カスタマーサクセスを成功させるためには、ほかの成功事例から参考になる点を学び、自社のプロダクトに活かす方法がおすすめです。
本記事では、成功事例を15選ピックアップし、それらから導き出せる4つの重要なポイントを解説します。具体的な実践方法や顧客満足度向上のヒントを知れば、自社の顧客サポートの強化に役立てられるでしょう。
また、記事の後半ではオンボーディングを効率化し、カスタマーサクセスの業務を支援できる外部ツール「テックタッチ」を紹介します。




カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスとは、顧客の成功への支援に尽力するポジションです。顧客が持つデータを分析して見つかった課題を解決できる方法を提案し、顧客が目指す成果を達成できるようサポートします。
顧客の課題解決に尽力できれば、顧客の解約を防ぎつつ、さらなるアップセルやクロスセルの機会を生み出せるでしょう。カスタマーサクセスは単なるサポートにとどまらず、顧客と共に成功を目指すパートナーシップの構築が重要となります。
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カスタマーサクセスが必要な理由
カスタマーサクセスが必要とされる背景には、サブスクリプションビジネスの普及があります。サブスクリプションビジネスでは、収益構造により企業は顧客との関係を一度きりの売り切り型から、継続的な付き合いを重視する形に変化させています。顧客との長期的な関係を維持するためには、顧客の課題を解決し、継続的な価値の提供が重要です。
顧客の成功を支援できれば、契約の更新を促し、さらなるアップセルやクロスセルの機会を創出できるでしょう。カスタマーサクセスは、顧客の成功を支援するための直接的な業務に携われるため、年々重要度が高まっているといえます。
カスタマーサクセスのBtoB企業における成功事例
ここでは、BtoB企業・官公庁におけるカスタマーサクセスの成功事例を8選紹介します。(敬称略)

テモナ株式会社:確実かつスピーディーに情報を届けることに成功
テモナ株式会社は、ECサイト上におけるさまざまな管理業務を効率化・一元化できるクラウド型ソフトの「サブスクストア」を提供しています。
サブスクストアの展開にあたって、カスタマーサクセスでは以下の課題を抱えていました。
課題 |
・操作方法や内容についてのお問い合わせが何度も来る ・改修のたびに開発チームに依頼をして費用と時間がかかる ・お知らせをユーザに見てもらえていない |
そこで導入を決めたのが、ノーコードで開発・改修が可能な「テックタッチ」です。
テモナ株式会社では、テックタッチを以下のように活用しています。
テックタッチの活用方法 |
・入力の方法や説明を画面上に表示 ・エラーの説明、解消方法をナビゲーションで案内 ・重要なお知らせはツールチップで表示 |
上記のテックタッチの活用により、以下の成果を得られています。
結果 |
・自己解決可能な環境になり、ストレス軽減と問い合わせの削減成功 ・依頼工数が減り時間と費用の削減が実現 ・確実かつスピーディーに情報を届けられるようになった |
テックタッチ導入前に抱えていた課題が全て解決し、よりカスタマーサクセスが生産性の高い業務に注力できるようになりました。
株式会社ベーシック:新機能の認知が30倍、設定率が6倍に
株式会社ベーシックでは、Webマーケティングにおける課題を解決するために役立つ以下のツールを提供しています。
株式会社ベーシックの提供ツール |
・BtoBマーケティングツール「ferret One」 ・フォーム作成管理ツールの「formrun」 ・Webマーケティングメディア「ferret」 |
上記のうち、「ferret One」の提供にあたり以下の課題がありました。
課題 |
・オンボーディングに工数が取られてしまっている ・新機能をアップデートしても認知されない |
上記の課題を解決するために採用されたのが、オンボーディングを効率化できる「テックタッチ」です。
ferret Oneでのテックタッチ活用内容は以下の通りです。
テックタッチの活用方法 |
・画面上にツールチップを設置 ・新機能の利点等をシステム画面上に表示 |
上記の改善を行った結果、オンボーディング工数の逼迫が改善し、新機能の認知が30倍、設定率が6倍に飛躍しました。
