人事給与システムとは、職員の人事情報管理や給与計算、勤怠管理、福利厚生などを一元的に処理する基幹業務システムです。
自治体や官公庁では、職員数や制度の複雑さから高い精度と柔軟性が求められるため、導入実績やサポート体制が充実した製品が選ばれやすい傾向にあります。
本記事では、自治体・官公庁での人事給与システムの導入状況や主要ベンダーの市場シェアをご紹介し、導入時のポイントも解説します。
また、記事内では人事給与システムの定着に役立つDAPツールの「テックタッチ」も併せてご紹介。

12の公共団体 で導入済!

公式HPへの導入
問合せ件数約40%減 FAQ閲覧数約2.3倍

電子申請共通システムへの導入
1人あたりの操作時間を約63%短縮 約85%が必須項目がわかりやすく なったと回答
そもそも人事給与システムとは?
人事給与システムとは、職員または従業員の人事情報、勤怠管理、給与計算、社会保険や税金処理などを一元的に処理するデジタル基幹システムです。
給与明細や年末調整の自動化、勤怠打刻との連携、法改正への対応もスムーズに実現でき、ヒューマンエラーの軽減や業務効率化が図れます。
特に自治体や官公庁では、公務員の複雑な俸給表や多様な雇用形態、頻繁な制度改正に対応できる柔軟性が重要で、公的機関特有の仕様に特化した機能や、LGWANとの連携を持つシステムが多数採用されています。
自治体向け人事評価システムとは?おすすめ製品7選と導入メリット・選び方を解説
人事給与システムの市場シェア!自治体や官公庁での導入率は?
まず、一般企業における人事給与システムの市場シェアについては、株式会社PIGNUSが行った調査によると2023年時点では以下の通りです。
- SmartHR:22.6%
- Dynamicsシリーズ:22.3%
- ジョブカンシリーズ:14.5%
- 奉行シリーズ:4.9%
- オフィスステーションシリーズ:4%
- その他:31.7%
出典元:Fitgap
一方で、自治体・官公庁における人事給与システムでは、運用が未だに十分には進んでいないのが現状です。
総務省によれば、2023年4月時点で市区町村の76.6%が人事給与システム上で電子決裁を導入しておらず、依然として紙と表計算ソフトに頼る自治体が多数を占めています。
自治体での人事給与システムの運用が進まない理由は以下の通りです。
- さまざまなコストがかかる
- 制度改正対応のための保守負担が大きい
- 公務員の働き方の特殊性
上記の理由から、今後は標準化に向けた政策の後押しやクラウド移行などの対策が急務といえます。
【2025年最新】自治体向け人事給与システムおすすめ比較14選!タイプや選び方も解説
自治体向けに求められる人事給与システムの機能
自治体における人事給与業務は、複雑な給与体系や異なる雇用形態への対応、公的制度の改正など、一般企業と比べて高度な運用が求められます。
そのため、自治体向け人事給与システムには、業務負荷を軽減しつつ正確性と透明性を担保する機能が欠かせません。
ここでは、実際に自治体で求められている主要な機能について解説します。

給与計算の効率化
自治体向け人事給与システムにおける「給与計算の効率化」は、日常業務の大幅な省力化と正確性の向上を目的としています。
自治体では、常勤・非常勤職員の混在や、複雑な手当・控除項目、俸給表の適用など、給与計算に関わる条件が多岐にわたるため、人的ミスや業務の属人化が起こりやすい傾向があります。
人的ミスや属人化を解消するために搭載されている機能の例は以下の通りです。
- 勤怠情報や異動履歴と連動した自動計算機能
- 多様な支給パターンへの対応
- 計算結果の事前試算・確認機能 など
上記の機能が搭載されている人事給与システムなら、限られた人員体制でも安定した給与支給業務の運用が実現できます。
職員情報の一元管理
自治体向け人事給与システムで求められる「職員情報の一元管理」とは、個人情報や給与・勤怠などを一つのプラットフォームで統合・可視化できる機能を指します。
例えば、一元管理が可能な人事給与システムで異動の発令を入力すれば、給与体系や手当の適用も即座に切り替わり、制度改正や年次更新への対応も容易です。
また、住民税・保険料など外部機関から取得する情報も一括取込可能な人事給与システムもあり、手入力や二重入力の負担軽減にも役立ちます。
高度なセキュリティ機能
自治体向け人事給与システムにおいて「高度なセキュリティ機能」は、個人情報や給与データなどの機密情報を堅牢に守るための要となる要件です。
実際に求められる設計・運用は以下の通りです。
- 三層分離モデル(αモデル)への対応
- LGWANやネット接続時の通信経路の暗号化
- 厳格な認証・認可管理
- 日々の脆弱性診断や障害発生時の迅速な対応・報告体制
自治体に適した人事給与システムでは、三層分離によるネットワーク隔離から多要素認証・暗号化通信、防御体制、運用監視まで、多層的かつ運用に耐えるセキュリティ設計が必須です。
自治体情報セキュリティクラウドとは?導入メリットから注意点を解説

