自治体のデジタル化を目指す「自治体DX」は、行政サービスの質向上と業務効率化を両立させる重要な取り組みです。
人口減少や高齢化が進む中で、限られた人材・予算で住民のニーズに応えるには、ICTの活用が不可欠となっています。
そこで本記事では、自治体DXの概要とともに、先進自治体の取り組み事例や、導入・推進を加速させるための具体的な施策について解説します。
また、記事内では自治体DXを早期定着させられるDAPツールの「テックタッチ」についてもご紹介。
12の公共団体 で導入済!
公式HPへの導入
問合せ件数約40%減 FAQ閲覧数約2.3倍
電子申請共通システムへの導入
1人あたりの操作時間を約63%短縮 約85%が必須項目がわかりやすく なったと回答
自治体DXとは

少子高齢化や人口減少、行政人員の不足など、地域社会を取り巻く課題が深刻化するなかで、注目されているのが「自治体DX」です。
住民サービスの利便性向上や業務の効率化、さらには持続可能な地域経営の実現に向け、国をあげて各自治体が取り組みを進めています。
ここではまず、自治体DXとは何か、その基本的な概要と現時点での推進状況について解説します。
自治体DXとは?5つの課題から推進ポイント・先進事例まで解説
自治体DXの概要
自治体DXとは、地方自治体が ICTやデジタル技術 を活用して業務効率化や生産性向上を図りながら、行政サービスや住民の利便性を向上させる取り組みです。
例えば、オンライン申請やペーパーレス化、AIチャットボット対応など、具体的な手段は多岐にわたります。
自治体DXは、人口減少や少子高齢化に伴う「2040年問題」など、人的資源の不足が深刻化している現状を踏まえて推進されるようになりました。
限られた職員で行政機能を維持するため、デジタル化による効率化は不可欠な戦略です。
実際に、総務省も現状を鑑みて「自治体DX推進計画」を策定し、そのなかでは以下のような重点施策が示されています。
- 行政サービスのフロントヤード改革による、住民との接点のデジタル化
- 情報システムの標準化・共通化
- マイナンバーカードの普及・利用促進
- AI・RPAの導入による業務自動化
- テレワーク推進、セキュリティ強化 など
なお、1の「フロントヤード改革」とは、特に住民との接点がある箇所をデジタル化していく方針を指しています。
出典:自治体デジタル・トランスフォーメーション (DX)推進計画 【第 2.3 版】
自治体DXの推進状況
自治体DXの推進は確かに進みつつあるものの、その道のりはまだまだ険しい現実が浮き彫りになっています。
2025年6月にテックタッチが官公庁・地方自治体に勤めるIT・情報システム部門の管理者またはシステム管理担当者111名を対象に、自治体におけるシステム導入・運用の課題に関する実態調査を実施したところ、以下の結果が得られました。
- IT部門担当者111人のうち約4割が「自組織のDXが民間より遅れている」と感じていると回答
- 職員間でITスキル・リテラシーに大きな差があることが、54.1%の担当者が課題と認識 など
上記の結果により、自治体には人事異動によるノウハウの共有不足やITリテラシーの格差、セキュリティ制約によるSaaS活用の困難さなど、特有の構造的課題がある点が浮き彫りになりました。
さらに詳しい調査結果は以下のページでホワイトペーパーをご用意してますので、ご興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。
自治体DXが必要な理由

