それぞれの強みや弱みを理解し、状況に合わせて使い分けることが重要です。
比較項目 | チャットボット | FAQシステム |
適しているQ&Aの数 | ~300件 | 300件~ |
目的にたどり着く時間 | 会話形式ですぐに回答を得られる | 索機能を使って目的の情報を探す必要があるため、ある程度時間がかかる |
提示する情報量 | 一度に提示できる情報量は少ない | 質問内容に準じた細かい情報を得られる |
ターゲットユーザー | 問題の根本を特定し、解決方法を知りたい人向け | 詳細を知り、自身で問題を解決したい人向け |
基本的に、解決までの工程がスムーズなのはチャットボットです。チャットボットは、FAQシステムに比べ「自分で情報を調べる工程」をスルーして、求められている情報が何かを特定・提供できます。
そのため、すぐに回答を得られるほか、問題の根本を特定しやすいのも特徴です。例えば、「パソコンが動かなくなった」といった疑問を1つとっても、「電源が落ちているだけ」「モニターがつかないだけ」「マウス・キーボードが故障しただけ」「OSがフリーズしている」「システム・ソフトウェアが動かない」などさまざまな問題があります。
FAQシステムはそれぞれの詳細を理解したうえで、どのように解決すべきかを自身で検索しなければなりません。
一方で、チャットボットなら「パソコンが動かなくなった」の回答から、一つずつ話を掘り下げて問題の根本を特定しやすい魅力があります。そのうえで解決方法を提示できるため、ITリテラシーに自信のない人でも自己解決を促しやすいのが特長です。
その性質から、近年では多くのシーンでチャットボットの導入が進められています。
社内向けチャットボットの失敗しない3つの選び方
社内向けチャットボットを導入するときは、いくつかのポイントに注意する必要があります。具体的には、以下タイトルにある3つの項目に着目することが大切です。ここでは、社内向けチャットボットの失敗しない選び方について解説します。
なお、場合によっては導入に失敗して、「システムが利活用されない」「回答精度が低い」と頭を悩ませる事例も少なくありません。そのようなときは、システムやツール上で直接操作手順を解説できる「ナビゲーションガイド」タイプのツールを導入するのもポイントです。
ナビゲーションガイド機能のツールなら、操作画面上で直接情報を表示できるため、利用を促しやすいメリットがあります。加えて、専門知識を有する担当者が直接解説を加えられるため、的確な回答で疑問を解決しやすいのも特長です。
興味をお持ちいただけましたら、ぜひ「ナビゲーションガイド」を利用できるテックタッチをご利用ください。
課題解決の目的に沿ったツールを選ぶ
課題解決の目的に沿った社内向けチャットボットを選ぶことが重要です。目的に応じて、必要なチャットボットの機能や応答能力は異なります。例えば、業務効率化を目指す場合は、日常的に行われる質問に回答できるツールを選ぶべきです。
また、普段社内で活用しているシステムと連携できるかどうかも大切なポイントです。社内向けチャットボットの利活用を促しやすくなるため、導入効果を得やすくなります。
メンテナンスが簡単なツールを選ぶ
メンテナンスが簡単なチャットボットを選ぶことは、長期的な運用において非常に重要です。継続的な更新や調整が容易なツールであれば、常に最新の情報を提供し続けられます。言い換えれば、古い情報が掲載され続けてしまうと、誤った情報を与えて業務に支障を来しかねません。
簡単な操作でFAQの更新ができるチャットボットなら、運用負担を大幅に軽減することが可能です。メンテナンスのしやすさにより、情報の正確性や利便性を保ちながら、コストや手間を削減できます。
応答の精度が高いものを選ぶ
社内向けチャットボットを選ぶときは、応答精度の違いに着目する必要があります。具体的には、頻出ワードなどを元に手動で学習させるチャットボットと、自動で学習して回答精度を引き上げられるチャットボットの違いです。
最初のチャットボット選びを間違えてしまうと、応答精度が低く、社員が期待した情報を提供できない可能性が高まります。