フリー株式会社:オンボーディング完了率135%改善
フリー株式会社は、『スモールビジネスを、世界の主役に。』をモットーに法人・個人事業主向けの、統合型クラウドERPの開発・提供を行っています。
フリー株式会社が提供しているプロダクトは数多くあり、そのなかでも「freee請求書」はエントリーモデルとしての役割も期待されているプロダクトです。
ただ、単独で利用開始したユーザ向けのオンボーディングが不足しており、以下の問題点がありました。
課題 |
・請求書作成前に離脱をしてしまう ・新規登録のニーズが曖昧 |
そこで、オンボーディングを充実・効率化させ、上記の問題点を解決するために導入を決めたのが「テックタッチ」です。
テックタッチをfreee請求書では以下の内容で活用しています。
テックタッチの活用方法 |
・ガイド利用を促すために画面の真ん中にガイド軌道のツールチップを設置 ・はじめてガイドの設置 ・アンケートの設置 |
上記のようにテックタッチのデジタルガイド・ツールチップ機能を活用した結果、以下の成果が得られました。
結果 |
・初回請求書作成率が135%改善 ・作業完了時間の短縮を実現 ・アンケートによりユーザーのニーズをリサーチできた |
課題であった登録→利用の移行・実施率が135%改善されたため、freee請求書のエントリーモデルとしての活用も実現しました。
千葉テレビ放送株式会社:顧客とのつながりを保ちコミュニケーションの基盤作成ができた
千葉テレビ放送は、サブスクリプションビジネスの普及に伴い、顧客との長期的な関係を築くために2021年から「稼ぐ力養成講座」を開始しています。
しかし、開始当初は社内にマーケティングノウハウがなく、集客が思うように進みませんでした。そこで、解決策として名刺情報の活用とMAツール「SATORI」を導入して、集客効率化と施策の改善を図り、セミナー参加者の拡大に成功しました。
経済産業省:業務効率化により時間やコストの削減に成功
経済産業省では、名刺情報を個別に管理していたため、人脈共有が進まず、効果的なアプローチができていませんでした。名刺管理と効果的なアプローチを実現するため、名刺管理ツール「Sansan」を導入し、全職員が名刺情報を共有できるように改善。
結果として、政策立案のためのリサーチやアプローチの効率化が図られ、時間とコストの削減を実現しました。また、オンライン会議での名刺交換も共有に役立っています。
株式会社電通:コンテンツの市場投入時間を70%削減
電通は、代理店統合によるブランド強化の一環で、デザイナーに負担が集中していた課題を抱えていました。
デザイナーの負担を軽減するため、「Adobe Express」を導入し、デザイナー以外の従業員も一貫性のあるブランドコンテンツを迅速に作成できる環境を構築。Adobe Expressの導入により、コンテンツの市場投入時間が70%短縮され、デザイナーはより重要なクリエイティブ作業に集中できるようになりました。
Askul :300時間/月の作業時間の削減に成功
アスクル株式会社では、非効率なメールや紙ベースの作業が課題でした。非効率な業務を改善するために「Slack」を導入し、情報共有を迅速化しました。
Slackの導入により、メッセージの周知スピードが向上し、作業時間を削減。物流センターや採用業務など様々な部門で連携を進め、300時間/月の作業時間の削減に成功しました。
株式会社関東製作所:問い合わせ件数が100件から350件に増加
株式会社関東製作所では、事業拡大に伴い新規顧客獲得が課題でした。そこで、新たにマーケティング課を設立し、MAツール「SATORI」を利用して顧客の悩みに応えるコンテンツを発信。
マーケティング施策により、年間3件だった問い合わせが350件以上に増え、新たな顧客開拓を進められています。さらに、社内からの評価が高まった結果、マーケティングチームの拡大に成功し、今後の施策にも期待が寄せられています。

カスタマーサクセスのBtoC企業における成功事例
ここでは、BtoB企業・官公庁におけるカスタマーサクセスの成功事例を8選紹介します。(敬称略)

ワスド株式会社:問い合わせを80%削減
ワスド株式会社は、呼び出しから接客までをDXする「デジちゃいむ」というVertical SaaSを開発しているスタートアップです。デジちゃいむの販促・導入が順調に進む一方で、新規ユーザへのオンボーディング対応や、既存ユーザからの問い合わせ対応にリソースが逼迫され始めていました。
