問い合わせ対応を自動化する方法とは?メリットから注意点まで紹介

社内システム担当者向け

近年、企業は顧客との接点において、より迅速かつ質の高い対応を求められています。しかし、問い合わせ件数の増加や人手不足により、従来の対応方法では対応工数の負担から限界を迎えているケースも少なくありません。そこで注目されているのが、問い合わせ対応の自動化です。

問い合わせ対応の自動化によってさまざまな負担を軽減できるほか、「サポートが必要な緊急性の高い問い合わせ」に注力しやすいのも相まって、近年多くの企業で導入が進められています。この記事では、問い合わせ対応を自動化する方法やメリット、注意点について詳しく解説します。

システムの問い合わせを削減する最新の手法とは

 

問い合わせ業務の種類

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問い合わせ業務は、「社内からの問い合わせ」と「社外からの問い合わせ」の2つに分類できます。問い合わせ対応はいずれも「課題を解決すること」が大きな目的ですが、その内容は「社内・社外」によって傾向が異なるのも事実です。ここでは、問い合わせ業務の種類について解説します。

社内からの問い合わせ

社内からの問い合わせは、「自社内の業務や課題、問題解決が目的の問い合わせ」に分類されます。具体的な問い合わせ内容は以下のとおりです。

社内からの問い合わせ
・システムに関する問い合わせ
・経理に関する問い合わせ
・人事に関する問い合わせ
・総務に関する問い合わせ
・その他、社内業務に関する問い合わせ

例えば、「パスワードを忘れてシステムに接続できない」「有給を取得する手続きが分からない」「経費の申請手続きはどうやるのか」などです。幅広い内容の問い合わせが多く、社員の業務効率に直結する案件も多いため、スピーディに的確な対応が求められます。

社外からの問い合わせ

社外からの問い合わせは、「製品の運用やアフターサービス、疑問解決が目的の問い合わせ」に分類されます。具体的な問い合わせ内容は以下のとおりです。

社外からの問い合わせ
・製品・サービスに関する問い合わせ
・注文・配送に関する問い合わせ
・アフターサービスに関する問い合わせ
・請求書に関する問い合わせ
・その他、顧客対応に関する問い合わせ

例えば、「製品が故障している」「システムがうまく動かない」「外部サービスと連携できるのか」「いつまでに納品してもらえるか」などです。要望からクレームまで幅広く存在するほか、企業の顔として顧客対応に当たるため、優れた対応品質が求められます。社外からの問い合わせに比べると、丁寧さや正確さを欠いた対応は顧客満足度の低下に繋がるため注意が必要です。

問い合わせ対応時の3つの課題

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問い合わせ対応は社内・社外を問わず重要な役割を担う一方で、いくつかの課題を抱えているシーンも少なくありません。問い合わせ対応時の主な課題は以下の3通りです。ここでは、問い合わせ対応時の3つの課題を解説します。

1. 問い合わせ件数が多く人手が足りない
2. 属人化が発生しやすい
3. 対応の質が均一ではない

1. 問い合わせ件数が多く人手が足りない

問い合わせフォームを始めとして、近年では「メール」「SNS」「チャット」「電話」などさまざまな対応方法が増えています。顧客との接点も多様化しており、問い合わせ件数が増加傾向にあります。一方で、増えている問い合わせ件数に対して人手が足りておらず、スムーズな顧客対応を進められないという課題があるのも事実です。

なかには初歩的な質問内容や頻繁に発生する質問内容によって、緊急性の高い問い合わせへの対応が遅れてしまう事例もあり、顧客満足度の低下に繋がってしまうリスクも否定できません。件数が多く人手が足りないと感じる場合は、「FAQ」などを用意して簡単な質問の自己解決を促し、問い合わせ対応を自動化するのもポイントです。

2. 属人化が発生しやすい

問い合わせ対応によるトラブルの原因のひとつに、対応品質の属人化が挙げられます。例えば、「社内システムの◯◯でエラーが出た」などの知識が求められる問い合わせは、専任の担当者に引き継ぐなど工数の手間が生まれてしまうのも事実です。