また、質問内容の処理能力も重要です。例えば、自然言語処理技術を用いたチャットボットは、複雑な質問を識別して適切な回答を用意できます。質問内容の識別能力は搭載されたAIによって異なるため、応答精度の良し悪しを比較検討して優れたチャットボットを導入するのが理想的です。
ツール上のでの困りごとにはデジタルガイドツール
社内向けチャットボットを活用すれば、パソコン上のシステム・ツール操作から実作業までさまざまな「問い合わせ」に対してスムーズに回答できます。
しかし、実際の疑問を抱いてからチャットボットに質問するまでロスタイムが発生するほか、応答精度によっては結局問い合わせが発生して工数が増えるだけになってしまうのも事実です。
もし、パソコンのツール活用途中で困りごとが多い場合は、デジタルガイドツールの利用もおすすめです。例えば、テックタッチのデジタルガイドツールなら、システム上のオンボーディングで直接操作手順などを解説できます。
求めている情報を的確に表示できるため、「詰まるポイント」を解消しやすいのが魅力です。興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
おすすめの社内チャットボットツール9選
一言で社内向けチャットボットツールといっても、さまざまな種類が登場しています。ここでは、特におすすめの社内向けチャットボットツールについて、特徴や料金体系を交えてご紹介します。
1. ChatAIde(株式会社CBIT)
ChatAIde(株式会社CBIT)の特徴 |
◾|FAQシステム「ナレッジリング」との連携に優れたチャットボット ◾|基盤のナレッジリングは1ユーザー120円から利用できる低コストが魅力 ◾|会話分析だけでなく、Excelで作成したシナリオを取り込める |
導入実績:未掲載
料金体系:初期費用20万円~、月額利用料10万円~
2. PKSHA FAQ(株式会社PKSHA Communication)
PKSHA FAQ(株式会社PKSHA Communication)の特徴 |
◾|言語理解エンジンに日本語特化の性能を持ち、問題把握能力が高い ◾|顧客サービス用や社内向けなど、異なる目的のFAQサイトも1つで構築できる ◾|使用状況の分析機能を備えており、初めてのシステム導入にもおすすめ |
導入実績:導入企業数800社以上、問い合わせ件数を40%以上削減
料金体系:初期費用130万円~、月額10万円~
3. sAI Search(株式会社サイシード)
sAI Search(株式会社サイシード)の特徴 |
◾|人の話し言葉を理解してスムーズかつ高精度で答えを見つけるAIのチャットボット ◾|従来のAIサービスと違い、事前の長期間のトレーニングなしで直ちに利用開始できる ◾|使用状況を分析し、その結果に基づいて改善策を提案・実施できる |
導入実績:JAL、朝日新聞、横浜銀行など
料金体系:要お問い合わせ
4. Zendesk(Zendesk Inc.)
Zendesk(Zendesk Inc.)の特徴 |
◾|Webサイトやメール、Slackなどのチャットツールでも連携できる ◾|問い合わせ内容や情報を一元管理してサポートチケットに入力できる ◾|チャットボットで解決できない問題は、適切なサポート担当者へ引き継ぎ、AIツールがサポート担当者の対応を支援できる |
導入実績:世界11万社以上の企業に活用
料金体系:$55〜$149。要お問い合わせ
5. FastAnswer2(テクマトリックス株式会社)
FastAnswer2(テクマトリックス株式会社)の特徴 |
◾|「見つけやすい」「作りやすい」「育てやすい」をコンセプトに開発されたFAQナレッジツール ◾|社内FAQからカスタマーサービスまで、幅広い問題解決に対応 ◾|複数サイトのFAQを1つのシステムで一元管理できるため、データ管理が容易 |
導入実績:ダイキン、トヨタコネクティック、ユーキャンなど
料金体系:要お問い合わせ
6. Helpfeel(株式会社Helpfeel)
Helpfeel(株式会社Helpfeel)の特徴 |
