こんにちは!
CS工数削減、ユーザーのセルフオンボーディングを実現する「テックタッチ」ライターチームです。
企業が提供する商品・サービスに対し新規の顧客を獲得することは重要な課題ですが、既存の顧客に継続利用してもらうことも重要です。
特にSaaSビジネスでは継続利用の重要度が高く、各企業がさまざまな取り組みをしています。
有効な取り組みのひとつとして注目されているのが、顧客満足度の向上です。
顧客満足度の低下は、解約(チャーン)につながってしまいます。
本記事では、顧客満足度向上に必要な対策やポイントを、成功事例とあわせて紹介します。
顧客満足度向上が重要な理由
顧客満足度の重要性と、向上によって得られるメリットは次のとおりです。
顧客満足度の重要性
顧客満足度とは、英語で「Customer Satisfaction(カスタマーサティスファクション)」といいます。
顧客が自社商品の購入・サービスの利用に対してどの程度満足しているのかを表す指標で、特にSaaSビジネスで重要視されています。
継続利用が前提のSaaSビジネスモデルにおいては、顧客満足度の低下は経営の基盤が揺らぐとされているのです。
顧客満足度と似た概念に「NPS®」がありますが、NPS®は主に顧客ロイヤルティを測る指標であり、顧客満足度とは異なります。
NPS®との違いについては、「NPS®向上が重要とされる理由とは?NPS®の意味や向上させるポイントとともに紹介」をご覧ください。
顧客満足度向上で得られるメリット
顧客満足度が高ければ、顧客の継続率向上つまりリピーターの増加が期待でき、リピーターが増加すれば、LTV(顧客生涯価値)が高まります。
LTVとは、顧客ライフサイクル(ひとりの顧客が取引を始めてから終わるまでの期間)内に、企業に対しどれだけの価値をもたらすかを示す指標です。
継続利用により商品・サービスへの愛着が高まれば、顧客ロイヤルティの向上も期待できるでしょう。
そのため、顧客満足度向上によって次のようなメリットが生じると考えられます。ロイヤルカスタマー育成にまで進めばその効果はより大きくなるでしょう。
新規顧客の獲得
顧客満足度向上によりリピーターが増加すると、良いブランドイメージが社会に浸透し、新規顧客の獲得が期待できます。
ブランド力の強化
リピーターの増加によりブランドに好意的な口コミが増加し、ブランド力が高まります。
広告費の削減
口コミの増加は、購入や利用を検討中の人に対し効率的な宣伝となるので、結果として広告費なしでの宣伝が可能となります。SNSによる拡散も効果的です。
顧客満足度向上のために必要なこと
顧客満足度を向上させるためには、どのように対策をとっていけばよいのでしょう。
顧客満足度向上へのプロセスや、顧客満足度の度合いを確認する項目は次のとおりです。
顧客満足度を向上させるプロセス
以下のプロセスを繰り返すことで、顧客満足度の維持または向上が可能です。
1回や2回では正確なデータとはいえないため、プロセスを継続して実施し、十分な量のデータを収集して分析結果の正確性を高めます。
また、顧客ニーズの変化に応じて収集方法を見直すことも重要です。
顧客の期待度を把握
顧客の期待度を満たすことで、顧客満足度の向上が見込めます。
既存顧客のみならず、見込み顧客へのヒアリング調査を実施し、そのため顧客が自社の商品・サービスに期待していることを把握しなければなりません。
現状の顧客満足度の把握
顧客の意見や感想を収集・分析し、現状の顧客満足度を把握します。
インターネット上のサービスであれば、インターネットのログ情報なども活用できます。
顧客が期待する内容と顧客満足度のギャップを埋めていく
顧客の期待する内容と現状の顧客満足度を比較し、顧客が期待している商品・サービスの提供ができているかを評価します。
ギャップが生じていれば、改善するための戦略の検討や施策の実行が必要です。
顧客満足度を把握するための項目
顧客満足度を把握する際は、例として次のような項目を確認します。
- 回答者の属性(年齢・性別・居住地・職業、など)
- 商品・サービスを知った媒体(インターネットサイト・SNS・知人からの紹介、など)
- 購入理由(価格が安かった・デザインが好きだから、など)
- 各機能・サービスなどの部分的な満足度
- 購入頻度
- 総合満足度
- 満足・不満の理由
- 競合との比較(品質・機能・価格・サポート、など)
- 継続意向
上記の項目について、「二者択一(Yes/No)」「 複数選択(3~5段階程度)」「記述式」などの回答形式でアンケートを実施します。
結果を集計して顧客満足度を把握し、期待値と現状のギャップを確認して必要な対策を講じていきます。
顧客満足度を向上させるポイント
顧客満足度向上に取り組む際に注意すべきポイントについて紹介します。
なお、本記事では主にSaaSビジネスに焦点を置いて説明します。
商品・サービスにおける品質の向上
提供する商品・サービスの品質を向上させることは、顧客満足度向上への取り組みには欠かせません。
次の点に留意して品質の向上に努めましょう。
- 商品・サービスの説明やQ&Aなど顧客にとって必要と思われるコンテンツの拡充
- 購入に至るプロセスに沿ったサービスの提供
- 円滑に活用できるよう操作性やインターフェースの向上