回答できる担当者が属人的な状況を放置していると、担当者不在の際に対応が遅れてしまったり的確な回答ができない可能性もあります。そのようなときは、充実したマニュアルを用意して問い合わせ対応の属人化を解消する取り組みが大切です。

また、利用者サイドのマニュアルを充実すれば、問い合わせ件数自体を削減できるのもポイントです。システム上でナビゲーションを表示できる「テックタッチ」なら、専任担当者の知識を必要なケースでもその場で画面上にガイドを表示できるため、疑問解決の属人化を防ぐ効果も期待できます。

3. 対応の質が均一ではない

近年、問い合わせ対応を自動化する取り組みが進められる背景に、対応品質のバラつきがあります。パート・派遣など、担当者権限によってそれぞれ答えられる問い合わせ内容も異なるため、満足した顧客対応を提供できない事例もあります。

担当者の経験やスキルによって問い合わせ対応の質に差が生じ、顧客満足度の低下やクレーム・トラブル発生のリスクを高める可能性も否定できません。社外からの問い合わせに対して対応品質が均一でないと、顧客の信用度を損なう可能性もあります。そのため、問い合わせ内容の種別に応じてある程度の対応フローを確立し、対応品質のバラつきを改善する必要があります。

問い合わせ対応自動化のメリット

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上記のように、問い合わせ対応にはさまざまな課題があります。そこで、問い合わせ対応を自動化すれば、スムーズな顧客・問い合わせ対応で利用者の満足度も向上する傾向にあります。問い合わせ対応の自動化によって得られる代表的なメリットは以下のとおりです。
ここでは、問い合わせ対応を自動化する5つのメリットを解説します。

・業務効率化が進む
・人的ミスの削減
・対応品質の均一化
・24時間対応可能になる
・社内ナレッジがたまる

業務効率化が進む

問い合わせ対応を自動化すれば、担当者の負担を軽減し、業務効率を大幅に向上できるのがメリットです。社内の問い合わせをはじめとして、問い合わせ対応には自社内のリソースを割く必要があります。総務や経理などの担当者にはその分だけストレスや負担が掛かってしまうのも事実です。

問い合わせ対応を自動化すれば担当者の工数を減らせるため、コア業務に力を入れやすくなり、各部門の生産性を高める効果が期待できます。

人的ミスの削減

問い合わせ対応を自動化すれば、人的ミスによるトラブルを削減できるのがメリットです。例えば、問い合わせメールの返信フローで入力ミスがあったなどの些細な問題でも顧客にストレスを与えてしまうリスクがあります。

ツールで一定の問い合わせ対応を自動化すれば、有人対応による入力ミスや判断ミスを排除できるのがメリットです。その結果、ミスのない対応により顧客満足度の向上につながります。

対応品質の均一化

問い合わせ対応を自動化すれば、対応品質を均一化できるのがメリットです。すべての問い合わせに対して、一定の基準に基づいた回答を提供できるため、誰が対応してもバラつきのない顧客対応を行えます。

社員や顧客満足度の向上を期待できるのはもちろん、属人的な対応を防げるのもポイントです。一部の担当者に大きな負担が掛かってしまう状況を改善でき、コア業務に注力できる環境づくりを行えます。

24時間対応可能になる

問い合わせ対応の自動化によって、24時間対応が可能になるのは大きなメリットです。時間や場所にとらわれず、24時間365日対応すれば、いつでも課題を解決できるため顧客満足度も大きく向上します。また、見込み客を逃しにくいのもメリットのひとつです。通常の業務時間だけ問い合わせフォームを開いている状況では、顧客が平時仕事をしていると問い合わせができなくなってしまいます。

問い合わせ対応を自動化すれば、顧客一人ひとりの都合に合わせて問い合わせを行えます。その結果、顧客の関心が高まっている状態を維持したまま商材をアピールできるため、他者に流れるリスクを最小限に抑えられるのがメリットです。

社内ナレッジがたまる

問い合わせ対応の自動化にあわせて、顧客からの問い合わせ内容や回答履歴をデータベース化すれば、社内ナレッジを蓄積できるのもメリットです。データを収集できるため、よりよい対応を実現するための環境づくりを行えます。

