アクティブユーザー率は、アプリやWebサービスの成長を示す重要な指標です。アクティブユーザーには、DAU(デイリーアクティブユーザー)、WAU(ウィークリーアクティブユーザー)、MAU(マンスリーアクティブユーザー)と種類があり、どれを選べば良いのか迷う場面も多いでしょう。
本記事では、各指標の違いを解説するとともに、アクティブユーザー率の平均的な推移や、その向上施策について解説します。また、記事の後半ではユーザのサービス利活用を促進できる「テックタッチ」についても紹介します。




アクティブユーザー率とは?
ここでは、以下のポイントからアクティブユーザー率の概要を解説します。

アクティブユーザー率の定義
アクティブユーザー(AU)とは、一定期間内にWebサイトやアプリを訪れ、利用したユーザーを指します。
この「一定期間」は管理者が設定するもので、以下の項目に分類するパターンが一般的です。
一定期間のパターン |
・日(DAU) ・週(WAU) ・月(MAU) |
上記の期間内では、同じユーザーが複数回訪問しても、1アクティブユーザーとしてカウントされます。アクティブユーザー率を活用すれば、サービスの利用状況や顧客のエンゲージメント、定着率を把握できます。
特に顧客の継続利用が重要なSaaSビジネスにおいては、アクティブユーザー率は売上に直結する重要な指標の一つです。
≫≫ DAU、MAUとは?アクティブユーザーを適切に計測しアクティブ率を向上させる方法を解説
アクティブ率の計算式
アクティブユーザー率を求める際、一般的に使用される指標にはDAU・WAU・MAUがあります。
それぞれの指標の定義と利用すべきシーンは以下の通りです。
指標 | 定義 | 利用すべきシーン |
DAU | 1日ごとのアクティブユーザー数 | ・SNS ・ブログ |
WAU | 1週間ごとのアクティブユーザー数 | ・SNS ・ブログ ・ECサイト |
MAU | 1ヵ月ごとのアクティブユーザー数 | ・ECサイト ・旅行 ・保険 |
上記の指標は、ユーザーがどのくらいの頻度でサービスを利用しているかを測定するために活用され、それぞれの期間ごとの利用状況を把握するために適しています。
実際にアクティブユーザー率を計算する際の代表的な式は以下の通りです。
【DAU/MAU】 |
月間アクティブユーザーに対する1日あたりのアクティブユーザーの割合を示す アクティブ率 = (DAU / MAU) × 100 |
【WAU/MAU】 |
月間アクティブユーザーに対する1週間あたりのアクティブユーザーの割合を示す アクティブ率 = (WAU / MAU) × 100 |
【MAU/DL数】 |
月間のアクティブユーザー数をダウンロード数で割った数値 MAU/DL数 = 月間のアクティブユーザー数 ÷ サービス登録者数(ソフトウェア・アプリダウンロード数) |
上記の計算式を使用すれば、サービスのエンゲージメントの度合いや、ユーザーの定着状況を定量的に把握できます。各指標の違いを理解し、自社サービスに合った指標を選ぶのがユーザーの動向を正確に把握するための第一歩です。
アクティブユーザー率の平均とは
アクティブユーザー率の平均は、おもに前項でも紹介した「MAU(マンスリーアクティブユーザー)/総ダウンロード数」で求められます。「MAU/総 DL 数」は、アプリやWebサービスにおける利用状況を評価するための重要な指標です。一般的に、アプリダウンロードから30日後のアクティブユーザー率は70〜80%とされています。
しかし、時間が経過するにつれてユーザーの利用頻度は低下し、半年後には50〜60%が平均的な水準となります。サービスの利用期間が長くなるにつれてアクティブユーザー率が減少する傾向にあるため、継続的なユーザーエンゲージメントの向上施策が必要です。
アクティブユーザー率の一般的な推移
アクティブユーザー率の推移では、まずアプリやWebサービスのリリース直後は多くのユーザーが利用を開始し、アクティブ率も高い傾向にあります。しかし、その後リリースから半年が経過する頃にはその増加が緩やかになっていくのが特徴です。
一方で、累計ダウンロード数はリリース後も着実に増え続けますが、それに反してアクティブユーザー数は徐々に減少する傾向があります。そして、半年が経過した後でも50%〜60%のユーザーが依然としてアクティブな状態を維持している場合が多く見られます。

アクティブユーザー率の平均値を向上させるための方法
アクティブユーザー数の平均値を上げるためには、まずDAU・WAU・MAUのうちどの指標を改善したいかを定義するのが大切です。定義づけが完了すれば、サービスの種類によって目指すべき基準値は異なるため、社内で協議した上で基準値を決定するのが一般的な流れです。
ここでは、以下のアクティブユーザー率を向上させられる方法について解説します。

