こんにちは!
従業員向けシステム定着を実現、システム価値を最大化する「テックタッチ」ライターチームです。
多くの業界で人材不足が慢性化しているなか、企業が継続的に成長を続けるためには、さまざまな施策が求められます。
特に業務効率化や属人化の解消は重要で、特定の社員しか使い方がわからないようなシステムをなくし、だれもが効率的に業務を進められる環境づくりが欠かせません。
業務効率化や生産性向上の実現に寄与するのがITシステムやツールですが、そこでポイントとなるのは使い方に関するマニュアル作成です。
今回は、ITシステムやツールを使いこなすためのマニュアル作成のメリットを説明したうえで、作成手順や課題、効果的な運用のポイントをお伝えします。
マニュアルの役割
マニュアルとは、業務でシステムやツールを使用する際に、ミスやトラブルなく業務を円滑に遂行するために必要な手順を記したものです。
よくマニュアルと混同してしまうものとして手順書がありますが、手順書はシステムやツールを的確に稼働させるために、業務で行う作業ごとの細かな工程を正確に記したものをいいます。
手順書(操作マニュアル)については「操作マニュアルとは?システム活用で成果を上げる作成・運用ポイントを解説」をご覧ください。
マニュアルは手順だけを記載するのではなく、全体的な業務の流れを踏まえたうえで、より効率的に業務を行うノウハウまで含まれるとされます。
そのため、システムやツールを効果的に活用するためには、マニュアルの存在が欠かせないといえるでしょう。
マニュアル作成のメリット
業務で使用するマニュアルには、「社内システム」におけるものと「顧客向けシステム」におけるものの2種類があります。
ここでは、マニュアルを作成するメリットを種類別に見ていきましょう。
社内システムにおけるマニュアル作成のメリット
業務の引継ぎや社員の育成が容易になる
マニュアルがあれば、業務の引継ぎを行う際にかかる手間や時間が大幅に削減可能です。
また、新入・中途社員や異動してきた社員の育成も容易になり、早期戦力化が期待できます。
業務の属人化が避けられる
マニュアルが存在しない場合、業務においてシステムやツールの使い方を熟知している社員による属人化が進んでしまいがちです。
マニュアルを参照してだれでも操作が可能になれば、担当社員の長期休暇や異動、退職などがあっても他の社員が業務を遂行できるため、業務を滞らせてしまうリスクの軽減につながります。
自社独自の使い方を浸透させられる
通常、システムやツールには基本的な内容を記したマニュアルが標準で添付されています。
しかし、業務内容によっては自社独自の使い方をしているケースも少なくありません。
そうした際、専用のマニュアルを作成しておけば、自社独自の使い方を社内に浸透させられます。
ミスが起きるリスクを軽減できる
システムやツールの扱い方を口頭で伝えるだけでは、ミスが起こりやすいうえ、ミスの原因を見つけ出すのも容易ではありません。
マニュアルとして明確に記しておけば、ミスが軽減することに加え、ミスが起きた際の原因解明もしやすくなります。
顧客向けシステムにおけるマニュアル作成のメリット
問い合わせ対応の手間を削減できる
マニュアルがあることで顧客の疑問点・不安点が解消され、使い方に関する問い合わせを軽減できます。
また問い合わせがあった際に、マニュアルをもとに話を進められるので、解決までの時間を短縮することが可能です。
顧客との継続的な関係性を構築できる
顧客側から見た場合でも、マニュアルがあれば問い合わせをする回数が減り、顧客自身の業務効率化が進むメリットが生まれるでしょう。
※問い合わせ対応の効率化については「問い合わせ対応における課題と効率化の実現方法をご紹介」をご覧ください。
その結果、顧客満足度が向上し、システムやツールを提供する企業への信頼感が生まれ、継続的な関係性構築の可能性が高まります。
マニュアル作成の手順
マニュアルを作成する際の手順について、「社内システム」「顧客向けシステム」の種類別に説明します。
社内システムにおけるマニュアル作成の手順
マニュアルを作成する業務プロセスを洗い出す
マニュアル作成では、業務の流れに沿って説明していく必要があります。
