企業や組織を円滑に運営する上で欠かせない存在が「庶務」や「庶務事務」と呼ばれるポジションです。来客・電話対応から備品管理、書類整理まで幅広く対応するその業務は、誰でもできると思われがちですが、実際には属人化やアナログ作業が多く、非効率に陥りやすいという課題を抱えています。特に近年では、作業量の増加や人手不足により、庶務も効率化が求められる時代へと変化しています。
本記事では、庶務の基本的な仕事内容から現場でよくある課題、そして業務負担を軽減するための5つの効率化ポイントをわかりやすく解説します。
さらに、タスクの属人化やマニュアル作成の手間を減らすデジタルツール「テックタッチ」についてもご紹介。日々のルーティンワークをもっと楽に、もっとスムーズに。庶務として働く方、これから庶務を目指す方、そして庶務のタスクをマネジメントする方にも、役立つ内容になっています。

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庶務とは?
庶務とは、会社全体のオペレーションを円滑に進めるために、幅広いサポートを担うポジションを指します。一般的には総務部門の中に位置づけられることが多く、総務よりもさらに日常的かつ実務的な作業を担当する点が特徴です。具体的な内容としては、来客対応や電話応対、備品の管理、郵送物の仕分け、社内イベントの運営サポートなどが挙げられます。
庶務は、他の部門に比べて範囲が明確に定められていない場合が多く、状況に応じて臨機応変にさまざまな業務をこなす必要があるため、「何でも屋」と呼ばれることもあります。特に中小企業においては、少人数体制であることからより幅広い領域をカバーする傾向が見られます。
なお、庶務の業務は直接売上を生み出すわけではありませんが、こうした日常の積み重ねが会社全体の運営を円滑にし、組織全体のパフォーマンスを下支えしています。縁の下の力持ちとして、非常に重要な存在であると言えるでしょう。
庶務の仕事内容
庶務の仕事は、会社全体のスムーズな運営を支えるために、多岐にわたるサポート業務を担うものです。担当する範囲は、企業の規模や組織の体制によって異なりますが、主に日常的な社内対応を中心に幅広く展開されています。
表に出る機会が少ないものの、組織の信頼性や仕事の円滑化を陰で支える欠かすことのできない存在です。ここでは主な庶務の3つの仕事内容について解説します。
日常の社内対応業務
庶務が担当する日常的な社内対応には、来客応対や電話対応、郵便物の管理・発送などが含まれます。
来客対応では、受付での対応から応接室への案内やお茶出しまでを担当し、会社を訪れる外部の方に対して良い印象を与える役割を果たします。また、電話対応では代表電話にかかってくる問い合わせを受け付け、内容に応じて適切な部署へ取り次ぎます。営業や総務、人事など、担当部署にかかわらず柔軟な対応が求められる点が特徴です。
郵便物の管理では、社内に届いた郵便物や宅配便を受け取り、仕分けたうえで各部署に配布します。さらに、発送では社外への書類や物品の発送手配を行い、郵便料金の計算や記録といった細かな作業も担います。
これらの業務は、来客や電話への対応が会社の第一印象に直結するため、丁寧で落ち着いた対応が常に求められます。庶務の一つ一つの対応が、会社全体の信頼感につながっていることを意識しながら、日々の仕事に取り組むことが重要です。
物品・設備に関する業務
庶務業務の中には、社内で使用する物品や設備の管理に関わるものも多く含まれます。例えば、文房具やコピー用紙、名刺、プリンター用のトナーといった備品の在庫を日常的に確認し、必要に応じて適切なタイミングで発注を行うことが求められます。発注先の業者とのやり取りも庶務の大切な役割のひとつです。
また、備品の使用状況や在庫数を把握するために管理台帳やExcelシートなどを使って記録を残し、在庫管理の精度を高める作業も行います。
さらに、会議の際には会議室の予約や資料の印刷、プロジェクターなどの機材の準備を担当することもあり、スムーズな会議運営を支える役割を担います。加えて、オフィス内の環境整備として、レイアウト変更のサポートや、清掃業者との連絡調整、設備の点検スケジュールの管理などを担当する場合もあります。
