経費精算業務では、正確な勘定科目の選択が欠かせません。
交通費や出張費、交際費など、日々の業務に関わる支出を適切に仕訳しないと、会計処理にズレが生じ、税務リスクを招く場合もあります。
経費精算業務で起きやすいミスを防止し、業務効率化を推進できるのが「楽楽精算」です。
本記事では、経費精算に必要な勘定科目の基本と、楽楽精算の便利な機能である「自動仕訳機能」について解説します。
また、記事内では楽楽精算を活用するのに役立つDAPツールの「テックタッチ」についてもご紹介。
経費精算で使われる勘定科目とは
経費精算における「勘定科目」とは、収支の内容を体系的に整理し、財務諸表の作成や税務申告の正確性を担保するために行う分類項目を指します。
勘定科目自体は法で制度付けられているわけではなく、各事業者ごとの裁量で仕訳の項目やルールをある程度決められますが、一度決めた勘定科目に沿って仕訳を進めるのが基本です。
勘定科目は、単に仕訳するだけでなく、企業活動を可視化し、戦略的な意思決定や税務リスクの回避に役立つツールです。
経費精算で必要な勘定科目一覧
経費精算では、会社の取引を正確に記録・分類するために「勘定科目」を用います。
それぞれのグループには、日々の業務に関わるさまざまな経費や取引が対応しており、企業の財務状況を的確に把握するうえで欠かせません。
ここでは、経費精算に関連する主要な勘定科目を5つの分類ごとに紹介します。
資産
「資産」は企業が所有する財産全般を指し、その性質として「現金化できるもの」あるいは「将来収益をもたらすもの」が含まれます。
資産の区分とそれに該当する項目の一覧は以下の通りです。
| 区分 | 概要 | 該当する項目 |
| 流動資産 | 1年以内に現金化または費用化されるもの | 現金・預金・売掛金・在庫など |
| 固定資産 | 中長期的に企業活動に用いられるもの | 土地や建物・機械・設備・ソフトウェアなど |
| 繰延資産 | 支出の効果が1年を超えて持続するもので、複数年にわたって費用計上が認められている | 創立費・開業費・開発費・株式交付費・社債発行費など |
| 立替金 | 会社が他人（社内・社外問わず）の代わりに一時的に立て替えて支払ったお金を記録する勘定科目 | 従業員の社会保険料・役員や従業員の旅費・配送料・手数料など |
また、資産のなかには業界によっては製品に用いる「原材料」や製品にする途中の状態のものを指す「仕掛品」なども含まれます。
負債
「負債」とは、企業が将来支払い義務を負っている経済的な責任を指し、貸借対照表（B/S）の右側に計上される重要な項目です。
負債には大きく分けて1年以内に返済する義務のある「流動負債」と中長期的に返済していく「固定負債」の二つがあり、さまざまな負債の勘定科目は以下のように分類されます。
| 項目 | 概要 | 負債の種類 |
| 未払金 | 家賃や光熱費などの経費 | 流動負債 |
| 買掛金 | 取引先から掛けで購入した物品やサービス | 流動負債 |
| 長期（短期）借入金 | 長期：1年を超えて返済する借入金 短期：1年以内に返済する借入金 |
長期：固定負債 短期：流動負債 |
| 退職給付引当金 | 将来従業員に支払う予定の退職金に備えた積立金 | 固定負債 |
また、負債には個人事業主にのみ適用される「事業主借」と呼ばれるものも存在し、法人では事業主借は勘定科目として使用できない点には注意が必要です。
純資産
「純資産」とは、企業が持つ資産から負債を差し引いた、返済の義務がない自己資本のことを指し、財務の健全性や経営の安定性を図る重要な指標です。
純資産に該当する勘定科目は以下の通りです。
- 資本金：会社設立時や増資時に株主から受け取った出資金
- 資本剰余金：出資された金額のうち資本金に振り分けなかった部分
- 利益剰余金（繰越利益剰余金）：過年度からの累積利益で、配当に回されず社内に留保された利益 など
