社内からの問い合わせが増加すると、業務の効率が低下し、担当者にかかる負担が大きくなります。特に、繰り返し発生する質問や問題に対して、迅速に対応できない場合、社内全体の生産性の低下にもつながります。生産性を下げずに問題を解決できる環境づくりを検討し、社内問い合わせを削減するフローの構築が重要です。
本記事では、問い合わせを減らすために有効な4つのポイントや、それらによって得られるメリットについても解説します。また、記事の後半では社内問い合わせ業務を効率化できる「テックタッチ」についても紹介します。
社内問い合わせ業務とは?
社内問い合わせ業務とは、社員や部署間で発生する各種の質問や要望に対応する業務全般を指します。
以下の業務が社内問い合わせ業務に該当します。
社内問い合わせ業務の一般的な内容 |
・IT部門へのシステムトラブルの報告 ・総務部門への社内ルールや手続きの確認 ・経理部門への経費精算に関する質問 など |
上記のように、あらゆる部門に対して日々多くの問い合わせが発生します。社内問い合わせに対応する担当者は、通常の業務に加えて、迅速かつ適切な回答を提供しなければならず、対応が遅れると業務全体の進行にも支障をきたします。特に大企業や従業員数が多い組織では、問い合わせの件数が膨大になり、個別対応にかかる負担が大きくなりがちです。また、近年ではDX化の推進により、社内システムの利用方法・トラブルなどに関する問い合わせ業務も増加しています。さらに、同じような質問が何度も繰り返される場合、担当者の時間とリソースが無駄に消費されるのも問題点の一つです。
生産性を上げるためには、社内問い合わせ業務を効率化し、業務のスムーズな進行をサポートする仕組みを整えられる環境の整備が大切です。
社内問い合わせ業務で抱える課題
社内問い合わせ業務が抱える課題は以下の5点です。ここでは、下記の課題について解説します。
対応が属人化してしまう
社内問い合わせ業務における大きな課題の一つが、対応が属人化してしまう点です。特定の社員や担当者に問い合わせ業務が集中すると、その人に依存する形になり、業務の円滑な進行に支障が出る場合があります。
一部の人材に問い合わせ業務が集中する例は以下の通りです。
一部の人材に問い合わせ業務が集中する例 |
・IT部門の特定のエンジニアがシステムトラブルに精通しているために、その人にだけ対応が任されてしまう ・経理の特定の社員が精算手続きの知識を独占している ・有資格者が社内に一人しかいないために、その社員に業務が集中する など |
上記のような属人化は、担当者が不在の場合に問い合わせ対応が滞るリスクを生みます。また、業務負担が特定の人に集中するため、ストレスや過労につながる可能性もあります。さらに、担当者が異動や退職した場合、次の担当者に十分な引き継ぎが行われず、業務が停滞するリスクも増加するため、早急に解決すべき問題です。
社内問い合わせの対応が間に合っていない
社内問い合わせ業務では、日々膨大な数の問い合わせが寄せられるため、限られたリソースでそれら全てに対応するのは困難です。特に、同じ内容の問い合わせが繰り返し発生する場合、個別対応に多くの工数時間を割かれる事態となり、担当者が他の重要な業務に手が回らなくなるおそれがあるでしょう。問い合わせ業務に忙殺される状況が続くと、社員の不満が募り、社内のコミュニケーションにも悪影響を及ぼします。
また、問い合わせの対応が遅れると、業務全体の進行にも影響が出るため、全社的な効率の低下にもつながります。
マニュアルに問題がある
社内問い合わせ業務の課題として、マニュアルに問題があるケースも多く見られます。企業が業務の効率化を図るためにマニュアルを整備していたとしても、以下の問題があると適切に活用されづらくなります。
マニュアルの問題 |
・内容が古い・しばらく更新されていない ・業務にあたる人材にとって分かりにくい表現が目立つ ・必要な情報が不足している など |
例えば、新しく導入したITシステムに関するマニュアルが煩雑で、かつ最新の内容に更新されていない場合、社員が自力で解決できず問い合わせをせざるを得ない局面に陥ります。マニュアルに問題があると、問い合わせ業務が増加してしまう一因となります。