こうした物品や設備に関わる業務は、社内の働きやすい環境づくりに直結しており、庶務担当者の細やかな気配りと正確な管理が、組織全体の生産性を支える重要な土台となっています。
庶雑務・サポート業務
>庶務は、日々の細かな雑務や各部署を支えるサポートも幅広く担当します。例えば、契約書や社内文書の整理・保管、必要に応じたスキャン作業など、書類管理に関する業務があります。また、社員が使用する名刺の発注や在庫管理、配布、名刺台帳の更新作業も庶務の役割に含まれます。
さらに、Excelや社内システムを使ったデータ入力や、簡単な数値の集計作業を任されることもあります。こうした事務処理を正確に行うことで、他部門の効率化に貢献します。
加えて、入社式や懇親会といった社内イベントにおいても、庶務は運営サポートを担います。案内状の作成・送付、会場設営の手配など、イベント成功のために裏方として動きます。
庶務の特徴は、担当が明確でない細かな作業や突発的な依頼にも柔軟に対応する点にあります。まさに「なんでも屋」として組織を広く支える存在であり、日常タスクを円滑に回すために欠かせない役割を果たしています。
庶務について事務や総務との違い
庶務の役割を理解するには、一般事務や総務との違いを押さえておくことが大切です。一般事務は、主にデスクワークを中心とする業務を担当し、データ入力や資料作成といった比較的限定された範囲の作業に特化しています。一方、総務は会社全体の運営に関わり、人事や労務管理、社内規程の整備など、制度づくりや幅広い管理タスクを担うポジションです。
これに対して庶務は、一般事務や総務と連携しながら、どちらにも明確に割り振られていないような業務を柔軟に引き受ける役割を果たします。職務範囲は固定されておらず、状況に応じて臨機応変な対応が求められる点が大きな特徴です。
一般事務や総務と比べると、庶務の担当領域は曖昧なことも多いですが、的確なサポートによって、社内の円滑な運営を支える役割を果たしています。
庶務が抱えている課題
庶務業務は、会社運営を支えるうえで欠かせない役割を果たしています。しかしその一方で、特有の課題を抱えているのも事実です。職務範囲が広く明確な線引きがないため、担当者によって対応内容にばらつきが出やすく、標準化や効率化が進みにくい傾向があります。ここでは庶務が抱える3つの主な課題を解説します。
属人化:マニュアルがなく、休まれると回らない
庶務では、担当者の経験や判断に頼って作業が進められることが少なくありません。明確なマニュアルや標準的なフローが整備されていないため進め方が属人的になりがちです。このため、担当者が急な休暇を取った場合や異動した場合に、業務がスムーズに引き継がれず現場が混乱するリスクが高まります。
また、庶務業務の多くは「昔からこうしている」という慣習に基づいて運用されていることも多く、見直しや標準化が後回しになっているケースも珍しくありません。その結果、効率が上がらず、担当者の負担が増え続けるという悪循環に陥ることもあります。
こうした属人化の解消は、庶務の職務全体の安定化と効率化を図るうえで欠かせないテーマとなっています。
アナログ作業:紙で管理、手書き伝票、口頭指示など
庶務の現場では、いまだに紙の書類や手書きの伝票、口頭や対面での指示といったアナログな作業が多く残っているケースが少なくありません。こうした非効率な運用はミスを招きやすく、情報の整理や共有にも手間がかかります。
また、データ入力や情報の転記といった単純作業にも多くの時間を割かざるを得ず、本来注力すべき業務に十分なリソースを割けない状況に陥ることもあります。さらに紙ベースで管理された書類は保管場所の確保や検索作業にも手間がかかり、必要な情報に迅速にアクセスできないという問題も引き起こします。
こうしたアナログ作業の多さは効率を大きく低下させる要因となるため、デジタル化やタスクフローの見直しが求められる状況にあります。
優先順位の判断が難しい:業務量が見えにくく、後回しになりがち
庶務業務は日々の依頼対応を中心に動いているため、突発的な作業に追われやすい傾向があります。特に、庶務が担う職務は幅広く依頼内容も多岐にわたるため、それぞれの重要度や緊急度を判断するのが難しい場面が多くなります。
