公務員の働き方改革とは?官公庁や自治体の事例をご紹介

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官公庁においても、少子高齢化や人手不足、多様な働き方への対応といった課題を背景に、働き方改革の必要性が高まっています。長時間労働の是正や柔軟な勤務制度の導入、非正規職員の処遇改善など、民間企業に比べて課題が複雑な官公庁では、計画的かつ持続的な改革が求められています。

本記事では、官公庁の働き方改革の現状や先進的な取り組み事例、さらには業務改善を支えるシステムの導入ポイントまでを詳しく解説します。公務員の働きやすい環境づくりのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

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官公庁に属する公務員の世界でも求められている働き方改革とは?

官公庁に属する公務員の世界でも求められている働き方改革とは?

日本社会では少子高齢化が進行し、労働力人口の減少や働き方に対する価値観の多様化が大きな課題となっています。こうした状況に対応するため、すべての人が柔軟に働ける環境を整備することを目的とした政策が「働き方改革」です。厚生労働省ではこの改革を「働く人が自ら多様で柔軟な働き方を選べるようにする改革」と定義しており、民間企業のみならず官公庁や自治体においても重要なテーマとなっています。

2019年には「働き方改革関連法」が施行され、具体的な法整備が進められました。この法律は、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、そして雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保という三つの柱を軸に構成されています。公務員の世界でも、こうした社会的要請に応えるための取り組みが本格化しており、職員の働きやすさと住民サービスの質向上の両立が求められています。

官公庁に働き方改革が必要な理由

官公庁に働き方改革が必要な理由

公務員における働き方改革は、民間企業以上に強く求められています。その主な理由として、国家公務員の残業時間が民間平均を大きく上回り、年間で約80時間もの差があることが挙げられます。加えて、公務員の職場では柔軟な働き方の実現が遅れており、特に地方公務員のテレワーク実施率は極めて低い水準にとどまっています。こうした状況は、業務負担の増加や職員の働きやすさの確保に課題を残しています。

さらに、公務員の非正規雇用の比率も大きな問題です。国家公務員では約4割、地方公務員においても約4人に1人が非正規雇用でありながら、正規職員とほぼ同等の業務を担っているケースが多く見られます。このような待遇格差の解消も、働き方改革の大きな柱となっています。

こうした課題に対処するため、政府は国家公務員と地方公務員を対象に積極的な改革を推進しています。具体的には、ガイドブックの作成や懇談会の開催、人事院規則の見直しなど、多面的な取り組みが進行しており、公務員の労働環境の改善が本格化しています。

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官公庁における働き方改革と民間企業との違い

官公庁における働き方改革と民間企業との違い

官公庁での働き方改革は重要な課題ですが、民間企業に比べて進展が難しい面があります。最大の要因として、公務員に対する労働基準法の適用範囲が限定的であることが挙げられます。

民間企業では労働基準法改正が直接的な効果を及ぼしますが、公務員の場合、国家公務員の一般職には適用されず、地方公務員では一部に限られます。現業公務員や行政執行法人の職員には適用されるものの、多くの公務員は国家公務員法、人事院規則、地方公務員法や自治体の条例といった別の法体系に基づいて働き方が定められています。このため、公務員の働き方改革は法改正だけでは実現せず、各制度の見直しが必要となります。

加えて、公務員の業務は公共性と公平性を担保するために多くの法的規制を受けています。業務内容の変更や簡略化が難しく、たとえば法的拘束力のある書類のフォーマット変更や重要窓口業務の停止、個人情報の持ち出しなどには厳しい制約があります。その結果、業務の効率化やテレワークの導入は民間よりも遅れがちです。これらの課題に対応するためには、官公庁独自の工夫と継続的な制度改革が不可欠となっています。