ただ、反対にマニュアルが詳細に書かれすぎている場合も問題です。なぜなら理由として、多すぎる情報や専門的な言葉が並んでいると、かえって利用者が混乱し、時間がかかってしまうからです。マニュアルは必要な情報を過不足なく盛り込み、平易な文章・データを用いて作成するようにしましょう。
資料の場所がわかりづらく時間がかかる
必要な資料の場所がわかりづらく時間がかかる状態も、社内問い合わせ業務にリソースが割かれる要因の一つです。企業内に保管されているさまざまな手続きや業務に関する資料やマニュアルが一元管理されていない場合、社員がどこに必要な情報があるのかを探すのに時間を浪費してしまいます。特に、複数のシステムやフォルダに分散して保管されている場合、社員はそれぞれの場所を確認しなければならず、問い合わせが増える原因となります。
必要な資料が自力で見つけられない状況では、資料を探すための手間がかかり、業務効率が低下するだけでなく、社員が迅速に業務を進めるのが難しくなるでしょう。
社員がシステムを使いこなせていない
新しいシステムやツールが導入されても、その操作方法や機能の使い方に習熟していないと、基本的な質問や問題が頻発し、問い合わせが増加します。特に、複雑な業務システムやソフトウェアの場合、操作に慣れるまでに時間がかかり、効率的に業務を進められない社員が多くなるケースがあります。また、導入時に十分な研修が行われない場合や、日常業務が忙しくてトレーニングに時間を割けない場合、社員がシステムを適切に活用できない状況を招きかねません。
社員がシステムを円滑に活用できない状態が慢性化すると、システムに関する基本的な問い合わせがIT部門や管理部門に集中し、対応・業務が遅延する原因となります。
≫≫ システム導入を成功に導くプロセスとは?押さえておきたいポイントを紹介
システムの問い合わせを削減する最新の手法とは?
社内からのシステムに関する問い合わせを削減し、全社的に生産効率を上げるためには、効果的なツールを導入するのがおすすめです。
システムに関する問い合わせを削減できるツールが「テックタッチ」です。今回、テックタッチを用いてシステムに関する問い合わせを削減できる最新の手法を解説した資料をご用意しました。資料は無料でダウンロードできますので、ご興味のある方はぜひ下記のリンクよりダウンロードしてみてください。
社内問い合わせ削減するメリット
社内問い合わせ業務を削減できれば、以下のメリットが得られます。ここでは、下記のメリットについて解説します。
コスト削減に貢献する
社内問い合わせ業務には、人件費やリソースが多く費やされており、特に頻繁に発生する同じ内容の質問やトラブル対応に、多くの時間と労力がかかります。例えば、IT部門がシステムトラブルに対応するたびに、他の業務が停滞し、生産性が低下するでしょう。さらに、問い合わせ対応に多くの時間を割くと、業務全体の効率も悪化し、企業全体のコストが増加してしまう点も問題です。そして、問い合わせ業務がコア業務化コア化してしまっている部署・人材にとっては、問い合わせ業務が終わらないと残業をしなければならなくなり、人件費が余分にかかってしまいます。
社内問い合わせ業務を削減できれば、人件費・リソースを節約でき、その分をほかの業務に回したり新たな事業への投資などに転用したりできるメリットが得られます。
コア業務に注力できる
社内問い合わせ業務が多いと、担当者はその対応に多くの時間と労力を割かなければなりません。社内問い合わせ業務にリソースを割かれてしまう部署・人材は、本来取り組むべきコア業務に集中できず、業務効率が低下する可能性があります。問い合わせを削減できれば、社員は自分の専門分野や主要なプロジェクトにより多くの時間を費やせます。特に、営業や開発、マーケティングなど直接的に企業の成長に寄与する部門では、その効果は鮮明に現れるでしょう。
また、問い合わせ対応の負担が減らせられれば、ストレスも軽減され、社員のモチベーション向上にもつながります。さらに、コア業務に注力できる環境が整うと、新たなイノベーションの創出やビジネスチャンスの発見も期待できます。
社内問い合わせの削減は、企業の持続的な成長と発展にとって重要な要素といえるでしょう。
トラブルを回避できる