また、頻出する問い合わせ内容を浮き上がらせ、簡単な問題はFAQにまとめるなど、問い合わせ件数そのものを削減する取り組みにつなげられるのもメリットです。

問い合わせ業務を自動化する方法

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問い合わせ対応を自動化すればさまざまなメリットがあり、自社リソースを割かずに業務を自動化する手法もいくつか存在します。問い合わせ業務を自動化する代表的な手法は以下のとおりです。
ここでは、問い合わせ対応の業務を自動化する手法について解説します。

・アウトソーシング
・チャットボットを使用
・IVRや音声認識ツールを使用
・FAQシステムを使用

アウトソーシング

問い合わせ対応を自動化する手法に、業務そのものをアウトソーシングする方法が挙げられます。アウトソーシングとは、専門業者に外注・委託して、自社内の作業負担を減らす取り組みです。
アウトソーシングで問い合わせ対応を自動化すれば、自社の人材で問い合わせ対応を行うよりも低コストを実現しやすいのがメリットです。

一方で、問い合わせ対応に必要な情報や商材知識の事前共有が必要になるほか、社内情報が漏洩するリスクがあります。

チャットボットを使用

問い合わせ対応を自動化する手法に、AI技術を活用したチャットボットを利用する方法が挙げられます。チャットボットとは、AIが顧客からの問い合わせ内容を自動で識別し、用意された回答を自動で返信する仕組みです。
チャットボットで問い合わせ対応を自動化すれば、自社のリソースを削減できるだけでなく、「問い合わせ対応がスムーズ」「24時間365日対応」「顧客都合で問い合わせしやすい」「気軽な問い合わせで顧客の心理負担が少ない」などのメリットがあります。

そのため、顧客満足度の向上も期待しやすいのが特長です。一方で、チャットボットの事前設定が不十分だったり、AI機能が優れていなかったりすると、曖昧な回答で顧客満足度が低下するリスクもあります。

IVRや音声認識ツールを使用

問い合わせ対応を自動化する手法に、IVRや音声認識ツールを活用する方法が挙げられます。IVRや音声認識ツールは、電話での問い合わせに対して自動音声・識別ツールで案内し、顧客がオペレーターに繋がるまでの待ち時間短縮・問い合わせ内容の識別を行える仕組みです。
例えばIVRは、「◯◯なら1を…▢▢なら2を押してください」といった具合に、自動音声で問い合わせ内容を事前に絞ることができます。簡単な問い合わせなら自動音声だけで案内できるほか、緊急性が高かったり専門性が高かったりする問い合わせは専門部署につなぐ仕組みを構築できるのもポイントです。

音声識別ツールを活用すれば、待機中のガイダンスによって最適なオペレーターへ案内できるため、問い合わせ業務を効率化できるメリットがあります。
ただし、あくまで問い合わせ対応の効率化を図る仕組みであり、その先のフローにはオペレーターの存在が欠かせないため、業務全般の自動化にはつながりません。

FAQシステムを使用

問い合わせ件数そのものを削減する手法に、FAQシステムを利用する方法が挙げられます。FAQシステムとは、よくある質問とその回答をまとめたページによって、顧客が問題を自己解決できるよう支援する仕組みです。

単純な問い合わせをFAQシステムによって自己解決できるよう導けば、問い合わせ対応担当者の負担を削減する効果が期待できます。また、緊急性の高い問い合わせに注力しやすくなるため、顧客満足度の向上も期待できるのがメリットです。

≫≫ 社内向けチャットボットおすすめ9選!FAQとの違いや失敗しない選び方を解説!