そこで課題解決のために導入されたのが、プロダクト上へのデジタルガイド・ツールチップの設置が可能な「テックタッチ」です。
テックタッチの導入により、ユーザは自らデジタルガイド・ツールチップの案内に沿って操作できる割合が高まり、工数の削減に成功しました。また、操作に関するお問い合わせ数も80%削減できています。
スターバックスコーヒー:ロイヤリティの向上を実現
スターバックスは、顧客の感情に寄り添う体験価値の提供を目指しており、店舗とデジタルを融合させた「スターバックス体験」を重視しています。店舗での待ち時間が長い点が課題であり、解決策として事前にアプリで注文と決済ができて店頭で商品を受け取れる「モバイルオーダー&ペイ」を導入しました。
モバイルオーダー&ペイにより、注文の利便性と顧客体験が向上し、来店頻度の増加につながりました。デジタル施策により、顧客との接点を広げつつも、一貫した体験価値を提供しています。
花王株式会社:顧客一人ひとり情報提供を可能にに対してパーソナライズした
花王は2021年にDX戦略推進センターを新設し、従来の「モノ主義」から「体験主義」へと事業モデルを転換するためにカスタマーサクセス部を設置しました。顧客の多様化した価値観に応えるため、デジタルを活用して「買ってよかった」と感じてもらえる体験の提供を目指しています。
顧客一人ひとりに即したパーソナライズで顧客ロイヤルティを高め、継続購入を促進しています。
株式会社メルカリ:顧客の本音を改善に活かし優れた顧客体験を実現
メルカリのカスタマーサービス部門(CS)は、顧客体験を向上させるために、2018年にCSP(CS Product)を新設しました。開設前は、CSと開発チーム間の視点の違いによる連携の難しさが課題でした。
しかし、CSPがその橋渡しを行うようになり、顧客の声を効果的に反映したスムーズなサービス改善を実施できるようになりました。
Netflix, Inc:優れたレコメンド機能でまた見たいと思えるサービスの提供を実現
Netflixはユーザーが見たいコンテンツを発見できずに飽きて解約する課題に対応するため、高度なレコメンドシステムを活用しています。Netflixが採用しているレコメンドシステムは、視聴履歴や評価、映像のメタデータを分析し、ユーザーに合った動画を提案するものです。
レコメンドシステムにより顧客の求めているものを提供できた結果、顧客満足度と継続率を向上させ、ユーザー離れを防止できています。
株式会社オリエンタルランド:フックモデルをもとに来園者数の増加を実現
株式会社オリエンタルランドが運営するディズニーランドでは、顧客のリピート率向上のために以下の施策を実施しています。
株式会社オリエンタルランドが実施する施策 |
・設備・アトラクションへの継続投資 ・期間限定イベントのトリガー設計 ・キャストの高いサービス基準を維持設備 |
上記の施策はサブスクリプションビジネスの観点をもとに実施されている要素があり、カスタマーサクセスにも参考になるといえます。
フェンダー ミュージック株式会社:サービスへの定着を実現
フェンダーには、初心者がギターを続けられず離脱してしまう課題がありました。
そこで、解決のために「Fender Play」というサブスクリプション型オンラインレッスンサービスを日本に導入しました。
英語のみのコンテンツを順次日本語化および人気楽曲のレッスン動画を追加して、初心者のギター継続率向上を図り、顧客のLTVの向上を目指しています。
オイシックス・ラ・大地株式会社:サービスの解約率を抑えることに成功
オイシックス・ラ・大地株式会社では、注文変更を忘れたユーザーに不要な食材が届き、解約率が増加する問題がありました。そこで、Marketing Cloudを導入し、メールやLINE、SMSなど複数チャネルで注文締め切り前にリマインド通知を行うように対応を変更。
その結果、解約リスクを低減し、注文未変更者を63%削減できました。
事例からわかるカスタマーサクセス成功の4つのポイント
成功事例から参考にできるカスタマーサクセスの成功に役立つポイントは以下の通りです。
ここでは、下記のポイントについて解説します。

1. 企業全体で取り組む
