SaaSビジネスで重要視されるオンボーディングの必要性と実施方法を解説

SaaS事業者向け

IT/SaaSビジネスを展開する企業において、オンボーディングを実施する企業は近年増加しています。
ただ、中にはオンボーディングの定義や重要性について腑に落ちておらず、効果的に実施できていない企業も存在します。オンボーディングを効果的に実施すれば、解約防止により長期利用を実現しLTVの最大化などが見込めます。
本記事では、IT/SaaSビジネスでのオンボーディングとは何かや重要性、実施方法などについて詳しく解説します。
オンボーディングの概要や効果的な実施方法について知りたい方は、ぜひご覧ください。

テックタッチ手法の導入による 想定効果集

 

画面上で見ればわかるを実現し オンボーディング工数削減 「テックタッチ」
※1「ITR Market View:コミュニケーション/コラボレーション市場2023」 デジタル・アダプション・プラットフォーム市場:ベンダー別売上金額推移および シェア(2021~2023年度予測)
資料ダウンロードはこちら

IT/SaaSビジネスでのオンボーディングとは?

IT/SaaSビジネスでのオンボーディングとは?

オンボーディング(on-boarding)は「船や飛行機に乗っている」という意味の「on-board」から発祥した言葉です。
昨今では、HR領域におけるオンボーディングとIT/SaaSビジネスでのオンボーディングの2種類で使われます。
IT/SaaSビジネスにおけるオンボーディングとは、プロダクトやサービスを新規導入した顧客に対し自走できる状態に導くサポートをすることです。
具体的には、プロダクトやサービスの操作方法や仕様、特徴などの説明を実施します。
オンボーディングには、操作方法の理解不足によるストレスや不満を防ぎ、早期解約を防止する効果があります。

≫≫ オンボーディングとは?成功事例から実施のポイントやメリットを解説

オンボーディングの重要性

オンボーディングの重要性

過去の調査で「オンボーディング完了率はLTVに関係がある」と95%が回答したという結果がでています。
また、約7割の企業が「自社のオンボーディングに課題ある」と回答しました。
なぜ、ここまでオンボーディングが注目されているのでしょうか。
ここからは、オンボーディングを行う目的や重要視されている3つの理由について詳しく解説します。

オンボーディングが重要視されている背景

近年のノーコードやローコードツールの台頭からもわかる通り、誰でも使いやすいツールやソフトウェアが求められています。
導入するツールやソフトウェアが複雑であればあるほど、定着までの期間が長くなり教育コストも少なくありません。
オンボーディングを実施すれば、ツールやソフトウェアの導入を簡素化できます。
さらに、オンボーディングは競争優位の確立にも効果的です。
有効なオンボーディングは、導入したプロダクトから早期に効果を得られる可能性を高め、ユーザーエクスペリエンスと顧客満足度を向上させます。

オンボーディングの3つの重要性

サブスクリプション型の料金体系を採用するケースが多いSaaSビジネスにおいて、ビジネスの安定化には顧客の長期契約が欠かせません。
万が一、契約を早期解約されてしまえば営業コストが無駄になってしまうケースもあります。
オンボーディングには、契約当初に顧客が抱きやすい操作方法の理解不足などによるストレスを防ぎ、早期解約を防止する効果があります。
また、適切なオンボーディングは顧客満足度を向上させ、アップセルやクロスセルの促進が可能です。長期利用、顧客単価の引き上げにつながり、LTVが最大化します。

≫≫ SaaSビジネスに欠かせないオンボーディングとは?実施方法とポイントについて解説

SaaSのオンボーディングは三段階ある

SaaSのオンボーディングは三段階ある

オンボーディングは、各事業者の顧客におけるLTVに合わせ以下3つの段階に分類されます。

タッチの種類 対象顧客
ハイタッチ LTVが高い顧客
ロータッチ LTVが中程度の顧客
テックタッチ LTVが低い顧客

ここからは、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチについて詳しく解説します。
なお、各タッチの対象顧客をどのように選定するかは「顧客に合わせたアプローチの選定」の章にて紹介します。