DAPとツールを併用する

問い合わせ対応の自動化にあわせて、DAP(Digital Adoption Platform)ツールを導入するのもポイントです。DAPツールとは、顧客のセルフオンボーディングを自動化する仕組みを指します。
例えばテックタッチでは、「新規導入システムの操作画面上にガイドを表示」といったフローの構築が可能です。画面上で直接操作方法や疑問解決を促せるため、問い合わせ件数そのものを削減する効果が期待できます。

また、新規・既存のユーザーを問わずシステムが浸透する環境づくりに活かせるのもポイントです。デジタルガイドによって新規ツールやシステムの導入を促せば、いち早く導入効果を得やすくなるメリットもあります。

≫≫デジタルガイド、プロダクトツアーを活用してシステム運用を活性化させるポイントを解説

問い合わせ対応自動化の3つの注意点

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問い合わせ対応を自動化すればさまざまなメリットがある一方で、いくつかの注意点もあります。スムーズかつ効果的に導入するためにも、事前に押さえておきたい注意ポイントは以下のとおりです。ここでは、問い合わせ対応を自動化する際の注意点について解説します。

・導入・運用コストがかかる
・社員が使いこなせない
・自動回答は万能ではない

導入・運用コストがかかる

問い合わせ対応を自動化するには、どうしても導入・運用コストがかかります。問い合わせ対応を根本から自動化するには、チャットボットなどの専用ツールが必要です。問い合わせ対応を自動化して担当の負担を削減しても、件数そのものが多くなければ、費用対効果が見合わなくなってしまうのは避けられません。

導入するツールの初期費用やランニングコストを踏まえたうえで、問い合わせ対応の自動化でどの程度の人件費・作業負担が減るのか比較検討するのをおすすめします。その際は、KPIを設定して具体的に目標を達成できたかチェックするのも大切です。

社員が使いこなせない

問い合わせ対応をある程度自動化するため、オペレーター向けのツールやシステムを導入する事例も多くなっています。しかし、肝心の導入したツールやシステムを社員が使いこなせなければ、導入効果を発揮しづらくなってしまうのも事実です。場合によっては、システムの難解さから敬遠されてしまい、せっかくツールを導入したのに社内へ浸透しない事例もあります。

そのようなリスクを避けるためには、顧客・利用者サイドから疑問を解決できるよう、デジタルガイドツールなどで問い合わせ件数そのものを削減するのもポイントです。テックタッチのデジタルガイドなら、手順が難解なシステムでも操作画面上ですぐに課題を解決できるため、問い合わせ件数そのものを削減する効果が期待できます。担当者が新しいシステム・ツール環境に慣れる必要もなく、顧客・利用者サイドの困りごとをダイレクトに解決できるのがメリットです。

自動回答は万能ではない

問い合わせ対応の自動化ツールにはさまざまな仕組みがあるものの、自動回答だけではすべての疑問を解決することは難しくなっています。複雑な内容や専門性の高い問い合わせには、オペレーターによる対応が必要不可欠です。

定型的な問い合わせ対応を自動化できたからといって、担当者や担当部署をなくしてしまうと、大きなトラブルにつながります。チャットボットなどを活用した問い合わせ対応の自動回答では、細かくメンテナンスをして回答精度を向上させたり、必要に応じてオペレーターによる手動対応を行ったりする取り組みが大切です。

まとめ

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問い合わせ対応を自動化すれば、業務効率化や人的ミスの削減、対応品質の均一化などさまざまなメリットを得られます。一方で、問い合わせ対応を自動化するにはツールが必要で、初期費用やランニングコストなど、メリットだけでなくデメリットがあるのも事実です。

複雑な問い合わせ対応は最終的に人の手が必要になるなど、自社の環境や問い合わせ件数、対応負担などを踏まえたうえで費用対効果を発揮できるか比較検討するのをおすすめします。もし、「問い合わせ件数そのものを削減したい」と頭を悩ませている場合は、DAPツールである「テックタッチ」のデジタルガイドをご検討ください。

テックタッチなら、顧客・利用者側で直接疑問を解決できるため、問い合わせ件数そのものを削減する効果が期待できます。社内システムの新規導入から顧客が詰まりやすいポイントまで、デジタルガイドを提供するテックタッチなら、システムやツールの操作手順が浸透するサポートを行えます。「初歩的な質問が多い」「頻出する質問がある」「新規システムの導入で問い合わせが増えそう」と考えている方は、ぜひこの機会にテックタッチのご利用をご検討ください。

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