AIで業務自動化を実現する方法|削減時間で見る導入事例とツールの選び方

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人手不足が深刻さを増すなか、多くの企業で社内システム向けAIツールや生成AIによる業務自動化への取り組みが加速しています。一方で、いざ着手しようとすると「どこから手を付ければ良いのかわからない」と立ち止まってしまう担当者も多いのではないでしょうか。

こうした迷いは、AIによる業務自動化の全体像と、適切な進め方を押さえることで解消できます。対象となる業務の見きわめからツールの選定までを、筋道を立てて進めることが肝心です。

本記事では、AIとRPAとの違いといった基礎知識から、自動化できる業務例、実際の導入事例、失敗を避ける5つのステップ、人とAIの役割分担、ツールの選び方までを一通り解説します。

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目次

AIによる業務自動化とは?RPAとの違い

AIによる業務自動化とは?RPAとの違い

AIによる業務自動化とは、AIが持つ認識や分類、予測といった力を活かし、これまで人が判断していた工程まで含めて自動化する取り組みを指します。単に決まった作業を機械に置き換えるだけでなく、一定の条件に基づく判断を担う点が特徴です。

AIによる業務自動化とよく混同されるのがRPAですが、両者は担う役割が異なります。まずは両者の違いと、いま自動化が注目を集めている背景から見ていきましょう。

RPAとの違い|「手」と「脳」の役割分担

RPAは、あらかじめ決められたルールにしたがって、定型業務を正確に繰り返す「手」にあたります。同じ作業を淡々とこなすことは得意ですが、あらかじめ設定されていない状況には対応できません。

一方のAIは、データから学習し、判断や予測を行う「脳」の役割を担います。文章や書式の異なる帳票などの非定型データを扱う業務にも対応が可能です。

両者はそれぞれ単独でも使えますが、組み合わせると力を発揮します。例えば、発行元によってレイアウトや項目の位置が異なる帳票をAI-OCRで読み取り、その内容をRPAがシステムへ入力するといった連携により、自動化できる範囲が一段と広がります。

なぜ必要とされる?|人手不足と生成AIの進化

業務自動化が求められる背景には、深刻な人手不足があります。

正社員の人手不足を感じる企業の割合は2026年4月時点で50.6%と、高い水準が続いています。人手不足を理由とする倒産も2025年度に441件発生し、3年連続で過去最多を更新しました。働き手の確保が難しくなるなか、限られた人数で成果を出す仕組みが欠かせません。

このような状況で注目を集めているのが、生成AIの進化です。文章の作成やデータ分析など、判断をともなう業務まで自動化できるようになり、人手不足を和らげる一つの手立てとして注目を集めています。

参照元:人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)|株式会社 帝国データバンク

AIで自動化できる業務例8選

AIで自動化できる業務例8選

AIによる自動化は、定型的な入力作業から判断をともなう分析業務まで、幅広い領域へ広がっています。ここでは、代表的な8つの業務例を取り上げ、それぞれどのようにAIを活用できるのかを具体的に見ていきます。

文書作成・議事録の要約

AIツールを使えば、会議音声の文字起こしから要約、整形までを自動でこなせます。従来は数時間を費やしていた議事録の作成が、AIによる処理と人による確認を合わせても、10分から20分ほどにまで縮まる場合もあるでしょう。会議後の作業負担を大幅に軽減できます。

また、メールの文面や報告書、提案書などのドラフトやたたき台の作成にも活用可能です。ゼロから書き起こす負担が減れば、担当者は内容を練り上げる作業に力を注げます。

データ分析・レポート作成

AIは販売データや顧客データを解析し、傾向を読み取ったり、今後の動向を予測したりできます。膨大なデータのなかから要点を抽出できるほか、分析結果をレポートとして自動でまとめることも可能です。集計から分析、レポート作成までの一連の作業を効率化できるため、担当者の工数を大きく短縮できるでしょう。

このような仕組みを取り入れれば、正確で鮮度の高い情報を迅速に把握でき、管理職や経営層の意思決定を支援できます。判断のよりどころがはっきりすれば、社内での合意も得やすくなり、勘や経験に頼った判断からデータに基づく経営へと移行できます。

問い合わせ対応・チャットボット

AIチャットボットは、顧客や社内から寄せられる問い合わせに24時間365日対応できます。営業時間外であっても、その場で応答を返せる点が強みです。過去のやり取りの履歴や社内マニュアル、FAQを参照し、問い合わせ内容に応じた自然な受け答えを返すことも可能です。

人が対応する場合は担当者によって差が出がちですが、AIチャットボットを活用することで対応品質のばらつきを抑えやすくなります。また、よくある質問への応答をAIに任せることで、担当者は込み入った相談への対応に集中しやすくなります。

