カスタマーサクセスとは?業務内容や目的から導入するメリットまでわかりやすく解説

SaaS事業者向け

現代のビジネスにおいて欠かせない役割となりつつある「カスタマーサクセス」。
顧客の成功体験を実現してサービスを継続利用・購買してもらう営業プロセスは、市場が飽和状態にある近年で特に重要視されています。

この記事では、カスタマーサクセスとはなにか、業務内容や目的、メリットまで徹底解説します。そのうえで、カスタマーサクセスの実現に役立つおすすめツール3選・事例も紹介しますので、あわせてご参照ください。

カスタマーサクセス カスタマーサポート
求められるスキル ・課題を洗い出して可視化する能力
・営業全体の協力体制を重視する姿勢
・顧客の声に耳を傾ける能力
・顧客の不満を解消するまでの忍耐力
KPI ・解約率(チャーンレート)
・LTV(顧客生涯価値)
・アップセル/クロスセル率
・NPSなど
・一次応答までの時間
・一次解決率
・チケットが再オープンされた割合など

 

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カスタマーサクセスとは?

カスタマー1

カスタマーサクセスとは、「顧客の成功体験」を表す言葉です。具体的には、商品やサービスなどの提供側から、能動的に適切なタイミングでサポートを行うプロセスを指します。

たとえば、導入支援やオンボーディングによる定着支援、活用支援を通じて自社サービスを継続的に利用してもらう役割を担います。また、顧客の状況によってはアップセル・クロスセルにつなげて顧客一人あたりの生涯価値を底上げするなど、
昨今のSaaSビジネスでは特に重要視される営業プロセスです。

ここでは、カスタマーサクセスの重要性や、カスタマーサポートの違いについて解説します。

≫≫ SaaSビジネスにおけるカスタマーサクセスとは?実行時の注意点や成功のポイントを解説

カスタマーサクセスの重要性

カスタマーサクセスは、SaaSビジネスなどが増加し始めた2000年頃から重要視され始めました。近年では市場が飽和傾向にあり、新規顧客を開拓するのが難しくなりつつあるのも事実です。そこで、「既存顧客にどれだけ自社サービスを愛用してもらえるか」が重要視されており、カスタマーサクセスを通して自社サービスの継続利用を促す役割を担っています。
特にSaaSビジネスでは「顧客生涯価値(LTV)」が重要です。カスタマーサクセスでは顧客の不満点を事前に解消し、継続利用を促したり、上位サービスなどを提案してLTVの最大化を狙います。SaaSビジネスにおいて、カスタマーサクセスの重要性は極めて高いと言えます。

≫≫ SaaSにおけるカスタマーサクセスの重要性とその役割とは?

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いとは、主に「能動的か受動的か」が挙げられます。カスタマーサポートは、あくまで顧客より自発的な問い合わせが来てから対応する受動的なサポートです。

一方でカスタマーサクセスは「顧客が詰まるポイントや不満点」を能動的に解消し、問い合わせ前に顧客の成功体験を創出する役割を担います。
サービスを解約していく顧客のなかには、カスタマーサポートに問い合わせるまでもなく解約されるユーザーがいるのも事実です。カスタマーサポートだけでは取りこぼしてしまう顧客も、カスタマーサクセスの業務なら能動的なアクションで察知して部署全体でサポートしやすくなるメリットがあります。
そのため、カスタマーサクセスとカスタマーサポートには、以下のような求められるスキル・KPIの違いが存在します。

カスタマーサクセスの主な業務内容

カスタマーサクセスの主な業務内容

近年特に注目を集めているカスタマーサクセスとは、「The Model型」営業プロセスのひとつです。The Model型にはほかにも、マーケティング・フィールドセールス・インサイドセールスなどが含まれています。
なかでも、カスタマーサクセスはSaaS系サービスにおいて特に重要視されている部門です。ここでは、カスタマーサクセスの主な業務内容を解説します。

1.サービス導入の支援

カスタマーサクセスの業務内容に、「サービス導入の支援」が挙げられます。サービスの導入前後は特に「詰まり」が起きやすいポイントで、顧客が導入効果をうまく感じられず、そのまま他社サービスに乗り換えてしまう事例も少なくありません。
そこで、自社サービスの濃密な導入支援を行えば、顧客の成功体験を創出し早期離脱を防げます。

