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CS工数削減、ユーザーのセルフオンボーディングを実現する「テックタッチ」ライターチームです。
SaaSビジネスでは、既存顧客に商品・サービスを継続利用してもらうことが重要で、新規顧客の獲得よりも、既存顧客を維持していくことのほうがより重要視されています。
こうした顧客維持の考え方は、SaaSビジネスの経営を安定させるカギとなります。
本記事では、顧客維持の意味、重要とされる理由を紹介するとともに、顧客維持の方法や改善するポイントについてもあわせて説明します。
顧客維持とは
ビジネスにおいて顧客へのアプローチ目的には大きく分けて「新規顧客の獲得」と「既存顧客の維持」がありますが、SaaSビジネスでは後者が重要視されています。
既存顧客の維持に力を入れる考え方を顧客維持といいます。
買い切り型のビジネスモデルであれば、新たに商品を購入する新規顧客の獲得が重要ですが、サブスクリプション型が基本のSaaSビジネスでは、継続利用によって収益を上げていくため、カスタマーサクセスなどによる顧客維持の視点が欠かせません。
顧客維持は、商品・サービスの利用を顧客に継続してもらうことで良好な関係を築く手法です。
具体的には顧客維持率(リテンション率)を意識した施策を行うことで、効果的に顧客との関係性を強化していきます。
顧客維持のためにかかるコストは、新規顧客獲得にかかるコストに比べると費用を抑えることができるとされています。
また、長期的な売り上げ獲得を期待できることから、SaaSビジネスにおいて大変重要です。
顧客維持率(リテンション率)について詳しくは、「リテンション率とは?計算方法、低下する要因や改善ポイントを紹介」をご覧ください。
顧客維持の重要性
なぜ顧客維持が重要なのかを説明します。
安定した収益の実現
SaaSビジネスでは、新規顧客を獲得するのは難しく、相応のコストがかかるとされます。
契約して月額や年額の利用料が入るとしても、新規獲得にかけたコストが回収できるまでは時間がかかるため、契約後にすぐ解約されてしまえば赤字になってしまいます。
顧客一人あたりの収益をしっかりと黒字化させるためには、継続利用が欠かせません。
顧客維持はコストのかかる新規顧客獲得に頼らずに収益を上げられるため、ビジネスの安定につながる、より収益性の高いビジネスモデルといえます。
LTVの向上が見込める
LTVとは、顧客が企業に対し取引開始から終了までの間にどれだけの収益をもたらすかを示すもので、SaaSビジネスで重要な指標のひとつです。
顧客維持施策を実行することで長期契約となれば、LTVを向上させることができます。さらに長期利用の顧客を、アップセルやクロスセルへつなげられる可能性も高まります。
LTVについて詳しくは、「LTVとは?計算方法やLTV向上を実現させる方法を解説」をご覧ください。
またアップセルとクロスセルについては、「アップセル・クロスセルとは?実施のメリットと成功のポイントを解説」をご覧ください。
良い評判の拡散による新規顧客紹介の誘引
長期契約の顧客は、自社の商品・サービスに対して愛着や信頼を感じるロイヤルカスタマーとなる可能性が高まります。
ロイヤルカスタマーは、売上への貢献だけでなく、口コミやSNSを介して好評価を拡散することで新規顧客の紹介を誘引する可能性があります。
また、長期顧客ならではの有益なフィードバックを得ることが可能です。
商品・サービスをよく知る顧客からのフィードバックは、改善のための貴重な情報となるでしょう。
顧客ロイヤルティについて詳しくは、「顧客ロイヤルティとは?向上させるための取り組みやポイント」をご覧ください。
顧客維持のための方法
企業にとって重要な、顧客維持のための方法を紹介します。
質が高く迅速なコミュニケーション
購入時の接客やその後のアフターフォローで顧客に好印象を与えることは重要です。
商品・サービスには満足していても、接客やアフターフォローが不十分と感じると、顧客は他社の類似商品へ乗り換えてしまうことがあります。
