
宝印刷株式会社
宝印刷株式会社は、創業以来70年に亘り上場企業やIPO予定会社のお客様のディスクロージャー(情報開示)およびIR関連書類の作成を支援する会社です。金融商品取引法や会社法に基づく有価証券報告書、株主総会招集通知などの法定開示書類の制作・印刷をはじめ、統合報告書やIRツールの制作など幅広いサービスを提供しています。近年はDXを推進し、開示業務の効率化やデジタル化を支援するソリューションの提供にも取り組んでいます。
https://www.takara-print.co.jp/操作案内から緊急告知、アンケートまで。顧客に必要な情報を、必要なタイミングで届ける
・開示書類の作成は工程が細かく、一連の操作フローが分かりにくいため、問い合わせが多く発生していた
・FAQやチャットボットは操作画面とは別にあるため十分活用されず、FAQを確認すれば解決できる内容の問い合わせも多かった
・トップ画面のお知らせが気づかれにくく、メールによる案内でも利用時に確実に情報を届けられなかった
・画面上での操作案内の実装や効果的な情報発信には開発工数がかかり、必要なタイミングですぐに手を打てなかった
・目次設定画面に「やりたいこと」を選べる吹き出しを追加して目的別に操作を案内
・パスワード初期化方法のガイドでは必要なステップの表示有無に応じた案内の出し分けを実装
・不具合発生時の案内や、操作説明会告知・アンケートも画面上で配信
・目次設定に関する問い合わせ件数が対前年同期比で9か月平均34%減、最大で月に73%減
・「テックタッチ」実装直後のオンライン操作説明会で、申込者数が約197%に増加
・開発を待たずにサポート部門の判断で画面上の案内を追加・更新できる体制へ移行
・画面上に設置したアンケートで300件超の回答を取得。紙で実施していたアンケートもオンライン化し、集計・分析の負担を軽減
導入前の課題
「どこにあるか」「どうやるか」の問い合わせが、電話に集中していた
宝印刷株式会社が提供する「WizLabo」は、有価証券報告書や招集通知などの法定開示書類の作成を支えるシステムです。当社は国内上場企業約3,800社のうち約2,000社と取引しており、WizLaboはその多くの顧客企業に導入されています。
「WizLabo」のお客様からの問い合わせ対応を担うサポート部門では、大きく二つの課題がありました。
一つは、お客様がシステム上で操作に迷ってしまうことです。開示書類の作成は工程が細かく分かれており、一連の操作フローが分かりにくい部分があります。そのため、「使いたい機能がどこにあるかわからない」「操作方法がわからない」という問い合わせが多く発生していました。
FAQやチャットボットも用意していましたが、操作画面とは別にあるため、FAQを確認すれば解決できる内容でも、電話やメールで問い合わせをいただくケースが少なくありませんでした。月平均約3,000件ある問い合わせの中でも電話が最も多く、リアルタイムでの対応が必要になるため、サポート部門の負担も大きくなっていました。
もう一つは、必要な情報をお客様に届ける方法です。お知らせはトップ画面から確認できるようにはなっていましたが、十分に気づいていただけないことがありました。またセミナー情報はメールで配信していましたが、システムを利用しているタイミングで目に入る、トップ画面で案内したいと考えていました。
一方で、こうした操作案内や告知のためにシステムへ新たな機能を追加するには、開発部門への依頼が必要です。開発工数がかかるため、必要だと感じてもすぐには実装できませんでした。そこで、コードを改修せずに自分たちの手で操作ガイドやお知らせを追加できる手段を探し、「テックタッチ」の導入を決定しました。
トライアルでは、それまで実装したくてもできずに断念していたことを中心に検証しました。特に決め手となったのは、画面上の表示内容や閲覧しているページ、企業・ユーザーなどの条件に応じて、「誰に、どの画面で、何を見せるか」を細かく設定できることです。
また、設定に迷ったときには、テックタッチの担当者に相談しながら進められました。実装したい内容を要件としてまとめた段階でレビューを受けたり、他社での活用事例を踏まえて「別の画面に表示した方が分かりやすい」といった提案を受けたりすることで、自分たちだけでは気づきにくい改善にもつなげられています。
活用方法と効果
定型の案内で済む問い合わせから着手、緊急の告知や集客にも用途が拡大
「テックタッチ」導入後、FAQを確認すれば解決できる内容や一律の案内で済む内容の問い合わせに対応する操作ガイドを優先して着手しました。
