リテンション率とは?計算方法、低下する要因や改善ポイントを紹介

SaaS事業者向け

こんにちは!
CS工数削減、ユーザーのセルフオンボーディングを実現する「テックタッチ」ライターチームです。

企業活動において、既存顧客に商品・サービスを継続利用してもらうことは重要な要素のひとつです。
顧客のサービス利用状況を確認する指標となるのが、リテンション率です。

リテンション率の高低から顧客維持の課題を発見したり、改善策を立てたりすることが可能です。
リテンション率の計算方法、リテンション率が低下する要因や改善ポイントなどについて紹介します。

今注目のチャーンレート改善のポイントとは?

 

リテンション率とは

リテンション率の概要について紹介します。
まず、リテンションは、既存顧客との関係を維持することで商品・サービスを継続利用してもらうという、カスタマーマーケティング施策のひとつです。
既存顧客との関係性を維持する手法を、特にリテンションマーケティングと呼ぶこともあります。

そこで、リテンションを判断する指標として、顧客が一定期間内に再訪した割合である「リテンション率(CRR)」があります。
CRRとはCustomer Retention Rateの略称で、「顧客維持率」「顧客定着率」などともいわれ、顧客維持の状況を測る指標として注目されています。
顧客維持について詳しくは、「企業の顧客維持の重要性とは?指標や改善するポイントを解説」をご覧ください。

特にSaaSビジネスでは、次の理由によりリテンション施策の重要度が高くなっています。

収益の安定性向上
新規顧客を獲得するためのコストが高いため、新規顧客の獲得に偏りすぎてしまうと収益性が安定しない。
既存顧客の維持を重視することで経営安定につながる

収益性向上
顧客の利用が長期化すればアップセルやクロスセルなどの収益向上につなげやすい

ロイヤルカスタマー獲得
長期的な関係性を維持することによって、ロイヤルカスタマーへ育成可能。
ロイヤルカスタマーが口コミやSNSに投稿すると好評価が拡散され、宣伝効果も高まる

リテンション率の計算方法

リテンション率は、端的には次の計算式により算出されます。

  • リテンション率(%) = 継続顧客数 ÷ 新規顧客数× 100

リテンション率の簡易的な計算例

  • 1カ月の新規顧客数:1,000人
  • 1カ月後の継続顧客数:600人
  • 600÷1,000×100=60(%)

この場合、リテンション率は「60%」となります。
上記は「1カ月」で計算していますが、これは一例です。
リテンション率を計算するためには、自社サービスの特色に応じて顧客を定義し、顧客数を計算する期間などを決めたうえで「継続顧客数」を算出します。

リテンション率に欠かせない「継続顧客数」の計算

「継続顧客数」を算出してリテンション率を計算する例を紹介します。

顧客の定義
「無料ユーザーを顧客とする」「有料サービスの契約者全員を顧客とする」のように料金の有無で定義することもあれば、一定期間内に商品・サービスを利用した顧客のみを対象とする、などの選択肢があります。

期間
「1カ月」「1週間」のように計算する期間を決定します。
毎日や毎週利用してもらうことを想定した商品・サービスであれば、期間は短めとしますが、利用頻度が低い場合は期間を長めとします。

上記を考慮し、必要となるデータは次の3項目です。

  1. 計算期間開始時の顧客数
  2. 計算期間中に獲得した新規顧客数
  3. 計算期間終了時の顧客数

3項目を踏まえたリテンション率の計算式は次のとおりです。

  • リテンション率(%)=(計算期間終了時の顧客数-期間中の獲得顧客数)÷期間開始時の顧客×100

リテンション率が高い状態を保っているのであれば、顧客の定着や維持ができていると考えられます。
一方で低い・下がってきている場合は、対策を講じて顧客維持を図らなければならないことがわかるのです。

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リテンション率が低下する要因

リテンション率を向上させるには、リテンション率が低下した原因を把握することが大切です。どのような要因があるのか紹介します。

顧客対応
顧客対応はリテンション率に大きな影響を与えます。
商品の機能やサービス内容自体に魅力を感じていても、顧客対応が悪ければ顧客は接客の良い競合他社へ乗り換える可能性があります。
商品・サービスに付随する購入前説明やアフターフォローなど、すべての顧客接点を向上させなければ、顧客の満足度が低下する要因となり得るのです。

商品・サービス自体の質
商品・サービスの質もリテンション率に大きな影響を与えます。
一定の品質を保っていても、顧客の期待するレベルを上回っていなければ、顧客は商品・サービスに対し不満を感じるようになります。
顧客の期待値を把握したうえで、それを満たす商品・サービスを提供し続けなければなりません。