請求書・帳票処理(AI-OCR)

AI-OCRは、書式の異なる帳票であっても、項目を柔軟に読み取れます。読み取ったデータをRPAが会計システムへ自動で入力するといった連携も組めるでしょう。

この流れをつくれば、手入力そのものが大幅に減り、入力ミスを減らせます。さらに、帳票ごとの処理方法を標準化しやすくなるため、特定の担当者に業務が集中する属人化も軽減できます。書式がまちまちな請求書を大量に扱う現場ほど、その恩恵を感じやすいはずです。

経費精算・勤怠などバックオフィス

AIを活用して領収書を読み取り、経費精算システムへ自動で入力するといった使い方が可能です。申請書やアンケートなど、手書きの書類をテキストデータ化する作業にも対応できます。

バックオフィスには、内容を突き合わせて確認する定型的な作業が数多くありますが、こうした業務をAIに任せることで、月末に業務が集中する状況を和らげられるでしょう。

営業支援・リード管理

AI機能を搭載、または外部連携できるSFAやCRMでは、案件の情報を自動で要約し、状況の把握にかかる時間を縮める使い方も可能です。例えば、名刺をスキャンするだけで顧客情報をデータ化し、CRMと連携させられます。入力の手間を減らしながら、情報を漏れなく蓄積できるでしょう。

さらに、商談履歴の整理や次に取るべきアクションの提案まで支援してくれるため、営業活動を効率よく進められます。

需要予測・在庫最適化

AIは、販売実績や気象情報、販促施策などのデータから需要を予測し、発注数を自動で算出できます。過去の傾向を読み解いたうえで先を見通すため、欠品と過剰在庫をともに抑えることが可能です。

また、AIが過去の発注データや通常の発注傾向と照らし合わせてチェックすることで、人による誤発注や発注漏れなどを検知することも可能です。発注数の判断や発注内容の確認にかかる手間を減らし、発注・在庫管理業務を効率化できます。

飲食業や食品を扱う小売業であれば、食品ロスの低減などの効果も期待できるでしょう。

コード生成・開発支援

AIはソフトウェア開発の現場において、コードの補完や生成、テストの作成、リファクタリングを支援するために使われています。経験の浅い開発者であっても、AIの支援を受けることで一定の水準のコードを書きやすくなるため、チーム全体の生産性を底上げできます。

ただし、生成されたコードには脆弱性や誤りが含まれる場合があるため、人によるレビューが欠かせません。AIが下書きを用意し、人が最終的に確認・判断する役割分担が、開発の速度と品質を両立させる現実的な進め方の一つです。

AIによる業務自動化の導入事例3選

ここからは、既存のシステムを活かしながら業務自動化を実現した3社の取り組みを紹介します。

野村不動産ホールディングス|経費精算をAIで効率化

野村不動産ホールディングスでは、既存の経費精算システムを改修することなく、業務画面上に生成AIをあとから追加する形で導入しました。導入したのは、領収書をAI-OCRが解析し、適格請求書発行事業者の登録番号の有無や、複数税率の経費を明細化する必要があるかをその場で判定するソリューションです。

AIの導入により、年間およそ17万件の領収書あり申請における申請ミスを未然に防ぎ、年間約4,000時間の業務時間削減を見込んでいます。慣れた操作や業務フローを変えることなく、既存システムにAIを組み込むことで、手作業の確認に追われていた現場の負担を大きく削減できた好例です。

野村不動産ホールディングス株式会社の導入事例を見る

オープンハウス・アーキテクト|既存画面へAIをあと付け

オープンハウス・アーキテクトでは、AIが原価情報を読み取り、予算を超過している項目や収支の見通しを自動で要約する仕組みを取り入れました。

システムの既存画面にAIをあと付けする形で導入し、見積依頼文の作成を支援する仕組みは、わずか30分ほどで実装されています。申請の際はAIがチェックし、不備があれば直すべき点をポップアップで具体的に示すことで、差し戻しを未然に防げます。

申請者が自分で不備に気付いて修正できる流れをつくったことで、確認や修正のやり取りにかかるコミュニケーションのコストを削減しました。

株式会社オープンハウス・アーキテクトの導入事例を見る

豊田通商|段階的なAI活用で経費精算をさらに効率化

豊田通商は、出張・立替金の精算業務にAIエージェント「テックタッチ AI Hub」を導入しています。既存の精算システムを改修せず、業務画面上にAIエージェントをあと付けする形で実装しました。