社内問い合わせを削減できれば、トラブルの回避にも大きく貢献できます。問い合わせが頻繁に発生する場合、その多くが社員が業務上で直面している問題や疑問に関するものです。業務上の疑問が速やかに解決されない場合、業務の停滞やミス、システムの誤操作など、さらなるトラブルが引き起こされるリスクがあります。
また、本来その部署・担当者が取り組んでいた業務が後回しになれば、なかなか業務が終わらず溜まっていく一方になり、余計に負担が大きくなる点も見過ごせません。問い合わせ業務を削減できれば、対応に追われる部署・人材の負担も軽減され、ミスや業務の遅滞が発生しにくくなります。
問題が大きくなる前に解決でき、トラブルを回避できる環境が整う点も、社内問い合わせ業務を削減するメリットの一つです。
社内問い合わせ対応を削減する4つのポイント
社内問い合わせ業務を削減するためには、以下の4つのポイントを意識しましょう。ここでは、下記のポイントについて解説します。
1. 問い合わせのルールを決める
社内問い合わせ対応の効率化に向けて、まず問い合わせに関する明確なルールを定めましょう。ルールが明確でなければ、誤って担当ではない部署に問い合わせが送られてしまったり、情報が正しく伝わらず、無駄な時間とコストが発生したりする原因になります。
また、問い合わせを行う前に、自己解決を試みる振る舞いを推奨するルールを設けるのも有効です。例えば、FAQやナレッジベースを確認し、それでも解決できない場合のみ問い合わせを行うというルールを明確にすれば、問い合わせ数を大幅に減らせるでしょう。
ルールが明確である環境を整備できれば、社員は自ら問題を解決する習慣が身につき、各部署が効率的に業務を進められるようになります。
2. 問い合わせ内容の管理を徹底する
社内問い合わせ対応を効率化し、削減するためには、問い合わせ内容の管理を徹底することが不可欠です。適切な管理を行わないと、同じ内容の問い合わせが何度も繰り返されたり、対応が遅れる原因になります。特に、大量の問い合わせが発生する場合、一件ごとの問い合わせ内容や対応状況をしっかりと記録し、追跡できる仕組みがないと、業務が混乱しやすくなります。
過去にどのような対応を行ったのかをすぐに参照し、重複した対応を避けるためには、以下の方法がおすすめです。
重複の内容を防ぐ方法 |
・問い合わせ内容を一元的に管理できるシステムを導入する ・問い合わせの履歴を活用してFAQやナレッジベースを強化する など |
上記の方法を実践し、問い合わせ内容の管理を徹底できれば、削減につながるでしょう。
3. マニュアルを利用する
社内問い合わせ対応を削減するためには、マニュアルの活用も効果的です。マニュアルを作成しておけば、知識・ノウハウの属人化を防ぎ、誰でも同じ情報にアクセスできる環境を整えられます。特に、日常的に発生する定型的な質問や手続きに関する内容問題は、マニュアルにまとめておくと、社員が自力で解決できるようになり、問い合わせ数を削減できます。
ただし、マニュアルの作成には相応の工数がかかり、作成に時間を割きすぎては本末転倒です。効率的にマニュアルを作成するためには、ツールの導入を検討するのも一つの方法です。
≫≫ マニュアル作成のメリットと課題、運用時のポイントを解説
≫≫ マニュアル作成ツールとは?種類や機能、選び方のポイントを解説
4. チャットボットや社内FAQの導入
チャットボットや社内FAQの導入も問い合わせ数削減に効果的な手段です。チャットボットや社内FAQは、よくある質問や定型的な問い合わせに対して、自動的に回答を24時間提供できるため、問い合わせ数が減少し担当者が対応に追われる割合が減少します。
また、過去の問い合わせ履歴やよくある質問を整理し、ナレッジベースとして提供すれば、社員が必要な情報を自力で見つけやすくなる点もメリットとして挙げられます。さらに、チャットボットとFAQを組み合わせて、チャットボットが社員の質問を適切なFAQページに誘導する仕組みも構築可能です。
チャットボットとFAQを効果的に利用できれば、問い合わせの対応がさらに効率化され、業務全体の生産性向上にもつながるでしょう。
≫≫ FAQシステムとは?導入のメリットや機能・価格帯から選び方まで解説!
≫≫ 社内向けチャットボットおすすめ9選!FAQとの違いや失敗しない選び方を解説!