≫≫ ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチとは?実施の方法とポイントを解説

SaaSのオンボーディングは三段階ある

ロータッチ

ロータッチはLTVが中程度の顧客に対して、以下などを実施するオンボーディング手法です。セミナーや勉強会などを開催し、一度に多くの顧客へオンボーディングを実施するケースもあります。

ロータッチのサポート内容
1. 業種や職種ごとの汎用化されたサポート
2. 複数社を担当しているカスタマーサクセス担当のサポート
3. 数ヵ月に一度の対面MTG など

ハイタッチと比べると、手間やコストをかけずに顧客サポートを行うのが特徴です。
ハイタッチで得たノウハウをもとに、サポート内容や提供情報を整理・汎用化し、オンボーディングを行います。

ハイタッチ

ハイタッチはLTVが高く最重要顧客に対し実施するオンボーディング手法です。
各顧客に対しカスタマーサクセス担当者を決め、定期面談など、個別に手厚いサポートを実施します。
ハイタッチの具体的なサポート内容は以下の通りです。

ハイタッチのサポート内容
1. 導入フェーズにおけるコンサルティング
2. 定期勉強会や会議
3. 経営層やキーマンへの情報提供
4. 個別のQ&A対応 など

自社の重要顧客に対して行うハイタッチは、顧客満足度の向上や囲い込みに大きな効果があります。
また、ハイタッチで得られたノウハウは、自社のカスタマーサクセスにおけるアプローチにも転用可能です。

テックタッチ

テックタッチは導入直後に実施するオンボーディング手法です。
人の手を介さず、以下などのテクノロジーを活用し効率的に実施するのが重要です。

テックタッチのサポート内容
・マニュアル動画
・チュートリアル
・ステップメール
・チャットボット
・FAQ など

テックタッチで役立つツールは複数あり、それぞれ特徴や強みが異なります。
自社の課題や顧客のリテラシーなどを踏まえ利用するツールを選択しなければ、期待する効果が出ないためご注意ください。

≫≫ カスタマーサクセスのテックタッチとは?CSで重要な理由や事例を紹介

新規顧客のツール導入を最適化 95%オンボーディング 工数を削減
「テックタッチ」なら、プロダクト上で案内を表示をさせることができるから、顧客対応を減らして顧客満足度をアップすることができます!
「テックタッチ」なら、プロダクト上で案内を表示をさせることができるから、顧客対応を減らして顧客満足度をアップすることができます!

オンボーディングの実施方法

オンボーディングの実施方法

オンボーディングを実施する際は以下5つのステップが必要です。ここからは、下記について詳しく解説します。

カスタマーサクセスのフェーズと施策の整理

カスタマーサクセスの実施施策はフェーズごとに異なり、具体的には以下の通りです。

フェーズ 実施施策
導入期 ・導入支援
・オンボーディング など
活用期 ・アンケートや活用データの収集/分析
・課題のヒアリングと改善策の提案
・活用方法や新機能の提案 など
定着期 ・アップセル
・クロスセル
・契約更新 など

オンボーディングはカスタマーサクセスの一部で、実施施策は他にも存在します。
各フェーズで顧客の課題やそれに対する実施施策も違うため、まず整理するのが重要です。

オンボーディングのKGIを決定

カスタマーサクセスのフェーズと施策を整理した後に、オンボーディングのKGIを決定します。
ちなみに、KGIはKey Goal Indicatorの略で、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。
「重要目標達成指標」とは企業や組織における最終的な目標を定量的に示したもののことです。
KGIが明確にならなければ、どのような状況を目指し、そのために何をどの程度すれば良いか明確になりません。
オンボーディングは、プロダクトやサービスを新規導入した顧客が自走できる状態に導くサポートをすることです。
ただ、自走できる状態はプロダクトやサービス、企業の価値観により異なるため、自社のKGIを設定するのが重要です。
具体的なオンボーディングにおけるKGIの例は以下の通りです。

