経費精算は、多くの企業にとって手間のかかる業務の一つで、紙やExcelでの処理ではミスや承認遅れが発生しやすく、業務効率を大きく損なう原因にもなります。
手間のかかる経費精算に関する課題を解決できるのが、クラウド型経費精算システム「楽楽精算」です。
本記事では、楽楽精算を導入することで得られる効率化のメリットに加え、柔軟な運用を可能にする「汎用ワークフロー」の活用例も解説します。
また、記事内では楽楽精算の定着化を支援できるDAPツールの「テックタッチ」もご紹介。
経費精算におけるワークフロー
経費精算におけるワークフローとは、社員が立替払いや交通費などの経費を申請し、上司や経理部門の承認を経て精算・支払いに至るまでの一連の業務プロセスを指します。
経費精算の業務は、申請から承認、精算・支払い、そして仕訳や帳簿への反映に至るまで、複数のステップを経る煩雑なプロセスです。
経費精算の処理を紙やExcelで運用している場合、入力ミスや承認の滞留、処理の属人化など、さまざまな課題が発生しやすいのが難点です。
経費精算の課題を解決するために、近年各企業が導入を進めているのが「経費精算ソフトを活用したワークフローの電子化」です。
ワークフローの電子化を行えば、稟議書や出張申請、備品購入依頼、押印申請なども同じシステム上で管理できるようになります。
また、経費精算ソフトによっては申請フォームの設計やレイアウトのカスタマイズもノーコードで対応でき、現場主導での導入・運用もスムーズに行えます。
ワークフローの標準化と電子化は、ペーパーレス化や内部統制の強化、法令遵守（インボイス制度・電子帳簿保存法対応）にも寄与し、全社的な生産性向上を実現できる効果的な施策です。
経費精算のワークフローでよくある課題
経費精算業務は、申請者・承認者・経理担当者それぞれが関与する多段階のプロセスで成り立っており、運用の仕組みが整っていない場合、さまざまな問題が発生しやすくなります。
特に、紙やExcelベースで運用している企業では、入力ミスや対応遅れ、承認の属人化などが起きやすく、業務の非効率化や管理リスクの温床になりかねません。
ここでは、経費精算のワークフローにおいて多くの企業が直面しがちな代表的な課題を4つ解説します。
申請ミス
経費精算のワークフローにおいて、最も多く見られる課題の一つが「申請ミス」です。
申請ミスの具体例は以下の通りです。
- 金額の誤入力
- 日付の記載ミス
- 勘定科目の選択ミス
- 領収書の添付漏れ など
上記の申請者の単純なヒューマンエラーによるものが多く、申請が差し戻されたり、再申請が必要になったりする代表的な原因です。
特に紙やExcelベースでワークフローを運用している企業では、申請内容のチェックが人の目に頼られるため、確認漏れや不備の見落としが起きやすくなります。
また、マニュアルや申請ルールが整備されていない場合や、申請者に十分な知識がない場合、ミスの再発を防ぐのも難しくなります。
申請処理に時間がかかる
経費精算のワークフローにおいて、申請処理に時間がかかるのも大きな課題の一つです。
紙やスプレッドシートでの運用では、申請から承認、精算までに多くの手間と時間を要し、わずかな記入不備や添付漏れでも差し戻しが発生し、処理がさらに遅延します。
また、経費精算のルールや申請期限が明確でない場合、申請者が迷いながら入力したり、誤った情報を記載したりする場面が多くなり、全体のスピードが低下します。
さらに、承認フローが複雑で関わる人数が多い場合も、各担当者の対応待ち時間が積み重なり、処理の遅延を招きやすくなる一因となるため注意が必要です。
承認者の負担が増える
ワークフローに無駄な項目や工程が多い場合、申請対応だけでなく慎重な処理も求められる承認者の負担が増える点も課題として見逃せません。
多くの企業では月末や四半期末に申請が集中し、この時期は承認者が通常業務と並行して大量の経費申請に対応しなければなりません。
非効率なワークフローが設定されていると、本来の業務の時間が削られ、生産性低下や残業の増加につながるおそれがあります。
また、承認後の処理も勘定科目への仕訳、会計ソフトへの入力、振込用データの生成など、多くの事務作業も承認者（特に経理担当者）が行う必要があり、これらの業務でも処理が煩雑であれば時間・コストがかかります。
不正な申請を見逃しやすい