5. 業務効率化のためにツールの利用を促進する
多くの企業では、ITツールや自動化ソリューションを導入しているものの、社員がこれらのツールを十分に活用できていないケースが多々あります。ツールを活用できないのが原因で、基本的な操作や機能に関する問い合わせが増え、担当者の負担が大きくなります。ツール利用の促進には、導入時のトレーニングや、社員に対する継続的なサポートが必要です。
また、ツール自体が直感的に操作できるものであればより効果的です。例えば、タスク管理ツールやチャットツールを活用できれば、チーム間のコミュニケーションが円滑になり、プロジェクトの進行状況の可視化が実現できます。さらに、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やワークフロー自動化ツールを利用すれば、反復的な業務を自動化し、問い合わせ対応の時間を大幅に削減できます。
これにより、社員は本来のコア業務に注力でき、企業全体の生産性が向上します。
≫≫ 社内問い合わせ対応に有効なシステム3選!負担軽減のための対応策とともに紹介
≫≫ 社内問い合わせ業務を効率化させる3つの方法とは? 実施手順やおすすめのシステムも紹介
デジタルガイドでツール利用を快適にするテックタッチ
問い合わせ数の削減に役立つツールが、直感的に操作できる「テックタッチ」です。テックタッチは、「デジタルガイド」と呼ばれる機能で導入済みのツールを最大限利用するためのガイドを画面上に表示できます。デジタルガイドにより、社員がツールを利用する際に疑問・不明な点があったとしても、ガイドに沿って操作できるため、問い合わせ数の削減に役立ちます。
テックタッチへのお問い合わせ・資料請求は以下のリンクから↓
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社内問い合わせ業務の効率化ツールを導入した成功事例2選
ここでは、テックタッチを導入し、問い合わせ業務の削減・効率化に成功した事例を2選紹介します。(敬称略)
積水化学工業株式会社
積水化学工業株式会社は、プラスチック製品のパイオニアとして1947年に創業した日本を代表する企業の一つです。グループ内では、経費精算システムの「SAP Concur」を活用しています。
しかし、そのなかで経理管理部門宛にシステム活用に関する問い合わせが大量に寄せられ、主要業務に集中できない問題が発生していました。問い合わせ業務の削減のために導入されたのが「テックタッチ」です。テックタッチでは、以前からSAP Concur用のサクセステンプレートの用意があったのも功を奏し、短納期の中で新UIに対応できました。
そして、テックタッチの導入で以下の成果を出せました。
テックタッチ導入の成果 |
・SAP Concurの操作時間が、1ヶ月あたり約600時間短縮 ・ユーザーの60%が操作時間の減少 ・差し戻し率を約20%削減 ・問い合わせ率を10%削減 |
テックタッチの導入により、社員の利用時のストレス緩和も実現でき、問い合わせ業務の効率化に寄与できました。
株式会社オカムラ
株式会社オカムラは、オフィス家具や産業用機器などの製造・販売をおもな業務とし、さまざまな空間づくりをトータルにサポートする企業です。株式会社オカムラでは、生産性の向上・コストダウン・ガバナンス強化を目的に「SAP Concur」を導入しました。しかし、利用上のルールが浸透せず、作成したマニュアルも複雑だったため、ユーザーからの問い合わせが業務担当者に集中し、生産性・効率性の低下が問題視されました問題となりました。「必要なときに必要な情報が閲覧できるデジタルツールが必要だ」と考えた株式会社オカムラが導入を決めたのがテックタッチです。
テックタッチの導入によってツールチップを実装でき、社員に今まで浸透しなかったツールをストレスなく利用できる環境が整った結果、以下の成果を得られました。
テックタッチ導入の成果 |
・ユーザーの77%がデジタルガイドが「役に立った」と実感 ・91%が「マニュアルの代わりとなる、デジタルガイドの導入」に期待 ・ルールを聞いたり調べたりする手間がなくなり、ユーザーのシステムの操作ストレスが軽減 |
「SAP Concur」への導入により、ほかのシステムへの展開にもユーザーの86%が要望する状況となった点も、テックタッチの有用性を証明する成果の一つといえます。
まとめ:テックタッチを導入して社内システムの問い合わせを効率化
社内問い合わせ業務の削減を実現できればさまざまなメリットを得られますが、削減にはいくつかの解決すべき課題があります。その課題の解決に役立つのが「テックタッチ」です。
テックタッチなら、デジタルガイドによってシステムを最大限に利用できるようになるため、問い合わせ削減に確かな成果を挙げられます。
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