また、営業プロセスによっては、インサイドセールスやフィールドセールスなどの提案段階でカスタマーサクセスが参画する事例もあります。潜在顧客に対して、自社商材がどのような課題を解決できるのか、実績やそのサービス内容を含めてアピールすることも大切です。
サービス導入の検討段階にある顧客に対して、資料を配布したり、説明会を開いたりする業務も含まれます。

2.サービスの利用継続支援とサポート

カスタマーサクセスの業務内容に、「サービスの継続利用を促すサポート」は欠かせません。SaaSビジネスの売上を最大化するうえで、顧客一人ひとりの長期利用を促さなければ、安定した企業成長は見込めないでしょう。
そこで、カスタマーサクセスでは顧客の利用継続支援とサポートを行い、LTVを最大化する取り組みを行います。たとえば、オンボーディングなどの研修開催や活用事例の共有、利用率の低い顧客に対して活用案を提示するなどの手法です。
顧客がサービスを利用するうえで、「表面化しづらい不満ポイント」をいち早く察知して改善・利用継続をサポートするのがカスタマーサクセスの業務とも言えます。

3.サービスの提案

カスタマーサクセスの業務内容に、「サービスの提案」も含まれます。具体的には顧客の属性や利用状況に合わせて、アップセル・クロスセルを提案する業務です。アップセルとは、顧客が利用している既存サービスよりも高価格な商材に乗り換え・買い足しを促すことです。

クロスセルとは、既存サービスの利用状況に合わせてほかの商材を提案するなど、併用利用を促すことです。潜在的な顧客満足度などを可視化したうえで、顧客の属性に合わせてさらなる売上向上を追求するのも、カスタマーサクセスが行う業務のひとつです。

カスタマーサクセスの目的

カスタマーサクセスの目的

カスタマーサクセスとは、LTVの最大化を目的として活動する営業プロセスです。具体的には、カスタマーサポートでは可視化されていなかった顧客対応の取りこぼしを防ぎ、不満点を事前に改善してサービスの継続利用を促します。
また、アップセル・クロスセルなどによって、顧客あたりのサービス併用率・売上をアップさせるのも目的のひとつです。
カスタマーサクセスは、特にSaaS系事業において、企業の安定成長を望む上で欠かせない取り組みだと言えるでしょう。

カスタマーサクセスの目的

カスタマーサクセスのKPI

カスタマーサクセスの主な目的は「サービスの継続率を高めること」です。そのために、カスタマーサクセスでは以下のKPIを設定することが多くなっています。

・LTV
顧客生涯価値で、「顧客1人当たりの平均月間経常収益×売上総利益率÷顧客月次解約率」などで算出します。

・解約率
SaaS系ビジネスでは特に重要視されており、解約率をKPIに設定することで、カスタマーサクセスの導入効果を把握しやすくなっています。

・アップセル/クロスセル率
既存サービスから更に上位サービスへ遷移を促すアップセル、他サービスとの併用・新規追加を促すクロスセルは、LTVの最大化において非常に大切です。

・顧客ロイヤリティ
顧客ロイヤリティとは、自社サービスへの愛着度や信頼度を表したものです。NPS(顧客推奨度)などの数値は実際の解約率とも相関関係にあるとされており、カスタマーサクセスでも重要視されているKPIです。

≫≫ カスタマーサクセスにおけるKPIとは?設定時の注意点やコツを解説

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カスタマーサクセス導入における3つのメリット

カスタマーサクセス導入における3つのメリット

SaaSビジネスが主流になりつつある昨今では、カスタマーサクセスの導入によって多くの企業がメリットを実感しています。市場が飽和状態にある昨今では、自社サービスの継続利用率は企業の成長において非常に大切な要素のひとつです。
ここでは、カスタマーサクセス導入における3つのメリットを紹介します。