アプローチ不足
商品・サービスの品質が高くても、それが顧客に伝わらなければ意味がありません。
便利な機能があってもそれを知らない、より適したプランがあることに気が付かない、といった状態が該当します。
商品・サービスを使いこなす方法を伝えるアプローチが不足すると、顧客は良さや便利さを理解できず、商品・サービスに対する評価が下がってしまう懸念が高まります。

リテンション率を改善するポイント

SaaSビジネスでは、継続的に商品・サービスを提供するビジネスモデルが主流です。例えば「名刺管理システム」「会計システム」などの継続的に利用するサービスを、従量課金で提供します。このようなSaaSビジネスでリテンション率を改善するポイントを紹介しましょう。

顧客とのコミュニケーションの改善
顧客体験を洗い出し、接客やアフターフォローなど、商品・サービス以外の質を高めます。
あらゆる観点の改善を試みることで、顧客の満足度を向上させます。

商品・サービスの使いこなし方を支援
接客やアフターフォローで商品・サービスの使い方や魅力を伝えていくことも重要ですが、そもそも使いやすい商品、わかりやすいサービスを提供していくことも重要です。
使いこなすことが難しい場合は、カスタマーサクセスによる支援を検討しましょう。

また、サービス自体を使いやすくする外部ツールであるDAP(デジタルアダプションプラットフォーム)を用いる方法もおすすめです。
カスタマーサクセスについてより詳しくは、「SaaSビジネスにおけるカスタマーサクセスとは?実行時の注意点や成功のポイントを解説」をご覧ください。
DAPについて詳しく知りたい方は、「デジタルアダプションプラットフォームとは?そのメリットと導入時の注意点」をご覧ください。

顧客の興味や特質に応じたアプローチ
顧客が関心を持つ商品・サービスの情報を発信することで、顧客の興味を維持することが可能です。
「この顧客ならこういった機能がおすすめできる」のように、顧客の特質に応じたアプローチは特に満足度を押し上げます。

顧客のフィードバックを収集する
顧客の不満を把握し、ボトルネックとなる部分を解消させていきます。
商品・サービスの質だけでなく、顧客体験全体の意見を集め、広い観点でボトルネックを探しましょう。

一部の顧客に対する特別なサービスや体験の提供
特定の顧客に特別なサービスを提供して、自社企業に価値を見出してもらいます。
ロイヤルティプログラムの提供によって、企業から特別なサービスを受けられているという特別感を顧客に与えることも効果的です。

例えば、一部の顧客に限定したイベントの実施や、専任サポートを付けるなどが考えられます。
特別なサービスや特殊な体験を通して、顧客は企業に価値を見出すようになります。

顧客と関係性を築くためには、顧客とのエンゲージメントに着目するのも有効です。
顧客エンゲージメントについて詳しくは、「顧客エンゲージメントとは?メリットや高めるためのポイントを紹介」をご覧ください。

また、リテンション率を改善するポイントはロイヤルカスタマー育成の施策とも通じるところがあります。
ロイヤルカスタマー育成について詳しくは、「安定した企業経営に重要なロイヤルカスタマー!育成のポイントや手法とは」をご覧ください。

リテンション率は顧客維持を判断する重要な指標

企業経営において、既存の顧客を維持していくことは大変重要です。
特に、継続的に商品・サービスを提供するビジネスモデルであれば、顧客維持は経営の安定性や収益性に大きな影響を与えます。
このときに重要となる指標が、顧客維持ができているかを判断できるリテンション率です。

リテンション率が良くないときや低下傾向のときは、顧客が自社商品・サービスから離れていっていることを意味します。
リテンション率の指標を活用することで、顧客離れの兆候を察知し、早期にリテンション率改善のための施策を講じることが可能です。
リテンション率改善のための施策は、顧客に喜ばれるコミュニケーションや、サービスの使いこなし方の支援など複数あります。
また、顧客からの商品・サービスに対する意見の収集も必要です。

SaaSビジネスでは、顧客が商品・サービスを使いこなすことが重要です。
しかし、マニュアルやカスタマーサポートなどによる支援では、解決までの工程が長くなりがちです。

テックタッチ社が提供する「テックタッチ」は、WEBシステム上にノーコードで操作ガイドや入力ルールを表示するツールチップを 作成・表示することができます。
顧客が操作でつまずきやすい箇所にそれらを表示させることで、顧客がシステムを使いこなすことができ、そのシステムのメリットを享受できることでリテンション率向上が見込めます。
また「テックタッチ」は、システム利用動向を可視化できるため、活用されていない機能や非効率な操作を発見するのに役立ちます。
さらに、アンケート機能で顧客のフィードバックを得られるため、顧客理解にも有効です。

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