純資産の項目を正確に把握しておくと、立替金の処理や内部留保の使い方など、経費の扱いとリンクする場面での誤分類を未然に防止できます。
収益
「収益」とは、企業が一定会計期間に得た収入を指し、補助金や奨励金などの事業活動で得た収入も収益に分類されます。
収益の勘定科目はおもに以下の3つに分類されます。
- 売上高：企業の本業により得た収入を計上する最も基本的な収益項目
- 営業外収益：本業以外で得た雑収入や配当収入などが当てはまる
- 特別利益：通常の営業活動では発生しない、土地や機械など固定資産の売却益
収益は経費精算に直接的な関与は少ないものの、経理の上流として位置づけられる重要な概念です。
費用
「費用」とは、損益計算書に記載される会計上の分類で、企業が事業活動を行うにあたって発生する支出を指します。
経費精算において最も登場頻度が高い勘定科目であり、企業の適切な財務管理や税務処理において欠かせない要素です
実際の経費精算で頻繁に用いられる勘定科目には、以下のようなものがあります。
- 旅費交通費：電車代・バス代・タクシー代・出張時の交通費・宿泊費など
- 交際費：得意先との飲食や贈答など
- 福利厚生費：社員旅行・健康診断・慶弔見舞金など
- 消耗品費：文房具や日用品など
- 通信費：電話代、ネット料金、SaaS利用料、切手代など
- 租税公課：印紙税や登録免許税、事業税 など
また、上記のような勘定科目のいずれにも当てはまらない少額で突発的な支出は「雑費」として処理されますが、雑費の乱用は財務管理上望ましくないため、明確な分類が可能な場合はほかの適切な勘定科目を選ぶ必要があります。
経費精算の仕訳なら「楽楽精算」の自動仕訳がおすすめ
経費精算において仕訳作業は、時間と手間がかかる上にミスが生じやすい業務の一つで、特に複数の勘定科目を使い分ける必要がある企業では、経理担当者の負担が大きくなりがちです。
そこで経理担当者の負担を軽減するために注目されているのが、経費精算システム「楽楽精算」が提供する自動仕訳機能です。
申請内容に応じて仕訳を自動生成し、会計ソフトとの連携までスムーズに行えるため、業務効率の大幅な向上が期待できます。
ここでは楽楽精算の概要と自動仕訳機能の特徴について解説します。
楽楽精算の概要
楽楽精算は、株式会社ラクスが提供するクラウド型の経費精算システムで、申請・承認・精算・会計連携までをワンストップで対応できる点が大きな特長です。
煩雑になりがちな交通費・出張費・交際費の申請処理を効率化し、経理担当者と従業員の双方の負担を軽減できます。
おもな特長・機能は以下の通りです。
- ネット環境があれば自宅や出張先でも申請・承認が可能
- 従来の紙・Excel運用からの移行でも、既存の承認フローを再現できるためスムーズな導入が可能
- 電子帳簿保存法・インボイス制度にも対応
- 多くの主要会計ソフト（勘定奉行、freee、マネーフォワードなど）とデータ連携できる
- 導入時は専任スタッフが支援し、導入後もメール・電話で継続的なサポートを受けられる
楽楽精算は、単なる経費精算ツールにとどまらず、企業全体のバックオフィス業務を効率化し、人的コストや入力ミスの削減にも役立つ優れたソリューションです。
楽楽精算の自動仕訳の機能
楽楽精算の自動仕訳は、申請された経費の内容に基づいて、勘定科目や税区分を自動で判定し、仕訳データを自動生成できる機能です。
例えば、社内ルールで「備品購入＝消耗品費」などの設定がある場合でも、それに準じた自動仕訳が適用され、個別の手入力は不要です。
また、楽楽精算で生成された仕訳データはCSV形式で出力することが可能で、勘定奉行や弥生会計、マネーフォワードなど多くの主要な会計ソフトとスムーズに連携できます。
「楽楽精算」の自動仕訳機能を導入するメリット
楽楽精算では、申請内容に基づいて勘定科目や税区分を自動で判定し、正確な仕訳をスピーディーに行う機能を備えています。
