経費精算業務の効率化を目指す企業にとって、「楽楽精算」と会計ソフトとの連携は大きなメリットとなります。
連携機能を活用すれば、経理部門と現場との情報共有もスムーズになり、全社的な業務効率化が実現可能です。
本記事では、「楽楽精算」が対応している主要な会計ソフトや、連携機能の内容、活用する上でのポイントについて解説します。
また、記事内では楽楽精算の定着化を推進できるDAPツールの「テックタッチ」もご紹介。
経費精算システム「楽楽精算」とは

「楽楽精算」は、株式会社ラクスが提供するクラウド型の経費精算システムで、交通費・出張費・交際費など、あらゆる経費申請の業務を一元管理・効率化できるサービスです。
紙やExcelを使った煩雑な処理をデジタル化し、申請から承認、精算、仕訳、保管までの一連の流れをスムーズに完了できます。
累計導入社数は2024年時点で18,000社を超え、中小企業から大手企業まで幅広く採用されています。
また、クラウドサービスのため、ネット環境があればどこでも利用可能で、テレワークや出張中の申請・承認にも対応できる柔軟性の高さが魅力です。
主要な会計ソフトとも連携可能で、仕訳データの自動化にも対応しています。
「楽楽精算」の便利な機能

「楽楽精算」は、経費精算業務を効率化するための多彩な機能を備えており、申請者・承認者・経理担当者のすべてにとって使いやすい設計が特長です。
単なる経費処理ツールにとどまらず、交通費の自動計算や電子帳簿保存法への対応、他システムとの連携機能まで幅広くカバーしています。
ここでは、実際の業務に役立つ代表的な機能をカテゴリ別にご紹介します。
経費精算
楽楽精算の経費精算機能は、日常的に発生する経費申請をスムーズに処理できる主要な機能の一つです。
経費申請時には、申請者が入力する項目に応じて勘定科目を自動で判別でき、例えば「会議費」や「交際費」などを選択するだけで、適切な仕訳に自動分類されるため、後処理の手間を削減できます。
また、領収書はスマホで撮影してアップロードすると、OCR機能により金額・日付・取引先といった情報が自動入力されるため、手入力によるミスの防止や業務時間の短縮も実現できます。
交通費精算
楽楽精算の交通費精算機能は、頻繁な業務ゆえにミスが発生しやすい交通費申請において、申請者・承認者・経理担当者それぞれの視点で利便性を追求した設計が施されています。
交通費精算で利用できる役立つ機能は以下の通りです。
- スマホアプリに交通系ICカードをかざすだけで、乗車日や経路、運賃などの精算情報を自動で取り込める
- 経路や運賃を検索して選択するだけで申請画面に反映される
- 社員ごとに登録された「定期区間」は自動で控除でき、「定期区間控除済み」のアイコン表示により過払いの防止が可能
上記の機能により、日々繰り返される交通費精算業務に効率性と正確性を施せるのが楽楽精算の特長の一つです。
電子帳簿保存法への対応
2022年1月に施行された「改正電子帳簿保存法」への対応は、企業のペーパーレス化と法令遵守を両立させる上で欠かせないものとなりました。
楽楽精算では、その電子帳簿保存法への対応も以下の機能・特長により可能となっています。
- 領収書や請求書をスマホで撮影するだけで、OCRによって日付・金額・取引先などの情報が即座にデータ化され、そのまま電子帳簿保存法のスキャナ保存要件に対応可能
- アップロード時にはタイムスタンプが付与され、保存データの真実性をしっかり担保できる
- 「JIIMA認証」を取得しているため、法的要件を満たすシステムとして公的な証明がされている など
上記の機能・特長により、楽楽精算は経費精算フローの法令対応をスムーズにしながら、業務効率と内部統制の向上を同時に実現できます。
API連携・外部サービス連携
「API連携・外部サービス連携」は、楽楽精算が他の業務システムやサービスとスムーズにつながることで、さらなる業務効率化や精度向上を実現できる重要な機能です。
楽楽精算のAPI連携・外部サービス連携の概要は以下の通りです。
【API連携】
| 項目 | 概要 |
| API連携 |
|
| 楽楽コネクタ |
|
【外部サービス連携】
| 項目 | 概要 |
| 複合機連携 | 複合機でスキャンした領収書や請求書のデータを直接取り込める |
| Amazonビジネス連携 | 購入履歴を自動で取り込める |
| AI Travel自動連携 | AI Travelで手配した交通機関やレンタカー、宿泊施設などを予約情報を自動で取り込める |
上記のようなAPIおよび外部サービス連携機能を活用すると、複数の業務システムとのデータ交換が自動化され、担当者にかかる作業負荷の削減と精度向上を両立できます。
自動仕訳と会計ソフト連携
楽楽精算が提供する「自動仕訳と会計ソフト連携」機能は、経理業務にかかる作業時間やミスを削減できる魅力的な機能です。
申請者が入力した経費情報は、システム内であらかじめ設定された勘定科目や税区分に自動的に紐づけられ、仕訳まで自動で完了します。
例えば、文房具を申請すれば自動的に「消耗品費」として仕訳され、立替金や仮払い対応も可能です。
仕訳内容は画面上で確認でき、経理担当者がチェックするだけで対応完了できるので、作業時間が大幅に短縮されます。
また、連携できる会計ソフトも豊富で、勘定奉行や弥生会計、PCA、SAP、SMILE、SuperStreamなど、さまざまな主要製品への取り込みに対応しています。
システム側で会計ソフトに合わせたCSV形式のテンプレートが用意されており、手間なくスムーズにアップロード可能です。
会計ソフトとの連携は経理担当者の負担削減に大きく役立つ機能の一つであり、楽楽精算を導入する際にはぜひ活用したいものの一つといえます。
次項にて会計ソフトとの連携の流れについて詳しく解説します。
【2025年版】自治体向け財務会計システムのシェア・比較・選び方
「楽楽精算」の会計ソフト連携までの流れ