そのため、どの業務に対してマニュアルを作成するのかを明確にしたうえで、それぞれの業務プロセスの洗い出しと可視化を行い、マニュアルのアウトラインを作成します。
マニュアル作成のスケジュールを立てる
マニュアルの原案作成から修正、確認、校正など全体の工程を俯瞰(ふかん)したうえで、マニュアルを完成させる期間を設けます。
また、いつから運用を開始するかも含めてスケジュールを立てます。
業務プロセスに沿ってマニュアルを作成する
アウトラインをもとにマニュアルを作成します。
このとき、既存のプロセスを踏襲するだけでなく、プロセスやフローの見直しも行いましょう。
業務改善を加えたうえでマニュアルの作成を行うことは、業務効率化にもつながります。
作成したマニュアルによるテスト運用を行い、課題点を抽出する
マニュアル作成に加わっていない現場の社員にマニュアルを使ってテスト運用をしてもらい、「わかりにくい」「実際の業務に沿わない」といった部分を抽出します。
システムやツールの使い方だけではなく、「使われている表現がわかりやすいか」「図表や写真が効果的に挿入されているか」「初心者でもスムーズに業務を行えるか」などの観点で、マニュアル全体を確認してもらいましょう。
課題点を改善し、本格運用を始める
抽出した課題点を改善し、再度現場で確認してもらったうえで、問題がなければ本格運用を始めます。
顧客向けシステムにおけるマニュアル作成の手順
ターゲットを明確にする
マニュアルを利用するのが初心者なのか熟練者なのか、それにより、専門用語をどこまで使うか、基本操作は知っていることを前提にするのかなどが大きく異なります。
そのため、だれをターゲットにするのかを明確にします。
マニュアル作成に必要な情報を収集する
商品画像や仕様書、機能一覧などの情報をまとめましょう。
動画を使う場合は撮影も行います。
動画マニュアルについては「動画マニュアルとは?メリットやデメリット、作り方を解説」をご覧ください。
また紙媒体、Web媒体など複数の媒体で作成する場合は、それぞれのテンプレートも準備しなくてはなりません。
それらの情報をまとめたうえでマニュアルのアウトラインを作成します。
この際、ユーザーの技術レベルに合わせ専門用語や技術の説明をどうするかも統一しておくとマニュアル作成をスムーズに進めていけるでしょう。
マニュアルを作成する
アウトラインをもとにマニュアルの作成を行います。
複数人で作成する場合、明確化したターゲットの共有を必ずしておきましょう。
人によって異なるターゲット設定をしているとマニュアルとして成立しません。
社内テストを行う
作成したマニュアルにミスはないか、社内でテストを行います。
社内向けマニュアルと同様、ここで課題点の抽出・改善を繰り返し、問題がなくなれば完成です。
マニュアル作成における3つの課題
マニュアル作成はメリットばかりのように思えますが、いくつか課題もあります。
一般的なマニュアル作成における課題について見ていきましょう。
課題1:マニュアルの作成に多大な時間と手間がかかる
通常業務と並行してマニュアル作成に取り組まなければならないため、特に繁忙期になると、なかなかマニュアル作成まで手が回りません。
比較的時間があるときでも、マニュアル作成に必要な「画像」「仕様書」「機能一覧」などを収集し、整理してまとめるまでには多大な時間がかかります。
課題2:マニュアルを作成したが活用されず、問い合わせが減らない
多くの手間とコストを要して作成したマニュアルも、「所在が共有・認識されていない」「文言や文体の統一がされておらず読みにくい」「ページ数や情報が多すぎて知りたいことが見つけにくい」「簡潔すぎて理解できない」などの理由で、活用されないケースも少なくありません。
その結果、マニュアルを作成しても問い合わせ数が減らないといったことが考えられます。
課題3:マニュアルの内容が最新の状態に更新・改善されていない
システムやツールがバージョンアップされUI(ユーザーインターフェース)が変われば、マニュアルも更新しなければいけません。
古い内容のマニュアルでは、ユーザーの混乱を招きます。場合によっては古い情報が「誤った情報」になってしまうおそれもあります。
ユーザーから「使えないマニュアル」と判断されれば、その後利用されなくなってしまう可能性も高いのです。