現代では、少子高齢化や人口減少、ライフスタイルの変化など、自治体を取り巻く環境は急速に変化しているのが特徴の一つです。
変化に伴い、住民の価値観やニーズは多様化し、それに応える行政サービスのあり方にも見直しが求められており、そのなかの一環として自治体DXにも注目が集まっています。
ここでは、自治体においてDXがなぜ必要とされているのか、その背景と課題を2つの視点から深掘りして解説します。
住民ニーズの多様化への対応
近年、少子高齢化や多文化共生、働き方の多様化などにより、自治体が対応すべき住民ニーズはかつてないほど多様化しています。
従来の窓口対応や紙ベースの手続きでは、すべての住民の期待に応えることが難しくなっており、行政サービスの利便性・柔軟性の向上が急務です。
例えば、働く世代からは「平日日中に役所へ行けない」「スマートフォンから手続きを完結したい」といった声が多く、これに対してはオンライン申請の導入やマイナポータルとの連携が求められています。
また、高齢者や障害のある方にとっても、わかりやすくシンプルな画面設計や音声読み上げ対応など、アクセシビリティに配慮したサービスが重要です。
さらに、外国籍住民の増加により、多言語対応の充実や案内業務の自動化も不可欠となっており、「誰一人取り残さないデジタル化」が、すべての自治体に共通の課題となっています。
自治体における業務効率化と働き方改革の推進
自治体では、人口減少や職員の高齢化により、業務の属人化や慢性的な人手不足が深刻化しており、これを解決する手段としても自治体DXは注目されています。
業務効率化の観点では、従来の紙ベースや対面中心の業務を見直し、ICTを活用した業務フローの最適化が必要です。
例えば、手作業の多い定型業務を自動化すれば、職員の負担を軽減し、住民対応や企画立案といった付加価値の高い業務へ注力できる体制が整います。
また、情報の一元管理やデータ共有の円滑化も、業務の迅速化と正確性向上につながります。
そして、業務効率化が実現すれば働き方改革の実現も現実的になり、テレワークの導入やクラウドシステムの活用によって、職員のワークライフバランス改善や災害時の業務継続性(BCP)強化にも役立ちます。
自治体DXは業務効率化と働き方改革の両面から、持続可能な行政運営を実現するための重要な基盤としても機能する施策の一つです。
自治体DXを推進するメリット

DXは、業務の効率化やサービスの向上といった日常業務への効果はもちろん、災害や緊急時にも強い体制づくりを可能にするのが大きな特長です。
ここでは、自治体DXの推進で得られるおもなメリットを3つの視点から解説します。
自治体内での業務効率化
自治体DXの推進で得られる大きな効果の一つが、自治体内での業務効率化です。
従来の自治体業務は、紙ベースの申請処理や対面での窓口対応、部門間での非効率な情報共有など、多くの手作業に依存しており、職員の負担が大きいのが実情でした。
DXの導入により、従来のアナログな手法を刷新し、ICTを活用して業務の自動化・標準化・一元化を進められます。
例えば、各種申請の電子化やクラウド上での文書管理の導入により、処理の迅速化やミスの削減、情報の検索性向上などが期待されます。
また、部署間でのデータ連携や共有がスムーズになれば、組織全体としての業務スピードや意思決定の質も向上します。
自治体DXは業務そのものを効率化するだけでなく、組織の働き方や判断の質にも良い影響を与える重要な施策といえます。
住民サービスの質の向上
従来の行政サービスは、窓口に出向く必要がある・受付時間が限られている・手続きが煩雑で時間がかかるなどの課題を抱えていました。
自治体DXにより、申請や届出などの行政手続きがオンラインで完結できるようになれば、時間や場所にとらわれずにサービスを利用できる環境が整います。
また、高齢者や障がい者に配慮したUI・UX設計を取り入れると、ユニバーサルデザインに基づく住民サービスの提供も可能になります。
さらに、DX化によって行政情報の提供スピードも向上できるため、公式サイトやSNSを通じたリアルタイムな情報発信により、住民は必要な情報を迅速に取得可能です。
自治体DXの推進は、利便性の向上、対応スピードの改善、そして一人ひとりに寄り添ったサービスの提供の点で住民満足度の向上に役立ちます。
災害時の迅速な対応の実現
自治体におけるDX推進は、日常業務の効率化や住民サービスの向上にとどまらず、災害時の迅速な対応体制を整備する上でも大きな効果を発揮します。
行政サービスをクラウド化すれば、災害時に庁舎が被災した場合でも、遠隔地から業務継続(BCP)を図る環境が整い、職員は自宅や避難所などから安全にアクセスし、被災状況の報告や住民支援の手続きを行えます。
また、住民への発信では防災アプリやSNS、公式Webサイトを通じて、避難指示・避難所情報・ライフライン状況などをリアルタイムで発信でき、迅速かつ的確な行動を促せるようになるのもメリットの一つです。
自治体におけるChatGPT活用事例10選!メリットや注意点を解説
自治体DXを推進するうえでの課題