楽楽精算では、経費申請から会計ソフトへのデータ連携までを一連の流れでスムーズに行える仕組みが整っています。
面倒な仕訳作業や入力ミスのリスクを最小限に抑えながら、正確でスピーディーに会計処理を完了できるのが特長です。
ここでは、会計ソフト連携までの流れを解説します。
1. 申請するデータの作成
楽楽精算では、申請者が経費の利用目的や日付、金額、取引先などの必要な項目を画面上で選択・入力しながら経費申請を行います。
手入力でも可能ですが、OCR読み取り機能や、ICカード情報読み取り機能などを活用すればさらにスムーズにデータ作成ができます。
2. 自動仕訳
自動仕訳では、申請された経費データに予め設定したルール(勘定科目・税区分など)が即座に適用され、自動的に仕訳処理が行われます。
申請された経費内容に応じて「消耗品費」や「交際費」などに自動的に分類され、立替金や仮払いへの仕訳にも対応しているため、複雑な会計処理もスムーズです。
完了した仕訳情報は画面上で確認可能で、「借方・貸方の内容に間違いがないか」を経理担当者が確認するだけで処理が完了します。
3. CSVファイルの出力
会計ソフトとの連携では、会計ソフトに取り込めるようにCSVファイルへの出力を行わなければなりません。
楽楽精算では、仕訳設定に応じて確定したデータを、会計ソフトに合わせた形式でCSVファイルとして出力できる機能が備わっています。
例えば「消耗品費」や「交際費」などの自動仕訳データを、そのまま会計ソフト用フォーマットに合わせて抽出できるため、手軽にCSVファイルへの出力が行えます。
4. 会計ソフトへの取り込み
CSVファイルを準備できれば、取り込みたい会計ソフト側で取り込みを実行するだけでデータを反映させられます。
会計ソフト側でのデータ入力は一切必要ないため、二度手間にならずスムーズに運用できるのが楽楽精算の強みの一つです。
「楽楽精算」の会計ソフト連携で業務効率化に成功した事例