カスタマーサクセスを成功させるためには、企業全体が一丸となった取り組みが不可欠です。特に、経営層が明確にカスタマーサクセスの重要性を理解し、方針を全社に的確に伝達する必要があります。
また、横の連携、つまり部署間でのコミュニケーションも同様に欠かせません。営業やマーケティング、サポート部門など、各部署が連携し情報を共有すれば、顧客に対して一貫した体験を提供できます。
カスタマーサクセスの取り組みを全社で推進するためには、縦と横の双方での連携強化が大切です。
2. 定期的に顧客の状態を確認する
カスタマーサクセスを成功させるためには、顧客の状況の定期的な確認による可視化が重要です。顧客がどのようにサービスを利用しているか、その満足度はどの程度かを把握すれば、顧客が抱える問題やニーズを早期に察知し対応できるでしょう。
また、収集した顧客の状況データは、サービス自体の改善や顧客サポートの向上に活用するのが効果的です。例えば、顧客が特定の機能を利用していない場合、その理由を分析し、顧客に適したサポートやトレーニングの提供が求められます。
データに基づいたフィードバックを繰り返し実施すれば、顧客にとってより価値のある体験を提供し、顧客満足度の向上や解約率の低下を実現できます。
3. 顧客との接点を増やす
顧客との接点を増加させられれば、カスタマーサクセスの成功が現実的なものとなります。定期的なコミュニケーションが実施できれば、顧客の意見を収集し、サービスや顧客サポートの改善に反映させられます。
また、顧客との接点を増やせば、サービスの利用方法や効果的な活用法についての情報提供も行いやすくなるのも特長です。
顧客がサービスに対して価値を感じ続けるためには、サービスの利用に関するサポートを適切な提供が不可欠です。
4. 早い段階でプロダクトの価値を感じてもらう
顧客が早い段階でプロダクトの価値を実感できるようなカスタマーサクセスの実施が、成功のポイントとなります。
カスタマーサクセスには、以下の3つのフェーズがあります。
カスタマーサクセスの3つのフェーズ |
・オンボーディング: 顧客がサービスを導入する初期段階で、プロダクトの価値や使い方を理解してもらうフェーズ ・アダプション: 顧客がサービスを積極的に利用し、その価値を体感するフェーズ ・エクスパンション: 顧客がさらにサービスを活用し、追加の価値を得るフェーズ |
特に、オンボーディングの段階で、まず顧客にプロダクトの良さや価値をしっかりと理解してもらえるかが今後の利用を左右します。なぜなら、オンボーディングの段階でサービスに対する理解や効果を感じられなければ、顧客は早期に解約を検討する可能性が高まるからです。
オンボーディングのプロセスを通じて、顧客がスムーズにサービスを使い始められるようサポートし、プロダクトの価値を実感してもらうのが不可欠といえます。
≫≫ SaaSにおけるカスタマーサクセスの重要性とその役割とは?

セルフオンボーディングを促すテックタッチ
カスタマーサクセスの成功には、顧客のセルフオンボーディングを促せる環境の構築が大切です。
セルフオンボーディングをさまざまな機能から実現できるのが、カスタマーサクセスの業務を支援できる「テックタッチ」です。テックタッチなら、オンボーディングのフェーズでユーザがストレスなくシステムを利用できる環境を提供できるため、早い段階で価値を感じてもらえるようになります。
テックタッチの詳しい機能・特長は次項にて解説します。
まとめ:カスタマーサクセスを実現するなら「テックタッチ」
カスタマーサクセスの成功には、既存の成功事例を参考に自社に合った施策の検討が大切です。
また、カスタマーサクセスの成功を実現するためには、プロダクト上でカスタマーサクセスを実現できる「テックタッチ」の導入がおすすめです。
テックタッチには、カスタマーサクセスの成功に役立つ以下の機能・特長があります。
テックタッチのカスタマーサクセスの成功に役立つ機能・特徴 |
・デジタルガイド・ツールチップにより、オンボーディングの効率化が実現 ・プロダクトを利用する際に、誤入力・誤操作を未然に防止し、問い合わせ数を削減 ・顧客満足度の向上により、チャーンレートを低減しアップセルを増大 ・データを元に、UI/UX改善のための施策をスピーディーに進められる ・ノーコードで開発・改修が可能 |
テックタッチの上記の機能・特長を活用すれば、カスタマーサクセスの成功が実現できます。



