こんにちは!
CS工数削減、ユーザーのセルフオンボーディングを実現する「テックタッチ」ライターチームです。
顧客ロイヤルティが重要視されるようになったことから、NPS®調査を採用する企業が増えています。
しかし、いざ取り組むとなると、調査の種類や、計算方法、分析のポイントなど理解すべき項目が多数あり、戸惑うことも多いようです。
NPS®調査を実施したくても、知識やノウハウがなければスムーズに導入を進められないでしょう。
そこで本記事では、NPS®の計算方法や調査の種類、結果分析する際のポイントなどを幅広く紹介します。
NPS®の意味とその計算方法
NPS®とは「Net Promoter Score」の略称で、顧客ロイヤルティを数値化する指標です。
業績成長と高い相関関係があり、顧客のリピート購入の確度や利益拡大のための効率的施策の検討ができることから注目されています。
注:ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、ネット・プロモーター・スコア、NPS®、そしてNPS®関連で使用されている顔文字。これらは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。
NPS®の重要性や向上のポイントについて詳しくは、「NPS®向上が重要とされる理由とは?NPS®の意味や向上させるポイントとともに紹介」をご覧ください。
NPS®の計算方法を紹介
アンケートなどにより顧客の声を集め、自社商品に対する推奨度を測定します。
NPS®を算出するには、自社商品・サービスについて「友人や知人にすすめる可能性はどの程度ですか(どの程度すすめたいですか)」という質問に対して、0から10点で評価を回答してもらいます。
回答した点数に応じて、顧客を次のように分類します。
- 0~6点:批判者
- 7、8点:中立者
- 9、10点:推奨者
NPS®は推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値です。
例えば、推奨者の割合を50%、批判者の割合を30%とすると、NPS®は50%-30%=20%となります。
つまり、推奨者が多く批判者が少ないほどNPS®の数値は高くなり、顧客ロイヤルティは高いと判断できるのです。
NPS®調査の種類
NPS®調査は、大きく分けて以下の2種類があります。
トランザクション調査
顧客が特定の商品・サービスを利用体験した直後に実施・評価する、顧客目線による評価手法です。
トランザクション調査は次のような特徴を持ちます。
- 質問数は少なめとなるため、比較的低コストで実施でき、顧客側の回答する負担も少ない
- 体験直後に実施するため、顧客の体験を正確に把握することが可能
- 特定の顧客体験ごとの課題発見が可能
- リピート率の違う顧客の体験を比較し、サービスの改善に生かすことも可能
店舗やWebサイトからの商品購入後やサービス利用後、もしくは商品購入に至らずとも来店時やWebサイトアクセス時など、顧客体験を絞って調査します。顧客体験ごとの個別課題を発見するのに役立ちます。
リレーショナル調査
顧客の自社ブランドに対する体験全体を評価するもので、年や半年に1回程度行います。
リレーショナル調査は次のような特徴を持ちます。
- 質問数が多くなりやすく、顧客側の回答する負担が大きい
- 複数の顧客体験を比較できるため、顧客にとって重要な体験、評価を左右した顧客体験を分析できる
- 調査結果と利用履歴をひも付けすることで、より細やかな分析が可能となる
「比較検討」「購入・利用」「問い合わせ」など、1年間を通じた複数の体験を総合評価するため、全社協力のもと実施する必要があります。
NPS®調査の手法
NPS®の調査手法としてはアンケート形式が一般的で、質問数や質問内容が重要となります。
また、顧客に対して実施するため、個人情報の取り扱いには注意が必要です。
基本的な質問内容
もっとも一般的な質問は「友人や知人にすすめる可能性はどの程度ですか」ですが、必要に応じてより具体的な内容へと加筆修正することも重要です。
例えば、自社のサービス決済アプリケーションであれば、次のような表現にすると顧客は推奨度をイメージしやすくなります。
「生活を便利にするためのツールとして、このサービスを友人や知人にすすめる可能性はどの程度ですか」