領収書OCRを備えたAIエージェントが、日付や宛名、税率に加えて、自社ならではの明細化ルールまで自動でチェックし、最終確認は人が担う「Human in the Loop」の仕組みを構築しています。申請前にAIが社内ルール違反や転記ミスを指摘し、差し戻しを未然に減らすことで、年間およそ73,000回におよぶ経費精算プロセスの効率化を見込んでいます。

豊田通商株式会社の導入事例を見る

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AIで業務自動化を進めるための5つの導入ステップ

AIによる業務自動化をスムーズに進めるには、順序立てて取り組むことが重要です。ここでは、対象業務の選定から全社への展開までを、5つのステップに分けて解説します。

ステップ1:業務の棚卸しと自動化対象の選定

まずは全社の業務プロセスを棚卸しし、AI活用の効果が大きい業務を見つけ出しましょう。例えば、繰り返しの多い定型業務や、テキスト処理が中心の業務は、着手しやすい業務といえます。

そのうえで、出力を人がレビューでき、誤りが生じても影響が限られる業務から選ぶと安心です。いきなり基幹の業務に手を出すのではなく、影響の小さいところから試すことで、失敗のリスクを抑えられます。

ステップ2:目的とKPIの明確化

次に、「どの業務の、何を、どれだけ改善するのか」を具体的に検討します。併せて定量的なKPIを定めますが、その際は業務時間の削減だけに目を向けないことが大切です。業務品質やAIの運用コストも指標に組み込むと、施策の効果を総合的にとらえられるでしょう。

KPIを設ける際には、AI導入前の数値をあらかじめ測り、基準値としておく必要があります。導入前の数値を押さえておくことで、あとから成果をきちんと検証できます。

ステップ3:スモールスタートでPoC・効果検証

いきなり全社に広げるのではなく、1部門、1業務に絞った小規模なPoCで効果を確かめます。期間は4~8週間ほどを一つの目安とし、KPIの達成度を見て本格運用するかどうかを判断しましょう。期間を短く区切ることで、うまくいかなかった場合でも軌道修正しやすくなります。

この段階では、効果を示すKPIの数値、運用ルール案、実際の業務手順という3点を成果物としてそろえておくとよいでしょう。これらはほかの部門や業務に横展開する際の参考になります。

ステップ4:社内ルール・運用体制の整備

全社展開に踏み出す前に、「生成AI利用ガイドライン」を定めて周知します。具体的には、次のような点を決めておくとよいでしょう。

  • 入力してはいけない機密情報の範囲
  • AIの出力を確認、利用するルール
  • ガイドラインの策定・運用を担う部門と、関係部署の役割分担

主担当には情報システム部門やDX推進部門を据え、現場や法務、セキュリティと連携する横断的な体制を整えます。ルール作りと体制構築の両面から土台を固めることで、全社展開後の混乱を抑えられます。

ステップ5:本格導入と全社への横展開

PoCで得られた成功パターンを整理したうえで、ほかの部門へ段階的に横展開していくと、一気に全社展開するよりもAI導入時の失敗を避けやすくなります。

ここでの横展開とは、単にAIツールを配ることではありません。業務を選ぶ基準、評価の方法、運用ルールを整理し、ほかの部門にも共有・展開することを指しています。仕組みごと展開することで、別の部門でも同様の成果を期待できます。

成功事例を社内で共有すれば、次の展開に向けて社内の理解を得やすくなるでしょう。現場の協力を得ながら実績を積み重ねることで、全社への浸透が進みやすくなります。

AIに任せられるのは「実行」まで|最終判断は人が担う

AIは作業の実行や判断の支援を担えますが、最終的な判断や責任までを肩代わりできるわけではありません。この線引きをあいまいにしたまま自動化を進めると、予期せぬ問題が生じるおそれがあります。

ここからは、AIによる業務自動化を進める際に気を付けたい点を解説します。

AIに任せられるのは「実行」まで|最終判断は人が担う

AIが担う「実行」と人が担う「判断」

生成AIは、データの入力や要約、分類、提案の生成といった処理を高速にこなせます。人が時間をかけていた作業を、短時間で処理できる点が強みです。

ただし、生成AIは、学習データから得た統計的な傾向をもとに、文脈に続く言葉を確率的に選ぶことで「もっともらしい答え」を返す仕組みになっています。つまり、正確さが保証されているわけではありません。

AIが判断を下したとしても、その結果に最終的な責任を負うのはAIを利用する組織や人です。だからこそ、重要な判断は人が下す設計にしておく必要があります。

Human in the Loopで誤りを防ぐ

Human in the Loopとは、AIの処理フローに人が介在し、出力の正確性や安全性を高める仕組みのことです。

前述のとおり、生成AIは内容の正誤を判断できず、もっともらしい誤答を生み出すことがあります。この現象はハルシネーションと呼ばれ、見た目には正しそうに映るため注意が必要です。