経費精算のワークフローにおいて、申請が複雑だったりチェック体制が不十分だったりすると、不正な申請を見逃してしまうリスクが高まります。
不正な申請の例は以下の通りです。
- 通勤定期区間を差し引かずに交通費を申請
- 領収書を不正に書き換えて水増し申請
- カラ出張による経費申請 など
上記のような不正な申請は、経理担当者による目視チェックだけでは見抜きにくく、結果的に見逃してしまうケースがあります。
また、不正な申請を発見できたとしても、確認や差し戻しなどの手間が追加で発生してしまうため、非効率な業務体制が改善できない点は否めません。
経費精算システム導入によって業務効率化できるワークフロー
経費精算に関わる業務は、手作業や紙ベースでの運用が多いと、申請ミスや処理の遅延、セキュリティ面でのリスクなど、さまざまな課題を抱えてしまいます。
経費精算に関わる業務の課題を解決するのに効果的なのが、経費精算システムを活用したワークフローの自動化・効率化です。
ここでは、具体的にどのような改善効果・メリットがあるのか、4つのポイントに分けて解説します。
申請ミスを減らすことができる
経費精算システムの活用により、申請ミスを劇的に削減可能です。
例えば、レシートや領収書をスマートフォンで撮影してOCR機能を利用すれば、金額や日付などの入力ミスが自動的に排除され、転記や入力作業を減らせます。
また、交通費についても経路検索やICカード連携によって自動計算が可能となり、定期区間の含め忘れや誤った計算などのヒューマンエラーがほぼ起きなくなります。
さらに、フォーム上に必須項目や入力ルール、選択式のマスターデータを設定できるため、規定外・不正な申請や記載漏れを即座に通知でき、差し戻しの手間も大幅に削減可能です。
経費精算業務の大幅な工数削減ができる
経費精算システムを導入すると、申請から承認、精算、仕訳までの一連の業務にかかる工数を大幅に削減できます。
例えば、領収書の添付や金額の入力、経路検索などの作業は、ICカード連携やOCR機能により自動化可能です。
また、勘定科目の自動仕訳や、定型的な承認ルートの設定によって、処理にかかる時間が短縮され、担当者による都度判断や確認の手間も減らせます。
さらに、クラウド型の経費精算システムであれば、出張先や在宅勤務中でもモバイル端末から申請・承認が可能となり、物理的な移動や書類回覧の必要もなくなるのも大きなメリットです。
そして、各工程での業務の自動化と標準化は、月次処理や決算業務においても大きな時間短縮につながり、結果的に企業全体の生産性向上に寄与します。
セキュリティの強化を行うことができる
経費精算システムの活用で、さまざまな経費データを安全に管理する体制も整えられます。
申請書や稟議書などを紙ベースで作成している場合、紛失・盗難・不正な持ち出しなどのリスクが避けられません。
この紙ベースでのリスクは、経費精算システムの導入によりデバイス内で管理できるようになることで解消できます。
また、経費精算システムからの漏洩・改ざんリスクに関しては、アクセス制御を実施すれば、利用者に役割に応じた閲覧・操作権限を細かく設定できるため大きく低減できます。
申請および承認のスピードが向上する
経費精算システムの導入は、「申請および承認のスピードが向上する」ことに直結し、企業の業務プロセスを大きく効率化します。
システム上でリアルタイムに申請と承認のフローが進行するため、紙やメールでの回覧作業を排除し、処理時間が短縮できます。
また、経費精算システムではテンプレート化された承認フローや条件分岐による自動フローが可能で、承認作業の無駄な手戻りや属人化の改善による全体の意思決定スピードの向上も実現可能です。
経費精算システムなら「楽楽精算」の汎用ワークフローがおすすめ！
経費精算をはじめとする社内申請業務の効率化を図るうえで、注目されているのが「楽楽精算」に搭載された汎用ワークフロー機能です。
楽楽精算の汎用ワークフローは、経費だけでなく、出張申請・稟議書・押印依頼など、さまざまな申請業務を一元化できる点が大きな特長です。
ここでは、楽楽精算の汎用ワークフローの概要やメリット、そして実際に業務効率が改善した事例まで解説します。
機能
楽楽精算の「汎用ワークフロー」機能は、経費精算にとどまらず、稟議申請や押印依頼、支払依頼など、多様な社内申請業務を同一のプラットフォーム内で完結できます。
汎用ワークフローのおもな機能は以下の通りです。
| 機能 | 概要 |