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官公庁における働き方改革の現状

官公庁における働き方改革の現状

官公庁においても民間と同様に働き方改革が求められており、各組織でさまざまな取り組みが進められていますが、法的制約や公共性の高い業務の特性等から、その進行は必ずしも均一ではありません。特に国と地方自治体、規模の大きい自治体と小規模な自治体とでは取り組み状況に差が見られます。ここでは、官公庁における働き方改革の現在の取り組みの実態を具体的に紹介します。

残業上限はあるが罰則なし

官公庁では残業時間の上限が設けられているものの、民間企業と異なり罰則の規定はありません。国家公務員については人事院規則により、月45時間・年360時間までとする基準が設けられていますが、これに違反しても処罰の対象にはなりません。

地方公務員に関しては、労働基準法が部分的に適用されるものの、具体的な残業規制の設定は各自治体の判断に委ねられています。実際には約94%の自治体が国家公務員の基準を参考に同様の上限を設けていますが、こちらも罰則規定は設けられていません。残業抑制のルールは存在しているものの、実効性や強制力には課題が残る状況となっています。

フレックス導入は国家公務員中心

公務員の働き方改革の中でも、フレックスタイム制は国家公務員を中心に普及しています。国家公務員では、制度的な後押しにより比較的早い段階から柔軟な勤務体系が確立されました。これにより職員は業務の繁忙や家庭事情に応じて出退勤時間を調整でき、長時間労働の抑制やワークライフバランスの向上が図られています。

一方、地方自治体では統一した導入には至っておらず、各自治体ごとの判断に委ねられているのが現状です。地方ではフレックスタイム制そのものよりも、個別対応による時差勤務や時短勤務といった形で職員の働きやすさに配慮するケースが目立ちます。こうした背景から、官公庁全体としては国家公務員主導で制度の定着が進みつつも、地方での広がりは今後の課題とされています。

テレワークは国と大規模自治体が主導

官公庁におけるテレワークの導入は、国の機関と大規模な自治体を中心に進められてきました。国家公務員では内閣人事局の調査によると、2019年時点で47.4%の実施率を記録しており、働き方の柔軟化に一定の成果を上げています。特に中央省庁では情報通信技術の整備が進んでいることもあり、比較的スムーズに在宅勤務やモバイルワークへの移行が進みました。

これに対し地方自治体では対応に差があり、都道府県レベルでは90%以上が何らかの形でテレワークを導入していますが、市区町村では導入が大きく遅れています。これは、予算や人員体制、システム整備の格差が影響しており、小規模自治体ほど実現のハードルが高いのが実情です。そのため、官公庁全体としては国と大規模自治体が先導する形で進みつつも、今後は市区町村への普及促進が課題となっています。

副業を条件付きで認める自治体もあり

近年、民間企業では働き方改革の一環として副業が広く認められるようになっていますが、公務員の場合は原則として営利を目的とした副業は禁止されています。これは、公務員の職務の公正性や利害関係の排除、職務専念義務を守るために定められた規定です。しかしながら、公益性や地域貢献を目的とした非営利活動については例外的に認められるケースがあります。

実際に、いくつかの自治体では条件付きで副業を許可する動きも見られます。具体的には、所属長の承認を得たうえで、ボランティア活動や地域活動、NPO法人への協力といった非営利の活動に限り副業が認められています。このような制度は、公務員としての職務を損なわない範囲で地域社会への貢献を促進することを目的としており、公務員の働き方や社会参加の多様化を後押ししています。とはいえ、副業の全面的な解禁には至っておらず、引き続き慎重な運用が求められています。

非正規の処遇改善で会計年度任用制度導入

官公庁では、非正規職員と正職員の間に生じていた待遇格差を是正するための取り組みが進められてきました。その一環として2020年に導入されたのが「会計年度任用職員制度」です。この制度は、地方公共団体における非正規職員の雇用形態や待遇のばらつきを解消することを目的としています。

導入により、非正規職員の採用基準が明確化され、任用手続きが統一されました。さらに、給与体系や諸手当、休暇制度なども一定の基準で整備され、従来よりも処遇の改善が図られ、非正規職員の雇用の安定と人材確保が期待されています。一方で、運用面での課題や人事管理のさらなる改善も引き続き求められています。