「やりたいこと」を選ぶと案内が始まる。2つの操作ガイドで問い合わせが減少
1つ目は「目次設定」に関する操作ガイドです。目次を更新する画面にボタンを設置し、表示される選択肢から「やりたいこと」を選ぶと、画面上で次に操作する箇所を順番に案内し、完了までナビゲートする仕組みにしました。操作画面上で一連の手順を完了まで案内できるため、お客様自身で操作を進めやすくなり、問い合わせの抑制につながっています。
導入後9か月間で、目次設定に関する問い合わせは、対前年同期比で平均34%減少。月単位では最大73%減少しました。

「やりたいこと」を選ぶと、画面上で操作を完了まで案内
パスワードの初期化の問い合わせも、頻繁に発生していました。
初期化のボタンは画面の右下にありますが、ブラウザの表示倍率によっては画面内に表示されず、「ボタンが見つからない」という問い合わせにつながっていました。そこで、ブラウザの画面幅に応じて操作ガイドの表示条件を分けました。ボタンが見えていない場合は表示倍率を変える方法を、見えている場合はそのまま手続きを進める方法を案内しています。
公開してから5か月間で、パスワード初期化に関する問い合わせは、平均21%減少し、月間最大で32%減となりました。

ブラウザの画面幅に応じて、表示倍率の変更方法と手続きの進め方を出し分け
説明会の集客と、緊急のお知らせを画面上へ
「テックタッチ」の活用は、問い合わせ削減だけにとどまりません。
オンライン操作説明会の集客にも「テックタッチ」を活用しています。従来は営業担当がお客様へ個別にご案内していましたが、システム画面上にお知らせを表示することで、利用中のお客様にすぐに気づいていただけるようにしました。その結果、申込者数が従来の約2倍となった回もありました。
また、システムの一時的な不具合が発生した場合など、急いで情報を届けなければならない際にも、画面上にお知らせを表示させるようにしました。対応方法や、復旧見込みをすぐに表示することで、お客様が混乱したり、成果物に影響が出たりすることを防いでいます。
従来であれば、開発部門に依頼して画面にお知らせを表示してもらう必要があり、実装までに時間がかかっていました。それが短期間で対応できるようになったことは、大きな変化だと感じています。
また営業部門の負担軽減にもつながっています。お客様の状況を一番近くで見ているサポート部門自身が、状況に応じてすばやく改善できるようになったことが、導入による最も大きな変化です。
アンケートも画面上へ。300件を超える声を収集
「テックタッチ」は、お客様の声を集める場面にも活用しています。
全ユーザーを対象としたシステムの利用状況に関するアンケートでは、ログイン直後の画面にバナーを表示。300件を超える回答が集まりました。
また、来社セミナーのアンケートも、従来の紙での運用から画面上での回答へ変更しました。対象となる企業のユーザーだけに表示するよう設定することで、印刷や回収の手間がなくなり、集計・分析の負担も軽減しています。
今後の展望
「困ったときに助ける」から、「より使いこなしてもらう」ための案内へ
「WizLabo」は4か月ごとを目安にバージョンアップを行っており、新しい機能も継続的に追加されています。一方で、便利な機能でも十分に使われていないケースもあります。
今後は、操作につまずいたときのサポートだけでなく、新機能のリリース時や、その機能を必要とするタイミングで画面上から案内することで、より多くのお客様に「WizLabo」を使いこなしてもらえる状態を目指します。
また、初心者向けのチュートリアルの充実にも取り組みたいと考えています。現在は、バージョンアップに合わせてどこに操作ガイドや画面上の案内を置くかを部署内で話し合いながら追加していますが、今後は操作ガイドに沿ってボタンを押していけば一連の使い方を自然に身につけられるような、利用開始時の入口を作っていきます。
あわせて、分析にも力を入れていきます。操作ガイドの利用状況や、設置後にお客様の行動がどう変化したのかを分析し、次の改善を判断する進め方に変えていきたいと考えています。アンケートも引き続き活用し、数値だけでは見えないお客様の声をうかがっていきます。
開発を待たずに画面へ手を入れられること。そして、お客様の声を直接うかがえること。人に聞いて確かめたいというお客様の意向もあるなかで、画面上の案内で安心して使っていただける状態に近づけていく。この二つを支える基盤として「テックタッチ」を位置づけ、「WizLabo」の利便性向上に取り組んでいきます。