また、会計ソフトとのスムーズな連携や、社内ルールに違反する申請のブロック機能などの多角的なサポートにより、経理業務の品質とスピードを同時に高められるのも特長的です。
ここでは、「楽楽精算」の自動仕訳機能を導入して得られる3つのおもなメリットについて解説します。
申請内容に応じた自動仕訳で作業のスピードアップが可能
楽楽精算では、申請時に選択された経費項目に応じて、自動で仕訳が完了する仕組みが実装されています。
勘定科目や税区分のみならず、立替金や仮払金の処理にも対応しており、申請から仕訳までが一括で処理できます。
例えば、従来は「申請内容を確認し、勘定科目を判断して仕訳入力する」など複数ステップを要していた作業が、「申請された経費の内容をチェックするだけで仕訳完了」にまで簡素化が可能です。
会計ソフトへの連携で手入力によるミスを防止
楽楽精算で自動仕訳された経費データは、そのまま会計ソフトにアップロード可能なCSVファイルとして出力できるため、仕訳の入力作業や転記ミスを削減可能です。
また、CSV出力のフォーマットは利用中の会計ソフトに合わせて柔軟に調整できるため、弥生会計、勘定奉行、SMILEなど幅広いソフトとの連携にも対応できます。
自治体における財務会計システムの市場シェアの状況とは？導入事例も解説
違反する申請を自動でブロックし承認業務の無駄を削減
経費精算業務において、申請ミスや規定違反が発生すると、経理担当者が内容を確認して差し戻す必要があり、申請者との間で手間と時間が増えてしまいます。
楽楽精算では違反となる申請をシステムで防ぐ「規定違反チェック」機能を備えており、業務負担を根本から削減できます。
例えば、社内の経費規定に基づいたルールを事前に設定しておくと、「交際費が5,500円を超える場合には交際費を選択しないと申請できない」「事前申請額を超える金額では精算不可」などの細かい条件でも自動的に申請をブロックできます。
「楽楽精算」の自動仕訳機能を導入して業務効率化に成功した事例
ここでは、「楽楽精算」の自動仕訳機能を導入して業務効率化に成功した事例を2つ紹介します。
税理士法人原田税務会計事務所様
税理士法人原田税務会計事務所様では、顧問先に経費精算システムを提案するにあたり、まずは自社でも実際にシステムを運用する必要があると考え、「楽楽精算」を導入しました。
実際の導入事例は以下の通りです。
課題
導入後の効果
|
原田税務会計事務所様は、今後も「会計処理は自社」「システム運用は楽楽精算」という形で、顧客に最適な分業支援を行いながら、さらなる業務効率化を推進していく方針とのことです。
株式会社不二ビルサービス様
マンション管理や介護ケア事業などを手がける株式会社不二ビルサービス様では、キャッシュレス化・ペーパーレス化を推進するため、楽楽精算を導入しました。
実際の導入事例は以下の通りです。
課題
導入後の効果
|
今後は、紙での運用が続いている駐車場領収書などの処理について、電子帳簿保存法オプションを活用して更なるペーパーレス化を進める方針とのことです。
「楽楽精算」の自動仕訳導入時の注意点
楽楽精算の自動仕訳機能は、経費精算業務の効率化や人的ミスの削減に大きく貢献する優れた機能ですが、導入時にはいくつかの注意点も存在します。
特に、既存の経費精算フローとの整合性や、自社に合った初期設定の設計ができていないと、期待した効果を十分に得られない可能性があるため注意が必要です。
ここでは、自動仕訳機能を最大限に活用するために注意すべきポイントを解説します。
経費精算のオペレーションを見直す
楽楽精算の自動仕訳機能は、申請内容に応じて勘定科目や税区分を自動で割り当てるなど、業務を効率化する力強いソリューションです。
しかし、既存の業務フローがそのままでは、かえって運用ミスや思わぬ負担を生む場合があります。
そのため、導入前にはまず自社のオペレーションを整理・見直し、自動仕訳の効果を最大化する仕組みづくりが求められます。
