カスタマーサクセスにおけるKPIとは?設定時の注意点やコツを解説

SaaS事業者向け

こんにちは!
CS工数削減、ユーザーのセルフオンボーディングを実現する「テックタッチ」ライターチームです。

カスタマーサクセスは、自社商品やサービスを活用する顧客の成功を支援する取り組み全般を指す言葉です。
しかし、ただ顧客の成功を後押しするだけでの取り組みではありません。

顧客の成功を実現させるためには、顧客が何を求めているのかを理解し、適切な支援をする必要があります。
そこで重要になるのが、KPI設定です。

今回はSaaSビジネスを念頭に置き、カスタマーサクセスにおけるKPI設定の重要性を見たうえで、主なKPI項目や、KPI設定時のポイント、設定方法についてお伝えします。

カスタマーサクセスにおけるKPIの重要性

カスタマーサクセスを成功させるうえで重要なポイントとなるKPIについて、その概要を見たうえで重要性を説明します。

KPIとは

KPIとはKey Performance Indicator(重要業績指標)の略称です。
KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)が最終的な顧客の成功を意味する目標なのに対し、KPIはKGIを達成させるための中間目標となります。

例えば、「今月の売上50%アップ」をKGIとした場合、KPIはKGIを達成するために必要な要素を抽出し、「来店者数〇%アップ」「顧客1人当たりの購入単価〇%アップ」などと設定します。
そのうえで途中経過を確認し、数値が上がらない場合には新たな施策を打ったり、これまでの手法や方向性の修正を行ったりします。

つまりKPIは、定量的な数値を設定することで、達成状況を定期的に確認するための指標です。
数値の推移を確認することで、状況に応じた適切な対応ができるため、ビジネスを成功に導くために欠かせないのです。

カスタマーサクセスでのKPIの重要性

カスタマーサクセス部門は主に、SaaS企業が顧客の製品・サービス継続率を高めるために、顧客が抱える課題や不満に積極的に働きかけて解決していくために設置されるようになりました。

しかし、具体的な指標がないと、顧客にどのように働きかければよいか、顧客に何を提供するべきかが明確にならず、部門内で意識統一して対応することが難しくなります。
また、カスタマーサクセスの方向性が間違っていてもそれに気づかない、気づくのが遅れるといった懸念があります。

具体的な数値を設定してKPIとして指標にすることで、企業側のだれが対応しても適切かつ変わらない、一貫性のある支援ができるようになるのです。
また、KPIを軸としてサポート体制を調整すれば、より顧客の成功や満足度向上につながる業務が実現します。

SaaSビジネスにおけるカスタマーサクセスついての詳細は、「SaaSビジネスにおけるカスタマーサクセスとは?実行時の注意点や成功のポイントを解説」をご覧ください。

カスタマーサクセスでのKPIの項目

カスタマーサクセスと混同しやすい言葉に、カスタマーサポートがあります。
ふたつの違いを見たうえで、カスタマーサクセスにおける主なKPI項目を説明します。

カスタマーサポートとカスタマーサクセス

どちらも、最終的には顧客の成功を目的としていることは同様です。
異なるのは、カスタマーサクセスが製品・サービスの提供企業側から積極的に顧客に働きかけていくのに対し、カスタマーサポートは顧客からの問い合わせに対応することで課題解決を行う点にあります。

つまり、能動的にサポートを行うのがカスタマーサクセス、受動的なサポートを行うのがカスタマーサポートです。
そのため、カスタマーサポートのKPIは、「問い合わせに対し最初に返信するまでの平均時間」「課題解決までにかかる時間」「電話への応答率」などになり、顧客からの行動に対していかに迅速かつ適切な対応ができるかが焦点になります。

カスタマーサクセスのKPI項目

では、カスタマーサクセスにおけるKPIにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは特に、SaaS企業のカスタマーサクセスにおけるKPI項目について説明します。

解約率
SaaSビジネスを行っている企業では、顧客に提供する商品やサービスを継続利用してもらうことによって利益を得ています。
そのため、解約率をKPIとすることで、カスタマーサクセスが成功しているかどうかの判断が可能です。
※解約率については「チャーンレートとは?その種類やSaaSビジネスに欠かせない理由を解説」をご覧ください。