カスタマーサクセス導入における3つのメリット

顧客体験の向上

カスタマーサクセスを導入すれば、顧客体験を向上させられるメリットがあります。導入段階から徹底的にサポートをすれば、自社サービスの利用に関するストレスや不満点を軽減しやすく、顧客の体験をより良いものにしてサービスを継続利用してもらいやすくなります。
特に、早期の顧客体験向上は、早期解約防止などの効果を生み出せるのがメリットです。SaaSにおいてサービスの利用し始めは解約率も高い傾向にあるため、顧客体験を向上させて自社製品に馴染みやすいようサポートすれば、長期利用の優良顧客獲得にも繋がりやすくなります。

売上向上の機会創出

カスタマーサクセスの導入によって、売上向上の機会創出に繋がるのもメリットです。商品定着を促したうえで顧客満足度が上がっている状態であれば、アップセルやクロスセルの機会を生み出しやすくなります。
自社製品への愛着があれば上位プランや自社の他サービスを併用してもらいやすくなるため、アップセル・クロスセルによって顧客一人あたりの売上額を伸ばすことが可能です。その結果、LTVの最大化を実現しやすくなります。

競合他社との差別化

カスタマーサクセスの導入には、競合他社との差別化を図れるメリットもあります。SaaSを始めとして、市場には多くの似通った商品が出回っています。そのため、顧客に対してはサービスに付加価値を提供することが求められているのも事実です。
そこで、カスタマーサクセスによって導入・運用周りの支援や、不満点の可視化・改善を実現すれば、自社商品への愛着度を高めてもらいやすくなります。顧客を安心させる役割としても役立つため、付加価値を求めている企業にもカスタマーサクセスが有効です。

カスタマーサクセスのための効果的なツール3選

カスタマーサクセスのための効果的なツール3選

とある調査では、カスタマーサクセスに取り組んでいる500人の6割強が「新規顧客数、新規売上が増加した」と回答していました。一方で、カスタマーサクセスに取り組んでいない500人では、2割強が「新規顧客数、新規売上が増加した」と回答する結果となっています。言い換えれば、カスタマーサクセスを導入しているかどうかで、「新規顧客数、新規売上の増加」に4割もの差がつけられている結果となります。

とはいえ、売上高および利益率の向上を目指したカスタマーサクセスには、それに適したツールを利用しないと実現が難しい場合もあります。ここでは、カスタマーサクセスを効果的に実現するためのおすすめツールをご紹介します。

≫≫【2024年】カスタマーサクセスツールのおすすめ12選を徹底比較

≫≫ カスタマーサクセスツールを導入するメリットと選定のポイントを解説

テックタッチ(テックタッチ株式会社)

テックタッチ(テックタッチ株式会社)

「テックタッチ」は、テックタッチ株式会社が提供するノーコードタイプのカスタマーサクセスツールです。オンボーディングなどの機能性に優れており、「社内システム向け」「自社プロダクト向け」「公共団体向け」など幅広いニーズに適しています。

ユーザーの声をUI/UX改善に反映させやすく、システム上のツールチップ表示で意図したとおりにプロダクトを活用してもらいやすくなるのが魅力です。事前のシステム案内により顧客の問い合わせ件数も減らせるため、各担当者の負担も低減できるメリットがあります。
利用ユーザー数は300万を突破しているほか、DAP市場シェア2年連続1位と確かな実績を誇ります。

料金プラン
・状況に合わせて最適なプランを提案:要お問い合わせ

≫≫ テックタッチの詳細はこちら

テックタッチ手法の導入による 想定効果集

Fullstar(クラウドサーカス株式会社)

Fullstar(クラウドサーカス株式会社)

「Fullstar(フルスタ)」は、クラウドサーカス株式会社が提供するチュートリアル作成用のカスタマーサクセスツールです。顧客自身でチュートリアルを作成しやすく、セルフオンボーディングによって顧客のトラブルを未然に防止します。
その結果、カスタマーサクセス・カスタマーサポート部門への工数を削減し、機能的かつユーザビリティに優れたUI/UXを実現しやすいのが特長です。さらに、フリープランも採用されており、実際の使い心地を事前に試せる魅力もあります。

料金プラン
・Free:0円/月
・Lighjt:60,000円/月
・Enterprise:要お問い合わせ

≫≫ Fullstarについてはこちら

commmune(コミューン株式会社)

commmune(コミューン株式会社)

