市場の飽和に伴って、新規顧客の開拓に加えて既存顧客を囲い込み、長く自社サービスを利用してもらえる「カスタマーサクセス(顧客の成功体験)」が重要視されています。
それに合わせて、LTVの最大化などが見込める「カスタマーサクセスツール」が人気を集めています。効率的なカスタマーサクセスを実現するためにも、多くの企業で導入が進められています。
この記事では、カスタマーサクセスのSaaS業界におけるカオスマップをご紹介します。カオスマップに掲載されたカスタマーサクセスツールの一覧から、種類や選び方についても解説しますので、あわせてご参照ください。
2023年カスタマーサクセス業界カオスマップ公開
掲載元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000061145.html
SaaSなど、継続的に契約を続けてもらうことで収益を上げるビジネスモデルが普及した昨今では、カスタマーサクセスの重要性が増してきています。それに伴って、カスタマーサクセス業界のカオスマップも発表されるようになりました。
求めている機能性に応じて、自社のニーズにマッチしたカスタマーサクセスツールの導入がベストです。この章では、カオスマップ掲載のカスタマーサクセスツール一覧をご紹介します。
カオスマップ掲載カスタマーサクセスツール一覧
カスタマーサクセスツールとは、顧客の疑問やストレスを低減して、成功体験を増やすことでサービスを継続利用してもらいやすくなるシステムです。カスタマーサクセスツールを利用すれば、解約率を低減させたり、 LTV(顧客生涯価値)が向上したりと、幅広いメリットが期待できます。
そんなカスタマーサクセスツールのうち、カオスマップに掲載されたツール一覧は以下のとおりです。
会社名 | ツール名 |
テックタッチ株式会社 | テックタッチ |
株式会社Zendesk | Zendesk |
VideoTouch株式会社 | VideoTouch |
株式会社openpage | openpage |
株式会社Insight Tech | 不満ファインダー アイタスクラウド |
株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニュー | BRIGHT PATTERN ThinkOwl |
HiCustomer株式会社 | HiCustomer Arch |
Gainsight | Gainsight |
株式会社STANDS | Onboarding |
株式会社ユニリタ | commmune |
コミューン株式会社 | Growwwing SuccessHub |
株式会社トータル・エンゲージメント・グループ | Your Voice |
Totango | Totango |
株式会社Channel Corporation | チャネルトーク |
株式会社Asobica | coorum |
株式会社Emotion Tech | EmotionTech |
株式会社Channel Corporation | チャネルトーク |
クラウドサーカス株式会社 | Fullstar |
サークレイス株式会社 | Circlace |
株式会社ODKソリューションズ | pottos |
株式会社iraragg | RINNE |
≫≫【2024】年カスタマーサクセスツールのおすすめ12選を徹底比較
カスタマーサクセスツールの種類
カスタマーサクセスツールにはいくつかの種類があり、それぞれ得意とするカテゴリーが異なります。たとえば、「顧客自身が疑問をスムーズに解決できるナビゲートタイプ」や「コミュニティを築いて交流の場を設けるタイプ」などがあげられます。
顧客の成功体験をどのように設定するかはツールによって異なるため、自社のニーズに合わせたカスタマーサクセスツールの選定が大切です。
この章では、カスタマーサクセスツールの種類について解説します。
≫≫ カスタマーサクセスツールを導入するメリットと選定のポイントを解説
≫≫ SaaSビジネスにおけるカスタマーサクセスとは?実行時の注意点や成功のポイントを解説
オンボーディング管理ツール
オンボーディング管理ツールとは、顧客の定着支援に特化したカスタマーサクセスツールです。顧客に継続的に利用してもらうことが利益に直結するSaaSなどで導入が進んでおり、労力を最小限に抑えつつ、早期段階で定着してもらえるよう多くの機能を搭載しています。
たとえば、「利用状況の可視化」「アップセルや解約などの検知・通知」「チュートリアルなどガイドの設置」などが挙げられます。オンボーディング管理ツールを活用すれば、顧客ごとに最適なアクションを実現できるため、濃密なサポートを実現しやすいのがメリットです。
顧客の成功体験をパーソナライズしてサポートできるため、ツールの運用定着効果が期待できます。オンボーディング管理ツールは特にサブスクリプション型サービスを提供している企業におすすめです。
≫≫【SaaS】オンボーディングツールとは?主な機能から導入ポイントまで徹底解説
≫≫【2024年】SaaS向けオンボーディングツールのおすすめ10選を比較
FAQシステム/チャットサポートツール
FAQシステム/チャットサポートツールとは、顧客のCX向上に役立つカスタマーサクセスツールです。CS(カスタマーエクスペリエンス)を向上させれば、顧客離れの防止やリピーターの確保、ブランドイメージの向上などさまざまなメリットが得られます。
たとえば、「メールやチャット、LINEなど異なるチャネルの対応履歴を一元管理」「メールやアプリなどの通知で能動的アプローチ」「よくある質問などのFAQをナレッジとして可視化して顧客へ提供」などが挙げられます。
FAQシステム/チャットサポートツールを活用すれば、顧客自身が問題解決を実現しやすいほか、サポート対応なども漏れなく可視化できます。顧客の行動に基づいてデータ分析や対策も講じられます。顧客へのサポート対応を高品質化し、ブランドイメージの低下などを防ぎたい企業にもおすすめです。
NPS(ネットプロモータースコア)ツール