ここでは、楽楽精算の会計ソフト連携で業務効率化に成功した事例を2つ紹介します。
マルホ発條工業 様

マルホ発條工業株式会社様は、各種スプリングの製造・販売、医療用具・機器類の設計製造などを手がけている企業です。
楽楽精算の会計ソフト連携で業務効率化に成功した事例の概要は以下の通りです。
課題
導入後の効果
|
マルホ発條工業株式会社様の事例は、煩雑な経費精算業務を楽楽精算と会計ソフトの連携により改善できた成功事例といえます。
日本商業開発株式会社 様

日本商業開発株式会社様は、不動産関連事業を手がけている企業です。
楽楽精算の会計ソフト連携で業務効率化に成功した事例の概要は以下の通りです。
課題
導入後の効果
|
日本商業開発株式会社様の事例は、煩雑となっていた経費精算業務を楽楽精算と会計ソフトの連携により改善できた成功事例といえます。
「楽楽精算」を会計ソフトと連携させる時の注意点

楽楽精算は、経費精算業務を効率化しながら、会計ソフトとのスムーズな連携にも対応できる便利なシステムです。
しかし、実際に会計ソフトと連携させる際には、あらかじめ押さえておくべきポイントや注意点がいくつか存在します。
ここでは、楽楽精算を会計ソフトと連携させる際に注意しておきたい代表的なポイントを3つに分けて解説します。
会計ソフトとのデータ連携は主にCSV形式
楽楽精算を会計ソフトと連携する際は、おもにCSV形式によるデータ出力と取り込みが基本で、非常に汎用性が高いのが特長の一つです。
一方で、以下のようなCSV形式であるがゆえの注意点がいくつかあります。
| 注意点 | 概要 |
| 互換性やフォーマットのズレ | フィールドの順序、列名、出力フォーマットが会計ソフトの仕様と合わないと、データの取り込みエラーや仕訳のズレに直結する |
| リアルタイム連携には対応していない | 業務プロセスの中に「CSVの出力」「ファイルの保存」「インポート作業」といった一手間が生じる |
楽楽精算でのCSV形式での連携は、コストを抑えて柔軟に運用できる反面、初期設定や連携先ソフトの仕様確認を丁寧に行う必要があります。
API連携は追加オプション
楽楽精算では、会計ソフトとのデータ連携はCSV形式が基本であり、API連携は別途オプションとしての契約が必要となります。
自社での開発でほかの会計ソフトとの連携を行うには、専門的な知識・技術を持った人材による対応が必要な場合が多く容易ではありません。
また、すべての会計ソフトがAPI連携に対応しているわけではないため、事前の確認も必須です。
導入時の設定が複雑で、マニュアルの確認が必要
楽楽精算はカスタマイズ性や柔軟なワークフロー設計が魅力ですが、その反面導入時の設定は複雑になりやすい点には注意が必要です。
特に、自社特有の経費申請フローを再現したり、会計ソフト連携用の仕訳設定を組んだりする場合、設定の自由度が高い反面、担当者による設定の手間や判断が発生します。
そのため、初期設定の負荷が「ハードルになる」と感じる企業も少なくありません。
導入時の設定の複雑さを解消するために、楽楽精算ではサポートサイトが充実しており、マニュアルや設定例が豊富に掲載されています。
また、メールや電話、リモート対応などによるカスタマーサポートも整備されており、不明点をその都度解消しながら導入を進められます。
そして、豊富なサポート体制に加えて日々の運用をさらに円滑にするためにおすすめなのが、ユーザのセルフオンボーディングを促進できるDAPツールの「テックタッチ」です。
テックタッチについては次項にて詳しく解説します。