| 自由自在なカスタマイズ | すでに社内で使用している稟議書や申請書のフォーマットをそのまま再現できる |
| 柔軟な承認フロー設定 | 金額や部署ごとの承認ルート分岐、申請に応じた担当者の振り分けなど、複雑な社内ルールにも対応可能 |
| カテゴライズ | 作成したワークフローをカテゴライズできるため、数が増えても管理しやすい |
上記の機能により、社内の経費に関する業務を効率よく管理・処理するワークフローが構築できます。
導入するメリット
楽楽精算の汎用ワークフロー機能を利用するメリットは以下の通りです。
| メリット | 概要 |
| あらゆる申請に対応 | 稟議書、押印申請、備品購入依頼など、さまざまな申請業務を1つのワークフローで網羅できる |
| ペーパーレス化を実現 |
|
| 稟議申請から経費精算までワンストップ | 汎用ワークフローで承認された稟議や申請を、経費精算システムと連携してそのまま精算処理につなげられる |
上記にあるように、経費業務を効率化しながらペーパーレス化を実現できる点が楽楽精算の汎用ワークフロー機能の優れているポイントです。
業務効率が改善した事例
株式会社クラシオホールディングスは、不動産事業や人材派遣事業などを手がけている企業です。
楽楽精算の汎用ワークフロー機能を活用し業務効率が改善した事例は以下の通りです。
| 課題
同社ではExcelと紙の併用による経費精算を行っており、申請から承認、経理処理までの時間がかかることが大きな課題となっていた。 また、役員の不在時に承認が滞るケースが多く、経理に回ってくるまでにかなりの時間を要することもたびたび発生。 経費精算の遅延は、月次決算にも影響を及ぼしていたため、「効率化」と「早期化」を実現できる仕組みが必要とされていた。 効果 「楽楽精算」導入により、経費精算の承認がリアルタイムで行えるようになり、申請から承認、仕訳連携までの流れが大幅に効率化し、Excel時代にあった書類紛失や手戻りも解消。 また、会計ソフト連携とクレジットカード連携機能により、月次決算の確定までの期間を10日から5日への短縮に成功した。 導入の決め手はワークフロー機能の高い自由度であり、申請内容や社内フローに合わせた柔軟な設定が可能だった点がスムーズな定着につながった。 営業担当による丁寧なサポートも高く評価され、導入初期の不安や質問にもスピーディに対応したことで、社内での浸透も早まった。 |
ワークフロー改善に向けた経費精算システム導入時の注意点
経費精算システムは、申請・承認・精算といった業務を効率化し、ペーパーレス化や業務負担の軽減に役立ちますが、事前に検討すべきリスクや注意点もいくつかあります。
ここでは、経費精算システムを導入する際にありがちな落とし穴や、見落とされがちな注意点について解説します。
コストが増加する
経費精算システムの導入では、長期的なコスト全体を見据えた予算設計が必要です。
基本的な機能を利用するだけでも月額費用がかかり、システムによっては初期費用が導入時にかかる場合もあります。
また、企業固有の業務プロセスに合うようカスタマイズを行うと、その分だけ追加の開発・設定費用や施工期間がかかり、結果としてコストが膨らむケースもあります。
さらに、経費精算システムの運用に関するトレーニングを従業員に施す必要もあり、その際の人的コストも別途検討しなければならない点にも注意が必要です。
システムの利用が定着しない可能性
新しい経費精算システムの導入が順調に進んだかのようでも、それが現場で十分に使われなかったり、定着しなかったりするケースは少なくありません。
例えば、これまで紙やExcelでの運用に慣れていた従業員は、突然の仕様変更に戸惑ったり、操作ミスへの不安から新しいシステムの利用を避けたりする傾向があります。
また、システムを複雑にしすぎると、操作性が低下してしまい、かえって業務効率が落ちることもあります。
従業員が「使いにくい」と感じると、活用率の低下につながってしまい、導入が失敗してしまう可能性が否めません。
経費精算システムの定着化を成功させるためには、「使いやすさ」に配慮した設計と、導入後の教育体制・サポート体制が不可欠です。
この使いやすさとサポート体制の両方を実現できるDAPツールが「テックタッチ」です。
テックタッチについては次項にて詳しく解説します。
システム定着化を成功させる具体的なポイントとは？おすすめツールもご紹介