自治体DXは業務の効率化や住民サービスの向上など、多くのメリットをもたらす一方で、その推進にはいくつもの課題が伴います。
特に、組織内部における意識改革の遅れや、長年使われ続けてきたシステムの複雑化、そして慢性的な人材不足などが自治体特有の課題です。
ここでは、自治体DXを進めるうえで現場が直面しやすい3つの主要課題について解説します。
自治体内での変化への抵抗
自治体DXを推進する際によく見られる課題の一つが、自治体内部に根づいた「変化への抵抗」です。
長年続いてきた紙文化やアナログ中心の業務プロセスは、職員にとって「慣れ親しんだ手順」そのものであり、そこからの脱却には強い心理的・組織的抵抗が伴います。
そのため、DX推進においては、単に技術やシステムを導入するだけでなく、組織文化や職員の価値観にも働きかけ、「変化を受け入れやすい環境づくり」の構築が求められます。
ブラックボックス化したシステム
長年にわたって地方自治体が導入し続けてきたシステムは、老朽化や高度なカスタマイズが進んだ結果、全体の構造や処理内容の把握が難しくなる「ブラックボックス化」が進行します。
そのため、新しい技術や外部ツールとの連携がスムーズに進まない傾向が高くなりやすくなります。
ブラックボックス化したシステムを調査・解析した上で新たなシステムへ移行するには、多大なコストと時間がかかるのが実情です。
ブラックボックス化したシステムは、DX推進の重大な障壁となり、迅速な変革や業務共通化を阻む構造的リスクといえます。
人材不足の慢性化
自治体DXを推進する上で最も深刻な課題のひとつが、ITやデジタル人材の慢性的な不足です。
限られた自治体職員に対して多様な業務が重なるなか、特にDXを担う理想的な人材を確保・育成する難しさが浮き彫りとなっています。
まず、総務省が公表している「地方公共団体の職員数の推移」によれば、職員数の総数の推移は以下のようになっています。
上記のグラフにあるように、平成22年度から自治体職員数はほぼ横ばいとなっており、令和5年時点での総職員数は平成6年のピーク時に比べると、約48万人減少(約15%減)しています。
また、同じく総務省の別の調査によると、人口5万人以下の市町村では、DX推進や情報システム担当が「1人以下」という自治体が多数あり、いわゆる「ひとり情シス」状態が常態化している状況が確認されています。
自治体職員数が伸び悩むなかで自治体DXを本格的に推進するためには、IT人材の確保・育成が欠かせない最重要課題ですが、実態としては難しい状況にあると言わざるを得ません。
そこで現状の課題を解決するために役立つのが、ユーザのセルフオンボーディングを促進でき、職員一人ひとりのシステムへの理解を省力で進められるDAPツールの「テックタッチ」です。
テックタッチについては次項にて詳しく解説します。
自治体DXの具体的な施策4選

自治体DXを効果的に進めるためには、単なるシステム導入にとどまらず、組織全体で具体的かつ実行可能な施策を計画的に進めていくことが重要です。
特に近年では、生成AIやクラウドサービス、ペーパーレス化、デジタルデバイド対策といったテーマが全国の自治体で注目されており、これらの取り組みが住民サービスの質向上や業務効率化に直結しています。
ここでは、自治体DXを前進させる上で取り組むべき代表的な施策を4つ厳選し、それぞれの概要とポイントを解説します。
1. 生成AIの導入
自治体DXを加速させる施策として、近年注目されているのが生成AIの導入です。
例えば、職員による文書作成や情報整理、FAQの作成・更新、住民からの問い合わせ対応など、これまで人手と時間を要していた業務に生成AIを活用することで、業務の効率化と迅速な対応が可能になります。
また、住民向けの行政サービスにおいても、生成AIを活用すれば、多言語対応・個別対応・24時間稼働といった柔軟な運用が実現しやすくなり、行政と住民の接点をより便利で身近なものにする効果が期待されます。
ただし、情報の正確性やセキュリティ、職員のリテラシーとのバランスを取る必要もあるため、生成AI導入は段階的かつルール整備を伴う形で進めることが大切です。
2. クラウドサービスの検討
自治体DXを推進する上で、クラウドサービスへの移行・活用は欠かせない施策の一つです。
クラウドサービスを導入すれば、コスト削減、セキュリティ強化、災害時対応力の向上など、多くのメリットを得られます。
特に、情報システムの標準化・共通化を推進し、各自治体が利用しやすい仕組みを目指している「ガバメントクラウド(政府共通クラウド)」が、自治体DXに対して重要な基盤となっています。