直感的なデジタルガイドで複雑な機能でもすぐに理解できるようになる「テックタッチ」

楽楽精算は高機能で柔軟な反面、「初めて使う社員が操作に戸惑う」「マニュアルを読んでも理解しづらい」といった課題に直面する場合があります。
特に複雑な承認フローや、会計連携まわりの設定が絡むと、業務に不慣れな従業員が正確に操作するのは簡単ではありません。
そのような楽楽精算の「使いにくさ」を解消するのにおすすめなのが、DAPツールの「テックタッチ」です。
テックタッチは、システム上にリアルタイムで操作ガイドやナビゲーションを表示させることができるDAPツールです。
ノーコードで設定でき、IT部門以外でも簡単に導入・更新できるため、社内システムへの定着支援に最適です。
実際に楽楽精算にテックタッチを導入すると、申請画面や経路登録、領収書アップロードの各ステップに沿って、ツールチップやポップアップで直感的に次の操作を案内できるようになります。
ユーザは画面上に表示されるガイドに従うだけで操作が完了するため、「マニュアルを読む時間」や「申請の差し戻し」などが大幅に削減可能です。
テックタッチは、ただの操作マニュアルの代替ではなく、「定着支援のためのインタラクティブな体験設計ツール」です。
楽楽精算をはじめとした社内SaaSを社員全員が迷わず活用できる環境を整えるには、こうしたガイドツールの導入が非常に有効です。
「楽楽精算」の会計ソフト連携でよくある質問

ここでは、楽楽精算の会計ソフト連携でよくある質問とその回答について紹介します。
どの会計ソフトと連携ができる?
楽楽精算は、会計ソフト側でCSV形式による仕訳データの取り込みに対応していれば、基本的にあらゆる会計ソフトとの連携が可能です。
また、主要な会計ソフトについてはテンプレートが標準で用意されており、設定の手間も少なく導入できます。
連携実績が豊富な代表的な会計ソフトは以下の通りです。
- 勘定奉行シリーズ
- 弥生会計
- OBIC7
- HUE / HUE Classic
- PCAシリーズ
- GLOVIAシリーズ
- SAPシリーズ
- SMILE など
上記以外にも多数の会計ソフトがラインナップされていますので、詳しくは公式サイトでご確認ください。
会計ソフトとの連携で何ができる?
楽楽精算の会計ソフト連携機能とは、経費申請から仕訳データを自動出力し、会計ソフトへ直接取り込んで業務効率を向上させる仕組みです。
申請フォームで項目を選択すると、勘定科目や税区分と紐づいた自動仕訳がシステム上で完了し、その仕訳データはCSV形式でファイル出力が可能です。
また、標準機能を使ったCSV連携に加え、特定の会計ソフトにはAPIによる自動連携機能も利用できます。
導入実績のある主要会計ソフトにはテンプレートも用意されており、CSV設定の手間を大幅に軽減可能です。
「楽楽精算」の会計ソフト連携機能を使って経理業務を効率化しよう

経費精算業務の効率化を図る企業にとって、「楽楽精算」は非常に有益なツールです。
特に会計ソフトとの連携機能を活用すれば、これまで手入力や目視確認に頼っていた経理処理の多くを自動化できます。
ただ、楽楽精算は高機能ゆえに操作や設定が複雑と感じるユーザーも多く、導入直後は定着に時間がかかるケースも見受けられます。
そこで楽楽精算の会計ソフト連携機能のメリットを最大限に発揮するために役立つのが、DAPツールの「テックタッチ」です。
テックタッチは、画面上にガイドを表示してユーザの操作をリアルタイムにナビゲートできるDAPツールです。
楽楽精算とテックタッチを併用すると、「初めて使う画面でも迷わない」「マニュアルを見なくても操作できる」といった環境が整い、現場の管理者や従業員が即座にシステムを理解・活用できるようになります。
楽楽精算のような高機能システムを確実に組織内に定着させるためには、テックタッチの併用が非常におすすめです。