オンボーディング完了率
オンボーディングとは、購入もしくは契約した商品やサービスを顧客が活用できる状態になるようにサポートすることを指します。
商品やサービスを活用することが顧客の成功への第一歩であるため、オンボーディング完了率は重要なKPI項目のひとつです。

具体的には、「導入から1ヵ月以内に活用を開始する」「導入した部署の〇%の社員が扱い方を知る」などが挙げられます。
オンボーディングについての詳細は、「SaaSビジネスに欠かせないオンボーディング!実施方法とポイントについて解説」をご覧ください。

アップセルとクロスセルの割合
顧客が契約期間の更新時点で、上位モデルへ変換するのがアップセル、これまで契約していた商品・サービスに加え、ほかの商品・サービスの契約も追加するのがクロスセルです。
KPIでは、「契約した顧客の〇%がアップセルもしくはクロスセルを達成」となります。
※アップセルとクロスセルについての詳細は、「アップセル・クロスセルとは?実施のメリットと成功のポイントを解説」をご覧ください。

顧客推奨度(NPS)
商品・サービスを利用している顧客にアンケートを行い、知り合いにこの商品・サービスを勧めたいかどうかを聞いたものが、顧客推奨度(NPS)です。
NPSの数値と業績(実際の継続率や解約率など)との相関関係が高いとされ、カスタマーサクセスの重要なKPI項目となります。

売上継続率(NRR)
売上継続率とは、顧客ごとに前年、前月比で売上高がどのように推移しているかを見るものです。
KPIとしては、アップセルやクロスセルも含め、金額で設定します。

顧客生涯価値(LTV)
顧客生涯価値は、ひとりの顧客から将来的にどれだけの利益を得られるかを見るものです。
算出方法は、「購買単価×購買頻度×契約継続期間」や、「顧客1人当たりの平均月間経常収益×売上総利益率÷顧客月次解約率」などがあります。KPIもこのように算出して設定します。
※顧客生涯価値(LTV)については「LTVとは?計算方法やLTV向上を実現させる方法を解説」をご覧ください。

アクティブユーザー率
一定期間中に、顧客がどのくらい商品・サービスを利用したかを見るものです。
KPIでは、1ヵ月、1日単位での数値を設定します。

セッション時間
SaaSビジネスを行っている企業では、顧客がどのくらい商品・サービスを利用したかが、解約率の軽減や売上継続率の向上につながるため、セッション時間の長さは重要な指標です。
KPIでは、アクティブユーザー率同様、一定の期間でのセッション時間を設定します。

カスタマーサクセスにおけるKPI設定時の注意点

KPIはKGIを達成させるための過程となります。
そのため、まずはKGIを設定し、そのKGIを達成するには何をしなければならないかを考え、それを数値化してKPIとすることが重要です。
カスタマーサクセスにおいてKPIを設定する際、どのような点に注意すべきかを説明します。

他部署とKPIを共有する

カスタマーサクセス部署だけでKPIを達成しようとしても、簡単にはいきません。
例えば、営業部は顧客と直接対面で会話を行い、生の声を聞きながらサポートすることを得意としています。
営業部と連携することで電話やメール、Web会議だけでは実現できないきめ細やかなサポートにつながり、カスタマーサクセスの成功率を高めるでしょう。

また、製造部が行う商品やサービスの不具合が起きた際の修理も同様です。
必ず他部署とKPIを共有し、連携して取り組みます。

定期的な見直し・改善を行う

設定したKPIを達成しても、それがKGI達成につながらないケースも少なくありません。
KPI設定が正しいかどうかを定期的に確認し、間違えていれば迅速に改善をします。

長期目標としてのKPIは避ける

KPIは常に見直し、改善を繰り返し、PDCAを回していくものです。
しかし、目標までの期間が長すぎると途中でうまく改善ができず、その間に解約が進んでしまうリスクがあります。

最終目標となるKGIは長期的なものでも問題ありませんが、KPIは長くても数か月で達成できそうな数値を設定し、常に改善していくことが重要です。

カスタマーサクセスにおいてKPIを設定するコツ

カスタマーサクセスにおいてKPIを設定するコツを説明します。

顧客理解を深める

顧客が自社商品・サービスを活用する際に、何に課題や不満を感じているのか、アンケートや直接のヒアリングを通じて顧客の意見を聞き、理解を深めます。
そのうえで、課題を解決するには何をすべきかを明確にしましょう。