自治体向けの人事給与システムの選び方
自治体が人事給与システムを導入・刷新する際には、単に機能が豊富な製品を選べば良いというわけではありません。
自治体特有の運用ルールや業務フローに対応できる柔軟性、費用対効果、既存システムとのスムーズな連携、そして職員が使いこなせる操作性など、複数の観点から慎重に検討する必要があります。
ここでは、自治体が人事給与システムを選定する際に重視すべきポイントを解説します。

コストの面はどうか
自治体が人事給与システム導入にあたり注目すべき「コスト面」は、おもに以下の3つの観点から検討が必要です。
項目 | 概要 |
初期導入費用 |
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ランニングコスト | 法改正や制度変更時にも追加改修費が不要なモデルが望ましい |
トータルコスト | 導入時だけでなく、運用期間中にどれほど費用対効果が得られるかを検討する必要がある |
上記を踏まえて、バランスを見極めながら、予算制約内で最大の効率化を図るシステムを選ぶ必要があります。
他ツールとの連携は可能か
自治体向け人事給与システムを選ぶ際、「他ツールとの連携」ができるかは、業務効率化や情報精度向上に直結する重要なポイントです。
チェックしておくべき連携機能は以下の通りです。
- 勤怠管理システムや給与計算ソフトとの自動連携
- APIを通じての外部ツールとのリアルタイムなデータ連携
- CSV連携 など
自治体向けシステムを選ぶ際は、APIによるリアルタイム連携、CSVファイル連携の柔軟性、勤怠・財務など周辺ツールとの接続実績などの観点からも選定するようにしましょう。
使いやすいシステムであるか
自治体向け人事給与システムの「使いやすさ」は、そのまま導入成功に直結します。
使いやすいシステムかを評価するために確認すべき項目は以下の通りです。
- UIのわかりやすさ
- 教育コストの低さ
- 操作マニュアルやヘルプ機能の有無 など
仮に使い勝手が悪いと、職員が十分に活用できずに業務フローへの定着も進まず、むしろ工数が増加し組織全体のパフォーマンス低下や人的ミスのリスクが高まります。
人事給与システムの操作に対する理解を促進し、システム利用の定着率を上げるのに役立つのがDAPツールの「テックタッチ」です。

「テックタッチ」なら画面上で操作手順がわかるようになる!
自治体向け人事給与システム導入後に課題となるのが「現場の定着率」です。
この定着率を上げるのに活用されるのがマニュアル・研修ですが、これらは時間・コストがかかり、職員からの問い合わせや操作ミスが繰り返され、システムの利用率向上を阻む場合があります。
マニュアル作成・研修のデメリットを解消し、現場の定着率を向上させられるのが「テックタッチ」です。
テックタッチは、画面上にデジタルガイド・ツールチップを表示できるDAPツールで、マニュアルを参照せずにシステムを操作できます。
また、テックタッチはノーコードで開発・運用が可能であるため、現場サイドでの改善・更新も容易です。
テックタッチを人事給与システムに導入すれば、マニュアル作成・更新の工数が大幅に削減されるだけでなく、職員が迷わず業務を遂行できるため、システム利用率が飛躍的に向上します。
【2025年】自治体向け人事給与システムおすすめ比較15選
ここでは、2025年最新のおすすめの自治体向け人事給与システムを15選紹介します。