自治体DXを早期定着させるDAPツール「テックタッチ」

自治体DXを推進する上でIT人材不足が深刻な障壁となっているなか、画期的なソリューションとしておすすめなのがDAPツールの「テックタッチ」です。
テックタッチは、ナビゲーションや操作ガイドを既存のWebシステム上に後から簡便に設置できるツールであり、官公庁や自治体においても導入が進んでいます。
複雑な公共システムを使いこなすうえで、職員や住民が操作に迷ったり誤操作を起こしたりする課題を、リアルタイムで解消できるのが大きな特長です。
テックタッチのおもな特長は以下の通りです。
- LGWAN対応:自治体専用閉域網でも動作できる唯一のDAPツールで、セキュリティ要件の厳しい環境にも適用可能
- 利用状況の分析・可視化機能:どのガイドがどれだけ使われているか、どこでユーザーが離脱しがちかを把握し、業務効率や操作性を継続的に改善できる
- 導入実績多数&市場シェアNo.1:DAP市場において4年連続国内シェアトップ、800万人以上のユーザーに利用される実績がある など
上記の特徴により、IT人材による細やかなサポートが難しい現場でも、「テックタッチ」は自治体DXの早期定着を支援可能です。
実際にテックタッチを導入して改善に成功した事例は以下の通りです。
| ・自治体名:静岡県裾野市
・導入の背景 裾野市はフロントヤードにおける住民の利便性向上を目指し、オンライン予約や「おくやみワンストップ窓口」などの施策を進めてきました。 一方で、課ごとの窓口が分かりにくい、公式サイトが情報過多で目的のページにたどり着きにくいなどの課題も抱えており、問い合わせの増加や来庁者の混乱を防ぐ対策が求められていました。 ・導入の決め手 裾野市は、総務省の「自治体フロントヤード改革モデルプロジェクト」に選定され、庁内全体で「頼りになる窓口」の実現を掲げています。 この取り組みの一環として、Webサイト上にノーコードで設置でき、操作ガイドやナビゲーションによって住民をスムーズに目的ページへ誘導できる「テックタッチ」を採用。 サイト構造を大幅に変更せずとも利用者利便性を向上できる点、オンライン手続きへの自然な導線づくりが可能である点が、高く評価されました。 ・導入イメージ ![]() |
詳しくは以下のページを参考にしてください。
静岡県裾野市、裾野市公式ウェブサイトに「テックタッチ」を採用
詳しい機能やほかの導入事例については、以下の公式サイトをご覧ください。
官公庁・自治体向け |テックタッチで職員も住民も直感的に使えるシステムに
また、デモや参考動画もありますので、導入イメージをつかみたい方はこちらもご覧ください。
3. ペーパーレス化の推進
自治体DXを進める上で不可欠な施策のひとつが、ペーパーレス化の推進です。
紙による文書管理に依存している現状では、業務効率という観点だけでなく、情報をデータとして有効活用する点でも限界が生じています。
そのため、デジタルデータ化によって行政サービス全体を柔軟かつ効率的に構築できる体制が求められます。
ペーパーレス化を実現できれば、印刷・保管コストの削減、作業時間の短縮、管理の効率化などのメリットが得られ、職員の負担軽減や働き方改革の実現にもつながるでしょう。
4. デジタルデバイド対策の実施
自治体DXの推進では、ネットや情報技術へのアクセスや利用の格差を示す「デジタルデバイド」への包括的な対応が求められます。
自治体が実施すべきデジタルデバイド対策の例は以下の通りです。
| 対策 | 概要 |
| デジタルインフラの整備 | 過疎地や山間部では、光回線やモバイル通信の届きにくさがデジタルデバイドの要因となるため、通信事業者や国と連携し、補助制度を活用しながらブロードバンド網を整備する必要がある |
| デジタル機器の活用支援 | 高齢者や低所得層など、デジタル機器の所有が難しい住民に対しては、スマートフォンやタブレットの貸出、公民館や図書館での無料端末・Wi‑Fi提供が効果的 |
| リテラシー向上のための教育支援 | NPOや民間企業などと連携し、スマートフォン講座やSNS講座を定期的に開催して、住民が自信を持ってICTを利用できるよう支援する必要がある |
上記の施策を実施すれば、住民のデジタルデバイドを緩和しDX化の流れをより円滑に進められるようになるでしょう。
自治体DXの先進事例5選