官公庁の働き方改革に重要なポイント

官公庁の働き方改革に重要なポイント

官公庁における働き方改革を成功させるためには、現状の課題を正しく把握し、具体的な改善策を講じることが不可欠です。民間企業に比べて制度面や業務内容に制約が多い官公庁では、より計画的かつ段階的な取り組みが求められます。ここでは、働き方改革を進める上で特に重視すべきポイントを解説します。

現状の課題を明確にする

働き方改革の出発点は、現状の課題を正確に把握することにあります。公務員の職場では長時間労働や勤務の自由度の低さ、さらには正職員と非正規職員との間に見られる待遇格差など、さまざまな問題が指摘されています。こうした課題を解消するためには、まず原因の特定が不可欠です。

例えば、残業の多さひとつをとっても、「業務量の過多」「特定時期への業務集中」「突発的な業務の発生」など原因はさまざまであり、それぞれに適した対策が求められます。職員自身や組織が自らの労働環境や業務の流れを丁寧に分析し、具体的な改善策を立案することが重要となります。このプロセスを経ることで、より効果的かつ持続可能な働き方改革の実現が可能となります。

業務改善に役立つシステムを導入する

改革を進めるうえで、業務効率化のためのシステムやツールの導入は欠かせません。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAIを活用した業務支援システム、ペーパーレス化を促進する文書管理ツールなどの導入により、職員は煩雑な定型業務から解放され、本来注力すべき重要業務に集中できる環境が整います。これにより労働時間の短縮や生産性の向上が期待されています。

しかし、新たなシステムの導入には注意も必要です。すべての職員が高いITリテラシーを持っているわけではなく、不慣れなツールに対して不安や抵抗感を持つケースもあります。

その結果、十分に活用されずに従来の手作業に戻ってしまうことも課題とされています。こうした懸念を踏まえ、次に取り上げる「誰でも使いやすいシステム設計」が、定着と効果の鍵を握る要素となります。

新しいシステムの円滑な導入と職員のシステム利用定着を促進するテックタッチ

新しいシステムの円滑な導入と職員のシステム利用定着を促進するテックタッチ

新たなシステムを官公庁で導入する際に、職員全員がスムーズに利用できるようにすることは非常に重要です。そこで注目されているのが、テックタッチというデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)ツールです。テックタッチを導入すると、システムの画面上にデジタルガイドが設置されるようになるため、利用者が操作に迷うことなく、リアルタイムで手順を同じ画面上で確認しながら進められる仕組みが提供されます。

この機能により、システムの操作方法を事前に学習する必要がなくなり、ITリテラシーに不安がある職員でも安心して利用を開始できます。働き方改革に向けたさまざまな業務改善ツールやシステムを導入する際にも、テックタッチはその導入から日常の運用までの円滑化を支援する強力なサポートとなります。

結果として、システム活用の定着が進み、業務効率化と生産性の向上に大きく貢献することが期待できます。

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官公庁の働き方改革の事例

官公庁の働き方改革の事例

少子高齢化や人口減少といった社会構造の変化を背景に、官公庁や自治体でも働き方改革の必要性が高まっており、住民サービスの質を維持しながら職員の負担軽減や業務効率化を実現するため、各地でさまざまな取り組みが行われています。ここでは、実際に働き方改革に取り組み、成果を上げている官公庁や自治体の事例をご紹介します。

埼玉県戸田市の事例

埼玉県戸田市では、人口減少とそれに伴う地方税収の減少を見据え、効率的かつ効果的な行政サービスの提供体制を構築するための働き方改革に取り組みました。

最大の課題とされた標準化に対応するため、行政情報標準化・AI活用研究会への参加を経て、AIスタッフ総合案内サービスを導入しました。住民からは、電話よりも気軽に利用できると好評であり、職員の電話対応負担の軽減にもつながっています。