表現の微妙な違いでNPS®は大きく動くことがあるので、質問内容は吟味しましょう。
また、「具体的にどんなところをすすめたい(すすめたくない)のか」のように、どうしてその評価(推奨度)となったかを特定できる質問があるとより効果的です。
なお、質問数が多すぎると、回答率の低下につながります。リレーショナル調査でも20問以内が望ましいでしょう。
そのほかの質問内容
そのほかの重要な質問内容を紹介します。
商品・サービス購入の理由
顧客がどういう理由で商品やサービスを購入したかを知ることによって、商品・サービスの強みを知ることができます。
どのような商品・サービスでもさまざまな類似品があり、そのなかから自社ブランドが選ばれたのには、なんらかの理由があるはずです。
選ばれた理由が他社ブランドに対する自社ブランドの強みとなる可能性が高いので、どのような点に力を入れていくべきかを分析できます。
顧客情報
性別や利用頻度、年月といった顧客属性・セグメントなど、顧客ごとの動向や推奨度を知ることで、結果を施策に生かしやすくなります。
NPS®調査や結果分析する際のポイントや注意点
NPS®調査や得られた結果を分析する際のポイント・注意点を紹介します。
NPS®の数値だけに着目せず、競合企業との比較で評価する
NPS®がマイナスの数値になることもあります。
しかし、NPS®調査は将来に向けた質問であり、数値が低くても即座に業績悪化につながるわけではありません。
数値を見て一喜一憂するのではなく、競合企業の数値との比較で自社の立ち位置を見極めることが重要です。
競合企業との相対的な位置関係を把握することで、差別化を適切に行っていきます。
2種類の調査を同時並行で行う
「調査の種類」の章で紹介した2種類のNPS®調査は、目的や実施するタイミングが異なります。
トランザクション調査では、顧客ロイヤルティの変化を把握できます。ま
た、体験直後に顧客の声を聞くことで課題をタイムリーに把握し、迅速に改善することが可能です。
例えば、商品やサービスへのクレームがあれば即座に把握・対処し、顧客の離反を防ぐことができます。
しかし、トランザクション調査は個別の体験しか評価できないため、ブランド全体の評価までが可能なリレーショナル調査も必要となります。
定期的な測定の継続と反映
NPS®調査では、定期的な測定を実施し、時系列でその推移を確認することで自社マーケティング手法の妥当性や効果を把握できます。
そのため、1回や2回で止めるのではなく、継続しなくてはいけません。
特に、リレーショナル調査は中長期的な調査なので、結果が出るまで時間がかかります。
調査対象の顧客が増えるほど集計や分析が大変になるので、性別や年代などで対象を絞るとよいでしょう。
また、調査項目は定期的に見直すことも重要です。
ポイントを押さえたNPS®調査で成果を出そう
NPS®調査は一度実施したら終わりではありません。
調査結果を正しく分析することで、企業の今後の対応に生かすことができます。
NPS®調査の実施や分析にはポイントや注意点があり、ノウハウや知識がなければ効果的に実施することは困難です。
しかし、注意点をしっかり押さえて実施すれば成果につなげることは可能です。
企業にとってメリットも多いので、ぜひ取り組んでみましょう。
昨今、提供サービスやシステムが定着していることを指すデジタルアダプションが重視されています。
デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)は デジタルアダプション を推進するためのツールで、NPS®向上につながる手法としても注目を浴びています。
デジタルアダプションについては、「DXの実現に欠かせないデジタルアダプションとは?実現による効果と課題を解説」をご覧ください。
テックタッチでは、あらゆるWebシステム上で操作ガイドや入力ルールを示すツールチップを展開することでユーザーのシステム利用を助ける「テックタッチ」を提供しています。
「テックタッチ」は、ターゲットユーザーへ、任意のタイミングでNPS®アンケートを表示させることもできます。
収集された回答はリアルタイムに集計されるため、結果の可視化もかないます。
ユーザーのシステム利用動向を可視化して、活用されていない機能や非効率な操作を発見することで使い勝手を向上させることも可能です。
NPS®調査をご検討の際は、ぜひご相談ください。