ここでは、自治体DXの先進事例を5選紹介します。
大阪府高槻市 | 電子申請・予約システム導入による職員負担の軽減

大阪府高槻市は、約35万人の市民への行政サービス向上と業務効率化を目的に、NTTデータ関西の電子申請サービス「e-TUMO APPLY」を2010年に導入し、その後2020年には汎用予約サービス「e-TUMO RESERVE」の活用も開始しました。
導入後は、24時間予約受付の実現により市民の利便性が向上し、職員による業務の手間やミスも削減。
特に子育て関連部署では窓口対応の効率化が進み、残業時間の削減にもつながりました。
また、各部署の職員が自ら申請フォームを作成・公開できる仕組みにより、急な申請対応もスピーディーに行えるようになりました。
さらに、ヘルプデスクのサポート体制強化によって情報戦略部門の負担も軽減され、全庁的な業務改善が進んでいます。
今後は、e-TUMOの活用を庁内にさらに広げ、より多くの手続きをオンライン化することで、市民サービスの向上と職員の働き方改革の両立を目指しています。
東京都文京区 | マイナンバーカード交付予約システム導入による業務効率化

東京都文京区では、増加するマイナンバーカード交付業務の効率化と交付率向上を目的に、NTTデータ関西の「e-TUMO MYNUM」を導入しました。
導入後は、住民の交付状況がシステム上で一元管理され、最大2時間かかっていた集計作業が15分に短縮されるなど、大幅な業務効率化を実現。
交付予約時には個人識別情報を照合する仕組みにより予約ミスも解消され、住民サービスの質向上にもつながりました。
今後は、申請時の来庁予約や出張申請にも活用範囲を広げ、さらなる利便性向上と交付率アップを目指しています。
滋賀県米原市 | 減災システム導入による利便性の向上

滋賀県米原市は、老朽化したアナログ防災行政無線の課題を解決し、住民サービスを向上させるため、NTTデータ関西の「減災コミュニケーションシステム」を導入しました。
減災コミュニケーションシステムは、防災情報の一斉配信に加え、自治会単位での地域放送や住民との双方向連絡も可能なシステムです。
自治会長にタブレット端末を配布し、災害時には現場の避難状況を即座に市に報告できるように整備し、住民側にはスマートフォンアプリやメールを活用し、個人の端末からいつでもどこでも防災情報を受信できる環境を実現できました。
一方で、コスト面でも携帯電話通信網の活用で中継局などの大規模な設備が不要となり、導入コストを半分以下の約10億6,000万円に削減できました。
今後は、高齢者の見守りや音声変換、写真による被害報告といった機能拡張も視野に入れながら、さらなる改善と活用を進めていく方針です。
愛知県西尾市 | LINE活用により市民サービス向上に貢献

愛知県西尾市は、電子申請サービス「e-TUMO APPLY」とLINE公式アカウントを日本で初めて連携させた「Nishioスマート申請」を導入し、申請から決済・受け取りまでをオンラインで完結できるシステムを構築しました。
LINEとの連携により、市民はLINEから簡単に電子申請を開始できるようになり、登録者数は10万人を超えるまでに拡大。
オンラインでの決済やマイナンバーカードによる本人確認機能も導入され、郵送や窓口訪問が不要になったことで、利便性が飛躍的に向上しました。
電子申請数も他自治体の約10倍に達し、住民からは「東京から手続きできて助かった」「PayPayで支払いできて便利」といった声も寄せられています。
今後の課題としては、未活用の機能の周知徹底や、操作画面のデザイン改善、さらなる申請メニューの拡充などが挙げられています。
西尾市は「行かない・待たない・書かせない」行政の実現を目指し、職員と市民がともに便利さを感じられるDX推進を継続していく方針です。
大阪府大東市 | 粗大ごみ収集DXによる24時間予約受付による職員対応の低減