また、担当している作業全体の量が把握しづらいことも課題の一つです。目の前の依頼を優先して処理するうちに、もともと進めるべきだった作業が後回しになったり、場合によっては対応が抜け落ちてしまったりするリスクも生じます。
こうした状況が続くとタスクの抜け漏れや遅延が積み重なり、庶務担当者の負担がさらに増大してしまうため、優先順位を適切に整理し全体を可視化する工夫が求められます。
庶務業務効率化の5つのポイント
庶務業務は会社全体を支える重要な役割を果たしていますが、その職務範囲の広さゆえに、作業が非効率になりやすい側面もあります。日々を円滑に進めるためには、現状を正しく把握し、ムダやムリを見直しながら仕組みを整備していくことが求められます。ここでは、庶務業務を効率的に進めるために押さえておきたい5つのポイントをご紹介します。
1. 業務の可視化・棚卸し
庶務業務の効率化を目指す際、まず取り組むべきは、日々の作業を一つひとつ棚卸しして全体像を把握することです。担当者ごとに「何を・いつ・どのくらいの頻度で行っているか」を明らかにし、見える化していきます。
この作業を通じて、負担の偏りや、無駄・重複している業務が見つかりやすくなり、優先順位を再検討するための土台が整います。さらに、特定の人に依存していた作業内容も共有できるようになり、引き継ぎや標準化がスムーズに進みます。
庶務業務を持続的に改善していくためには、こうした見直しを一度で終わらせず定期的に実施していくことが重要です。
2. マニュアル・テンプレート化
庶務業務の効率化を進めるうえで欠かせないのが、マニュアルやテンプレートの整備です。作業手順を明文化し誰でも同じ流れで対応できる状態を作ることで、教育にかかる時間を削減できるほか、引き継ぎもスムーズに進めやすくなります。
ただし、紙媒体でマニュアルを作成した場合は物理的な配布や更新に手間がかかり、デジタルであってもExcelなどを使用するとリアルタイム共有や管理が難しいケースがあります。必要に応じて、共有性に優れたクラウド型のデジタルツールを検討することもポイントです。
マニュアル化を進めることで、担当者に業務が依存する状態を防ぎ、品質を一定に保つことにもつながります。特に、備品の発注や来客対応といった頻度の高い業務は、あらかじめテンプレートを作成しておくことで作業時間を大幅に短縮できるでしょう。
≫≫ システムのマニュアルとは?作り方のコツや作成手順を解説
≫≫【2025年】マニュアル作成ツール比較10選!選び方も含めて解説

画面上で操作方法がわかるDAPツール「テックタッチ」
マニュアル作成や手順共有に課題を感じている場合、システムやアプリの操作画面上に直接ガイドを表示できるツールを活用するのも効果的です。なかでも「テックタッチ」は、操作手順をリアルタイムに画面上で示すことができるデジタル・アダプション・プラットフォーム(DAP)ツールとして注目されています。
テックタッチを導入することで、システムやアプリの画面上にナビゲーションやツールチップを表示し、ユーザーが直感的に操作方法を理解できる環境を整えることが可能になります。マニュアルを読む手間が不要になるため、教育にかかる時間を削減できるだけでなく、業務手順の標準化や属人化の防止にもつながります。
実際に企業の現場では、テックタッチの活用によってマニュアル作成や更新にかかる工数を大幅に削減したり、問い合わせ件数や差し戻し作業を大きく減らすといった成果が報告されています。
教える側・管理する側の双方にとって負担を軽減できる仕組みとして、庶務のタスク効率化にも高い効果が期待できます。
≫≫ デジタルアダプションとは?メリット・重要性から成功事例までを解説
3. 業務分担と引き継ぎ体制の整備
庶務業務が特定の担当者に依存している状態では、休暇や退職といった場面で職務が滞り、混乱を招くリスクが高まります。あらかじめ定型的な業務については、誰が対応しても問題なく進められる体制を整えておくことが重要です。