ツールを活用する

顧客理解を深めるには、アンケートやヒアリング以外にもいくつかの方法があります。
そのなかでも効率的なのが、導入したシステムを顧客が利用する際に、リアルタイムで操作ガイドを表示してオンボーディングを支援するツールです。

このツールの使用により、オンボーディング完了率の向上が見込めるだけではなく、顧客が離脱してしまう箇所、操作にかかった時間などの分析も行えます。
結果として、アンケートやヒアリングからは見えてこない、顧客の課題を理解することができるでしょう。

効果測定をしやすいKPIを設定する

KPIはKGI達成のための施策効果を判断し、KGIがどの程度達成できているかを把握するための指標です。
そのため、効果測定をしやすいKPIを設定し、KGIの達成度を常に把握できるようにします。
効果を測定しやすいKPIを設定することで分析が容易になり、KGI達成のためのPDCAを回しやすくなるでしょう。

達成可能なKPIを設定する

KPIはあまり多く設定しすぎると、かえってKGIとの関連性が見えなくなることもあるため、一般的には項目数は3~5個が適当といわれています。
また、設定した目標が高すぎると社員のモチベーション低下にもつながるため、社員の意見も取り入れたKPIを設定することも必要です。

目標設定では、S(Specific:具体性)、M(Measurable:計量性)、A(Achievable:達成可能性)、R(Relevant:関連性)、T(Time-bound:期限)の5つからなるSMARTの法則を意識して、ポイントを押さえたKPIを設定することが重要です。
これにより、目標が高すぎる、いつまでに達成すればよいかが不明確などの理由で目標を達成できずに終わってしまうことを防げます。

カスタマーサクセスの成功には適切なKPI設定が重要

顧客からの問い合わせを待つだけではなく、積極的に働きかけていくことで顧客の成功を実現させるのが、カスタマーサクセスです。
能動的に顧客の成功に関与できるため、自社商品・サービスの継続率やアップセル・クロスセル率向上につながるでしょう。

一方で、関与の仕方によっては顧客離れにつながるリスクも生じてしまうため、十分な検討と対策が必要です。
そこで重要となるのがKPI設定です。

顧客が何に課題を感じ、どうしてほしいと考えているのかを理解し、課題解決につながる施策の目標をKPIとし、明確に数値化します。
数値を達成するための具体的な手法を検討することで適切な対応が可能になり、顧客の成功にも大きく貢献できます。

カスタマーサクセスを実施する際は、KPI設定を行ったうえで、定期的な見直しと改善を繰り返します。
それを継続していくことが、カスタマーサクセスを成功させるポイントとなるでしょう。
カスタマーサクセスのなかでも特に、オンボーディングは重要性が高いです。というのもオンボーディングは、顧客がシステムを使いなすことを支援するからです。
顧客はシステムを使いこなすことによってシステムの良さや効果を、より確実に実感することができるでしょう。

逆に言えば、どんなによいシステムでも、使いこなせなければ、評価されにくいです。
ただし、オンボーディングを自社のみで実施するのは、手間やコストがかかるうえ、社員の負担も増大します。

そこでおすすめなのが、オンボーディングをサポートするデジタルアダプションプラットフォームの活用です。
デジタルアダプションプラットフォームでは、システムの操作をリアルタイムにナビゲーションすることが可能なため、オンボーディングを効率的に実施することが可能です。
デジタルアダプションプラットフォームについての詳細は、「デジタルアダプションプラットフォームとは?そのメリットと活用のポイント」をご覧ください。

テックタッチでは、システムに操作ガイドをリアルタイムで表示するサービスを提供しています。
ナビゲーションによってマニュアルを都度確認しなくても業務を遂行することが可能となり、セルフオンボーディングによるシステム活用を促進します。
カスタマーサクセスにおいて悩み・課題を感じているといった際は、ぜひご相談ください。

テックタッチのカスタマーサクセスにおける活用方法についての詳細はこちら

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