「commmune」は、コミューン株式会社が提供するコミュニティ構築型のカスタマーサクセスツールです。顧客同士のコミュニケーションを創出し、ユーザーならではの疑問や悩みを解消するため、良質な情報がコミュニティに蓄積できるメリットがあります。
そのため、自社サービスだけでなく、コミュニティ自体に付加価値を生み出せることが特長です。あらゆる領域からプロフェッショナルな知見を蓄積できるため、コミュニティを軸に自社サービスの改善も実現できます。ポイントやバッジ機能などを活用して、ユーザー交流を能動的に活性化させられる仕組みもポイントです。

料金プラン
・ライト:要お問い合わせ
・スタンダード:要お問い合わせ
・プロフェッショナル:要お問い合わせ

≫≫ commmuneについてはこちら

カスタマーサクセスツール活用の成功事例

カスタマーサクセスツール活用の成功事例

カスタマーサクセスツールを導入すれば、LTVの最大化を始めとしてさまざまな効果を期待できます。とあるアンケートでは、カスタマーサクセスに取り組んだ人のうち、半数以上のユーザーが効果を実感できたと回答しています。

一方で、効果を感じられなかった層が存在するのも事実です。その理由に、効果体感に差が出るルール決めや指標設定の曖昧さが挙げられます。
たとえば、自社の顧客を3つの分類に分けた「タッチモデル(ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチ)を構築しているかどうか」のアンケートでは、効果を感じている層の約44%が「はい」と回答したのに対し、効果を感じていない層の割合はわずか約7%に留まりました。

このように、カスタマーサクセスツールは導入すればそれで終わり、というツールではありません。ツールの導入と、適切な運用があって初めて効果を発揮できます。そのため、カスタマーサクセスツールを導入するときは、自社と同系統の成功事例を踏まえたうえで導入・運用を検討するのがベストです。
ここでは、実際にカスタマーサクセスツール「テックタッチ」をご導入いただいたお客様の成功事例をご紹介します。

カスタマーサクセスツール活用の成功事例

操作ストレスの軽減と生産性向上を実現した成功事例

「株式会社オカムラ」様ではDX実現を目指していたものの、社内ルールの複雑さや知りたいことを知るまでの手順にハードルがあり、現場にうまく浸透しづらい点が課題視されていました。運用までに知識や技術が求められ、導入したシステムを社員がうまく活用できなかったと言います。そこで、カスタマーサクセスツールの「テックタッチ」をご導入いただきました。

従来はマニュアルを検索するのに知識や技術が必要だったものの、ツールチップを用いて必要な箇所に外部リンクを設置。さらに、細分化されていた入力項目も、出し分けのツールチップを使って正しい入力へ誘導した結果、正しく入力できる人が20%増加できるようになりました。
オカムラ様の社内アンケートでは、「役に立った(77%)」「他のシステムにも導入してほしい(86%)」と高く評価していただける結果に。マニュアルを探して入力をする手間が減り、毎日の小さなストレスが軽減されて助かったという嬉しい声が寄せられています。

≫≫ ユーザーの77%が導入効果を実感!「SAP Concur」×「テックタッチ」で操作ストレスの軽減と生産性向上を実現

カスタマーサクセスのまとめ

カスタマーサクセスのまとめ

カスタマーサクセスはSaaSビジネスなど、顧客の継続利用がそのまま売上に直結するサービスで重要視されています。顧客の成功体験を創出し、可視化されていなかった不満点や課題を改善するため能動的にサポートする役割です。
カスタマーサクセスを導入すれば、「顧客体験の向上」「売上向上の機会創出」「競合他社との差別化」などさまざまなメリットを得られます。市場が飽和状態にある昨今では、LTVを最大化して顧客一人あたりの売上を高めることが大切です。

とはいえ、カスタマーサクセスの導入にはいくつかの課題があるのも事実です。どのように導入すれば良いかわからないときは、ユーザー数300万突破・DAP市場国内シェア連続No.1の「テックタッチ」をご利用ください。
SaaSツールの顧客満足度向上や、サポート工数の削減を実現するために、最適なツールをご提案いたします。

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