具体的には、各担当者の職務範囲を明確にし、それぞれの役割ごとにToDoリストを整備しておくことが有効です。加えて、引き継ぎを行う際には単なる資料作成や口頭説明にとどまらず、できるだけツール上で手順や注意点を可視化できる仕組みを作ることが理想的です。
こうした取り組みを進めることで、育成にかかる負担を軽減できるだけでなく、働き方の柔軟性を高めることにもつながります。組織全体でタスクを共有し、支え合える環境づくりが庶務業務の効率化と安定運用に不可欠です。
4. 外注やクラウドサービスの活用
庶務業務を効率化するためにはすべての作業を社内で抱え込まず、外部の力を上手に取り入れることも重要です。例えば、郵便物の発送や名刺整理といったルーティンワークは、外部業者に委託することで担当者の負担を軽減できます。
さらに、備品管理や文書管理を支援するクラウドサービスを導入すれば、作業の手間を大幅に削減できるだけでなく、作業の正確性や情報管理の質を高めることにもつながります。こうした外部リソースを活用することで、庶務担当者は社内のサポートや調整といった本来のコアタスクに集中できる環境を整えることができます。
外注やクラウドサービスの活用は、単なるコスト削減にとどまらず質を向上させる効果も期待できます。仮に外部委託が難しい場合でも、SaaS型のツールによる自動化や効率化を検討することで、庶務業務の改善に役立てることが可能です。
5. デジタルツールの活用
庶務業務では、紙の書類や口頭でのやり取りに頼ったアナログな運用が残っていると、ミスや時間のロスが発生しやすくなります。こうした非効率を解消するためには、デジタルツールの導入が有効です。
例えば、勤怠管理や備品管理や稟議書類の運用など、日常的な事務作業はツールを活用することで手間を大幅に削減できます。従来、Excelで共有していた情報も、SaaS型のシステムや専用アプリに移行することで更新ミスや情報の行き違いを防ぎ精度向上につなげることが可能です。
ただし、デジタルツールを導入する際には「操作が難しい」「社内で活用が定着しない」といった課題が発生するケースもあります。新しい仕組みを定着させるためには、ツールの選定段階で現場の使いやすさを重視し、導入後も継続的なフォローを行うことが重要です。

システムやツールの定着を支援するDAPツール「テックタッチ」
システムやツールを導入するだけでは、活用されなければ効果は発揮されません。そこで役立つのが、操作手順を画面上でガイドできる「テックタッチ」です。
テックタッチは、システムの利用画面に直接ナビゲーションやヒントを表示することで、利用者がマニュアルに頼らず操作を進められる環境を作ります。これにより、教育にかかる手間を減らし、問い合わせ件数の削減にもつながります。
実際に導入した企業では、作業ミスの減少や業務負担の軽減といった効果が報告されています。システムやツールの活用が現場にしっかり根付くことで、属人化を防ぎながら組織全体の業務品質を一定に保つ支援にもつながります。
まとめ:庶務業務の効率化は“地道な改善”の積み重ねがカギ
庶務業務は、表面上は単純な作業の積み重ねに見えるかもしれませんが、実際には企業運営の根幹を支える重要な役割を担っています。日々のルーティンワークの中にこそ、業務効率化のヒントやムダを省くための改善ポイントが潜んでいます。近年では、人手不足や業務内容の複雑化が進み、庶務業務にも高いレベルでの効率化が求められるようになっています。属人化やアナログ作業、業務の不透明さといった課題を放置しておくことは、今やリスクそのものと言えるでしょう。
この記事で紹介した「業務の可視化」「マニュアル・テンプレートの整備」「デジタルツールの導入」といった対策を進めるうえで、特に効果を発揮するのが「テックタッチ」のようなデジタルナビゲーションツールです。
テックタッチを活用すれば業務手順を画面上に直接組み込み、マニュアル参照なしで作業を進められる環境が整います。結果として利用者の迷いを減らし、問い合わせ対応や教育にかかる時間を大幅に削減することが可能です。
さらに、管理者側にとっても属人化の防止や業務品質の平準化といった効果が期待でき、現場の「定着しない」「教えるのが負担」という課題に寄り添いながら、庶務業務の効率化と仕組み化を同時に実現できる点が大きな強みとなっています。