商品・サービスの品質も重要ですが、好印象を得るためには対応の早さに特に留意するべきでしょう。
対応が適切であったとしても、時間がかかりすぎたり、顧客を待たせてしまったりすると顧客の支持を得られにくくなります。
継続的な顧客へのアプローチ
1対1の直接的なコミュニケーションだけでなく、メールや広告など1対多数のコミュニケーションを継続的に行うことも重要です。
顧客から反応がない場合でも、顧客は企業から届く情報発信には目を通すことが多いです。
顧客との接点を持ち続けることで、新しい商品・サービスの追加契約や新規顧客の招待が期待できます。
常に商品・サービスの品質向上を続ける
商品・サービス自体の品質を向上させることも当然重要です。
顧客の声を聞いて商品・サービスに反映させることで、顧客が望むものをつくり上げる必要があります。
現状で十分な顧客維持ができていたとしても、商品・サービスに品質向上が見られず、現状のままでいると顧客に飽きられ、競合へ取られる可能性があります。
商品・サービスの品質向上においては、操作性や見やすさに関わるUI(ユーザーインターフェイス)や、商品・サービスを通じて得られる体験全般を指すUX(ユーザーエクスペリエンス)にも注意しなくてはいけません。
商品・サービスの品質が向上しても、顧客に使われなくては意味がありません。
また、商品・サービスの品質がよくてもアフターサービスが不十分では印象を下げてしまいます。
UIとUX双方をバランスよく向上させることが、顧客維持につながるのです。
顧客維持を判断する指標
顧客維持を判断できる指標はいくつかあります。
指標を活用することで、より効果的な施策が行えるため、積極的に活用することをおすすめします。
顧客維持判断に役立つ指標
顧客維持率(CRR)
全体の顧客における、継続利用顧客の割合を示します。
継続顧客数を新規顧客数で割った数値で、数値が高いほど継続利用する顧客が多いとされます。リテンション率とも呼ばれます。
リピート率
商品購入・サービス利用を繰り返した顧客の割合です。
1回はサービスを利用しても、その際に不満を感じれば継続されません。
リピート率によって自社商品・サービスの水準に顧客が満足しているか、顧客を魅了できているかを知ることができます。
チャーンレート(解約率)
契約数に対する解約数の割合を算出した数値です。
原則として、割合が低いほど顧客の支持を得ており、収益が安定しているといえます。
チャーンレートについて詳しくは、「チャーンレートとは?その種類やSaaSビジネスに欠かせない理由を解説」をご覧ください。
顧客維持に指標を生かすポイント
顧客維持はSaaSビジネスにおいて重要ですが、顧客の状況を正確に把握するのは困難です。
上述した指標を活用することで、成長性や継続性など、今後の経営状況を予測することが可能になります。
ただし、指標はただ計測するだけでは意味がなく、自社ビジネスのゴールと連動させることが必須です。
さらに、指標を定点観測し、取り組みによって自社が良い方向(ゴール)に向かっているかを確認することでサービスの向上をめざします。
指標の数値が伸び悩んでいる場合は戦略の見直しを行い、正しい施策へと軌道修正を図りましょう。
安定した企業運営に顧客維持は必要
新規顧客の獲得は大切ですが、安定した企業経営を続けていくためには、既存顧客をどれだけ維持していくかも非常に重要です。
顧客維持を高めるための施策としては、商品・サービスや接客の質の向上が必要です。
顧客の状態や顧客が求めていることを把握することで、無駄のない施策を行い、顧客維持を実現していきましょう。
既存の顧客に利用し続けてもらうためには、提供する商品・サービスが顧客にとって使いやすいものでなくてはいけません。
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これにより、顧客維持に貢献します。
顧客のシステム活用にお悩みの際は、ぜひご相談ください。