◾|社内FAQに必要な全機能を網羅しており、検索性能の大幅な向上を実現 ◾|利用者の意図を予測してFAQ回答を提供 ◾|曖昧な質問も識別して希望のページへしっかりと誘導 |
導入実績:アデランス、リクシル、アイフルなど
料金体系:要お問い合わせ
7. COTOHA Chat & FAQ(NTTコミュニケーションズ株式会社)
COTOHA Chat & FAQ(NTTコミュニケーションズ株式会社)の特徴 |
◾|独自の検索エンジンで、高精度な回答を提供 ◾|マルチリンガル機能を搭載しており、多言語に対応 ◾|問い合わせ内容を自動で集計して分析もできる |
導入実績:埼玉県庁、パソナテック、東京都福祉保健局など
料金体系:要お問い合わせ
8. Service Cloud(株式会社セールスフォース・ジャパン)
Service Cloud(株式会社セールスフォース・ジャパン)の特徴 |
◾|Salesforce製品との連携力に優れている ◾|CRMツールと連携して顧客情報の紐づけや自己解決促進が可能 ◾|内容に応じてシームレスに有人サポートへ移行できる |
導入実績:基盤のCRMは世界15万社以上で活用されるプラットフォーム
料金体系:月額3千円~/1ユーザーあたり
9. ふれあいコンシェルジュ(北日本コンピューターサービス株式会社)
ふれあいコンシェルジュ(北日本コンピューターサービス株式会社)の特徴 |
◾|アクセス制御機能を搭載しており、同一システム・ナレッジで社内外の対応を切り替えられる ◾|自然言語処理AIがパターンを学習して回答精度を向上させる ◾|FAQのデータやID発行件数も無制限で行える |
導入実績:アイザワ証券、秋田県デジタル政策推進課、宮崎市情報政策課など
料金体系:初期費用0円、月額利用料18万円~
ツール利用での困り事はデジタルガイドツールで解決
社内向けチャットボットを活用すれば問い合わせの深堀りや業務効率化を推進できます。しかし、実際にチャットボットを稼働させて社内に浸透させるまでリソースが求められるのも事実です。
なかには、利活用が促進されずに導入コストだけが掛かってしまった事例もあります。そのようなトラブルを避けるため、パソコンのソフトウェアやツール利用で困り事がある場合は「デジタルガイドツール」がおすすめです。
デジタルガイドツールとは、システムの操作画面上で直接操作方法を解説できる仕組みで、疑問が起きたタイミングで直接解決方法を提示できるのが魅力です。デジタルガイドツールなら、利用を促進せずとも、自然と利用してもらいやすいため、問い合わせ件数を低減する効果が期待できます。
もしツール利用でお困りの場合は、デジタルガイドツールの「テックタッチ」をご検討ください。テックタッチでは社外向けプロダクト・社内向けプロダクトでそれぞれシステムをご用意しております。
「システム操作に迷わせない」をモットーに、マニュアルを見ずとも悩まないシステム操作を実現できるのが特徴です。興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
社内向けチャットボットのまとめ
近年ではFAQシステムと連携できる社内向けチャットボットが人気を集めています。チャットボットなら曖昧なトラブル内容も深堀りして問題解決方法を提言できるほか、1つの窓口でスピーディに回答できるのが魅力です。
一方で、社内向けチャットボットには回答精度を引き上げるための取り組みや、元となるFAQを準備するなどのリソースが求められます。
もし、パソコン上のツールやシステムに関連する問い合わせ件数が多い場合は、ナビゲーションガイドツールの「テックタッチ」をご利用ください。テックタッチでは社内システム向けのプロダクトにも対応しており、「SFA/ERP/経費精算/HCMシステム」などの利活用定着も支援いたします。
システムの利用状況を可視化して、ユーザビリティ改善・向上などに取り組んでいただけるのも特徴です。ノーコードでガイドを作成・変更できるため、素早くPDCAサイクルを回せるメリットもあります。
データドリブン×アジャイルな改善を実現できるため「自社内システムの問い合わせ件数を減らしたい」と社内向けFAQシステムをお探しの場合は、ぜひテックタッチのご利用をご検討ください。