オンボーディングにおけるKGI
・LTV(顧客生涯価値)
・NRR(売上継続率)
・CRR(顧客維持率)
・チャーンレート(解約率)
・アップセル・クロスセル額 など

オンボーディングのKGIを設定する際は、高すぎる基準にしないようご注意ください。
KGIの基準が高すぎると、いつまでたっても達成できません。

KPIを設定

KGIを設定したら、そのプロセスを評価する指標である以下などのKPIを設定します。

オンボーディングにおけるKPI
・オンボーディングの完了率
・オンボーディング平均リードタイム
・初期設定完了までの日数
・ログイン日数
・アクティブユーザー数・率 など

どのようなKPIを設定するかは、KGIや自社が提供するプロダクト・サービスで異なります。
KPIはあくまでKGIを達成するためのプロセス指標であるため、そのことを念頭に内容を検討するのが重要です。

≫≫ カスタマーサクセスにおけるKPIとは?設定時の注意点やコツを解説

顧客に合わせたアプローチの選定

オンボーディングの実施方法は以下の3つがあり、顧客のLTVや将来性に応じて方法を使い分けるのが一般的です。

オンボーディングの実施モデル
1. ハイタッチ
2. ロータッチ
3. テックタッチ

ただし、必ずしも利益やLTVに応じてオンボーディング方法を決定しなければならないわけではありません。
LTVやポテンシャルなどでの決定は一つの基準にしかすぎません。
もっとも大切なのは、顧客が自走できる状態になるサポートをすることです。
近年はテックタッチツールが豊富で、ハイタッチやロータッチが不要なケースもあります。
目標達成とコストを踏まえながら、アプローチ方法を検討するのがおすすめです。
また、各手法の組み合わせによりオンボーディングを実施する方法もあります。
例えば、はじめはハイタッチやロータッチでオンボーディングを実施し、テックタッチでフォローするアプローチ方法も効果的です。

検証を開始して改善を繰り返す

オンボーディングの目標やアプローチ方法を決定したら、準備が完了です。
ただ、自社が決定した内容が計画通りに進むとは限りません。
実際にオンボーディングを行い、ギャップがないかを検証しなければなりません。
計画通りに進まないケースがあれば、原因を追求し改善しましょう。
検証、実施、改善のPDCAを回すのが重要です。
PDCAをいかにスピーディーに回すかが、オンボーディング成功のカギになります。

IT/SaaSビジネスのオンボーディングまとめ

IT/SaaSビジネスのオンボーディングまとめ

本記事では、IT/SaaSビジネスでのオンボーディングとは何かや重要性、実施方法などについて解説しました。
プロダクトやサービスを新規導入した顧客に対し自走できる状態に導くサポートをするオンボーディングは、以下などの効果があります。

オンボーディングの効果
1. LTVの最大化
2. 解約の回避と契約の長期化
3. 顧客単価の引き上げ など

IT/SaaSビジネスのオンボーディングをはじめて実施する場合は、オンボーディングツールを利用すると手間も抑えられ効果的です。
ツールは複数ありますが、中でもユーザー数300万突破・DAP(デジタル
アダプションプラットフォーム)市場国内シェア3年連続No.1の「テックタッチ」がおすすめです。
テックタッチを活用し、貴社SaaSツールの顧客満足度向上やサポート工数の削減を実現しましょう。

≫≫ テックタッチのサービス詳細はこちらから

社内システムの課題 を解決するセミナー
従業員が使うシステムの操作性の課題を解消し、 利便性を上げることでシステム定着を実現したい 担当者やDX推進を実現したい担当者向けのセミナー
自社提供サービスの課題 を解決するセミナー
セルフオンボーディングを実現し、カスタマーサクセスの 業務を効率化することや顧客満足度を 高めていきたいと考えてい担当者向けのセミナー

DAP市場国内シェア3年連続No.1テックタッチ

ユーザー数400万突破・DAP市場国内シェアNo.1のツールを提供しているテックタッチが、DX実現に向けたノウハウやSaaSプロダクト提供における課題解決の手法など幅広く情報を発信しています。

scrollToTopButton