- 1.公開羅針盤(株式会社両備システムズ)
- 2.e-ActiveStaff 人事給与(株式会社内田洋行)
- 3.IPKNOWLEDGE 人事給与(富士通株式会社)
- 4.COMPANY(株式会社Works Human Intelligence)
- 5.e-SUITE人事給与システム(株式会社ジーシーシー)
- 6.ジョブカン給与計算(株式会社DONUTS)
- 7.スマカンPublic(One人事株式会社)
- 8.マネーフォワード クラウドERP(株式会社マネーフォワード)
- 9.SuperStream-NX 人事給与ソリューション(キヤノンITソリューションズ株式会社)
- 10.SmartHR(株式会社SmartHR)
- 11.freee統合型ERP(フリー株式会社)
- 12.ADPS(カシオヒューマンシステムズ株式会社)
- 13.ジンジャー給与(jinjer株式会社)
- 14.TimePro-NX(アマノ株式会社)
- 15.Gozal(株式会社Gozal)
1.公開羅針盤(株式会社両備システムズ)
公開羅針盤は、自治体の業務スタイルに最適化された設計が特長のシステムで、人事給与に特化したシステムも提供しています。
「見える化」「連携」「セキュリティ」「働き方改革」の4点から職員の業務効率とスムーズな情報共有を実現できます。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://service.ryobi.co.jp/public_solution/gv-group-ware/ |
2.e-ActiveStaff 人事給与(株式会社内田洋行)
e‑ActiveStaff® 人事給与・庶務事務は、自治体内部業務を一括管理し、DX とペーパーレス化に対応する総合パッケージです。
中小規模自治体でも導入しやすく、運用負担を軽減しながら効率的な業務基盤が構築できます。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://www.uchida.co.jp/localgovernment/products/inside/jinji_kyuyo_shomu/ |
3.IPKNOWLEDGE 人事給与(富士通株式会社)
IPKNOWLEDGE 人事給与は、公共分野にも豊富な導入実績がある人事給与システムです。
自治体の実務要件に対応し、クラウド展開や内部業務のデジタル化を通じてコスト削減と職員の負担軽減を両立できます。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/public-sector/local-government/solutions/ipknowledge/payroll/ |
4.COMPANY(株式会社Works Human Intelligence)
COMPANYは、自治体DXを推進するクラウドシステムで、豊富な実績と高い信頼性があります。
プログラム改修費用が発生しない月額ユーザー定額制で、制度変更に対して常に最新機能にバージョンアップの対応が可能です。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://www.works-hi.co.jp/ |
5.e-SUITE人事給与システム(株式会社ジーシーシー)
e-SUITE人事給与システムは、自治体業務に精通したGCCの知見から生まれた独自のパッケージです。
複雑な任用形態や勤務形式に対応し、システムに不慣れな職員にも優しい操作性を実現しています。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://lp.gcc.co.jp/products_jinkyu_shomu.html |
6.ジョブカン給与計算(株式会社DONUTS)
ジョブカン給与計算は、一連の業務サイクルをクラウドで完結できる人事給与システムです。
自動計算・電子化・タスク管理により、事務負担とミスを大幅に削減可能です。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://payroll.jobcan.ne.jp/ |
7.スマカンPublic(One人事株式会社)
スマカン Publicは、公務員制度特有の処理に標準対応しつつ、給与・勤怠・人事評価・庶務・マイナンバー管理を含む包括的な人事給与システムです。
自治体・独立行政法人・大学・病院などの公共セクターにおけるDXと業務効率化に役立ちます。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://smartcompany.jp/public/ |
8.マネーフォワード クラウドERP(株式会社マネーフォワード)
マネーフォワード クラウドERPは、経理から人事・勤怠・給与・年末調整などバックオフィス業務を広くカバーするクラウド統合システムです。
大小問わない規模の組織も対応可能な設計で、業務効率化とクラウド移行を目指す組織に適しています。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://biz.moneyforward.com/erp/ |
9.SuperStream-NX 人事給与ソリューション(キヤノンITソリューションズ株式会社)
SuperStream‑NX 人事給与ソリューションは、ERP基盤の強みである高い拡張性と包括的な業務統合力を活かした人事給与システムです。
組織またはグループ全体の人事労務業務をデジタル化・効率化できます。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://www.superstream.canon-its.co.jp/product/wage |
10.SmartHR(株式会社SmartHR)
SmartHRは、給与・勤怠・年末調整から評価やサーベイまで幅広くカバーするクラウド型人事プラットフォームです。
操作性・アクセシビリティに優れ、従業員・管理者双方が使いやすい設計が特徴的です。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://smarthr.co.jp/ |
11.freee統合型ERP(フリー株式会社)
freee 統合型ERPは、会計から人事労務まで、バックオフィス業務を1つのクラウド環境で統合できる次世代型ERPです。
導入支援サービスも充実しており、業務改革を目指す場合に適したERPといえます。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://www.freee.co.jp/sales-management/togo-erp/ |
12.ADPS(カシオヒューマンシステムズ株式会社)
ADPSは、人事・給与・勤怠・申請・マイナンバー管理をオールインワンで提供する統合型人事システムです。
導入事例も豊富で、特に属人化の解消や業務効率化を目指す組織に適しています。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://www.casio-human-sys.co.jp/solution/adps.html |
13.ジンジャー給与(jinjer株式会社)
ジンジャー給与は、人事給与に関する業務を一つのクラウド基盤で完結できる統合型ソリューションです。
シンプルで使いやすい操作性と充実したサポート体制も特長です。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://hcm-jinjer.com/payroll/ |
14.TimePro-NX(アマノ株式会社)
TimePro‑NXは、勤怠からシフト管理、給与連携までカバーする統合型勤怠システムです。
クラウド/オンプレ導入の選択肢を重視する組織に適した勤怠システムといえます。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://www.amano.co.jp/tis/line-up/timepro-nx/ |
15.Gozal(株式会社Gozal)
Gozal給与チェックは、人力によるエラー確認の手間をクラウド上で自動化し、柔軟な設定と他システム連携によって業務効率とミス抑制を高められるツールです。
給与計算の精度と安心感を追求したい組織に適しているといえます。
機能 |
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価格 | 要お問い合わせ |
URL | https://gozal.co.jp/ |
人事給与システムを導入した事例
ここでは、実際に人事給与システムを導入した自治体の成功事例を紹介します。

