問い合わせ率と差し戻し率を同時に改善、ユーザーのストレス軽減と満足度向上に寄与
・システムの問い合わせ対応に追われ、本社経理が主要業務に集中できなくなっていた
・決算期の差し戻し件数が多く、業務工数が逼迫していた
・テンプレートを活用し、短期間でナビゲーションを設置
・分析データを元に、インパクトの大きい箇所へ優先的にナビゲーションを実装
・入力ミスが多い箇所にオートフロー機能を設定し、自動化
・「SAP Concur」※1の操作時間が、1ヶ月あたり約600時間短縮
・ユーザーの60%が操作時間の減少、利用時のストレス緩和を実感
・差し戻し率を約20%、問い合わせ率を10%削減
導入前の課題
従業員からの問い合わせ対応に苦戦、業務工数が大幅に逼迫
積水化学工業はプラスチック製品のパイオニアとして1947年に創業し、現在では売上約1兆2,000億、従業員2万人を誇る、日本を代表する企業です。継続的な競争力の維持・強化を実現するためのデジタル変革を、グループ全体で取り組んでおります。
当社グループでは、経費精算システムの「SAP Concur」を活用しています。活用を続けるなかで、経費精算業務特有の障壁にぶつかりました。
一番の課題は、経理管理部門宛にシステム活用に関する問い合わせが大量に寄せられ、主要業務に集中できないということでした。
また、経費精算システムへ登録されるレポート名が統一されていないことで経費分析ができなかったり、申請に対して差し戻し件数が多いことで決算期は業務がパンクしてしまうこともありました。
背景には、システムの操作に使いにくさを感じていたり、正しい経費タイプが選択できなかったり、従業員が「使いこなせない」ということがあります。
業務効率が下がっていることや従業員が感じるストレスへの危機感が強まっていたほか、「SAP Concur」のUI変更や新型コロナの情勢緩和による申請増加に伴う問い合わせや差し戻し対応の混乱を危惧し、システム管理者である本社経理、そしてシステムユーザーである従業員双方の負担を軽減することが必要不可欠であると考えました。
社内で解決策を相談したところ、当社において購買管理システム「Coupa」で「テックタッチ」を導入しているという話を聞き、「SAP Concur」の課題も解決できるのではないかと考えたことが「テックタッチ」を知ったきっかけでした。
導入の大きな決め手は「テックタッチ」のコストパフォーマンスの高さでした。
他社ツールと比較をした際の軸は、コストと使い勝手でした。「テックタッチ」にコストの優位性があっただけでなく、実際に私自身が操作したときの使い勝手が非常によく、抱えていた課題を解決できるイメージを描くことができました。
活用方法と効果
問い合わせ率・差し戻し率・操作時間を削減、全ての指標において効果を実感
「テックタッチ」の導入プロジェクトは、「SAP Concur」のUI変更に合わせて進行しました。「テックタッチ」のナビゲーション作成は簡単にできるとわかりつつも、イチからつくることには若干の不安がありました。
しかし、テックタッチ社では「SAP Concur」向けに「テックタッチ」のサクセステンプレート※2が用意されており、テンプレートをベースに自社にフィットしたナビゲーションを作ることができ、短納期の中で新UIに対応することができました。
先述の通り、さまざまな状況が重なることで混乱してしまうことを危惧していましたが、「テックタッチ」の適用により混乱を最小限に食い止めることができました。
テックタッチ社のサポート体制には非常に助けられています。
継続的な改善をリードしていただいており、具体的にはカスタマーサクセス担当者から、アンケート結果や収集したデータを元に、解決すべき課題の優先順位を提案してもらえたことで、効率的な対応を進めることができていると感じています。
また、「SAP Concur」では細かな画面アップデートがなされることがあり、その際のUI変更の影響にもいち早く気づいて情報共有いただくなど、そうしたサポートのおかげで日々の業務との両立を実現できています。
「SAP Concur」への実装例としては、経費精算レポート各項目の入力を「テックタッチ」で案内するといったものがあります。
特に、「出張経費精算」のレポート新規作成では、ツールチップとオートフロー機能を活用することで、従業員が入力するレポート名の表記揺れを防止しています。
入力の手間が省けることから多くのユーザーに利用されているだけでなく、表記の統一によりレポート申請状況の分析にも役立っています。
このような取り組みにより、導入からわずか3か月で、従業員への「テックタッチ」の認知から利用定着までを実現できました。
その結果、差し戻し率は約20%削減でき、問い合わせ率も削減することができました。
さらに、業務効率化の観点から、1ヶ月の「SAP Concur」の操作時間を調査したところ、全社で約600時間も削減できていることがわかりました。
定量的な効果だけでなく、従業員の心理的負担の軽減にもつながっています。
アンケート回答者の約6割が「『SAP Concur』利用時のストレスが軽減した」と回答し、ユーザーフレンドリーなシステムUIへの改善ができていると考えています。
今後の展望
改善のサイクルを実行し、「テックタッチ」による業務効率化を目指す
これまでに作成したナビゲーションで改善が見られた項目も多数ありますが、まだ対応できていない課題もあります。
「テックタッチ」では機能リリースが行われており、新機能を活用した更なる改善施策や自動化の促進といった施策を実施予定です。
また、従業員へのアンケートで集まった意見を元にブラッシュアップし、さらなるユーザーフレンドリーなシステムUIを目指していきます。
今後、社内システムの「テックタッチ」への展開拡大も検討しており、タレントマネジメントシステムやERPへの導入検討を進めています。
「テックタッチ」による様々なシステムのUI改善や改修コストの削減、システム横断での利用状況の可視化の実現をめざし、取組を進めていきます。
※2:システムの強みを引き出すために、「テックタッチ」によりあらかじめお客様がご利用のシステムに適切なナビゲーションを備えたうえでお客様にご提供するパッケージ