NPS(ネットプロモータースコア)ツールとは、いわゆる”顧客満足度”に代わってユーザーがどれだけ自社製品やサービスに愛着を持ってくれているかを可視化するカスタマーサクセスツールです。
「あなたは家族や友人にこのサービスを勧めたいですか」などの質問をもとに、0~10のレベル別評価で顧客の潜在的愛着度を可視化する仕組みとなっています。そのうち、「9~10点は推奨者」、「7~8点は中立者」、「0~6点は批判者」といった具合に分類し、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値でNPSを定めます。
NPS(ネットプロモータースコア)ツールで愛着度を可視化すれば、顧客属性に基づいてどの部分が課題となっているのか早期発見を実現しやすくなります。そのため、カスタマージャーニーマップに基づいて、改善効果の期待値が高い施策を優先的に取り組みやすいのがメリットです。
NPS(ネットプロモータースコア)ツールは、既存のサービスが抱える課題を可視化し、更に改善していきたいと考える企業におすすめです。
≫≫ NPS®向上が重要とされる理由とは?NPS®の意味や向上させるポイントとともに紹介
≫≫ NPS®調査における結果分析のポイントや注意点とは?計算方法も合わせて紹介
コミュニティ管理ツール
コミュニティ管理ツールとは、顧客同士や企業と顧客が気軽にコミュニケーションを図れるカスタマーサクセスツールです。質問や情報共有を気軽に行えるプラットフォームを構築し、独自ポイントの付与などで交流を活性化させる機能が多くなっています。
たとえば、「利用者同士の意見交換」「ユーザーの意見を可視化」「良い口コミなどの蓄積で新規顧客を開拓」などが挙げられます。コミュニティを通してユーザー同士が交流しやすいため、利用意識を高められるのがメリットです。
コアユーザーだからこそ気づく視点で顧客同士が疑問を解決しやすいほか、企業サイドと距離感が近くなるため、利用者の総合的な満足度を高める効果も期待できます。そのため、コミュニティ管理ツールは既存サービスの利用促進を行いたいと考える企業におすすめです。
カスタマーサクセスツールの選び方
カスタマーサクセスツールのカオスマップを見ても、さまざまなツールが登場していることがわかります。そのため、ツールの評判などではなく、自社の求めている機能は何かを踏まえたうえでカスタマーサクセスツールを選ぶのがベストです。
この章では、カスタマーサクセスツールの選び方について解説します。
導入の目的を明確化する
カスタマーサクセスツールを導入するときは、まずなぜ導入するのか、その目的を明確化しておきましょう。カスタマーサクセスツールのカオスマップを見ても分かる通り、多種多様なツールが登場しているほか、それぞれ種類や機能性が異なります。
導入の目的に合わないカスタマーサクセスツールを導入してしまうと、望んだ効果を得られなくなってしまいます。導入目的に合わせたカスタマーサクセスツールの選び方は以下のとおりです。
操作や取り扱いが難しい自社製品を提供しているものの、顧客あたりの担当者数が足りない
→ オンボーディング促進ツール
顧客へのサポート品質を引き上げ、顧客の行動に基づいたデータ分析も行いたい
→ FAQシステム/チャットサポートツール
自社製の潜在的な顧客の愛着度における属性に基づいた分析や、課題の早期発見を行いたい
→ NPS(ネットプロモータースコア)ツール
顧客と企業間などで密な関係性を保ち、ユーザー同士の交流でコミュニティを盛り上げたい
→ コミュニティ管理ツール
求めている機能が搭載されているか確認する
カスタマーサクセスツールを導入するときは、求めている機能が搭載されているか確認しましょう。導入目的を明確化したうえで、その課題を解決するのに必要な機能が搭載されているツールを導入する必要があります。基本的な機能は以下のとおりです。
機能名 | 詳細 |
コミュニティ管理 | コミュニティプラットフォームの構築や管理をする機能 |
コンテンツ管理 | コンテンツを管理する機能 |
FAQ | 自己解決を促進する機能 |
NPS分析 | 顧客ごとのロイヤリティを分析する機能 |
ステータス管理 | 顧客への対応履歴をステータス化し対応漏れを防ぐ機能 |
タスク・アラート管理 | タスクの割り振りや期限でアラートを通知する機能 |
アップセルや解約検知 | 顧客行動を見てアラート通知をする機能 |
ほかにも、メール返信へのテンプレート機能や顧客属性を可視化するヘルスコア機能などさまざまです。カオスマップを見てカスタマーサクセスツールを探しているときは、個別に求めている機能が搭載されているか、自社の課題を解決できそうかチェックしましょう。
カスタマーサクセスツールの費用を把握する
求めている機能が完備されたカスタマーサクセスツールを選定したうえで、各ツールの費用もチェックしておきましょう。製品ごとに比較検討をし、費用対効果の優れたツールを選ぶのがベストです。
また、カスタマーサクセスツールは従量課金や固定課金、月額年額など料金体系が異なります。なかには、完全お問い合わせによる見積もりが必要なタイプもあるため、必要に応じて相見積もりなどにトライしてみるのもポイントです。
月々の従量課金タイプでは、1ユーザーあたり3,000円~10,000円が相場です。一方で月額固定タイプでは、30万円を超す製品もあるなど千差万別なため、それぞれの費用感を踏まえたうえで比較検討するのをおすすめします。
≫≫ カスタマーサクセスにおけるKPIとは?設定時の注意点やコツを解説
カスタマーサクセス業界カオスマップまとめ
SaaSプロダクトが世に広まってから、カスタマーサクセスの重要性が増しており、あわせてカスタマーサクセスツールの導入が注目を集めています。自社独自システムやSaaS商品を顧客に定着させたいなら、カオスマップをもとに自社に合うカスタマーサクセスツールを探してみるのをおすすめします。
もし、カスタマーサクセスツールを導入して顧客を自社製品に定着させたいとお考えなら、「テックタッチ」をご活用ください。
ユーザー数300万突破・DAP市場国内シェア連続No.1のサービスで、貴社SaaSツールの顧客満足度向上やサポート工数の削減を実現しませんか?