マニュアル運用時の4つのポイント
上記の課題を解消し、多くの人に利用されるマニュアルの作成・運用を実現するポイントを説明します。
ポイント1:マニュアル作成用の体制を整える
1人や少人数にマニュアル作成を任せると、どうしても時間がかかってしまい、ミスが起きた際のマニュアルへの反映もおろそかになってしまいがちです。
そこでマニュアル作成チームを組み、余裕をもって作成・運用できるように複数人で作成する体制を整えます。
ポイント2:ポイントを押さえてマニュアルをまとめる
アウトラインの作成が不十分で、いきなりマニュアルを作成すると、専門用語の使用が統一されていなかったり、技術の説明が不十分になってしまったりと中途半端なマニュアルになってしまいます。
そのため、マニュアル作成前の段階で十分に検討を重ねたうえでアウトラインを作成する必要があるでしょう。
また、ユーザーの声を把握し、システムやツールにおける「使いづらい・わかりにくい」部分のマニュアルを重点的に作成するようにします。
ポイント3:マニュアルの保管先を明確にする
いざマニュアルを参照したいとなった際に、どこにあるのかがわからなければ意味がありません。
そこで、「だれもが探しやすい場所に保管する」「保管場所を1か所またはある程度数を絞ってまとめる」など保管先を明確にしておきます。
また、目次や見出しを設けることでマニュアルのなかから欲しい情報を探しやすくする工夫も行うとよいでしょう。
ポイント4:定期的にマニュアルの見直しを行う
システムやツールのバージョンアップに合わせ、マニュアルのバージョンアップも欠かせません。
また普段から定期的に見直しを行い、マニュアルに記載されていない注意点やポイントを見つけたら必ず修正して共有します。
見直し・改善を見越して、最初は必要最低限なものを作成して運用し、徐々に改善していくと効率的です。
ほかにも効果的な方法として、マニュアル作成ツールを活用すれば、作成にかかる時間と手間を軽減できます。
ただし、そもそもマニュアルを見ない社員がいる場合もあり、作成ツールの活用だけでは事態の解決には至りません。
そこでおすすめしたいのが、システムの操作をリアルタイムにナビゲーションするようなサービスの活用です。
画面上に操作ガイドを表示するこのサービスを活用すれば、マニュアルがなくてもシステムの定着化を推進することが可能です。
このようなサービスは「デジタルアダプションプラットフォーム」と呼ばれます。
デジタルアダプションプラットフォームは、システム運用の定着化をフルサポートします。
ユーザーに喜ばれるマニュアルを作成しよう
マニュアルは業務効率化を目的として作成されるものであるため、活用されなくては意味がありません。
また、作成に多大な時間やコストがかかってしまうのも大きな課題のひとつです。
マニュアルの精度によっては業務効率化が進まず、属人化が解消できない可能性もあります。
このようなマニュアル作成における課題を解決するためには、ポイントを押さえてマニュアルの運用を進めることが重要です。
デジタルアダプションプラットフォームの導入も、解決策のひとつとなります。
デジタルアダプションプラットフォームでは、システムの操作をリアルタイムにナビゲーションすることが可能なため、マニュアルがなくともスムーズな定着化が可能です。
結果的にマニュアルの必要性が減り、工数削減にもつながるでしょう。
マニュアル作成を行いたいものの何から手を付けたらよいのかわからないときや、リソース不足で時間を割けない場合は、デジタルアダプションプラットフォームの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
デジタルアダプションプラットフォームについては、「デジタルアダプションプラットフォームとは?そのメリットと活用のポイント」をご覧ください。
テックタッチが提供するデジタルアダプションプラットフォームはプログラミング不要でだれでもナビゲーションを作成でき、即時にシステムへの反映が可能です。
またシステムの操作をリアルタイムにナビゲーションする機能もあります。
それにより、マニュアル作成の負担軽減が実現するだけでなく、ユーザーが正しい操作を行うことができるようになります。
お困りの際はぜひご相談ください。