オペレーションの見直しの際には、明確な役割と統一された手順の策定を行いつつ、処理ルールや入力方法が適切かを事前に確認・再構築するのが効果的です。
設定方法が複雑
楽楽精算の導入にあたっては、まず各ユーザの登録や部署・役職情報、勘定科目のマスタ、仕訳ルール、承認ルートなどの初期設定を正確に行う必要があります。
楽楽精算の初期設定は項目が多く、マニュアルを参照しながら慎重に進める必要があるため、システム操作に慣れていない方にはやや難易度が高いと感じられる可能性があります。
また、会計ソフトとのデータ連携を最適に行うためには、科目のマッピングやCSV書式、API連携などのレイアウトや仕様の整備が不可欠です。
設定ミスによって仕訳や転記に不整合が生じるリスクもあるため、導入段階で十分な確認とテストを行う必要があります。
一方で、楽楽精算では手厚いサポート体制が整備されており、設定時や運用時にもさまざまなサポートが受けられるようになっています。
さらに導入すると楽楽精算の定着化が早期に実現できるのが、DAPツールの「テックタッチ」です。
テックタッチについては次項にて詳しく紹介します。
複雑な設定でも誰でもすぐに使いこなせるようになる「テックタッチ」
多機能であるがゆえに、楽楽精算の定着化には、複雑な初期設定が大きな障壁となりがちです。
特に、自動仕訳や会計ソフト連携、承認フローの構築など、設定時の作業量が膨大になると、運用定着が進まず導入効果が減少してしまうリスクがあります。
そこでおすすめしたいのが、国内DAP市場で4年連続シェアNo.1を誇る「テックタッチ」です。
テックタッチはノーコードで画面上に操作ガイドやツールチップ、ナビゲーションを表示できるツールで、入力ルールや注意点もリアルタイムでガイドできます。
そのため、システム導入時に想定した効果を確実に引き出す定着化支援が可能です。
テックタッチの併用によって、楽楽精算の複雑な設定を誰でも迷わず正しく操作できるようになり、システム本来の効果を最大限に引き出せます。
「楽楽精算」の自動仕訳に関してのよくある質問
ここでは、楽楽精算の自動仕訳に関してのよくある質問とその回答について紹介します。
仕訳された内容の確認はできる？
楽楽精算では申請内容に基づいて自動で振り分けられた勘定科目・税区分・貸借科目などは、すべて画面上でチェックが可能です。
そのため、紙の申請書や請求書を改めて確認しなくとも楽楽精算上で確認できます。
申請の項目やレイアウトを設定できる？
楽楽精算では、申請画面の項目名・入力方式・配置などを自由に設定でき、既存のフォーマットを再現・カスタマイズして使えます。
項目名やプルダウンメニュー、ラジオボタンなどの入力形式のカスタマイズが可能で、使い慣れた申請フォーマットをそのまま再現できます。
「楽楽精算」の自動仕訳機能を使って経理業務を効率化しよう！
楽楽精算は、経費精算における申請から会計ソフト連携までを効率化できる便利なクラウド型システムです。
特に、自動仕訳機能によって、申請内容に応じた勘定科目・税区分が自動で紐づき、経理担当者の手入力業務を大幅に削減できます。
一方で、初期設定の複雑さや操作に対する慣れの問題がネックとなり、スムーズな社内定着に至らないケースも少なくありません。
楽楽精算の定着化に関する課題を解決するのにおすすめなのが、ユーザ数800万人を超える「テックタッチ」の活用です。
テックタッチは、ノーコードで既存の画面に操作ナビゲーションや説明ガイドを重ねることができるDAPツールで、ユーザが迷うことなく正しい手順で操作できる環境を整えられます。
例えば、初めて経費申請を行う従業員でも、画面上に表示される直感的な案内に従うだけで、どの項目に何を入力すべきかが明確にわかるため、マニュアルや研修に頼らなくても業務が進められるようになります。
楽楽精算とテックタッチの併用は、経理業務のデジタル化を進めたい企業にとって、効率化だけでなく定着化とROIの最大化を両立できる最適解の一つです。