大阪府大東市では、粗大ごみの収集予約における市民サービス向上と業務効率化を目的として、NTTデータ関西が提供する「e-TUMO ECOLIFE」を導入しました。
導入後は、インターネット予約を併用することで24時間365日受付が可能となり、市民の利便性が大幅に向上。
全体の約2割がインターネット予約に切り替わり、高齢者からも好評を得ています。
また、電話予約分もシステムで一元管理され、予約情報が地図上に可視化できるようになったため、市職員や委託事業者による収集ルートの把握・計画が容易になりました。
今後は、粗大ごみの有料化に向けた画面表示の工夫や、リサイクル推進・多言語対応・チャットボット導入などの取り組みを進めていく方針です。
また、キャッシュレス決済の導入や広報との連携によるインターネット予約の普及促進も計画されており、「e-TUMO ECOLIFE」を活用したよりスマートで持続可能なごみ行政の実現を目指しています。
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自治体DXの今後の展望

自治体DXの今後の展望としては、総務省が公表している「自治体デジタル・トランスフォーメーション (DX)推進計画」に重点的に取り組む項目として、以下の7点が挙げられています。
| 項目 | 概要 |
| ① 自治体フロントヤード改革の推進 |
|
| ② 自治体の情報システムの標準化・共通化 |
|
| ③ 公金収納におけるeLTAXの活用 |
|
| ④ マイナンバーカードの普及促進・利用の推進 |
|
| ⑤ セキュリティ対策の徹底 |
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| ⑥ 自治体のAI・RPAの利用推進 |
|
| ⑦ テレワークの推進 |
|
さらに詳しい内容については以下の資料をご覧ください。
自治体デジタル・トランスフォーメーション (DX)推進計画 【第 2.3 版】
自治体DXに関してよくある質問

ここでは、自治体DXに関してよくある質問とその回答について解説します。
自治体DXを成功させるためのポイントは?
自治体DXの成功にまず重要なのは「導入の目的を明確にすること」です。
単に新しい技術を導入すること自体がゴールになってしまうと、住民サービスの向上という本来の目指すべき方向から外れてしまいます。
また、住民の声を反映した設計や、少ない規模から始めて効果を確認しながら広げていく「スモールスタート」の考え方がDX推進の成功を左右します。
さらに、職員の意識改革と現場でのITリテラシー向上の取り組みも欠かせません。
自治体DXを進める流れは?
自治体がDXを推進する際の一般的なステップは以下の通りです。
| ステップ | 概要 |
| ステップ0:認識共有と機運の醸成 | 自治体職員全体にDXの意義を周知し、推進に向けた共通認識と前向きな気運を醸成する |
| ステップ1:全体方針の決定 | DXの目的を明確に定め、全庁的なDXビジョンや計画を策定 |
| ステップ2:推進体制の整備 | DX推進のための組織体制を整える |
| ステップ3:取り組みの実行 | 全体方針をベースに各取り組みを実行し、必要に応じてPCDAによる改善も行う |
自治体DXは、目的や体制の明確化から着手して全庁横断の体制作りを構築すれば、住民サービス向上と行政の持続可能性につながるDXが実現できます。
さらに詳しいステップの内容は総務省が公開している以下の資料をご覧ください。
自治体 DX 全体手順書 【第 2.1 版】 令和5年1月20日 総務省
自治体DXを推進して業務効率化や住民サービスの質を向上させよう

自治体DXは、単なるIT導入ではなく住民にとって便利でわかりやすいサービスを実現し、かつ職員の業務負担を軽減しながら持続可能な行政を目指すのが本質的な目的です。
自治体DXを成功させるには以下のようなポイントが特に重要です。
- DXの 目的を明確にし、「システム導入そのもの」が目的化しないようにする
- 小規模で始めて成果を確認しながら広げる スモールスタート戦略を採用
- 住民参加を取り入れた設計で、現場の声を反映
- 職員の意識変革やITリテラシー向上を並行して実施
上記のポイントをクリアしながら自治体DXをより円滑かつ効果的に進めるために役立つのが、DAPツールの「テックタッチ」です。
テックタッチは、Webシステム上に操作ガイドやツールチップを表示させて、利用者の操作ミスや迷いを防ぎ、手続きのスムーズ化とストレスの軽減を実現できるDAPツールです。
自治体DXでは特に以下の特長が役立ちます。
- 職員・住民・事業者それぞれの操作ミスや問い合わせを削減
- 差し戻しや再入力といった二度手間の防止に貢献
- システム上でナビゲーションを可視化でき、ITに不慣れな方でも直感的に利用可能
- LGWAN対応、ノーコード導入が可能で全国の自治体に広く採用されている