頻繁に質の高いコンテンツ更新を行う
コンテンツの頻繁な更新は、ユーザーとの接点を多く作るために役立ちます。定期的な更新によりユーザーはサービスやブランドとより多く関わる機会を得られます。
継続的なコンテンツとの接触により、購買予定のないユーザーでもブランドがより身近な存在となり、興味を持ちやすくなるのがメリットです。
質の高いコンテンツの継続的な更新は、ブランドイメージ・顧客ロイヤリティの向上につながり、結果としてユーザーの長期的なエンゲージメントを強化できます。
ユーザーの投稿を通じたコミュニティの構築
ユーザー同士がコミュニケーションを図れる「コミュニティ」の提供は、サービスのアクティブ率を向上させるための効果的な方法です。コミュニティを構築すれば、ユーザーがプッシュ通知なしでも自然にサービスを開く動機付けができ、エンゲージメントを高められます。
また、サービス提供側が積極的に投稿や情報発信を行えば、ユーザーにとってより身近な存在となり、親しみを感じてもらえるのも特長の一つです。ユーザーと運営側が一体となってコミュニティを育てていければ、サービス全体としてのアクティブ率を向上させられるでしょう。
リテンション率向上を狙ったプッシュ通知
アクティブユーザー率の平均値を向上させるためには、顧客のステータスや状況に応じたプッシュ通知の送信が効果的です。
平均値を向上させられるプッシュ通知の例は以下の通りです。
プッシュ通知の例 |
・顧客をセグメントやランクごとに分類し、特定のグループにのみ通知を送る ・誕生日を迎える顧客への限定メッセージを送信 ・特定の条件を満たした顧客だけに特別なオファーを送信 ・予約した日程が近づいたときにリマインドの通知を送る など |
上記の例のように、顧客一人ひとりの状況に合わせたプッシュ通知を活用すれば、リテンション率・アクティブ率の向上につなげられます。
システム活用を促すツールを導入する
アクティブユーザー率の向上を図るためには、まず自社のサービスを正確に理解し、そのサービスに最も適した指標の設定が大切です。また、どの指標を選んだとしても、最終的にはユーザーがシステムを効果的に活用できるような支援が不可欠です。
ユーザーの効果的なシステム活用を支援するには、システム活用を促すツールを導入し、より簡単にサービスを利用し続けられるようなサポート体制の構築が求められます。特に、アクティブユーザー率の計測とともに重要視されているのが「デジタルアダプション」です。
デジタルアダプションは、ユーザーがデジタルツールを使いこなせる状態およびそれを支援するプロセスを指します。このデジタルアダプションに関するツールは「DAPツール」と呼ばれ、そのなかでユーザの利活用を促進し、アクティブユーザー率を向上させられるのが「テックタッチ」です。
テックタッチの詳しい機能・特長については次項にて解説します。
≫≫ デジタルアダプションプラットフォームとは?そのメリットと導入時の注意点
≫≫ DXの実現に欠かせないデジタルアダプションとは?実現による効果と課題を解説

ユーザーの利活用を促進するテックタッチ
テックタッチの導入により、ユーザーのデジタルアダプションを促進し、利活用をさらに推し進められる環境を構築できます。
テックタッチが持つユーザーの利活用促進に役立つ機能・特長は以下の通りです。
機能・特長 | 概要 |
オンボーディングの効率化 | ・プロダクト上にデジタルガイド・ツールチップを設置し、ユーザーが利活用しやすい環境を構築できる |
ユーザー起点のUI/UX改善 | ・ユーザーのプロダクト上の行動をデータで可視化でき、UI/UX改善のための施策をスピーディーに進められる |
ノーコードで開発・改修可能 | ・即座に改善点を是正して反映できるため、開発サイドへの依頼が不要 |
上記の機能・特長により、効率的にアクティブユーザー率を向上させられます。
アクティブユーザー率に関するまとめ
アクティブユーザー率を向上させるためには、ユーザーとの継続的な関係構築が重要です。継続的な関係構築には、頻繁に質の高いコンテンツを更新し、ユーザーが興味を持ってアプリを開くきっかけを作る施策の実施が求められます。
また、プッシュ通知やコミュニティの構築などを通じて、ユーザーのアクティブ度を維持・向上させるのも効果的です。さらに、ユーザーがアプリを使いやすいと感じるサポート体制を整えることも欠かせません。
アクティブユーザー率を向上させるためのさまざまな取り組みに活用できるのが「テックタッチ」です。テックタッチなら、デジタルアダプションの実現のために活用できるさまざまな機能・特長があり、ノーコードでの開発・改修も可能です。開発サイドのリソースを割かずに即座にサービスの改善が可能なので、ユーザーの要望に迅速に応えられ、顧客満足度およびアクティブユーザー率の向上が実現できます。