- 顧客の不満、ボトルネックとなる部分を把握し改善
顧客の期待を上回る商品やサービスを提供することで、顧客満足度は向上します。
顧客対応の体制整備
顧客からの問い合わせに迅速に対応することで、顧客満足度の向上につなげることができます。
対応が難しい問い合わせでも、折り返しの電話やメール返信などの初期対応を適切に行うことで、顧客の不満解消に努めます。
また、顧客が問い合わせしやすい体制を整えておくことも重要です。
次のようにならないよう注意しましょう。
- 問い合わせ先がわかりにくい
- 問い合わせフォームの入力項目が多すぎる
- 「よくある問い合わせ」や「回答例」など、顧客自身で解決できる材料が不十分
顧客の問い合わせ意欲を減少させてしまうと、競合へと流れてしまう可能性が高くなります。
簡単な案件はチャットボットなどに対応させて、オペレーターは複雑な案件に集中して対応できるようにすることもおすすめです。
カスタマーサクセスの実現
カスタマーサクセスは顧客の成功を支援する営業活動であるため、顧客満足度の向上が見込めます。
カスタマーサポートでの顧客対応の場合は、問い合わせをしてきた顧客へのアプローチしかできません。
カスタマーサクセスは、企業側から積極的に顧客にアプローチして支援を提供することによって、より多くの顧客の満足度を向上させることができます。
カスタマーサクセスでは、顧客をセグメントごとに分けて、顧客層に応じた支援をするのが効率的です。
顧客理解が欠かせないため、CRMプラットフォームによる顧客分析も有効です。
セグメントごとの対応については「ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチとは?実施の方法とポイントを解説」を、カスタマーサクセスについて詳しくは「SaaSビジネスにおけるカスタマーサクセスとは?実行時の注意点や成功のポイントを解説」をご覧ください。
顧客満足度向上の事例
最後に、顧客満足度向上に成功した事例を2件紹介します。
アットホーム株式会社
不動産情報サービスを提供する同社は、不動産会社間情報流通の事業領域で「ATBB(不動産業務総合支援サイト)」を提供していました。
しかし、ユーザーの入力ミスが多いという課題がありました。そこでWebシステム上に直接操作ガイドを表示させることができる「テックタッチ」を搭載。
入力ミスが発生しやすい箇所に、ナビゲーションを設置することによってユーザーの誤入力を削減したのです。
また、サービスログイン時、新機能の案内が表示されるように設定することで新機能の利用促進や、ユーザビリティー向上なども実現させました。
このような取り組みは、顧客満足度の向上に大きく寄与することでしょう。
参考:https://techtouch.jp/cases/athome/
HENNGE株式会社
SAAS企業である同社は、 カスタマーサポートの仕組みを一新し、顧客からの問い合わせ内容を、社内で共有できるようにしました。
関係各所が必要な情報を欲しいタイミングで漏れなく確認できるようになり、顧客対応の質が向上したのです。
また同社ではカスタマーサポートを導入時の支援と、導入後の「サポート」「利用促進」に分けることで、顧客との関係強化に努めています。
これらによって顧客満足度の向上や解約防止を目指しているのです。
顧客満足度向上は安定した企業の収益を実現する
商品・サービスを提供するうえで、顧客に継続利用してもらうことが収益安定へとつながります。
そのため、自社商品・サービスが顧客からどのように思われているのかを知る必要があります。
満足度の度合いをを可視化し、分析へとつなげることができる顧客満足度は重要な指標でしょう。
顧客満足度を向上させるには、乗り越えるべき課題も多いかもしれませんが、企業にとって大きな意義があります。
向上にむけ、積極的に取り組みましょう。
昨今、提供サービスやシステムが定着していることを指すデジタルアダプションが重視されています。
デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)は デジタルアダプション を推進するためのツールです。SaaSビジネスにおいて、顧客満足度の向上につながる施策のひとつとしても注目されています。
デジタルアダプションについては、「DXの実現に欠かせないデジタルアダプションとは?実現による効果と課題を解説」をご覧ください。
テックタッチでは、あらゆるシステム上で、操作ガイドや入力ルールを示すツールチップを展開することでユーザーのシステム利用助ける「テックタッチ」を提供しています。
「テックタッチ」ではWebシステム上に直接操作ガイドを出せるため、マニュアルを別途用意する必要がなく、スムーズなシステム利用を促します。
また、顧客のシステム利用動向を可視化し、活用されていない機能や、非効率な操作も発見できるため、システム改善による顧客満足度の向上も期待できます。
ノーコードでナビゲーションの作成・修正ができるため、顧客の不満や使いにくさを察知したら、迅速な対応が可能です。
非エンジニアでも対応可能なので、UI/UX改善の工数を効率化することができます。
顧客満足度の向上にお悩みの際は、ぜひご相談ください。