兵庫県尼崎市の事例
尼崎市では、10年以上使用していた既存の人事給与システムにさまざまな課題を抱えるようになり、「公開羅針盤+C 人事給与システム」を導入しました。
おもな内容は以下の通りです。
導入システム | 公開羅針盤+C 人事給与システム |
課題 |
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解決策 |
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成果・効果 |
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宮城県宮城県の事例
宮城県では、昭和48年から使用していた給与システムが老朽化し、機器更新・プログラム改修が繰り返されて複雑化してしまっていました。
そこで、新たな人事給与システムとして「スマカンPublic」を導入。
おもな内容は以下の通りです。
導入システム | スマカンPublic |
課題 |
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解決策 |
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成果・効果 |
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福井県あわら市の事例
2020年から会計年度任用職員制度を開始したあわら市では、約250名在籍している会計年度任用職員に関する業務負担解消が喫緊の課題となっていました。
そこで、人事給与システムの「COMPANY on LGWAN/COL」を導入。
おもな内容は以下の通りです。
導入システム | COMPANY on LGWAN/COL |
課題 |
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解決策 |
|
成果・効果 |
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まとめ:自社に適した人事給与システムを導入して業務を効率化しよう
人事給与システムは、業務の効率化やミス削減、法改正への迅速な対応といった面で大きな効果を発揮する重要な基幹システムです。
特に自治体では、複雑な制度や多様な職員形態への対応が求められるため、制度に即した柔軟な設計と堅牢なセキュリティが不可欠です。
しかし、どれほど高機能なシステムでも、操作性が悪ければ現場に定着せず、結局は属人的な運用に逆戻りしてしまう恐れがあります。
仮に、ITリテラシーに不安のある職員が多い自治体や組織であれば、「誰でも使いこなせる仕組み」を同時に構築する必要があります。
そこで解決策としておすすめなのが、4年連続で国内DAP市場シェアNo.1を誇る「テックタッチ」です。
テックタッチを人事給与システムに導入すれば、画面上にリアルタイムの操作ナビゲーションを設置でき、ユーザは迷わず必要な作業を進められるようになります。
人事給与システムの導入効果を最大化するには、業務に合った人事給与システムの選定に加えて、その運用を支えるツールや体制の整備も重要です。
現場の負担を軽減し、組織全体の生産性を高めるためにも、テックタッチの導入をご検討ください。