そのため、出力を人が精査し、承認するプロセスがあってこそ、AIを用いた業務の信頼性を高め、判断の責任者を明確にできます。人による確認は、AIの誤りが次の工程へ影響をおよぼす前に食い止める最後の砦だと考えるとよいでしょう。業務自動化を進めるほど、どの段階で人が確認・判断するかを明確にする姿勢が重要です。

業務自動化AIツールの選び方の基準

業務自動化AIツールの選び方の基準

AIツールは種類が多く、機能の豊富さだけで選ぶと失敗しやすいものです。ここでは、ツールを比べる際に押さえておきたい4つの基準を紹介します。

自動化したい業務に合うタイプか

まず「どの業務を自動化したいのか」をはっきりさせ、それに向いたタイプを選ぶことが必要です。汎用の生成AI、特定の業務に特化したAI搭載のSaaS、AIエージェントなど、製品ごとに得意な領域は異なります。

何でもこなせる万能のツールはないため、OCRの精度やワークフローへの対応可否など、業務ごとの要件を基準にして比べることが重要です。自動化の対象と製品の得意分野が噛み合っているかを、最初に確かめておきましょう。

既存システムと連携・あと付けできるか

既存のシステムと連携できるかどうかは、見過ごせない判断軸の一つです。連携が不十分だと、AIの出力内容を人が手作業で転記する手間が生じ、せっかくの効率化が損なわれます。SFAやCRM、チャットツールとのAPI連携や、プラグインの対応状況を確かめておきましょう。

製品によっては、既存システムの改修やAPIを必要とせず、既存の画面にあと付けする形で導入できるものもあります。こうした製品は、既存システムの改修にかかる時間や開発コストを抑えて自動化を始めたい場合に向いています。

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現場に定着する使いやすさか

導入したツールが現場に根づくかどうかは、使いやすさにかかっています。現場の担当者が直感的に扱えるUIか、デモやトライアルなどを通じて確かめておきましょう。

また、業務に合わせたカスタマイズが必要になる場面が多いため、導入後もプロンプトやルールを調整しやすい製品を選んでおくと、業務の実態や現場の要望に合わせて運用できます。特にノーコードで管理できるツールを選んでおくと、非エンジニアの担当者でも柔軟に設定を変更しやすくなります。

そのほか、顧客対応や営業、広報など、自然な日本語や適切な敬語が求められる業務では、日本語に強いツールかどうかも選定ポイントになるでしょう。

セキュリティ・サポート体制は十分か

機密情報を扱う場面では、セキュリティとサポートの体制も見落とせません。特に、入力したデータがAIの学習に使われない設定や契約になっているかを、利用規約などで確認しておきましょう。機密性の高い情報を扱うなら、SOC 2レポートの有無やISO/IEC 27001認証の取得状況、オンプレミス版の有無まで確かめておくと安心です。

加えて、導入支援や運用初期の伴走体制がどれだけ充実しているかも、比較のポイントになります。

AIによる業務自動化の実現なら「テックタッチ AI Hub」

「テックタッチ AI Hub」を使えば、既存システムの改修やAPI連携を必要とせず、経費精算や勤怠申請、見積申請といった複数の業務システムにAIエージェントをあと付けできます。

例えば、領収書をアップロードするだけでAI-OCRが日付や金額を読み取り、自動で入力するなど、業務ごとに自社ルールを組み込んで運用することが可能です。大手企業のシステム運用で培った知見をもとに、各業務領域の専門家が支援し、自社のルールやフローに合わせてカスタマイズします。

「テックタッチ AI Hub」は、イレギュラーなケースでは人が介在することを前提としたシステムです。「テックタッチ AI Hub」の活用により、様々な場面で業務自動化を進められます。

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AIによる業務自動化で生産性を高めよう

AIによる業務自動化は、人手不足の緩和と生産性の向上を同時に実現する有力な手段です。RPAだけでは難しかった判断をともなう業務にまで活用でき、文書の作成から需要予測に至るまで、幅広い領域で利用が進んでいます。

AIの導入にあたっては、既存システムを活かせるツールを選び、対象を絞って小さく始めることが、着実に前へ進むコツになります。自社にとって最初の一歩をどこに置くか、身近な業務から見定めてみてはいかがでしょうか。

「テックタッチ AI Hub」なら、既存システムを改修することなくAI機能をあと付けできるため、導入にともなうコストやリスクを抑えながら、現場の協力も得やすい形で業務自動化を始められます。

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