青森県の事例

青森県では、業務の効率化と職員の負担軽減を目的としてAIによるリアルタイム議事録作成システムを本格的に導入しました。導入前には25件の会議を対象に試行を行い、作業時間の削減効果を検証した結果、約4割の業務時間短縮を達成しました。

このシステムは会議中の音声データを即座にテキスト化するもので、会議ごとに文字列や単語の事前学習を行うことで、精度の高い議事録作成が実現されています。

職員からも高い評価を得ており、業務の効率化に大きく寄与しています。さらに今後はこの音声認識技術を活用し、聴覚障害のある住民への情報提供や福祉サービスの向上にも役立てていく方針です。

兵庫県神戸市の事例

兵庫県神戸市では、旧来の庁内イントラネットによる一方向の情報発信に限界を感じ、職員間の効率的な情報共有とコミュニケーションの強化を目的に全庁的なグループウェアの導入を進めました。

その結果、部局を越えたミーティングのスケジュール調整の手間が大幅に軽減され、住民対応に追われる職員の残業時間削減に寄与しています。グループウェアにチャット機能を追加したことで、リアルタイムの情報交換が可能となり、プロジェクトや事業案件では、まず情報共有を行い積極的なコミュニケーションを図る文化が定着しました。

これに伴い、FAXや内線電話の利用が削減されたほか、従来の紙のメモによる伝達も見直され、個人情報の漏洩リスク低減につながるなど、働き方の質的向上が実現されています。

鳥取県の事例

鳥取県では、仕事と家庭生活の両立および公務の効率向上を目的に、平成28年度からフレックスタイム制度を導入しました。この制度は、職員が申請することで、週38時間45分の勤務時間内で柔軟に勤務時間を設定できる仕組みです。最低勤務時間は4時間から6時間とされ、制度を利用する職員には原則として時間外勤務を命じないことも明確にされています。

導入以来、制度の利用者数は年々増加しており、令和2年度には643人、令和3年度には627人が利用するなど、多くの職員に浸透しています。こうした取り組みにより、職員のワークライフバランスが向上するとともに、公務能率の改善にも貢献しています。

長崎県長与町の事例

長崎県長与町では「IT推進のまち」を掲げ、多様な働き方の実現に向けた取り組みを進めてきました。その一環として、令和2年から検討を始めたテレワークの導入がコロナ禍をきっかけに本格化し、令和3年4月から試験導入がスタートしました。導入当初は自治体業務でのテレワーク実施に対する懸念の声もありましたが、長与町はこれに対処するため、各課に若手職員から選任されたプロモーターを配置する独自の制度を設けました。

プロモーターはテレワーク推進のための情報共有や業務の棚卸し、テレワーク可能な業務の明確化を担い、月に1~2回のワーキンググループを通じて各課への理解と定着を図りました。その結果、長与町ではテレワーク環境の構築が進み、効率的な業務遂行が可能となる成果を上げています。

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公務員の働き方改革のまとめ

公務員の働き方改革のまとめ

本記事では、官公庁における働き方改革の背景や課題、実際の取り組み事例、そして今後の改善に向けた具体的なポイントについて解説しました。公務員の長時間労働や柔軟な働き方の実現に向けた制度整備、非正規職員の処遇改善など、さまざまな課題に対して各自治体や国が取り組みを進めています。また、現状の課題を正確に把握し、業務改善に役立つシステムの導入を進めることが、働き方改革をさらに前進させる鍵となります。

しかし、新たなシステムの導入にあたっては、職員のITリテラシーや操作方法への不安から導入や運用をためらうケースも少なくありません。こうした状況に対して、テックタッチは効果的な解決策となります。テックタッチはシステムの画面上にデジタルガイドを設置し、利用者がその場で操作手順を確認しながら進められる仕組みを提供します。

これにより、導入初期の不安を解消し、日常業務への定着と円滑な運用を強力にサポートします。官公庁における働き方改革の推進において、テックタッチは頼もしいパートナーとなることが期待されています。

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