経費精算システム導入時でも早期定着を促せる「テックタッチ」
経費精算システムの導入は、「操作が複雑そう」「定着しなかったらどうしよう」などの不安の声が多く、特に多機能なツールであればあるほど、導入と運用のハードルが高く感じられがちです。
経費精算システムの導入・定着化への不安を解消できるのが、DAP市場で4年連続No.1の実績を持つ「テックタッチ」です。
テックタッチは、利用状況を分析しながらポップアップや吹き出しなどの操作ガイドをノーコードで配置できます。
画面上にナビゲーションが現れるため、複雑な経費精算システムでも、ITリテラシーに自信のない方でも直感的に学びながら操作でき、セルフオンボーディングを促進できます。
また、ガイドは利用状況に応じてカスタマイズできるため、部門ごと・業務ごとに最適なサポートも可能です。
テックタッチにご興味のある方は、ぜひ以下のリンクからお問い合わせください。
ワークフロー改善に向けて経費精算システムを導入する際によくある質問
ここでは、ワークフロー改善に向けて経費精算システムを導入する際によくある質問とその回答について紹介します。
経費精算の選び方は？
経費精算システムを導入する際は、コストや機能だけでなく、自社の業務プロセスに最適な種類を選ぶ必要があります。
特に、申請・承認といったワークフローを含む業務においては、どのようにフローを設計・運用するかが、システムの定着と効果に直結します。
代表的な経費精算システムは以下の通りです。
| 製品名 | 概要 | 向いている企業の特徴 |
| 楽楽精算 | 交通費や出張費、交際費など、経費に関わる全ての処理をクラウドで一元管理できるシステム。自動仕訳や会計ソフト連携、電子帳簿保存法対応など、経理業務を大幅に効率化する機能が豊富に揃っている。導入実績が豊富で、サポート体制も充実している。 | 初めて経費精算システムを導入する企業 ・経費精算の業務フローを根本から見直したい企業 |
| Concur Expense | 全世界でトップクラスのシェアを誇る経費精算システム。出張管理や請求書管理など、経費精算に関連する幅広い業務をカバーできる。企業の規定に合わせた柔軟なカスタマイズが可能で、ガバナンス強化や不正防止にも貢献。 | グローバルに展開している、または海外出張が多い企業 ・内部統制やコンプライアンスを重視する大企業 |
| 弥生会計 | 銀行口座やクレジットカードとの連携、レシートや領収書のスキャンデータからの自動仕訳（スマート証憑管理）など、経費精算を効率化する機能も搭載。会計処理と経費精算をシームレスに行える点が強み。 | 個人事業主や小規模法人 ・経費精算だけでなく、会計業務全般を一つのソフトで管理したい企業 |
自社のワークフローの成熟度や改善目標などに応じて最適な製品を選定することが、業務効率化と定着化に大切な要素です。
経費精算システムの費用相場は？
経費精算システムの費用相場は以下の通りです。
| 項目 | 相場 |
| 初期費用 | 10万～20万円 |
| 月額費用 | 1ユーザ約500円 |
| 1ユーザの最小価格 | 300円 |
| 1ユーザーの最大価格 | 800円 |
| その他オプション機能の月額料金 | 1機能につき1000～3000円 |
経費精算システムによって各種費用は異なるため、製品ごとにその都度確認するようにしてください。
まとめ：経費精算システムを導入してワークフローを改善しよう！
経費精算業務の全体の流れを効率化する手段として有効なのが経費精算システムの導入です。
特に、ワークフロー機能を活用すれば申請ルートの自動化や承認スピードの向上、ペーパーレス化など、さまざまな効果が期待できます。
一方で、経費精算システム導入にあたっては「操作が難しい」「多機能すぎて使いこなせない」などの声もあり、操作性の悪さやユーザのITリテラシーの差が定着の障壁になるケースも多いのが実情です。
そのような定着化に関する課題を解決できるのが、ユーザのセルフオンボーディングを促進できる「テックタッチ」です。
テックタッチは、画面上にガイドを表示してユーザをリアルタイムにナビゲートできるツールで、マニュアルを読むことなく誰でも直感的に操作を覚えられるようになります。
業務効率化とユーザー定着の両立を目指すのであれば、経費精算システムとテックタッチの組み合わせが非常に有効です。
